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美味しいだけじゃダメ? フードコンサルタント・宮崎政喜さんに聞く、売れるお店の作り方

美味しいだけじゃダメ? フードコンサルタント・宮崎政喜さんに聞く、売れるお店の作り方

「売れるお店」を作るために必要なこととは、一体なんでしょうか。

今回お話を伺ったのは、フードコンサルタントの宮崎政喜さん。宮崎さんは、これまで200店舗以上の飲食店の立ち上げをサポートしてきました。

そんな宮崎さんに伺ったのは、ズバリ、売れるお店の作り方。宮崎さんは、売れるお店を作るには押さえておくべき2つのポイントがあると語ります。

<プロフィール>
宮崎政喜さん
料理人/フードコンサルタント / エムズファクトリー合同会社 代表

岐阜県出身。
実父で10代目の農家の家に生まれる。

アパレル企業に就職。その後一念発起して、飲食業の道へ。
上京し専門学校に通いながら、イタリア料理店での勤務を経験する。後にイタリアへ料理留学をし、帰国後は飲食経営を指導するコンサルティング会社に就職。3年勤めた後に独立する。

料理を作る「料理人」としての側面と、200店舗以上の飲食店の立ち上げや、地方の加工品、特産品のプロデュースといった「コンサルタント」としての側面を掛け合わせ、「食」をテーマにさまざまな事業を展開する。

「美味しい料理」だけじゃ「売れるお店」は作れない!

――「食」をテーマにさまざまな活動をされている宮崎さん。まずは現在のお仕事について、簡単にお聞かせいただけますか?

宮崎さん
かなり幅広いので、全部はお伝えできないのですが、まず代表的な仕事を挙げると、飲食店の立ち上げのプロデュースですね。

これまで、200店舗以上の飲食店の立ち上げを担当させていただきました。お店のコンセプト固めやメニュー作り、物件探しなど、開業に必要なさまざまな工程をサポートしています。

もう1つ代表的なのは、行政の専門家としての側面ですね。

――行政の専門家ですか?

宮崎さん
ええ。各省庁はそれぞれの分野のエキスパート(=外部専門家)を招致しています。

例えば昨今のコロナウイルス対策における、コロナ対策分科会の尾身茂会長をご想像いただくと、分かりやすいかもしれませんね。

私の場合は、経済産業省と農林水産省に専門家として依頼を受け、日本全国の各ご当地にある名産品のプロデュースなどを行っています。

こちらも企画立ち上げからレシピ開発、製造指導、販路開拓まで一貫してサポートしていますね。

他にも飲食店経営を教える専門学校の講師として、開業に関するノウハウを教えていたり、他にもいくつか事業を行っています。

――ありがとうございます。元々は「料理人」としてキャリアが始まったそうですが、なぜこうしたプロデュース業をされるようになったのでしょう?

宮崎さん
料理の道を志して間もない時、地元の岐阜にあった、とても美味しいお寿司屋さんが潰れてしまったんです。

みんな100円の回転寿司にはこぞって足を運ぶのに、こんなにも味の美味しいお寿司屋さんが、なぜ潰れてしまうんだろうと。

その時「美味しい料理だけじゃ、売れるお店は作れない」と痛感したんです。

――少々極端に言えば「味だけで、商売が繁盛するわけではない」ということですね。味が美味しいことはもちろん、価格や立地など、さまざまなニーズが組み合わさって「売れる店」が生まれると。

宮崎さん
そしてその「売れる店」を作る上での答えは、きっと経営やマネジメントといった分野にあるんじゃないか思い、上京したんです。上京後は経営の学校でマネジメントやプランニング、販売促進について学びました。

つまり「誰に何をどう売るのか」というところ、ですね。

また料理人としてはイタリアへ留学し、料理の腕を磨きました。帰国後は飲食経営を指導するコンサルティング会社へ入社。

その後、独立して今のような活動に至るのですが、現在の仕事はいずれも料理と経営、2つのスキルを掛け合わせて成り立っています。

経営資源は「特別なスキル」だけじゃない。自分の強みを見つけるために必要なこと

――200店舗以上の飲食店の開業に携わってきた宮崎さんに、ぜひ伺ってみたいことがあります。飲食店を開業して、上手くいく人といかない人の違いはどこにあるものなのでしょうか?

宮崎さん
上手くいく人の特徴は、大きく2つあると思っています。

1つ目は、自分の店ならではの経営資源が見えているかどうか。すなわち自分の店の「強み」をちゃんと理解して、それを活かすような店づくりができているかですね。

――強みを活かすというのは、どういうことでしょうか?

