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好きを仕事にしたいなら、「実験」することからはじめよう。自転車旅ライター松田然の働き方戦略

2017年11月13日

あなたの好きなことはなんですか?

こどもの頃、何かに夢中になったときと同じように、今も何かに夢中になれていますか?

大人になって社会に出ると、いつの間にか仕事だけの毎日。仕事に忙殺され、ふと気づいた時に「俺、なにやってんだろう?」と、人生に疑問符が現れることってありますよね。

多かれ少なかれ、誰もが抱えるそんな悩みと向き合い、自らの働き方を”実験”し続けているのが、今回お話を伺った松田然(もゆる)さんです。

然さんはフリーランスのライターであり、またライティング事業を展開する会社の代表でもあるのですが、月の大半は日本や世界を旅するように仕事をしています。

とくに好きなのが「自転車旅」で、47都道府県をすべて走って、その間も仕事をしたり、全国各地のいろいろな人や場所を取材して回っていたとか……。

単なる体力があっておもしろいことやっている人の話? いやいや、そうではありません。

然さんは30歳になるまで、いわゆる仕事一筋。会社と家の往復生活……いや、むしろほとんど会社に泊まり込んで働いているような人だったそうで、旅することもほとんどなし。

今回は、そんな然さんがどのようにして今のような生活をおくるようになったのか。そして、好きなことを仕事にしながら生きていくためにおすすめしている ”働き方の実験” についてお聞きしました。

<プロフィール・松田然(まつだ・もゆる)さん>
働き方実験家:いろいろな働き方について取材・執筆し、自身も働き方の実験をしている。

■働き方デザインコーチ
■自転車旅ライター(47都道府県走破)
■フリーランス向けメディア「SoloPro」編集長
■ライティングカンパニー合同会社スゴモン代表
■オンラインサロン「FreeRun`s」主宰

朝早くから夜遅くまで働く仕事人間が、月の半分は旅する生活になるまで

―全国各地を飛び回りながら仕事をされている松田然さん。とくに自転車旅が大好きだとお聞きしていましたが、然さんと自転車旅との出合いからお聞かせください。

然さん
父ちゃんを早くに亡くし母子家庭になったので、少しでも交通費を浮かせようと思ったことが自転車で移動するようになったきっかけですね。

って、冒頭から暗い話ですみません(笑)

はじめての自転車での遠出は中学2年生の頃。東京から鎌倉へ1泊2日で出かけたんですが、何十キロも夢中になって走って、湘南の海が見えた時の感動は今でも覚えています。

「すげー!自分の足で海まで来れたっ」て感じで興奮しました。

その後、大学生になってからも、東京から鹿児島まで2週間かけて走ったり、カナダに留学した時も、何日も自転車で旅しながら大自然の中を駆け回っていました。

自転車旅って、車や電車では通り過ぎてしまうようなところにおもしろいスポットを見つけたり、いろいろな場所で新しい人との出会いがあったりするので、本当に楽しいんですよ。

とはいえ、その時はまさか「自転車旅が仕事になる」なんて1mmも考えていなくて。

その時に頭にあったのは、ただ「楽しいからやる」という、純粋な動機だけでした。

―就職して、社会人になってからも自転車旅は続けていたんですか?

然さん
いえ、大学を卒業して社会人になってからは、しばらく自転車旅はしていなかったですね。むしろ仕事ばかりしていて、やろうとも思わなかったです。

―お仕事は何をされていたんですか?

然さん
大学やカナダではスポーツマーケティングを勉強していました。

そのため、最初に入った会社はスポーツ系のシンクタンクで、スポーツ業界の求人サイトの立ち上げを社内ベンチャーのような形でやっていました。

その後、ハードワークがウリの!? 人材業界に転職したんです。

仕事は嫌いというより、むしろ大好きでしたが、働き方は確実に下手でしたね。

要領悪いクセにこだわりも強く、毎日朝早くから夜遅くまで、とにかく自分に力をつけるために働いていました。

当時はまだ、ITやSNSもそこまで普及していなかったので、会社にいないと仕事に必要な情報が集まらなかったというのもあるんですが、それにしてもあの頃は家に帰らなかったですね(笑)

でも、リーマンショックが起こり、社会全体が沈んでいるような感覚になって、働くのが辛くて辞める仲間がすごい増えたんです。

その時にはじめて、自分もこのまま仕事だけの人生でいいのかな? どうしたら多くの人が働くことを楽しめるようになるのかなと考えたんです。

―具体的には何をされたんですか?

