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人の歴史と向き合ってこそ事業は動き出す ― 『ギャル革命』の仕掛人 藤田志穂の今までとこれから

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何が得意で、どんなところが長所なのか。自分の取り柄を知ることは、独立して事業を起こす際に必ずチェックしなければならないポイント。

では実際に独立や起業して成功している人は、どのように長所や取り柄を見つけたのでしょう?かつてギャル社長として19歳で独立。今年で5回目を迎えた「うまいもん甲子園」の発起人ともなった、藤田志穂さんにお話を伺ってきました。

藤田志穂さんプロフィール

一般社団法人 全国食の甲子園協会会長、OFFICE G-REVO株式会社相談役。高校卒業後ギャルのイメージを一新させる「ギャル革命」を掲げ、19歳で起業、ギャルの特性を活かしたマーケティング会社を設立した。2008年12月末に社長業を退任、現在は高校生の夢を応援する食の甲子園「ご当地!絶品うまいもん甲子園」を企画し、全国の高校生との交流を通じて、人材育成や地域活性化を行っている。
http://umaimonkoshien.com/index.html

他人から逃げないこと。そしてとにかく知ろうとすること

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ー早速…というか唐突ですが、藤田さんが事業を行う上で大事にしている自身の強みや長所って、なんでしょう?

―藤田志穂さん(以下、藤田)
いきなり取り柄を教えてくれって言われても、なかなか難しいですよね。だから、この取材のお話をいただいた時に旦那や会社のみんなに聞きました。「私の取り柄って何?」って(笑)。

そこで挙がったのが「私は人を見かけで判断しない・第一印象で人を決めつけたりしない」というところでした。最初の印象があまり良くない人でも、ちゃんと話してみると意外といい人だったりすることって結構あるじゃないですか。

最初に嫌だなって思った時に、今後付き合っていくのをやめようとするのは簡単ですけど、それ以上の発展はなくなってしまいますよね。なので、相手を否定したい時ほど一息置いて、とにかく相手を知ろうとします。

ーたしかに人を見かけで判断してはいけないと言いますが、なかなか実践するのは難しいかもしれません。藤田さんがそのように心がけようと思ったきっかけはなんでしょうか?

―藤田
ある時、ほぼ初対面の人にめちゃめちゃ怒られたことがありました。「出会ったばかりで私のこと何も知らないくせに、頭ごなしに怒るなんて!」と腹が立ったんですよ。で、その人と付き合うのはやめようと思いました。

でも、せっかく出会ったのだからと、グッと堪えて。その人との付き合いを続けたんです。そしてしばらくしたら他でもないその人が『いろんな人が、人生の先輩としてあなたにいろいろと言うけれど、あなたはその中から好きなものだけ選べばいいのよ』って言ってくれたんです。

その時にやっと気づいたんです。「この人はただ私のことが嫌いで批判したいんじゃなかったんだ」って。もしあの時、その人から逃げていたらこの長所が生まれなかったかもしれません。

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ーその人のことを知ろうとしても、初対面の人とはどうしても壁ができてしまうと思います。藤田さんはどうやって人との間の壁を乗り越えているんでしょうか?

―藤田
私、こうみえて人見知りなんですよ。特に初対面の人との沈黙が耐えられないんです。だからひたすら話しかけてしまうんです、沈黙が怖くて(笑)。もしかしたらここで壁がなくなっているのかもしれません。

それにたくさん話しかけて相手のことを知ろうとするのは、ギャルだった時にバカにされてすごい悔しかったからかもしれません。昔はギャルって見かけだけで変な勘違いをされたり、いろいろとイヤな思いもしてきたので。

だから私は人を見かけで判断しないで、相手の中身をきちんと知ろうとしています。その知ろうとする過程で、自然と壁を乗り越えているんだと思います。

人を支えて人をつなげる。7年の歳月で変化した自分の立ち位置とやるべきこと

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ー藤田さんには7年前にアントレの本誌で一度取材させていただきました。その時から変わったことを教えてください。

