昨今は将来への不安からか、副業に注目が集まっています。
とはいえ、「とりあえず稼げそうだから」と安易によく知らない副業に手を出すと、「スキルが一切身につかなかった」「時間を無駄にした」と後悔することも少なくありません。
本記事では、会社員が避けるべき副業の具体的な種類と、その理由について解説します。
副業選びで失敗したくない方は、必ず最後までご覧ください。
関連https://entrenet.jp/magazine/45334/
おすすめしない副業 | タイプ別7種
こちらでは、副業初心者におすすめできない副業の特徴と、代表的な例を紹介します。
リスクが高い:投資関連(不動産投資や仮想通貨)
投資関連の副業は、大きな元手が必要な上に元本割れのリスクがあり、失敗した際の影響が本業や私生活にまで及ぶため、十分な知識と余剰資金がない方にはおすすめしません。
また、どれだけ勉強・情報収集をおこなっても、投資は景気や社会情勢の影響を大きく受けるため、絶対に稼げる保証はありません。
大きなリスクを負えない人は、投資関連には手を出さないようにしましょう。
稼げない:ポイントサイト
スキマ時間で手軽に始められると言われているポイントサイト(ポイ活)ですが、報酬単価が非常に低いため、副業としてまとまった収入を得るのはほぼ不可能です。
多くの案件は1クリック0.5円〜1円程度なので、月に数万円を稼ぐには膨大な時間と作業量が必要です。費やした時間やスマートフォンの通信料を考えると、費用対効果は極めて低いと言わざるを得ません。
ポイントサイトだけで十分な副業収入を得ることは難しいので、あくまで副業のサブとしておこなった方がいいでしょう。
スキルが身につかない:アンケートモニター
アンケートモニターは誰でも簡単に始められますが、ポイントサイト同様に得られるのは数百円程度の報酬のみであり、本業や将来のキャリアに活かせる専門的なスキルは一切身につきません。
報酬単価の高い副業は、どうしても専門スキルが求められます。アンケートモニターは作業が簡単な分、単価が上がることはないため、続けても自身の市場価値を高めることにはつながらないのでおすすめできません。
本業を圧迫する:単発バイト
空いた時間に働ける単発バイトは、一見すると手軽に稼げる手段に見えますが、本業のパフォーマンスを低下させるリスクがあるため会社員にはおすすめしにくい副業です。
特にイベントスタッフや軽作業などの肉体労働は、翌日まで疲労が残る可能性があります。体力や時間に相当な余裕があり、自己管理に自信がある人以外は避けた方がいいでしょう。
私生活を圧迫する:せどり・転売
フリマアプリの普及で身近になったせどり・転売ですが、継続的に利益を出すためには多くの時間と手間がかかります。
「商品の撮影」「出品作業」「購入者とのやり取り」「梱包」「発送」などの一連の作業は、想像以上に時間を奪います。また、利益を確保するには多くの在庫を抱える必要があり、それらが自宅のスペースを圧迫するデメリットもあります。
長期的に安定した収入を目指す方には、不向きな副業です。
詐欺の可能性がある:「誰でも簡単に稼げる」系
SNSなどで見かける「誰でも簡単に稼げる」「スマホだけで月収〇〇万円」といった謳い文句の副業は、詐欺の可能性が高いので注意が必要です。
具体的な仕事内容が不明確で、異常に高い報酬を提示している場合は特に注意が必要です。高額なセミナーへの参加や、情報商材の購入を強要されるケースも後を絶ちません。
「仕事内容が明確か」「報酬は相場から逸脱していないか」を冷静に判断し、安全性の確証が得られるまでは手を出さない方が賢明です。
周りからの信頼を失う:ネットワークビジネス
ネットワークビジネス(マルチ商法)は、友人や知人を勧誘する仕組み上、社会的な信用を失うリスクが極めて高いです。
過去の悪質な勧誘が原因で、日本ではネットワークビジネス自体の評判が非常に悪くなっています。事実、消費者庁には毎年1万件前後の被害相談が寄せられており、目的を隠した勧誘などが問題視されて行政処分を受けた企業も存在します。
