原 正幸さん(40歳)
VOL.231社外で得られた意外な学び。「起業」が身近な選択に
小中学生向けのプログラミング教室
定年までNECにいるものと思っていました。転機はベンチャー起業家が集まるイベントへ出席し、同年代の経営者と話す機会に恵まれたことです。社長賞をもらったこともありますし、それまで私なりに頑張っていたつもりでしたが、自分の力のなさを感じたことをよく覚えています。
でも、それから社外のイベントに参加するようになって、わかったことがあります。起業家はスーパーマンのような、自分とは全く違う世界に住む人だと思っていたけど、自分と似たような人も多いことです(笑)。起業が選択肢に入ったのはその時でしたね。
独立1年目は企業研修の講師がメインの事業でした。小中学生向けのプログラミング教室を始めたのは、独立のタイミングでこどもが生まれたことがきっかけです。教育に関心を持つようになり、こどもの将来を考えるとITは切り離せません。だったら自分で始めようと思い立ちました。生徒3人からのスタートでしたが、今では電車でわざわざ通ってきてくれる生徒さんも多く、ニーズの強さを感じています。
現在は、企業研修とプログラミング教室、それにシステムの受託開発の3事業を柱に仕事をしています。事業は「選択と集中」が大切ともいわれますが、それぞれ楽しさが異なるし、どれも捨てたくない。だから全力で全てやるというのが、今の本音ですね。
撮影/刑部友康、片桐 圭、阪巻正志、宮田昌彦
アントレ2019.冬号 安定、肩書、仲間…雇われるよさもあったけど 私、会社を卒業しました!より