―藤田
前回の取材の時は、自分が行っていることをアピールしていました。当時は何ができるのかわからなかったので……。 とりあえず私ががんばっている姿を周りの人に見てもらうことで、がんばろうとしている人たちに『自分でもできるかも!』って思ってもらいたかった。

でも今は、自分ががむしゃらにがんばって前に出るよりも、周りの人をどうフォローできるのかを考えています。若い人達の背中を押し、陽の光を浴びせられるようにするためには、協力してくれるクライアントを探さなくてはなりません。

そこで私は、知り合いや今までお世話になった企業さんに想いを伝えて、人と人をつなげる事で若い人達を応援する。これが今の私の立ち位置であり、やるべきことなんです。

そして私が多くの人と知り合うことができたのは、私の”人を見かけで判断しない”という取り柄があったからだと思います。

過去は変わらない。だから『今までの自分』をどう思うかは今の自分次第

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ー藤田さんはこの7年間で自分の立ち位置ややるべきことを確立していますが、そう簡単ではないはずです。どうすれば自分の役割を見極めることができるのでしょうか?

―藤田
とにかくたくさん経験を積むことだと思います。起業をしてから、あるいは起業をする前から、私は数多くの挑戦をしてきました。その中で成功した経験、そして失敗した経験が今の自分の立ち位置と役割を与えてくれているのだと思います。

ー失敗した経験によって、後悔したりすることもあるかと思うのですが……?

―藤田
過去の経験をどう捉えるかが重要だと思っています。特に失敗した経験に対しては、過去の自分に後悔が生まれると思うんです。私自身、昔はなんで起業したんだろって後悔したこともありました。

でも、過去は変わらないんです。それなら、過去の経験があってよかったなって思えるように、毎日を生きればいい。今までの自分をどう思うのかは、今の自分次第だと思います。

悩んで悩んで独立できなかったら、きっと後悔しか残らない

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ー最後に、独立をしたくてもなかなか踏み出せない人に対して、メッセージをお願いします。

―藤田
やりたいことがあるなら、まずはやってみたほうがいいと思います。早すぎて失敗するのは経験になりますが、遅すぎてできなくなってしまうことは1番やってはいけないこと。できなかったら、きっと後悔しか残らなくなってしまいます。

それに、独立は一人ですることに思えますが、実は、数え切れないほどの人とのつながりの中で成し遂げられています。そのつながりが陰で支えてくれると思うだけで、力が湧いてくるのではないでしょうか?

つながりを大切にするために、苦手な人でもまずは話を聞いてみる。そして周りに起業することを伝えることも重要です。誰かがつながりを持っている人を、紹介してくれるかもしれません。

周りの人を上手に頼りながら、自分の得意なことや取り柄を武器に、まずは勇気を持って動き出すところから始めてみてください。

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事業を営むとなれば、必須となってくるのが税金に関する手続きです。法人であれば、法人税、住民税、事業税に加えて、消費税を納めなければなりません。しかし、新しく設立された会社については、消費税に関する特例が適用されるのです。この制度は、まだ事業が軌道に乗りきっていない時期の会社にとっては大変強い味方になってくれます。
今回は、新設法人にまつわる消費税納税について解説していきます。

設立2期目まで消費税の納税は免除

そもそも消費税を納付する義務の有無については、前々事業年度の課税売上高に基づいて判定されます。課税売上高とは、輸出などの免税取引による売上高も含めたうえで、返品、値引き等の金額を差し引いた売上高のことをいいます。前々事業年度の課税売上高が1,000万円以下であれば、消費税を納付する義務が免除されるのです。

ここで、新設法人の場合について考えてみたいと思います。新設法人には、設立2期目まで前々事業年度というものが存在しません。前々事業年度の課税売上高は設立3期目以降に発生します。
このことを考慮し、新設法人については、原則として設立2期目までは消費税の納税義務が免除されることとなっています。設立3期目以降については、通常通り前々事業年度の課税売上高に基づき判定されることになります。

