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疲れを癒やし、思い通りに動ける体をつくる。 独自の治療メニューで個性を打ち出す。

疲れを癒やし、思い通りに動ける体をつくる。 独自の治療メニューで個性を打ち出す。

原健介(はら・けんすけ)

1970年生まれ。日本体育大学卒業後、専門学校へ進学、各種国家資格を取得。2009年に横浜青葉区にて開業。2016年に三軒茶屋と渋谷を結ぶ国道246沿い三宿交差点近くに〈ハラハリ はら鍼治療院〉を移転オープン。原さん考案の体幹トレーニングBCTの導入によって日本体育大学 駅伝部は2013年の箱根駅伝で30年ぶりの優勝を果たした。

大学卒業後、15年の修行を経て開業。「癒やし」と「体づくり」の両面からケアする独自メニューで注目される小さな診療所には、近所のおばあちゃんからセミプロレベルのアスリートまでが訪れているとか。独立にあたっては自分の名前で勝負することに強いこだわりがあったと語るオーナーにお話を伺いました。

患者さんのON(体づくり)と
OFF(癒やし)を巧みにスィッチ。

――半分は診療室、もう半分は体を動かすジムのようなユニークなつくりですね。治療院という感じではありませんね。

原:当院では鍼やマッサージによる治療と同時にアスリートとしてのポテンシャルを高める個別トレーニング指導も行っています。こちらの診療室で体を整えたら、こちらでトレーニングという流れにするため、あえて分割した作りになっているんですよ。

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――なるほど。工夫されていますね。スペースごとに色を変えているのも何か狙いが?

原:診療室はぬくもりを感じるアースカラー。一方のトレーニングスペースはアクティブな印象にしています。おいでになった患者さんが、心のスィッチを切り替えられるようにしています。

――さきほど話題に出た、BCTとはなんでしょうか?

原:BCT(Base Control Training)は私が考案したトレーニングの手法です。人が本来持っている能力を最大限に引き出し、自在に動ける体を作ろうと言うのがコンセプトのトレーニングです。それをアスリートレベルのものにしたのが、このBCTです。

――だとすると、患者さんはアスリートの方が多いのでしょうか?

原:いえいえ、そんなことはありませんよ(笑)。市民ランナーの方からギックリ腰でお困りのご近所の方まで、幅広い世代の方に通院いただいています。あくまでここは治療院ですからね。ある特定の方だけを診療することはありませんよ。手狭な診療所ですから、診療はほぼマンツーマン。じっくり患者さんと向き合いながら取り組んでいます。

移転のきっかけは患者さんからのラブコール。
よりよい医療提供のため、西から東へ。

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――渋谷駅からバスで数分。有名人も多いこの「三宿」に移転オープンしたのが昨年の5月だそうですね。それ以前も診療所をされていたのですか?

原:はい。それまでは横浜で平屋の一軒家を改造した治療院を運営していました。その時に使っていた器具やインテリアもこちらに持ってきていますので、それほど大きく雰囲気は変わってはいないですね。

――あえて東京に移転したのには理由があるのですか?

原:横浜の診療所では、通常の診療に加えて、私の母校である日本体育大学 駅伝部の専属トレーナーとして選手の治療やフォローも行っていました。そういったアスリートの方を多く診ていたからでしょうか、営業しているうちに東京からも患者さんがおいでになるようになってきました。そんな患者さん達から「横浜だと通院に時間がかかる。もっと東京の方に来てください」との声をいただいたのがきっかけでした。

――この場所で再オープンしたのにも理由が?

原:全くの偶然ですね(笑)。横浜方面から東京に向かうエリアで物件探しをスタートさせました。ちょっとずつ東京に近づいていく中で、偶然こちらのビルのオーナーとの良いご縁があったのです。確かな治療を提供することができれば、必ず人は来てくれる。それを信じていたので、それほど場所にこだわりはなかったです。

――独立時のことや治療院を開業するまでのご苦労をお聞かせください。

原:私は大学時代から学生トレーナーとして活動していて、将来はその方面に進みたいと思っていました。大学卒業後はスポーツ鍼の第一人者だった小林尚寿という先生のもとで修行しました。「無給でいいから側に置いて欲しい」という人が後を絶たないほどの有名な先生でしたので、修行の場としてはとても厳しかったわけですが15年間必死にがんばりました。

―― 一番弟子のような存在になられたのでは?

原:結果的にそうなりましたね。15年の歳月を経て、私にもそれなりの技術と自信がついたと同時に先生もご自身の引退を考えはじめられました。独立を意識しはじめたのはちょうどその頃でしょうか。

―― 先生の意思と技術の後継者というわけですね。

原:いえ、そこには私なりのこだわりがありました。もちろん小林先生の分院という形での開業も薦められましたけれど、やはり「原」の名前のついた診療所で勝負したかったんですね。絶対に先生のネームバリューに甘えない。患者さんを元気にするもしないも自分の技術ひとつ、15年で築いた経験を自分の名前で提供したいと思ったわけです。

さらなる体の進化をアスリートのために。
心まで解きほぐす、よりよい治療を地域のために。

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―― 今後の目標はどんなものでしょうか?

原:2つの目標を持っています。まず1つはBCTの普及です。少し時間的な余裕がある時は、定期的に実業団やランニングチームに対してBCTの指導を行っていますが、この治療院はその活動の大切な拠点になっています。これからもその活動には力を入れていきたいですね。
もう1つは、もっと地域に親しまれる治療院になることです。今は、スポーツジムのような感覚で利用される方も少なくありませんが、当院の本質であり、私がこの世界に足を踏み入れたのはやはり「人を治療して癒やすこと」に他なりません。その原点を大切にしつつ、体の不調にお困りの多くの方をサポートしたいと考えています。

―― 目指すは地域のゴッドハンドですね。

原:そんなとんでもない!(笑)。確かにたまにそんな風におっしゃる方もいますけれど、かなり照れくさいですよ。私は1人の技術者として治療の技術を学び、それを患者さんのために役立てているだけなのですから。正直に、真面目に、真剣に患者さんと向き合うことをこれからも大事にしたいですね。

取材・文/池ノ内契忠 撮影/難波宏

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