然さん
会社をやめました(笑)

いや、後ろ向きではなく、チャレンジする人を増やす取り組みがしたいなぁと思って。あと、自分の心に問いかけるように内省しました。

「何をしている時に楽しいと思えるかな?」
「自分のやりたいこと、夢中になれるものってなんだっけ?」
「今やれてなくて後悔しているものってあるかな?」

いきなり他人を変えるのは難しいので、そんな風に、まずは自分が楽しいと思えるものに対して1つ1つ向き合ってみたんです。

すると……
「昔、自転車旅に夢中になっていたけど何で今やれてないんだっけ?」
「そういえば、日本の南は旅したことがあったけど、北も行きたいと思ってたよな」

というように、やりたいことを少しづつ思い出し、それができない理由が、仕事があるからという壁の存在も意識できました。

今でこそ、休む大切さは理解していますが、その頃はまったく仕事をしないで休むのが怖くて(笑)そこで出たアイデアが「旅をしながら、仕事をすればいいんじゃないか」という考えでした。

―たしかに今はネット環境も充実していますし、家にいながら仕事ができますもんね。それなら旅をしながらでも、やり方はいくらでもありそうですね。

然さん
そうなんです。昔はそれこそ会社にいないとできないようなことも、今はスマホとPCがあればどこにいても大抵のことはできてしまう。

でも、当時はあまり旅しながら仕事をしているロールモデルがいなかったので、僕が実験してみればいいじゃん! と思ったのです。実験には失敗も付き物なので、失敗も成功も含めて本音で語れば誰かのためにもなりそうだし、と。

なので、その決断からすぐに、東京から日本最北端の稚内(北海道)まで1ヶ月旅して、どんな仕事をしたかや、その時稼いだ金額もブログで公表しちゃいました。

あれ!? やってみれば意外と仕事できたし、すごい楽しかったよーって。


出典:moyulogより
http://moyulog.com/

然さん
さらには周りから「その働き方おもしろいね!」と声をかけてもらえて、いろいろなメディアにも取り上げてもらえるようになったんです。

―それは正直、然さんだからできた、ということもあるんじゃないでしょうか?

然さん
そりゃ、そうです(笑)

と言ったら、ちょっと残念ですか?

僕の場合は、ライターとしてのライティングスキルは常に鍛えていましたし、その頃流行っていたWebサービスを積極的に活用し、場所を選ばず働くための情報は常にキャッチアップしていました。

自転車旅の経験もすでにあったし、自分らしい挑戦ではあったと思います。

でも、皆さんは別に自転車旅したくて仕事しているわけではないじゃないですか?

自分なりのワクワクの源泉を見つけて、それを仕事にできるか実験してみればいいと思うんです。

たとえお金がもらえなくても好きなことなら充実感はあるし、お金をいただけるようになれば、社会から求められていることだという市場感もわかります。

―なるほど、実験ですか。

然さん
僕もこの旅に出るまでは「働きたいけど旅もしたい、どうすればいいかな?」と悩んでいたクチなんですよ。

でも、いざ実際に旅に出ながら仕事してみて、その経験をブログに書いて発信していると、意外と周りからの反響が大きくて。

実験で例えると、その結果発表を行ったら教授陣に褒められた感覚です。

そこに手応えを感じたことで、もっと旅をしてみようと思うようになりました。

それまでは1ヶ月のうちに旅をするのは長くても約1週間くらいだったのが、今では1ヶ月の半分以上を自宅がある東京以外で過ごす働き方の実験をしているんです。

自分に合わなければやめればいいし、その理由も実験のレポートのように誰かに報告すれば、参考になる人や助けてくれる人も現れるかもしれませんよね。

好きなことを仕事にするのが難しい2つの理由

―然さんにとっての自転車旅は、自分が熱中できる「好きなこと」でありながら、時に仕事にもつながる重要なキーポイントですよね。然さんから見て、好きなことをしながら仕事をすることために大切なことはなんでしょう?

然さん
好きなことを仕事にするって実は大変だと思っている理由が大きく2つあります。

1つ目が、そもそも自分にとっての好きなことが見つけられていないケース。

―たしかに、好きを仕事にするって言っても、自分は何が好きかわかっていないと目指しようがないですね。

然さん
もう1つが、好きなことが見つかっていても、その好きなことでどうやってお金をもらえばいいかわからず、挑戦するリスクばかり気になっているケース。

例えば、独立して起業したいと思っていても、なかなか会社を辞められず身動きが取れずに悩んでいる方もいますよね。

―要するに、好きなものを見つけるまでが大変で、見つけてからも大変。そこでふるいにかけられるから、結局のところ好きなことを仕事にしている人は一握りということですよね?