免除を受けるための手続き

消費税の免除特例を受けるためには、納税地を管轄する税務署長に「消費税の新設法人に該当する旨の届出手続」という書類を提出する必要があります。
ただし、「法人設立届出書」に消費税の新設法人に該当すること、及び所定の記載事項を記載した上で提出している場合は、これを提出しなくとも消費税の免除特例を受けることができます。

消費税の免除特例における例外

実は、設立2期目までであれば、必ず消費税の納税義務が免除されるというわけではありません。免除特例を受けられないのは、次の①②のようなケースです。

①事業年度開始の日における資本金または出資金が1,000万円以上の場合
②前事業年度の開始の日から6カ月間の課税売上高(または給与等支払額)が1,000万円を超える場合。ただし、設立1期目の期間が7カ月以下の場合は、このような判定は必要ないこととされています。

確認は法人の設立前に!

新設法人の特例を知っておけば、法人を設立する際の大きな助けとなるでしょう。ただし、設立2期目までの消費税納税が免除されるためには、いくつかの基準を満たす必要があります。
資本金の金額なども絡んできますので、免除特例を受けるためにはどんな条件を充足する必要があるのか、事前にチェックしておくことが大切です。

会社設立についてもっと詳しく知るには

一口に会社設立と言っても、そこには様々なやり方、種類があります。実際に起業する前に、どのような選択肢があるのかを把握しておくことが大切です。
このガイドでは、まずは会社の種類から設立にかかる費用まで、会社設立の前に必要な情報をご紹介。その上で、電子定款の作成方法や登記など、実際の設立の流れを最短で終えられるよう、実務的な知識をご紹介しています。
本ガイドがお客様のビジネスの第1歩としてお役に立てれば幸いです。

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目次

  1. 1.個人経営主と法人のメリットを比較
  2. 2.会社の種類は?4つの形態の違いを比較
  3. 3.新会社法は会社が守るべきルール
  4. 4.会社は6万円の費用で設立できる
  5. 5.最短時間で会社を設立するための流れとは?
  6. 6.会社設立の際に決めるべき5つのこと
  7. 7.定款の作り方とは?定款は会社のルール集
  8. 8.電子定款の作成手順を完全解説
  9. 9.オンラインで電子定款を送信してみよう
  10. 10.紙で行う定款作成・認証方法まとめ
  11. 11.これで完了、登記の手順

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元記事はこちら
http://keiei.freee.co.jp/2015/12/04/sinsetsuhouzin-syouhizei/

2017年5月29日

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「独立・開業」を目標に実際に起業活動を進めている方の年間密着取材、第2シーズン。開業までのプロセスや想いを中心に、苦労話や失敗談まで、リアルな姿を追いかけるドキュメンタリー。

菊地美由起さんプロフィール
岩手県の保育専門学校を卒業後、すぐに結婚。家事をこなしつつ、ファストフード店やコンピューター関連の仕事に従事。数年後、離婚を機に埼玉県へ移住した。1年ほどファストフード店と服飾店で経理として働いた後、総合病院に就職。9年後に退職し、乳幼児専門の保育園に正社員として就職。3年後、次女の結婚を機に、鎌倉に引っ越す。2017年3月末で保育園を退職し、翌月7日に鎌倉市内にフランチャイズの託児所をオープンした。

――先日取材でお伺いした時は、まだ備品が揃っていないとおっしゃっていましたが、オープンまでに室内の準備は整いましたか?

