スタイルのある生き方へシフトしたいビジネスパーソンのためのニュース・コラムサイト。
検索
独立の専門家に聞く

コロナ禍の今だからこそ、法人設立するべき理由を税理士が解説!

コロナ禍の今だからこそ、法人設立するべき理由を税理士が解説!

副業でも独立でも、事業がある程度軌道に乗ってきたのなら、見えてくるのが法人設立という選択肢。

帝国データバンクは国内の法人の実態把握を目的として、国税庁法人番号公表サイトの法人番号のデータをもとに、毎月の法人に関する動向について分析を行っています。

その結果によると、毎月1万件以上法人が新設されていることと、2021年は前年、2020年より新設法人数が増加しています。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/2021.html#doukouAre

2021年4月の新設法人数は、15,931件(前年同月比 139.2%)
2021年6月の新設法人数は、13,411 件(前年同月比 131.1%)
2021年8月の新設法人数は、11,090 件(前年同月比 109.8%)

「とはいえコロナ禍の今、わざわざ法人を設立するのもな……」と考える方もいらっしゃるかと思います。しかし法人設立を検討している人にとって、私は今こそチャンスだと考えています。

今回はその理由についてお話したいと思います。

個人と法人でこんなに違う! 法人設立、3つのメリット

そもそもの法人設立することのメリットはなんでしょうか。

以前お送りした記事では、法人設立のメリットについて①お金編、②信用編、③手間編の3つの視点に分けてポイントを絞って説明しました。

また、法人設立をするか悩んでいる方は、一般的に述べられるメリット、デメリットで判断するのは早計だというお話もさせて頂きました。

ぜひご一読ください!

①お金編

・節税対策ができる!税率の差により納税額が減額など!
・有限責任にできる
・出資を受けることができる

②信用編

・対外的な信用を得やすい
・社長のモチベーションアップ

③手間編

・ランニングコスト
・経理や社会保険事務の負担

法人設立する最大のメリットと言われているのは、やはり「節税」と言われています。

そのインパクトは大きく、「節税」ばかりに目がいきがちですが、実は「節税」以外にも法人設立にはさまざまなメリットがあります。

具体的な例を挙げていきましょう。

【今法人化するメリット】給付金や補助金の対象・金額が増加

今法人化するメリットとして、「個人事業主」に比べて「法人」の方が受給できる金額が多い場合があるということです。

2020年は「持続化給付金」、2021年には「一時支援金」や「月次支援金」など、法人・個人事業主を対象に、いくつか国や地方自治体からの給付金がありました。


例)
・月次支援金
給付額(上限):中小法人等20万円/月、個人事業主等10万円/月

・一時支援金
給付額(上限):中小法人等60万円、個人事主等30万円

「個人事業主でも受けられる補助金がある?」 コロナ禍でよく受ける質問を税理士が解説!

自治体ごとの休業協力や事業継続に関する支援金でも、法人と個人事業主では差を設けている例が多くあります。

下記のJ-Net21で簡単に検索できますので、自治体毎の支援金等もチェックしてみましょう。

J-Net21 休業協力・事業継続に関する支援金(都道府県別)

今後、追加の経済対策で出るであろう「給付金」や「支援金」でも、個人事業主と法人では給付上限額に差があるケースがほとんどと予想できます。

語弊を恐れずに言えば、個人事業主のままでいるよりも、法人を設立した方がより大きな金額を需給できる可能性が高い、と言えるでしょう。

今、法人設立を検討している方は、この差についても検討材料にするといいのではないでしょうか。

【今法人設立するメリット】消費税の免税期間が長く取れる!

法人設立するメリットのひとつに、特殊な場合を覗いて、最大2年間は消費税の納付が免除されるということがありました。

<現行制度で消費税を納めなくてよい場合>
・会社設立1年目、2年目
・2期前の売上が1,000万円以下
※説明のために簡略化しています。正確な情報は国税庁のホームページや顧問の税理士にご確認下さい。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm

もともと個人事業主で事業をされ、消費税を納める義務のある「消費税課税事業」になっている方にとっては、法人設立(法人化)する大きなメリットの1つに、最大2年間消費税の免税事業者になるということでした。

ところが、令和5年10月1日より「適格請求書等保存方式(インボイス制度)」という制度が始まります。

通称「消費税のインボイス制度」と言われ、令和3年10月1日から登録事業者の申請が開始されます。

この制度により、今まで売上年間1,000万円以下であり「免税事業者」だった方も、「課税事業者」を選択することが予想されます。

消費税の免税期間(2年間)を最大限に活用するには、令和3年10月1日までに法人設立する必要があります。

国税庁 インボイス制度の概要


コロナ禍の今だからこそ、先を見据えて法人化しよう

今回はコロナ禍の今、法人設立するメリットについてお伝えしました。

もちろん法人設立はメリットだけでなく、さまざまなデメリットも多くあります。そのようなリスクを取ったからこそ、恩恵を受けることがあります。

今回のお伝えした給付金や協力金の受給額の違いもそのひとつの現れでしょう。

<今回のまとめ>
①給付金や協力が法人設立によって増加になる可能性あり!
②消費税の免税期間を最大限(2年間)取りたい方は早めの法人化検討を!

法人化するタイミングで悩まれている方がいましたら、よく言われるメリット、デメリットに加えて、今回お届けした内容も併せて検討してみましょう。

安易に節税だけしか法人設立のメリットがないと思い、法人設立を最初から選択肢にいれないといったケースは、私のお客さまにも非常によくお見かけします。

自分・自社に必要な正しい情報をつかみ取り、コロナ禍を乗り越えていきましょう!

文=齋藤 雄史
編集=内藤 祐介

<プロフィール>
齋藤雄史さん
税理士/公認会計士
宮城県仙台市出身。

高校卒業後、進学資金を貯めるため、新聞販売店に勤務。その後、地元の簿記専門学校に進学、東日本大震災同年の2011年公認会計士試験合格。

合格後、新日本有限責任監査法人福島事務所勤務。
法律の世界に魅せられロースクールに進学し、同時期に板橋区にて会計事務所を開業。

ITやクラウド対応を武器に顧客開拓に成功し、20代〜30代をはじめとする多くの起業家から厚い信頼を得ている。

アントレ 独立、開業、起業をご検討のみなさまへ

アントレは、これから独立を目指している方に、フランチャイズや代理店の募集情報をはじめ、
さまざまな情報と機会を提供する日本最大級の独立・開業・起業・フランチャイズ・代理店募集情報サイトです。