SDGsの意識が叫ばれる中、急拡大している修理(リペア)市場。店舗や在庫を持たずに開業できる気軽さから、フランチャイズでの起業を考える方も増えたのではないでしょうか。この記事ではiPhoneやAndroidスマートフォンをはじめとしたスマホ修理から自動車や革製品など、修理して使い続けるニーズを捉えた修理(リペア)事業のフランチャイズ情報を集めました。修理(リペア)事業の将来性と加盟店のメリット・デメリットや加盟店の特徴など、これから起業を目指す方へ役立つ情報をお伝えします。
修理(リペア)事業の種類
修理事業の対象はさまざまですが、その中でも特に需要が大きい下記のジャンルはビジネスが成立しやすいとされます。
ビジネスの視点で需要と採算を考える場合には、簡単に買い替えられない高価なものほど修理の需要が高く、利益が出しやすい傾向にあります。
画面の割れやバッテリーの劣化、水損等、スマートフォンはさまざまな問題を抱えやすい商品です。その修理には専門的なスキルと知識が必要とされ、専門的な事業として認知されています。
次に「車の修理(カーリペア)」。自動車は機械的なトラブルや部品の摩耗、さらには事故によるダメージなど、修理の必要性が頻発します。修理業者には高度な技術と広範な知識が求められます。
そして「革製品の修理」。バッグや財布、革靴など、日常生活で広く使用される革製品も、使い込むほどに修理が必要となることがあります。色褪せやキズ、穴あきなどを修復し、長く使えるように生まれ変わらせる技術が求められます。
これらは一例であり、ジュエリーや時計、パソコンなど、その他多くの分野で修理事業が存在します。フランチャイズとしての修理事業も、これら多岐にわたる業種が存在します。
注意すべき点は、iPhoneやAndroidスマートフォン・パソコン・ブランドバッグにおいては、修理の内容によってはメーカー保証がなくなる場合がある点です。修理後のトラブルを避けるために、受注する前には顧客に充分に説明をして理解を得ておきましょう。
下記記事では、スマホ修理のフランチャイズで独立開業するにあたって、高需要で稼げる理由と本部の選び方を解説しています。
https://entrenet.jp/magazine/41317/
スマホ修理事業で開業できるの?
スマートフォン修理は専門性が高く特別な技術を必要とします。画面割れやバッテリー交換などのスマホ修理を事業として行う場合、総務省の登録修理業者制度で認定される必要があり、今でも競合が少ない市場です。ですから、確かな知識と技術を身に付ければ、独立開業して成長しやすいジャンルでもあります。
昨今ではスマートフォンやタブレットの利用者は全世代に及び、国民的なモバイル家電になりました。そして、スマートフォンを気軽に買い替えられない時代背景が修理ビジネス市場を拡大させています。
スマートフォンは性能の向上に伴って端末本体価格が上がり続けており、特に10万円を超えるモデルが多数あるiPhoneでは、使用年数を3年にするモデルが採用されているようですが、それ以上に長く使用する傾向があります。現にスマートフォン故障経験者の約70.1%が修理サービス利用者であり、修理サービスの需要の高さが伺えます。
なお、スマホ修理は部品が小さいため、自宅の1室や既にある別事業の店舗の一角など低予算で小さく始められます。また、ショッピングモールや複合商業施設の中など、大きな集客が望める立地で家賃を払い、従業員を雇って大きく始めることも可能です。
下記記事では、移動販売フランチャイズのメリット・デメリットや、失敗しないためのコツを紹介しています!
https://entrenet.jp/magazine/13580/
修理(リペア)事業でフランチャイズに加盟するメリット・デメリット
フランチャイズに加盟すれば、加盟金やロイヤリティと引き換えに多くのメリットを得られますが、デメリットも存在します。これらのメリットとデメリットを理解し、自身の理想とするビジネス設計と照らし合わせて、フランチャイズの加盟を検討することが大切です。
フランチャイズ加盟で儲かる自動車修理(カーリペア)について、低予算で独立してリペア事業を成功させる方法を知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/41300/
修理(リペア)事業のフランチャイズに加盟して独立するメリット
フランチャイズに加盟して研修を受ければ、業界や実務が未経験でもビジネスができるレベルまでのスキルを身に付けることができます。
また、修理(リペア)業未経験者ではどのような材料や器具が必要なのか、どれが質が良くて価格が安いのかといった判断は難しいでしょう。しかし、フランチャイズ本部は加盟店の起業をいくつもサポートしてきた経験から、事業規模や立地に応じた効率的な起業パッケージを提供してくれるため、失敗が少ない傾向があります。
顧客が新しいサービスの善し悪しを判断するのは、ネームバリューやネットに出ている「口コミ」です。フランチャイズ本部にはマーケティングに長けたチームがあり、さまざまな媒体へサービス名とサービスのメリットを発信し続け、ネームバリューを積み上げています。そのため、加盟店は広告や集客をフランチャイズ本部に任せ、自分は本業に精を出してたくさんの良い口コミを獲得していくことに集中できるのです。
また、顧客管理・在庫管理・受発注処理などの複雑なデータ管理についても、フランチャイズ本部が保有している統合システムを使えば、パソコン操作が苦手な方でもそれらを短時間で正確にこなせます。そして受発注や売り上げの傾向から、担当者が俯瞰した視点で経営の問題点や対策を提示してくれるのです。上記に挙げたサポート内容は、加盟するフランチャイズ本部によって異なります。複数のフランチャイズ本部を確認し、自分はどんなサポートを求めているか考えながら最適なフランチャイズ本部を選びましょう。