4月6日に食事用のハイテーブルや本棚、おもちゃ箱が届き、予定どおり窓際に配置しました。

それからウォーターサーバーも置くことにしたので、少しレイアウトを変更してカラーボックスを買い足し、排煙口の下にこどもたちのお昼寝用のサークルを置いてスペースを確保しました。
なんとか翌日7日のグランドオープンまでに間に合ったのでよかったです。

カラーボックスを遊び場と食事スペースの間仕切りにしようとしたのですが、”これくらいだろう”とサイズも図らず安易に買ってしまい、結果、ベビーゲートが入らないことが発覚したので、そちらは再度発注からやり直すんです。

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――開業第1号の利用者はどんな方でしたか?また初めてご自身の託児所でお子さんを預かったわけですが、どんな気分でしたか?

前の日からドキドキワクワクして落ち着きませんでした。

フランチャイズ本部のホームページから予約をしてくださった遠方の方で、お子さんは5歳の女の子。
4月と5月の2回予約を入れてくださったのですが、初めて利用された時、お子さんが帰り際に「ママ、もっと遊びたい」とお母さんにお願いしているのを聞き、本当に嬉しかったですね。
2回目にいらした時も「楽しみにして来ました」とおっしゃってくださったんです。

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――そうなんですね。ゴールデンウイーク中、鎌倉市内は観光客で混雑したと思いますが、託児所はいかがでしたか?

街はかなり混雑していました。
でも残念ながら観光客のお子さんの預かりはなく、まだまだ私の託児所が認知されていないと実感しました。

でもゴールデンウイーク前に、娘と話し合って“おむつ替えスペースの無料開放”をやろうということになり、SNSと店頭の看板で告知をしたら、何人かおむつ替えスペースを利用してくださったんですよ。
来てくれたママたちから「鶴岡八幡宮まで行ったけど、ベビーカーで上宮まで上がることができなかったので断念しました。この託児所を知っていたらこどもを預けて行ったのに…」とか「鎌倉の街はおむつ替えできる場所があまりないので助かりました」と声をかけてもらえたので、やはり皆さんに知ってもらうことから始めなくてはと思いました。

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――知名度を上げる方法や対策など、何か考えていらっしゃいますか?

はい。地元の人に向けてスペースの開放日を設けようと思っています。

利用者の方には全員、会員登録をしていただき、初回登録保険料金をいただいているのですが、5月、6月は“母の日のプレゼント”をイメージして、お子さんのパパやおじいちゃん、おばあちゃんを対象に、登録料金を半額にします。
そしてその方々には、期間中の平日10時から16時まで、親子で遊べるスペースとして無料開放することにしました。

まずは家の近くにこういう場所があるということを知ってもらい、口コミで広げてもらうというのが目的です。

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――ほかにはどういった販促活動をされていますか?

市役所や観光案内所などには既にあいさつに行き、フランチャイズ本部のチラシを置いてもらっています。

また場所柄、結婚式も多いのでブライダルサロンにも行く予定です。
「結婚式に参列する間、こどもを預けたい」というお問い合わせを何件かいただいたので、着付けや準備をしている時間に預かるサービスはどうかと思いました。

迷っているのは観光協会なんです。
おむつ替えのスペースがあるという告知はお願いできているのですが、チラシを置いてもらうとなると月にいくらかお支払いしなくてはいけないようなので検討中です。

ほかにも住所と電話、料金など最低限の情報がわかり、財布や手帳などにサッと入れられるようなコンパクトサイズのチラシも作りたいと考えているところです。

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――まだ開店したばかりではありますが、いつ頃の黒字化を目指していますか?

5月の地点では、売上げ目標の3~4割というところなんです。
今のところ、想定内ではありますが、7月くらいには黒字になってほしいと思っています。

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――最後に、開業してよかったと思う瞬間はどんな時でしょう。

まず、自分の大好きな鎌倉という場所に毎日通い、鶴岡八幡宮を見るだけで元気がでます。
そこに自分のお店を持てたというのは本当に嬉しい。
そしてこどもたちと密に関わり、楽しそうに遊んでいる様子を見るだけで幸せな気持ちになります。

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「-Season2-長期密着取材! 独立開業への道365日」シリーズ
次回の更新は、2017年6月2日(金)。
Uターンした山梨県で開業準備中の橋爪ご夫妻編(第6回)予定。
条件に合うような購入物件に出合えたのか!?お楽しみに!