宮崎さん
当たり前ですが、その店によって「強み」は異なります。私が開業をお手伝いしたお店のケースですと……
・日本酒が好きすぎて唎酒師(※)の資格を取得した、女性オーナーさん。日本酒好きがこうじて酒蔵とつながりができ、その結果、普通の居酒屋では出回らないような希少性の高いお酒を仕入れることができるようになり、女性のお客さまだけでも気軽に飲めるお店を作る。
・ニンニク料理店を開業した、元医療従事者のオーナーさん。ニンニクが好きすぎるが故に知見が深く、プロの料理人よりも美味しい「究極のペペロンチーノ」の作り方を考案した。この作り方は発明である。
・離島を除く都内唯一の村、檜原村にカフェスペースを開業した、元箱根のペンションマネジャーの方。自然が豊かでキャンプやBBQなどに訪れる観光客が多いにもかかわらず、飲食や休憩ができる場所が檜原村にないことに気づく。周りの反対を押し切って開業し、大繁盛する。
宮崎さん
といった感じでしょうか。

他にも挙げればキリがないですが、いずれも共通しているのは、どのお店もその店ならではの強みが明確にあるんですよね。

※ききさけし。日本酒のソムリエとして、美味しい飲み方や楽しみ方を提案するプロフェッショナル。

――「強み」というと、何か“特別なスキル”のようなものを持ち合わせていないといけないのかと思ってしまいますが、必ずしもそうではないんですね。

宮崎さん
ええ。もちろん他の競合を圧倒するスキル(例えばその人しか作れない、できないものがあるなど)は、分かりやすく強みになりえますが、ではスキルだけが強みになるかというと、そうではありません。

宮崎さん
例に挙げたように、人と関係値を構築する力や、その土地の潜在ニーズ・地域課題に気づく力なども、強みになりうるわけです。

肝心なのは、自分の強みを自分自身がちゃんと理解しているかどうか。そしてその強みを軸に、どうビジネスを展開するかを考えることではないかなと。利益を出せる仕組みづくりです。

――自分の強みを見つける、理解するにはどうしたらいいのでしょうか?

宮崎さん
超アナログですが、気づくまで動くしかありませんよね。

意外と見落としてしまいがちなのですが、強みというのは、ぼーっとしていても気づくことができません。

何か行動を起こさなければ、自分の強み・経営資源に気づくことができないんです。

――強み。平たく言えば「自分の得意なこと」。自分には何が向いていて、どんないいところがあるかは、あらゆることをやってみないと分からないと。

宮崎さん
ええ。だから自分の店を開業したいなら、自分のいいところ、もしくは自分の店の持っているいいところを明確化した方がいいですね。

そのために、自分が好きなものや興味のあるものについて、より深く学んでみるのもいいでしょうし、これまでの仕事を一度振り返って、経験/実績、人脈を改めて整理をしてもいいでしょう。

人とのコミュニケーションを通じて、自分の強みを発見することもありますから、交流会やイベントなどに参加するのもいいかもしれません。

独立・開業は「孤独」になること。でも孤独を恐れない

――もう1つの特徴はなんですか?

宮崎さん
事業への本気度です。

これは精神論みたいな話になってしまって恐縮ですが、結局はそこに尽きます。

「他に事業をされていて、その節税対策をするために自分の店を持ちたい」という方や、「他の誰かが資金を援助してくれるから、店でも始めてみるか」という方がごく稀にいらっしゃいます。

しかし「店を開業すること」が目的になってしまっている方の多くは、長くお店を続けることができません。

対して「事業に人生を賭けている」くらいの熱量、本気度をお持ちだと、先ほどお話しした強みももっと真剣に考えていらっしゃったり、何より苦しくても諦めない方が多いですね。

ここには「情報」というエビデンスが紐づいております。諦めない心の支えに しっかり情報の裏付けがあるわけです。本気度の高い方は、情報リテラシーも高いです。

――最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

宮崎さん
独立・開業をされる方にとって、少し未来の話をしたいと思います。みなさんにどんな未来が訪れるのか。それは例外なく「孤独」になるということ。

ただそれをネガティブに捉えないでいただきたくて。孤独って怖いものはありませんし、むしろ孤独であることを楽しんで欲しいのです。

1人でいるということは、自分の行動をコントロールできるということ。会社という枠組み、しがらみに囚われることなく、自分のやりたいように自分を動かせるんです。

一生懸命に事業に取り組んでいれば、成果はきちんと出てきます。そして失敗をしても二度と同じことを繰り返さなければ、失敗の芽は消えていく。

そして一見矛盾しているようにも見えますが、孤独を楽しむためにも、繋がりや仲間が必要です。一度でも開業した方が これを聞けば 深くうなずくでしょう。

本気で事業をしていれば、自然と繋がりや仲間、協力者は必ずできますし、苦しい時には、そうした仲間が力になってくれる。

孤独と繋がりをリアルに感じられるからこそ、独立・開業は面白いんじゃないかと思います。自分の強みを見つけて、ぜひがんばってみてください!

取材・文・撮影=内藤 祐介

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