然さん
まさにその通りです。

ではどうしたらいいのか。

前者の場合は、まず自分の好きなこと探しが必要ですよね。

社会人になってから仕事ばかりしていた僕自身が、もう一度自転車旅への情熱を思い出せたのも、このフェーズがとても重要でした。

好きなことを見つけるということは「自分が過去にどんなことに熱中したのか」を、もう一度見つめなおすことだと思っていて、新しく生まれ変わるというより、熱中できる自分に還る感覚です。

ただ、重要なポイントは、職業軸で考えると時代の変化についていけないこともある。だから、どういう時に、自分のことを好きでいられるかという感情軸で思い出してみるといいですよ。

―変わるより還る……そして感情軸。もっと詳しく教えてください。

然さん
例えば、小さい頃からバスに乗るのが大好きで、将来はバスの運転手になりたかったことを思い出したとします。

でも、もしあと5年後に全部のバスがAIによる自動運転になったら、その職業自体がなくなっているかもしれません。

それより、なんでバスに乗るのが好きだったんだっけ? という感情を思い出してみたら、大きい車に乗っているとワクワクしたこと、大人数で移動するのが好きだったことなどに行き着くかもしれません。

そしたら、バスをオフィスにして移動する会社を立ち上げてみたり、バス研究者として世界中のバスに乗る旅をしながらそのレポートを動画であげるYouTuberになってみたり、むしろ本当にバスの運転が好きなら時代の変化がゆるい田舎のバス会社に転職したりと色々な選択肢が出てきます。

―職業にこだわらず、自分が好きなものができる環境を時代に合わせて作っていくっておもしろいですね。では後者の場合は、どうしたらいいのでしょう?

然さん
好きなことがわかっていて、できない場合ですか?

勇気を出してやってみればいいだけです(笑)

って自分が言ってもやらないだろうし、「とにかく仕事が忙しい」「他にやることがある」「そんなことで稼げて飯が食えるはずがない」……と後ろ向きな人も多い。

だから、まずは大成功しようとしないで、スモールサクセス経験を少しでもいいから積み重ねて続けてみることかな。

―スモールサクセス?

然さん
いきなり会社をやめて独立して金持ちになる! という大成功は正直ハードルが高い。

でも、週末に自分が好きな写真撮影で、月に3万円を稼ぐ! という小さな目標ならできるかもしれないし、小さく成功すれば自信にもなる。

あと、行動のアウトプットをすることも大事です。

「楽しいからやる」といった、こどものような純粋な動機でちょっとやってみる。そしてそれを何かしらの形で発信していく。

すると、応援してくれる人が出てきたり、新しいアイデアが浮かんだりして、好きなことを仕事にする道がだんだんとくっきり見えてくるんじゃないかなと思います。

やってみてあまり気分が乗らなかったら次のチャレンジをすればいい。

儲け話や流行り物に流されると、独立は失敗する! 「感情」から、自分のやりたいことを逆算する重要性

―然さんのお話を聞いていると、自分がワクワクできるかどうかという点がとても重要だなと感じます。

然さん
そうですね。僕自身は心がワクワクできるか否かを、仕事をはじめ様々な選択の基準にしています。

というか、これからの時代、そんな好きが溢れ出ている個人がもっと生きやすい世の中になっていくと思いますよ。

独立すると、「食うために」とか「生き残るために」といったワードを使っている人も多いんですが、「これがやりたい」「こんな風に生きたい」「この問題を解決したい」と夢中になってやっている人は、本人も楽しいし、応援してくれる人も増えるんじゃないかな。

僕自身は働き方の実験中なんですが、そろそろ気づいたことをシェアしていきたなと思い、フリーランスの働き方をアップデートするメディア「SoloPro」(http://solopro.biz/)を立ち上げたり、フリーランス向けのコーチングもはじめました。

例えば、「自分のココロが喜ぶ生き方」とは何かを、コーチングという形でフリーランスの方と一緒に考えていくのは、先ほど話した好きなことを仕事にするために、本来の自分に還る作業をサポートしている感じです。

これって、もう仕事というより、自分なりのお節介ですね。

―意外と自分のことは自分がわかっていないこともあるからこそサポートしてくれると嬉しいですね。最後に、然さんが感じる、独立に向く人と向かない人の違いがあるとすれば何でしょうか?