更新日:2017/5/26
文:堀家かよ 撮影:吉原朱美




独立開業への道 365日 アンケート2

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2017年5月26日

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起業家、経営者にとって大事なのは、世の中を見抜く力です。1つの事象をどう捉えるかで、ものの見え方も、そこから得られる情報も大きく変わります。そうした「着眼点」、実はトレーニングによって鍛えることができるのです。累計20万部を超えるベストセラーとなった『戦略思考トレーニング』シリーズでおなじみの経営コンサルタント・鈴木貴博氏に解説してもらいましょう。

いきなりですが、クイズです!

Q.「ブックオフ」の苦境がニュースで報道されることが増えています。ブックオフが得意とする「中古」のマーケットには実は未来はないのか…。ニュースを見ながらそんなふうに考えた方がいるかもしれません。では、同じく中古品を扱うサービスとして人気の「ヤフーオークション(以下ヤフオク)」の売上は、伸びているのでしょうか? それとも停滞しているのでしょうか?

今回は2択です。理由もあわせて考えてみてくださいね。

クイズの答えの中に、着眼点を鍛えるポイントがある

今後伸びる市場について考えてみたときに、「中古」「シェアリング」といったキーワードは1つの大きなテーマとなるのは間違いなさそうです。

『アントレ』に掲載されている独立支援情報を見ていても、中古品の買い取り業やカーシェアリングなど「シェアエコノミー」を取り入れた仕事は多くなっていますし、リユース・リサイクルといったテーマで事業を行う新しい会社も出始めています。

世の中の全体がリユース、シェアという方向に進んでいるのは明確ですから、「時代を映す鏡」とも言われるフランチャイズビジネスで、こうした流れが加速しているのも当然といえば当然です。

一方で、少し前から「ブックオフ」の苦境がニュースで報道されることが増えています。ブックオフといえば、ご存じ、リサイクルショップの中でも最大手の1つです。時流という追い風に乗って成長業界を牽引していてもおかしくなさそうな同社が、なぜ苦境に立たされているのか。

今回は、このブックオフのケースから、いろいろと考えてみたいと思います。

それでは解説します!

ブックオフの主要取り引き商品は、「本」「CD」「ゲーム」です。これらは、今の時代における「3大市場縮小コンテンツ」と言っていいものでしょう。

ブックオフも当然それはわかっているはずです。最近は店舗だけでなくネットでの買い取りや販売も行って間口を増やしています。また、携帯電話やタブレットなどデジタルアイテムの取り扱いを増やし、ラインナップの強化にも取り組んでいます。黙って売上が落ちるのを見ているだけではないのです。

さて、中古品を売り買いするサービスとしてもう1つ代表的なものが「ヤフオク」です。そのヤフオクの売り上げはどうなっているのでしょうか。

発表されている数値を見てみると、2年ほど前までは年7〜8%の成長を続けていましたが、最新の調査では3.5%の成長となっています。この数字だけを見れば勢いが止まったようにも見えます。しかし実際のところは、「メルカリ」のような新しいサービスが出てきたことで一時的に売り上げを落としているのではないか、というのが、専門家たちの見立てのようです。

こうした状況から言えるのは、中古品を扱うマーケットそのものはやはり着実に伸びているということです。新しいサービスが次々に生まれ、活性化しながら市場規模は間違いなく大きくなっています。

しかし、ブックオフはその流れに乗れていません。

そして、こうした状況は将来、あなたのビジネスでも起こり得る可能性があるのです。

つまり、成長業界にいるにもかかわらず、自分のところの主力製品が伸びを欠き、事業がうまくいかなくなるという状況です。それが起こった時にどう対応すべきかという思考訓練は、常にしておいた方がいいでしょう。