一度関わるとその経歴は消せないため、安易に手を出すべきではありません。
出典:特定商取引法違反事業者【株式会社アイエムエスジャパンほか1事業者】に対する行政処分について
副業で失敗しやすい人の3つの特徴
ここまで紹介した副業以外を選んだとしても、考え方やスタンス次第で副業は失敗に終わります。
こちらでは、副業で失敗しやすい人の特徴を3つ紹介します。
「楽して稼げる」と安易に考えている
「誰でも簡単」「スマホをタップするだけ」といった甘い言葉を信じ、努力せずに稼ごうと考えている人は、副業で失敗する確率が高いです。
副業も本業と同じ「仕事」であり、価値を提供して初めて対価が得られます。楽な道を探すのではなく、スキルを磨き、誠実に取り組む姿勢がなければ、継続的に収入を得ることはできないでしょう。
スキルアップへの自己投資をしない
無料の情報だけで何とかしようとし、スキルアップのためにお金や時間を使うことをためらう人も、大きな成果は期待できません。
書籍の購入やオンライン講座の受講など、必要な自己投資を惜しまないことが、収入を増やすための最短ルートです。
行動せずに情報収集ばかりしている
副業に関する情報を集めるだけで満足し、なかなか第一歩を踏み出せない人も副業に失敗しがちです。
ある程度の知識を得たら、まずは小さな案件でもいいので挑戦してみましょう。実践して初めて、生きた知識や経験を手にすることができます。
本業と副業を上手に両立する5つのコツ
こちらでは、副業を無理なく続けるための5つのコツを紹介します。
生活リズムを整える
本業と副業を両立するための鍵は「時間の使い方」です。
たとえば「朝6時〜9時は副業、10時〜18時は本業」のように、副業の時間を明確に決めて生活リズムに組み込むと、習慣化しやすくなります。
ただし、心身を休ませるため、週に1日は完全な休日を設けましょう。
スケジュール・タスク管理を徹底する
副業を始めると、スケジュール管理が途端に難しくなります。
本業と副業のタスクをすべて洗い出し、納期や重要度に応じて優先順位をつけなければ、「体調を崩す」「納期に間に合わなくなる」などのトラブルを起こす可能性が高まります。
手帳やスプレッドシート、管理アプリなどを活用し、タスクが重複して無理なスケジュールにならないよう、管理を徹底しましょう。
仕事を効率化する
副業の効率を上げるための投資は惜しむべきではありません。
高性能なパソコンや便利なソフトウェア、ツールの導入は、作業時間を短縮し生産性を高めます。必要であれば、苦手な作業を外注して「時間をお金で買う」という発想も必要です。
どんどん効率化を進めて楽になっていくことが、副業で稼ぐための鍵だと言えるでしょう。
なぜ副業をするのかを明確にする
副業を選ぶ際は、「なぜ副業をするのか」を明確にすることが大切です。
収入アップ、スキル習得など、自分の目標や確保できる時間、活かせるスキルを考慮して副業を選びましょう。
報酬の高さだけで能力以上の仕事を選ぶと、長続きしません。
体調管理に気を配る
どんな仕事においても、資本は「心身の健康」です。副業に夢中になるあまり体調を崩し、本業に支障が出ては元も子もありません。
意識的に休息を取り、無理のないペースで続けることが成功の秘訣です。
副業をする上での注意点
副業をする労働者に対して、厚生労働省が「副業・兼業に関するガイドライン」を出しています。
主な内容は「推奨される労働時間」や「健康管理」なので、副業を開始する前に必ず目を通しておきましょう。
ガイドラインを見る時間はない方は、次の2つの注意点だけでも確認してください。
出典:副業・兼業の促進に関するガイドライン|厚生労働省(P.18)
※リンクの遷移先はPDFです。ダウンロードに大量の通信費がかかる可能性があります
就業規則に目を通し、副業の可否を確認する
まずは勤務先の就業規則を必ず確認しましょう。多くの企業で副業は認められつつありますが、企業によっては禁止されていたり、許可制である可能性があります。
知らずに規定違反をすると、懲戒処分の対象となる可能性もあるため、事前の確認は必須です。