然さん
儲け話や流行り物に乗っかって独立しようと考えている人は要注意です。

例えば、今話題のAIや仮想通貨で何かしらの事業をやろうと考えたとして、そもそもAIや仮想通貨を使って何を実現したいかというビジョンがない人や、そもそも何であなたがやるの? というストーリーがないとうまくいかないことが多い気がします。

独立して、成功する方法は本屋さんやネットでいくらでも探せるのに、成功している人が少ないのはなぜか? それはみんな自分のことを知らないからだと思います。

これから独立を考えているのであれば、自分が得たい感情から逆算して、その感情を満たせる働き方を戦略的を考えてみるといいかもしれません。

そのための選択肢として、独立はとっても可能性のある働き方だと思いますし、実験してみれば向く向かないもわかると思います。

たとえ失敗しても命があれば何でもできる。成功しても失敗しても、それをネタにして美味しいお酒が飲めるくらい、ワクワクできる挑戦をしてほしいですね。

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準備をしてきたお店や事務所などを開業することは大きな喜びです。

開業により個人事業主になるときには、事業内容や開業場所を記載した「個人事業の開業届」(以下、開業届)を税務署に提出します。

開業届の提出の前に、提出期限や税金、事業税に関わる開業届との違いなどを確認しておきましょう。

開業届とは

新たに個人事業主として事業を開始したとき、納税地を所轄する税務署長に開業届を提出します。

提出する開業届の様式は、最寄りの税務署に行くともらえますし、国税庁のホームページからもダウンロード可能です。

開業届には、屋号や職業、事業の概要や所得の種類、開業日や従業員数、住所や氏名などを記入しましょう。

屋号とは個人事業の名称であり、会社でいえば社名です。開業届の詳しい書き方については国税庁のホームページなどが参考になります。

開業届を記入したら、税務署へ開業届を提出してください。

提出先の税務署の所在地は国税庁ホームページで確認できます。

開業届は直接持参でも郵送でも受け付けてもらえるので、自分の都合に合わせて提出しましょう。

開業した証明となるのが開業届なので、開業届を提出することで金融機関に融資を申請したり、国や地方公共団体に補助金や助成金などを申請できるようになります。

なお、開業届を提出したら、毎年の確定申告が必要となります。

開業届は新たに事業を開始したとき以外に、店舗を移転・増設したとき、事業を廃止したときにも提出することになります。

開業届の提出期限について

開業届は、事業の開始などの事実があった日から1カ月以内に税務署へ提出することになっています。

例えば4月1日に個人事業主となった方は4月末までが提出期限です。

開業時は忙しいので提出を忘れることもあるかもしれません。

その場合は、気づいたときに速やかに提出しましょう。

確定申告で青色申告を利用するときは、開業届を提出する際に、「青色申告承認申請書」の提出もあわせて行います。

「青色申告承認申請書」は、1月1日~15日までに事業を開始した場合はその年の3月15日までに、1月16日以降に事業を開始した場合は事業を開始した日から2カ月以内に提出しなければなりません。

「青色申告承認申請書」の提出により、新たに事業を開始した年から青色申告をすることができます。

開業届も「青色申告承認申請書」のいずれも期限までの提出が必要です。詳しくは最寄りの税務署で確認しましょう。

都道府県に提出する個人事業税に関わる開業届もある

個人事業を始める際には、開業届と「青色申告承認申請書」を税務署に提出することに加え、都道府県にも開業届を提出する必要があります。

例えば東京都で開業した場合には都税事務所に提出となります。

個人事業での所得税と消費税は国に納め、個人事業税は都道府県に納めるからです。

なお、個人事業税を納める必要があるのは、法律で定められた3種の事業、70の業種に該当する場合です。

ほとんどの事業がこの70業種のいずれかに当てはまり、個人事業税の課税対象となります。

個人事業税に関わる開業届の提出を忘れてしまうと、ある日突然、納税するよう督促が来て驚くとともに、納税資金の準備ができておらず慌てることになるかもしれないので忘れないようにしましょう。

