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これで来年はラクに終わる? 税理士直伝、春から始める5つの確定申告対策

申告・納税

3月15日。

毎年必ず行われる、確定申告の締め切り日です。個人事業主の方にとってはおなじみの日付です。

膨大な領収書の山に翻弄され、税務署に書類を持ち込んだのは締め切りギリギリ…。という方も多かったのではないでしょうか?

独立・起業の「お金」に関する悩みを、税理士の齋藤雄史先生に解説していただく「税理士が教えるお金と起業」シリーズ。

今回は「来年の確定申告をラクに終わらせる方法」をテーマに、齋藤先生に伺いました。

毎年確定申告に苦労する方は必見です!

来年の確定申告をもっとラクに! お金の流れを可視化する、5つのポイント

こんにちは。税理士の齋藤雄史です。

1月に公開した記事では、確定申告のやり方について解説しましたが、皆さんは無事3月15日までに申告できましたか?

「副業している会社員」の確定申告を、税理士が分かりやすく解説します!
https://entrenet.jp/magazine/18308/

「慣れない作業に、思ったより多く時間を取られてしまった」という確定申告初心者も多かったのではないかと思います。

会社で働きながら副業をする人にとっても、個人事業主として活躍している人にとっても、できる限り負担なく確定申告ができればいいに越したことはありません。

今回は、確定申告が終わったばかりの今だからこそ、1年後の確定申告に備えて準備をしておくべきポイントをご紹介していきます。

キーワードは「お金の流れを可視化する」です!

①領収書やレシートを必ず残しておく

大前提として、出費の記録である領収書やレシートは必ず残しておきましょう。

こういった証拠がないと、仮にどれだけ必要な出費であったとしても、経費として認められないことがあります。

特に会社員で副業を始めたばかり、独立・開業をしたばかりの確定申告初心者は、うっかり領収書をもらい忘れてしまう人が多くいらっしゃいます。

事業に関する出費をしたら、必ず領収書をもらいましょう。

②領収書がもらえない場合は、出金伝票に記録を残しておく

「領収書は必ずもらう」は大原則ですが、世の中の出費には領収書がもらえないケースも存在します。

例えばセミナーやワークショップへの参加、割り勘の飲み会など、いずれも領収書を発行してもらうハードルが高いですよね。

そんな時に役に立つのが、出金伝票。

出金伝票にいつ、どんな目的でどこにいくら出費したのかを記載しておけば、それが領収書の代わりとなってくれるのです。

ただし、これはあくまで「領収書がもらえなかった/もらいづらかった」といったケースのみ、使用するようにしましょう。

なんでもかんでも出金伝票頼みになってしまうと、税務調査の際にチェックされてしまうこともあります。

「セミナー参加費や交通費で領収書がないもののみ、出金伝票にする」など、事前に役割を限定しておきましょう。

③事業用のクレジットカードを作る

クレジットカードは、事業用とプライベート用に分けると好ましいでしょう。

なぜなら領収書や出金伝票は、出費の証拠としての役割を担いますが、クレジットカードの明細も、その証拠を裏付ける重要なツールの1つだからです。

またクレジットカードの明細は、出費の証拠の裏付けとしてだけでなく、自分の事業の経費が、何にどれだけ発生しているのかを可視化する役割も担ってくれます。

お金の流れを肌感覚で知ることは、事業を進めていく上でとても重要です。無駄は極力省きつつも、然るべきタイミングできちんと使うことで、事業はより加速していきます。

もちろん税務調査があった場合も、事業用クレジットカードの明細があれば、お金の流れが一目瞭然です。

事業とプライベートのセパレートは、個人事業主にとっての永遠の課題です。だからこそカードを分けることで誰が見ても、お金の流れが分かるようにしておきましょう。

④事業用の銀行口座を作る

事業用クレジットカードと同じく、事業用の銀行口座も作っておきましょう。

個人的には都市銀行はもちろん、ジャパンネット銀行や楽天銀行といった、ネットバンキング対応の銀行口座を1つ開設しておくことをおすすめします。

なぜならWeb上で簡単に振り込み・決済ができ、お金をラクに動かすことができるからです。

例えば仕事を依頼しているフリーランス仲間に報酬を振り込む際にも、ネットですぐに対応ができますし、振込手数料も安く済むケースが多いのです。

一方でメガバンクを始めとする都市銀行の口座も持っておくと、クライアントから入金を受ける際に便利です。

事業用として入金用・出金用口座を分け、さらにプライベート用として別口座を持っておくと、お金の流れがより可視化しやすくなります。

⑤会計ソフトを導入する

マネーフォワードやfreeeといったクラウド会計ソフトを導入すると、確定申告が格段にラクになります。

事業用に作ったクレジットカード、銀行口座と紐づけておけば、入金・出金ともにお金の流れが自動的に記録されていきます。

一部現金で支払った領収書などは追って自分で記録する必要はありますが、お金の出入りが記録されていれば、おそらく今年味わった「ドタバタ感」がだいぶ落ち着くのではないでしょうか。

また、青色申告として承認されるためには複式簿記での記帳が必須条件です。会計ソフトを使用することで青色申告に必要な書類を作成することができます。。

確定申告(青色申告)を行うなら個人事業主でも開業届を出そう!
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お金の流れは血液の流れ。「確定申告をラクに」は、事業にとっての健康診断

今回ご紹介した5つのポイントが全て網羅できていれば、来年の確定申告はかなりラクに突破できるのではないでしょうか。

よく事業におけるお金の流れは、人体における血液の流れと近いものがあると言われます。

どこにどれだけ使っているか、無駄に流れを止めてしまっているところはないか。お金の流れを1つ1つ精査することは、事業にとっての健康診断とも言えます。

定期検診が行われていれば、何か大きなトラブルが起こったとしても、いち早く対応することができます。

今回は「来年の確定申告をラクに」をテーマにお話してきましたが、このチェックポイントがクリアできれば、自分の事業の状態をよく知ることにも繋がります。

面倒な工数をかけずに、事業状態はきちんと把握する。これがスタンダードになれば、時間短縮だけでなく、事業をより加速できるのではないかと思います。

文=齋藤 雄史
編集=内藤 祐介

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PROFILE
齋藤雄史

税理士/公認会計士
宮城県仙台市出身。高校卒業後、進学資金を貯めるため、新聞販売店に勤務。その後、地元の簿記専門学校に進学、東日本大震災同年の2011年公認会計士試験合格。合格後、新日本有限責任監査法人福島事務所勤務。
法律の世界に魅せられロースクールに進学し、同時期に板橋区にて会計事務所を開業。
ITやクラウド対応を武器に顧客開拓に成功し、20代〜30代をはじめとする多くの起業家から厚い信頼を得ている。

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