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似顔絵で独立して、田舎のログハウスを建てるまで

似顔絵で独立して、田舎のログハウスを建てるまで

会社の中でデザイナーとして日々、忙しく働いていた、タニカワみおさん。
タニカワさんは現在、デザイナーではなく似顔絵を描く絵描きとして独立し、紆余曲折を経て似顔絵の仕事を軌道に乗せています。そして、宮崎県の郊外にある田舎にログハウスを建て、そのアトリエの中でイラストや漫画を描いているそうです。

デザイナーとして働いていたタニカワみおさんが、売れっ子似顔絵作家、マンガ家として、田舎のログハウスを建てるまでの紆余曲折の出会いと思いをお伺いしました。

<プロフィール>
似顔絵作家、マンガ家 タニカワみおさん
宮崎県立佐土原高校(産業デザイン科)から大阪芸術大学短期大学部(デザイン美術学科)卒業後、グラフィックデザイナーから雑貨屋店員を経て、再度デザインの仕事に戻って、インハウスデザイナーとしてデザインの製作工程から流通、販売、商品に付随するPOPの制作、広報を、実務を通して学んだ。

そんなある日、友人の誕生日と結婚式のお祝いに似顔絵を描いたところ、
似顔絵で生み出した笑顔の魅力に一気に惹かれてしまい、似顔絵作家として独立。

似顔絵アトリエ 3O-spice
https://3ospice.jimdo.com/

宮日こども新聞にて、マンガ「絵描きのみおさん」を連載

デザイナーから独立、似顔絵作家になりたい

ータニカワみおさんの独立前のお仕事について教えてください。

タニカワさん
デザイナー兼イラストレーターの仕事を5年くらいやっていました。多忙で、体を壊して会社に行けなくなったりするくらいでした(苦笑)。

でも、デザインの仕事は好きでした。ただ、会社員として会社の指示通りに作ったデザインは、お客さまの反応が直接分からない案件もあったりと、思うところがありデザイナーの仕事から、全然違う業種ですが、雑貨屋の店員さんに転職することにしました。

ー雑貨屋さんの店員の仕事は何のためにしていたのですか?

タニカワさん
雑貨もパッケージなどを含めてデザイン要素がたくさんあります。直接のお客さまの反応が見たいという気持ちが強くなったので、店員の仕事に就いたのです。ですが、過去のデザインの仕事の評判で、再度、デザイナーとして復帰することになりました。

ーまた、デザイナーに戻ったのですか?

タニカワさん
はい。お客さまの反応も見たいのですが、モノを創るという仕事もやり甲斐があるので、また復帰してデザインの仕事を始めました。

そのときに結婚式で似顔絵を描くことがあったのですが、それが好評で、これが独立のきっかけになりました。

似顔絵は、直接お客さまの反応も見られますから、楽しくって仕方がなくなってしまい、似顔絵の仕事を本格的にしたい! と一念発起して独立することにしました。

似顔絵作家としての生活

ー似顔絵作家で生計は立てられるのですか?

タニカワさん
よく聞かれます(笑)。でも、似顔絵作家として、この田舎のログハウスを建てるまでになっているのですから、「大丈夫です」とお答えできます。

実際には、建売物件を購入して私の気の済むまで改装したんです。今では似顔絵の仕事が増えてきたので私1人では描ききれず、仲間を集めて似顔絵を描く仕事を受けているほどです。

ー似顔絵作家の仕事は、最初から順調だったのですか?

タニカワさん
いえ、最初は小さく始めました。自分の自宅で描いていたりしたのですが…。このときは大変でした。仕事と生活の境も無くなるし…。で、夜だけ営業している小さなBarのスペースを昼間お借りして描くことにしました。

仕事と生活スペースが分かれて快適になりました。またその頃から、携帯ショップや自動車のディーラーなどの商業施設のイベントとして似顔絵を描く仕事にも呼ばれるようになって、土日なども忙しくなっていきました。

ー似顔絵作家の仕事は、どこでも描けますからね。では、どうして田舎でログハウスを?

タニカワさん
田舎のログハウスの中で似顔絵を描きたいと思ったのは、この物件を見てときめいてしまったからなんです。周りからも「人が来ないようなところで、大丈夫?」と言われたりもしましたが(笑)。

実は、似顔絵を気に入って頂いてリピートしてくださる人、お友だちを紹介してくださる人は、場所が便利なところでも不便なところでも来て頂けるのです。

それとスマホで写真を送って頂いて、その写真を元に似顔絵を描く仕事の割合も増えていましたので、場所は関係ないかなと感じていました。

で、やってみると、全く問題ありませんでした。宮崎の都心部ではなく、「日本で最も美しい村」連合でもある綾町の田舎のログハウスで描くことで私の描くことへのモチベーションも上がります。

ー大きな鳥小屋があったり、ブランコがあったりホントに自由な空間ですよね。このデザインもタニカワさんですか?

タニカワさん
はい。楽しい空間にしたくって、建築家の方にいろいろ要望しました。前の物件は、お借りしていただけだったのですが、今回は私の物件ですから、私の自由にさせて頂きました。

2階がこのアトリエで、1階がカフェになっています。1階のカフェは、私が経営しているわけではなく場所をお貸ししています。小さなBarのスペースをお借りしていた飲食店の経営者の方に、逆に貸し出すことになりました(笑)。

似顔絵の仕事だけでログハウス一軒を使うには広すぎるので、1階はカフェ、2階はアトリエとしています。綾町に来られる機会がある人には、遊びに来て欲しい自慢の空間です。

マンガ家としての生活

ー宮崎の新聞でマンガの連載も持っているとお伺いしましたが、描くようになった経緯を教えてください。

タニカワさん
Facebookなどで描いたマンガを上げていたら、それが評判になり声をかけて頂きました。

連載では自分のこども時代のエピソードなどをネタにして描いています。こども向けの新聞ということもあり、こどものときの体験のほうが面白がってもらえるかなぁと。「絵描きのみおさん」という連載です。

ーマンガも手書きですか?

タニカワさん
マンガはタブレットで描いています。似顔絵とは違って、コマ割りとかもありますし、色紙では無くデータで納品ですから(笑)。最終的には、また紙になるんですけどね。
元々デザイナーの仕事もしていましたので、そのときの経験が活きているのかもしれません。マンガの仕事も場所を選びませんから。

ー最後に、独立や起業を考えている方々へアドバイスをいただけますか?

タニカワさん
私のように、好きなことはやっているんだけど、何かピンと来ていない人も試行錯誤しているうちに、ピタッとくる仕事が見つかると思います。

私にとっての似顔絵のように。私も、「似顔絵だけで生計を立てるのは大丈夫なの?」と言われていましたけれど、大丈夫ですから。

私が綾という田舎町のログハウスのアトリエで絵を描いているように、インターネットが発達した世の中だから、工夫次第で、場所にこだわらない仕事もたくさん生まれていると思います。

私は若輩なので、アドバイスらしいアドバイスはできませんが、人を笑顔にできる仕事を一緒にやっていきましょう。

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