「収入を増やすための方法」と聞いて、あなたは何を思い浮かべますか?
会社員の方であれば、昇給や会社の売り上げに貢献し、ボーナスをたくさんもらうなどといった方法が思いつくのではないでしょうか。
一方で、もっとシンプルに収入を増やす方法があります。それは収入口そのものを増やすこと。
今回お話を伺ったのは、経済評論家の横川楓さん。
横川さんは経営学修士(MBA)やファイナンシャルプランナーなどの資格を有し、現在はお金の専門家としてお金の知識の啓蒙するため、個人に対するアプローチや企業や官公庁などのアドバイザー、各種メディア出演などを行い、税理士事務所にも在籍されています。
今回は横川さんに、収入を増やすために必要なこと、そして独立・起業に必要な条件について伺いました。
横川楓さん
ミレニアル世代の経済評論家・お金の専門家
明治大学法学部卒、その後同大学院へ進学、24歳で経営学修士(MBA)を取得。
実家は会計事務所を経営している。同年代の友人たちのお金に対する意識と、将来の資産形成、所得格差、年金問題、増税など、これからの日本を担う世代に振りかかる様々なお金の問題との乖離に疑問を持ち、お金の知識の啓蒙活動を開始。
ファイナンシャルプランナー(AFP)や、マイナンバー管理アドバイザー、マネーマネジメント検定等の資格を取得する。
若い世代にお金の知識を知ってもらうために。お金の専門家になった理由
―現在に至るまでの経緯を教えてください。もともとご実家が会計事務所を経営していると伺いました。小さい頃から横川さんは、お金に対するリテラシーは高かったのでしょうか?

そうかもしれません。私は母子家庭だったのもあり、小さい頃から母がお金にまつわる話をしてくれていたので。
実家のこともあってか、自然とお金に関係する仕事に就きたいなとは、漠然と思っていました。
大学を卒業後は、社会の仕組みや経営、組織、税金のことについてもっと深く学ぶために大学院へ進学しました。
―現在の活動はなぜされるようになったのでしょう?

何よりもまずは、日々自分の周りの友達の、お金に関するリテラシーの差にとても驚いて…。
その時に自分の持っている知識で、周りの人達の悩みを解決できるんだな、と気がついたんです。
―それが現在の活動の原点なのですね。

お金ってちょっと難しいというか、とっつきづらい側面もあって。
すでに出回っているお金の貯め方や投資の仕方も、少し上の世代の、お金を持っている人の話で上級者向けだったり…。
しかもこの資本主義経済社会を生きていく上で、お金は必要不可欠なものではありますし、知らないばかりに損をしてしまうこともたくさんある。
そこでもっと若い世代にも、等身大の目線でお金に関する知識を広めていこうと思い、今の活動に至っています。
「収入=給与」ではない。固定観念に縛られず、安定して収入を稼いでいくために必要なこと
―現在のお仕事の内容について教えてください。

幅広くお金の知識を知ってもらうために、色々な活動をしています。
個人の方の相談に乗ることもありますし、セミナーをしたり、大きな案件でアドバイザーをすることもあります。
他にもお金の専門家として、雑誌や新聞、Webなどでの連載や、今年はTV出演や書籍を出させていただいたり、メディア系のお仕事もさせていただいています。
―そんな様々な方のお金の悩みを聞いてこられた横川さんが、アドバイスをされる上で大切にしていることはなんでしょう?

大切にしていること…ですか(笑)。
そうですね。「固定観念に縛られず、可能性を提示してあげること」ですかね。
若い世代の方の話を聞いていると、とにかくみなさん「お金がない」とおっしゃる方が多いです。
どうして「お金がない」のか。問題は収入なのか支出なのか、それとも両方なのか。原因は人によって本当に様々で且つ複雑なので、一概には言えないところもあります。
ですがその中で強いて挙げるとすれば、「収入=給与」と固定観念に縛られている人が多いなという印象を持っています。
―「お金を稼ぐ=お給料をもらう」という考え方に固執していると。

はい。収入を底上げするなら給与を上げるか、別で収入口を増やすしかありません。
もちろんお金を稼ぐことそのものは大変ですが、稼ぐ「手段」は今の時代、スマホがあればいくらでも探せると思います。
絵が得意な人はイラストを描く仕事もあるでしょうし、音楽が得意な人は音楽を作ってネットで配信もできる。例えば営業力が自慢なら、そのスキルを使って何かを売ってもいいでしょうし、誰かに営業のやり方をレクチャーすることでお金を稼げるかもしれません。
自分が得意なこと、できることでお金を稼ぐチャンスって、本気で探せばいくらでも転がっていると思います。
―とはいえ、就業後や休日に副業もするとなると、それはそれで大変かもしれませんが…。

たしかにそうですね。だとしたら例えば「土曜日の朝だけ」と時間を決めて、副業の仕事をする、みたいにメリハリをつけてみるのはいかがでしょう。
また極端な例かもしれませんが、もし残業だらけで家に帰っても寝るだけ、休日もなく働いているのに残業代も十分にもらっていないような状態で「お金がない」とおっしゃるなら、その会社はすぐに辞めて転職するべきだと思います。
ちゃんと就業時間と休みのメリハリがある会社・環境に自分の身を置くことをオススメします。
就業時間のメリハリがついている上で「お金がない(手取りが少ない)」なら、先程話したとおり副業からいろいろ挑戦してみて、稼いでみるというのも1つの手段だと思います。
私がお話を伺う時は、なるべく固定観念を排除して、その人に合った可能性を提示してあげられるよう心がけていますね。
独立・起業する上で必要な、2つの条件
―横川さんのこれからの展望を教えてください。

もっと早い内から、お金に関する知識に触れられるような機会づくりをしていきたいですね。
社会保障制度や税の仕組みって、今の公教育ではほとんど扱われません。
今も幼稚園向けの雑誌から、大学生向けの雑誌など、若い世代向けに様々な媒体でお仕事をさせていただいていますが、幅広い層に教育としてお金の知識を広めていける機会が作れたらと思っています。
―最後に、読者の方へメッセージをいただけますか?

自分がやりたいことがあり、且つある程度の収入が確保できる見込みがあるなら、思い切って独立・起業に挑戦するのは、とてもいいことだと思います。
私が相談してきた方の中でも、独立後にどれだけ収入の見込みがあるか、事前にある程度予測できていた人は、やはり上手くいく傾向がありましたし、
「ある程度稼げる見込みがあるけど、でも不安」という方でも、退路を断ったからこそ、自分のやりたいことにがむしゃらに向き合うことができるようになるのではないかと思います。
もちろん周りに不誠実な対応を取ってしまったり、過度な借金をしてしまってはダメですが、もし失敗してしまっても、助けてくれる誰かが必ずいるはず。
何よりも失敗を恐れて行動に移さなければ、何も始まりません。お金の知識も自分で取りにいく人ほど身に付いて、お金強者になっていくのが今の時代です。
ただ悩んでいるよりも、まずは独立・起業に向けて、一度行動に移してみましょう。