下記記事では、レザーリペアについてフランチャイズ加盟で、手に職を付ける方法を紹介しています。
https://entrenet.jp/magazine/41261/
修理(リペア)事業のフランチャイズに加盟して独立するデメリット
フランチャイズに加盟してメリットを受けるためには、加盟時に一度発生する加盟金や月々支払うロイヤリティやシステム利用料などの負担が必要です。売り上げが悪い月でも原則として最低限のロイヤリティがかかるため、粗利のすべてが利益になるわけではありません。
また、フランチャイズに加盟する以上は全店舗同じサービスや価格が基準になり、意匠やロゴなどのデザインも改変できません。フランチャイズ本部の許可がないのに自分で独自のサービスや価格などを採用するのはルール違反です。つまり、つまり、フランチャイズ本部が主導していない修理(リペア)をする際は、事前に必ずフランチャイズ本部に相談する必要があるのです。
「事業の経営について自分で自由に決めて行いたい方」にとっては、フランチャイズの加盟はデメリットが大きいかもしれません。
下記記事ではフランチャイズの仕組みを解説しています。参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/25755/
スマホ修理のフランチャイズ、加盟プランの一例
スマホ修理のフランチャイズはいくつもありますが、代表的な3社の加盟プランを見てみましょう。
フリーランスになったら知っておくべき源泉徴収の基礎知識を知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/39909/
スマホ修理:A社
国内で利用者が多いiPhoneだけでなくAndroidスマートフォンも手がけることで、サービスの利用窓口が広いのが特徴的です。
高い集客力を誇る本部のWebマーケティングチームがイメージアップを強力に後押ししてくれています。テレビ・雑誌・Webなどたくさんのメディアへ露出して知名度を高めてくれています。
専任の担当者による接客・サポート体制が完備されていて、作業が不安な場合でも、手元カメラの遠隔サポートで修理手順や原因究明のサポートしてくれます。
スマホ修理:B社
iPhoneやAndroidだけでなく、ポータブルゲーム機・ノートPC・腕時計など幅広い修理サービスが提供できます。
開業エリアによっては地域住民がたくさん集まる大型複合商業施設のテナントが紹介されることもあります。
また、創業10年のブランド力で培われた実績から、フランチャイズ加盟にあたっての商圏/競合調査、収益シミュレーションなどを無料で行ってくれます。
カフェのフランチャイズを開業した際の年収や、カフェ経営のお金事情などを知りたい方は下記記事を参考にしてください!
https://entrenet.jp/magazine/41256/
スマホ修理:C社
C社は、クラウドを活用した独自の店舗運用システムを持っているのが特徴です。受付でのお客様情報から業務日報、 部品の問い合わせ・管理・発注まで、トータルでデータ化して管理しています。 その詳細なデータを用いた業務分析で、様々な運用支援策を提供します。
リピーターや紹介のために定期的なクーポンDMの配信や小冊子の配布で、お役立ち情報やキャンペーン企画でサービスの利用を促しています。
作業履歴の照会・業務日報・在庫管理や受発注・修理マニュアルなどがタブレット1台で利用できる業務支援システムがあります。業務支援システムでは故障やクレーム対応のナレッジが加盟店へシェアされ、対応ミスやクレーム回避に役立てられます。
https://entrenet.jp/magazine/41317/
そのほかの修理(リペア)事業:自動車修理(カーリペア)や革製品修理(リペア)とはどのようなものなのか
人気の修理事業には、スマートフォンに続いて自動車や革製品のリペアサービスもあります。
フランチャイズのカフェで独立開業する際、失敗しない資金計画や成功のポイントを解説しています!
https://entrenet.jp/magazine/41528/
自動車修理(カーリペア)
おもな修理箇所としては、ボディのキズやヘコミの修復、皮膜コーティングやタッチアップ塗装、シートの破損修理など、比較的簡易なものが多いです。
エンジン・電装・足回りなどの自動車整備まで請け負うためには「自動車整備士」という国家資格が必要で、その上地方運輸局長の認証を受ける必要があります。(道路運送車両法第78条) 整備内容によっては提携する整備工場を紹介するケースがあります。
https://entrenet.jp/magazine/41300/
自動車修理(カーリペア)や革製品修理(リペア)のフランチャイズ、加盟プランの一例
下記記事では、カフェの開業で失敗しない方法やフランチャイズによるメリットを解説しています。
https://entrenet.jp/magazine/41444/
革製品修理(リペア)
革製品のリペアは、ブランドバッグを中心に破損の修理や色あせやキズの塗装、別のものへのリメイクなどがあります。対象製品は革の小物からジャケットなどの衣類、革張りソファーまでさまざまです。
ダメージの修復や染色を行うには、革製品特有の専門的な知識や技術を習得する必要があります。しかし経験で培った技術はほかの革製品へも応用が利くため「手に職がつく」事業でもあります。
https://entrenet.jp/magazine/41261/
自動車修理(カーリペア)や革製品修理(リペア)のフランチャイズ、加盟プランの一例
車の修理や革製品のリペアに関するフランチャイズの加盟プランを見ていきましょう。
キッチンカーのフランチャイズについて、開業資金はいくらかかるかなどを知りたい方は下記記事を参考にしてください!