年間20万円を越える場合は確定申告が必要
副業の所得(収入から経費を引いた金額)が年間20万円を超えた場合、原則として確定申告が必要です。
ただし、副業の年間収入が25万円でも、経費が7万円かかっていれば所得は18万円となるので確定申告は不要です。
そのあたりの計算を楽にするためにも、日頃から領収書を保管し、正確な所得を把握しておきましょう。
※現在は確定申告をスマホで手軽におこなえるようにもなりました。気になる方は以下の参照をご覧ください。
ハローワークやアプリの活用について
ハローワークといえば失職時に活用するイメージが強いですが、実は副業の求人も扱っているので、活用してみましょう。
また、健康管理については厚生労働省が「マルチジョブ健康管理ツール」をリリースしています。
AppStoreからダウンロード
Google Playからダウンロード
これらの手段は、使えば使うほど効率が良くなるので、積極的に活用しましょう。
参考:ハローワークでの副業求人の探し方と健康管理アプリのご紹介
https://entrenet.jp/magazine/40067/
副業の選び方|5つのチェックポイント
こちらでは、ここまで紹介してきた内容を踏まえたうえで、自身に利のある副業の選び方について解説します。
副業を選択する際に、チェックリストとしてご活用ください。
本業のスキルを活かせる、または新しいスキルが身につくか
副業選びで最も重要なのは、その副業があなたのキャリアにとってプラスになるかという視点です。
本業の知識を活かせる仕事であればすぐに結果を出しやすく、未経験の分野でもスキルが身につくものを選べば、自身の市場価値を高めることにつながります。
副業も、本業を選ぶときと同じ観点で探してみましょう。
初期費用が高額ではないか
「始めるのに数十万円かかる」など、高額な初期費用を要求される副業は避けた方が賢明です。費用の内訳が不明瞭な場合は、詐欺の可能性もあります。
現在はパソコン一つで始められる低リスクな副業が数多く存在するので、初期費用に納得がいかない場合は、無理に手を出す必要はありません。
時間や場所の自由度は高いか
会社員が副業を続けるには、本業との両立しやすさが重要です。
「在宅で取り組めるか」「時間の制限がないか」など、本業に支障をきたさない自由度の高い副業を選ぶと、長く続けられるでしょう。
実績や評判が公開されているか
仕事を選ぶ際は、そのサービスや発注元の評判を確認しましょう。
クラウドソーシングサイトであれば、発注者の過去の評価や口コミを見ることができます。
信頼できる相手かどうかを事前に見極めることが、トラブル回避につながります。
長期的に見て、報酬が上がる可能性があるか
副業を選ぶ際は、継続することで単価が上がったり、より大きな仕事を任される可能性がある副業を選びましょう。
実績を積み重ねることで報酬が向上していく仕事は、モチベーションを維持しやすく、長期的な収入の柱になり得ます。
急増中!副業詐欺!詐欺被害に遭わないために
副業詐欺には、お金を騙し取られる被害者ケースと、知らぬ間に犯罪に加担させられる加害者ケースがあります。
被害者ケースは「高額なセミナー料を払わされた」などのわかりやすい内容が多いですが、加害者ケースは「実は特殊詐詐の受け子だった」など、実際に仕事をしてみなければ気付きにくいパターンもあります。
以下のチェックリストに一つでも当てはまる場合は、詐欺の可能性を疑いましょう。
これって副業詐欺?迷ったら相談しよう
少しでも「怪しい」と感じたら、一人で悩まず専門機関に相談しましょう。被害に遭ってしまった場合でも、相談することで解決の糸口が見つかる可能性があります。
まとめ:副業は目標と期間を設けて計画的に取り組もう
本記事では、会社員が避けるべき副業の種類とその理由を解説しました。
今回紹介した「おすすめしない副業」を避け、自分のスキルや目的に合った仕事を選べば、副業はあなたのキャリアや人生を豊かにする力になります。
本記事を参考にして、将来のための副業をスタートさせてみましょう。




<文/北川美智子>