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コンサル視点で考えた「3つの対処法」とは

ブックオフの苦境の理由を一言で言ってしまうと、「主力製品の売り上げの落ち込みにビジネスの転換が追いついていない」ということだと思います。

ここで私ならば、今後の対処法について3つの方向性を考えます。

「業態転換」「ビジネスモデル転換」「イノベーション」です。それぞれについて説明します。

(1)業態転換
コンサルがこのような時に最初に何をするのかと言うと、徹底的にヤフオクを分析します。どういう出品カテゴリが増えているのかを調べ、出品が多いということは売り上げも多いだろうという推測のもと、売り上げの構造を徹底的に調べていきます。

その視点でブックオフの商品構成を見ると、本やCD、ゲームというのが時代遅れになってきていること、ハードウェアといってもスマホみたいに頻繁に何度も買い替えないものを扱っていてはダメだということがわかってきます。そして、扱うべき「伸びるコンテンツ」を考えます。

ただし、新しいコンテンツを扱うには、ノウハウが必要です。明日から突然、ブランド品や金券を扱おうと思っても、その商品を扱うためのノウハウがなければうまくいきません。その点、ブックオフは上場企業ですから、財務力があります。企業を買収するなどして、新しいビジネス領域に入っていくための方法を考えることができるのです。

(2)ビジネスモデル転換
同じ領域で続けていく場合に、ビジネスモデルを転換するのは1つのやり方として有効です。現在のような店舗型で在庫を持つビジネスモデルからの転換を考えます。

たとえば「Amazonマーケットプレイス」のような出品者と買いたい人をつなげるビジネスモデルや、「ヤフオク」や「メルカリ」のようなフリーマーケットをモデルにしたビジネスへの転換・参入を検討します。

(3)イノベーション
アメリカに「True Facet」という、時計とジュエリーを専門で扱う人気のフリマサイトがあります。この会社は、イノベーションの会社として注目を集め始めています。

何がすごいのかというと、画像解析技術が活用されている点です。出品されたものを画像解析し、商品のデザインやフォントなどの細かい違いを見極めることで、偽物があれば即座にはじかれる仕組みを整えているのです。つまり、偽物が出品されないという価値が、イノベーションによって担保されているわけです。

このサービスは、中古流通における最新のイノベーション事例と言えるかもしれません。そして、こうしたイノベーションを取り入れることで、現状打破を図ります。

苦境に備え、あらかじめ選択肢を持っておこう

たとえ成長業界に身を置いていたとしても、様々な理由から、自社の成長が止まってしまったり、苦境に立たされることはあり得ます。起業家として経営を行っていく以上、その時の対処法について選択肢を持っておくことは大切なことです。

今回はブックオフのケースを参考にしてみました。この手のニュースに触れた時に、思考トレーニングだと思って「自分ならどうするか」を考えてみることは、経営者として必要な力を養うにはもってこいですから、ぜひ訓練だと思ってやってみてくださいね。

最後に、もうお分かりだと思いますが、冒頭のクイズの答えは「売り上げは伸びている」でした。 何かと話題の「メルカリ」のように、今後も新たなビジネスが次々と立ち上がっていきそうな「中古」「シェア」のビジネス。目が離せません。


PLOFILE
プロフィール写真

経営戦略コンサルタント
百年コンサルティング株式会社
代表取締役
鈴木貴博

東京大学工学部卒業後、ボストン・コンサルティング・グループに入社し、数々の大企業の戦略立案プロジェクトに従事。1999年にはネットイヤーグループの創業に取締役として参加。2003年に独立し、百年コンサルティングを創業する。大手企業の経営コンサルティング経験を元に2013年に出版した『戦略思考トレーニングシリーズ』(日本経済新聞出版社)が累計20万部を超えるベストセラーに。現在はビジネスをエンタメクイズ化する経済エンタテナーとしても活動中。『パネルクイズアタック25』(優勝)、『カルトQ』などのクイズ番組出演経験も豊富。

2017年5月25日

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