https://entrenet.jp/magazine/41308/
自動車修理(カーリペア):D社
開業資金が安く一人開業の低リスクでスタートし、粗利約90%で年商1,000万円も夢ではありません。
業界未経験でスタートしても、法人のリピート受注を獲得する方法や車以外の修理へ水平展開するノウハウが得られます。
加盟前の説明会ではオンライン技術見学会を実施していたり、加盟後の技術研修が何度でも無料で受講できたり、加盟オーナー専用サイトで技術動画がいつでも閲覧できたりと技術面でのサポートがしっかり受けられるのが特徴です。
自動車修理(カーリペア):E社
96%(※2005年2月、外部広告代理店調べ)という高認知率で、このブランド力が加盟店の集客や信用に大きく貢献しています。さらに、多くの媒体で大規模なマーケティング広告を展開し、公式サイトには毎月20万件以上のアクセスが集まっています。
受注窓口事業に特化して、受注後の施工は別の工場が集中して行うという形式のフランチャイズ契約など、通常よりも低予算からスタートできる別のプランもあるのが特徴的です。
革製品修理(リペア):F社
大手流通チェーンのグループで、出店スペースが店舗内やショッピングモール内に確保できるため、確実で大きな集客効果があるのが特徴です。難しいリペアは別の加工センターに連携して任せられるというメリットもあります。
基本的に機材や材料、店舗スペースもフランチャイズ本部が用意してくれるタイプです。店舗の保証金や家賃など、すべて含んだロイヤリティとして売り上げの50%を毎月支払います。料率が高いように感じますが、実は手元に残った分から家賃や機器リース代などの経費を引かずに済むため、利益がほかのフランチャイズ本部に比べて低くなるということはあまりありません。
このフランチャイズ本部との契約は、ビジネスオーナーというよりも業務委託を受けた店長のような関係に近いといわれています。しかし他社同様に研修やサポートは充実しており、ほかのフランチャイズよりも初期投資の回収期間が短いのが特徴です。
下記記事では、ハウスクリーニングのフランチャイズ加盟で失敗する人と成功する人の違いを紹介しています。
https://entrenet.jp/magazine/41084/
革製品修理(リペア):G社
百貨店・ブランドメーカー・洋服リペア店などの下請けの経験から、情報と技術を蓄積したのちにフランチャイザーになったため、圧倒的な量のノウハウや取引ルートの蓄積があるという特徴があります。
消費経済からエコ経済への世界的な意識変化に伴い、潜在ニーズが多く眠る裾野の広いリペアビジネスに可能性を見いだすプロ集団です。
G社とはフランチャイズ契約ではなく代理店契約になるため、ロイヤリティなどはなく、厳しい制約などの規定がないのも特徴の一つです。時計の修理取り次ぎも展開しています。
まとめ
修理事業のフランチャイズには、スマホ修理から車、革製品のリペアまでさまざまな商品を取り扱うものがあります。今回は3業態に絞って紹介しましたが、他にもたくさんの修理ビジネスがあります。そして、各フランチャイズでは独自のビジネスモデルやサポート体制があるため、どれも同じではありません。
人によって実現したいビジネスの形が異なるため、メリット・デメリットの感じ方も異なります。自分にとって何が必要なのかを明確にするためにも、多くのフランチャイズ本部や既存の加盟店とよく話してみることが大切です。
その中には技術習得のサポートや経営のノウハウ提供も含まれます。これらはフランチャイズ加盟の大きなメリットであり、個人での開業に比べて成功率を高める可能性があります。一方で、フランチャイズ料や初期投資などのコスト、加盟規約の制約などデメリットも存在します。これらを理解したうえで、自身の経済状況、ビジネスゴール、技術力を考慮し、最適なフランチャイズを選ぶことが成功の鍵となります。これから独立開業を考えている方は、幅広い選択肢から自分に合ったフランチャイズを選ぶことが大切です。
ただし、知識や技術を効率的に習得したり、無駄や失敗の少ない事業運営を行ったりするためには、フランチャイズへの加盟が大きく影響することでしょう。修理(リペア)事業で独立開業するにあたりフランチャイズ加盟に興味がある方は、フランチャイズ情報が検索できるこちらのページをあわせてご覧ください。
<文/柴田敏雄>