業種によって税率が異なる個人事業税

個人事業税は、個人が行う事業のうち、法律で定められた3種の事業、70種類の業種に対して課せられる税金であり、事業や業種により税率が異なるのが特徴です。

第1種事業は、飲食店業・保険業・物品運搬業などの37業種があり、税率は5%です。

第2種事業は 薪炭製造業・水産業・畜産業の3業種で税率は4%です。

第3種事業は士業・美容業・コンサルタント業など30業種で税率は5%です。

なお、第3種事業のうち、あんま・マッサージ・指圧・はり・きゅう・柔道整復とその他の医業に類する事業は税率が3%となっています。

開業した事業が70業種のどれにあたるかは、開業届の記載内容ではなく実際の事業内容で判断されます。

音楽家など芸術系の職種や動画制作による広告業などの比較的新しい職種は、分類が追いつかないなどの理由で個人事業税の対象外であることもあるので、開業した事業が課税対象かどうかは都道府県へ確認しておきましょう。

なお、個人事業税には、一律年間290万円の事業主控除があるため、1年間の事業所得の金額が290万円以下の場合には個人事業税を納める必要はありません。

まとめ

開業届を提出することで事業者として認めてもらえることになります。

また、青色申告ができるなど税制面での優遇も受けられますので、開業したときは開業届を提出しておきましょう。

なお、開業届提出者の現在の職業は問われないため、会社員でも専業主婦でも提出することができます。

副業として開業届を提出する際には、会社の就業規則などで副業が許可されているかも確認しておきましょう。

PROFILE

ファイナンシャルプランナー 杉浦 詔子

働く人たちの夢をかたちにする」会社員とそのご家族などへのキャリアプラン(生活)とライフプラン(家計)の相談と講義、執筆を行っている。また、女性のキャリアと家族や恋愛などコミュニケーションに関する相談、FPなど資格取得支援にも力を入れている。

2018年5月25日

フランチャイズ事業での独立を成功させるには、正しい方法で道筋を描き、その計画からずれないように進行をすることが大切です。

今回の記事では、フランチャイズ事業の始め方と流れについて説明します。

フランチャイズ事業の始め方 その1:参入する業界を決める

フランチャイズ事業を成功させるためには、まず自分に一番合った業界・業種を選ぶことが重要です。

自分に一番合った業界を決める上で大切なことは、できるだけ多くの側面から決めることです。

「好き! 」「興味がある! 」ということもとても大切ですが、長期継続するための十分な理由ではありません。

では、どのような選択基準で考えれば良いのでしょうか。1つの例として下記のような基準を参考にしましょう。

基準1:熱意と共感

ビジネスオーナーになることは、特に初期段階においては、そのビジネスに対して高い熱意と共感を持っていることが大切です。

「儲かるらしいから」といった理由でフランチャイズ事業を始めることも悪いことではありませんが、自分のやっているビジネスが好きになれない場合、毎日苦痛を味わうことになります。

自分の価値観に適した熱意と共感ができる分野でフランチャイズ事業を始めることができれば、より力を入れてビジネスを進めることができるでしょう。

基準2:働き方とライフスタイル

いくら情熱があるとしても、自分にとって望ましいライフスタイルから離れすぎているビジネスでは長期継続は困難です。

毎日朝から夕方までの仕事をしていた人が、いきなりBARなど夜に運営をするビジネスを初めても、自分のライフスタイルに合わない場合があります。

そのフランチャイズ事業で働いている自分をイメージし、毎日幸せでいられるか、苦痛ではないかについて考えましょう。

基準3:必要資金

事業を始めるからには長期間続けたいと思うでしょうが、調達できる資金によってフランチャイズ事業を始められる分野が限られてしまうことがあります。

よりビジネスを大きく、そして儲かるものにしたいのは人間の性ですが、まずはスモールビジネスから始めるなど、手の届くものだけに集中した方がより賢明な判断ができます。

基準4:市場規模と成長のポテンシャル

長期でビジネスを行う上で、ある程度の市場規模や成長の可能性を求めるべきです。

自分が好きなものをビジネスにすることも、モチベーション維持の観点から大切ですが、将来的に必要とされないビジネスを始めたとしても、結果につながりにくいケースが存在します。

フランチャイズ事業の始め方 その2:加入するフランチャイズチェーンを決める

参入する業界の次に決めなければいけないことは、どのフランチャイズチェーンに加盟するかということです。

成長のポテンシャルがある魅力的な市場であれば、複数の会社が競争しているはずです。

一方で、目新しい分野で、まだ誰もポテンシャルに気づいていないものを除き、激しい競争がなければ、むしろその業界は衰退する可能性があることも覚えておいた方が良いかもしれません。

競争の存在は、市場を魅力的に見せるだけのものではなく、業界の健全な成長や発展のためにも良い機会を与えてくれます。

ただし、すべての競争が良いとは限りません。

サービスレベルの向上や商品開発を重視しない単なる価格競争だと、すべてのプレイヤーが次々と潰れていきます。

そのような競争環境で一番損をするのが加盟店となるので、単なる価格競争はできるだけ避けるべきです。

では、自分が参入を検討している業界において、健全な競争環境の中で複数のフランチャイズチェーンが存在しているということを前提に、加盟するフランチャイズチェーンをどのような選択基準で考えれば良いのでしょうか。

1つの例として下記のような基準を参考にしていただければと思います。

基準1:業界のトップレベルであり、健全な財力があること

特に消費者をターゲットとしているビジネスにおいては、リーディングカンパニーであることはとても大事です。

自動車会社や消費財メーカーの例を見ますと、1~2%の市場シェア獲得のために大きな競争があり、それが会社の生き残りにつながっていることが分かります。

なぜなら、商品開発やほかの投資のための必要資源がそこから生まれるからです。

また、健全な財力がなければ会社が長生きできず、買収され消えてしまう可能性もあります。

投資家関連情報も読みながら会社の立ち位置について考えましょう。

基準2:高いブランド力を持つこと

フランチャイズ事業に加盟することで最も期待されていることの1つは高い知名度による顧客獲得です。

そのため、加盟を考えているフランチャイズチェーンに関して高いブランド力を求める必要があります。

基準3:加盟条件やプロセスが透明であり、加盟後の運営サポートが優れていること
大切な資金と時間を投資するのですから、加盟プロセスに関してできるだけ透明な開示を求めないといけません。

どのような手順を踏むのかが分かった上で最大限の準備をしておく必要があります。

フランチャイズチェーンの参加を検討する際に、事前説明会はちゃんと行われているのか?

資料に過不足はないのか?

質問に対して真摯に回答をしてくれているのか?

こういった部分で、加入後にどれくらいの運営サポートが期待できるのかを予測することができます。

基準4:フランチャイズオーナーの数が多いこと

フランチャイズ事業へ加盟後、どのような将来を描けるのかが分からない場合も多いと思います。

そのようなときには、フランチャイズオーナーの意見がとても参考になります。

できるだけ多くのオーナーに会い「自分もそうなりたいかどうか」を確認することが加盟のための参考となります。

また、ライバルともなるフランチャイズオーナーですが、そのライバルがどれくらい存在するのかも参考の1つになります。

フランチャイズオーナーが多いということは、それほど多くの人たちがそのフランチャイズ事業に加盟することに対してメリットを感じているということになります。

フランチャイズ事業の始め方 その3:契約を結ぶ

加盟するフランチャイズ事業を決めたら、いよいよ契約を結びます。

契約内容に関しては各フランチャイズ本部にて細かく異なります。

自分にどのような責任と義務が生じるかよく理解した上で契約を結びましょう。

また、分からないものはそのまま放置せずに、必ずフランチャイズ本部や第三者の専門家に確認しましょう。

フランチャイズ事業の始め方 その4:開業準備を行う

フランチャイズ事業を成功させるためには、まず自分の理想を追い過ぎるのではなく、完全にフランチャイズ本部の開業プロセスを遵守した開業準備が必要となります。

フランチャイズチェーンの指導どおりの準備を行い、あとで何か問題が起きたときに対処できるように、行った準備をすべて記録しておきましょう。

フランチャイズ事業の始め方 その5:オープン

新しいビジネスの開始は、未来の成功にも多大な影響を与えるものです。

オープニングイベント、SNSでの呼び込みなど、告知やプロモーション活動を惜しまずに行うことが事業を軌道に乗せていくためにも必要でしょう。

まとめ

フランチャイズ事業を始めるには、上記のような流れが存在します。

各フェーズおいて注意する点は多くあるため、それぞれにおいて自分が確認すべき事項・自分が行うべき事項を確認しつつ、フランチャイズ事業での独立の準備を進めましょう。

今回の記事で紹介した流れに沿って行動を起こせば、より健全で収益性のあるフランチャイズ事業を構築できる確率が上がるでしょう。

PROFILE

経営コンサルタント バシャラ セルダル

トルコ・イスタンブールのボアジチ大学にてエンジニアリングを専攻し、トルコホンダ工場の立ち上げに携わる。
その後、来日し国際大学にて MBA を取得。ゴールドマン・サックス、ほかの企業での勤務後、外資系転職コンサルタント・経営コンサルタントとして独立。
幅広いジャンルにてビジネス拡大のコンサルティングを行っている。

2018年5月24日

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