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【スペシャル対談】多様な働き方を選べるミドルシニアが、「最初の一歩」としてやるべきことは?-後編-

【スペシャル対談】多様な働き方を選べるミドルシニアが、「最初の一歩」としてやるべきことは?-後編-
写真左より木下紫乃さん、平野、菊池

前編に引き続き、ミドルシニアの多様な働き方を応援するために、ミドルシニアのキャリアデザイン支援に力をいれる「スナックひきだし」の名物ママ・木下紫乃さんと、アントレ独立ワークスラボ所長・菊池保人とのスペシャル対談をお送りします。

アントレが設立以来、大事にしてきた「独立の味方です。アントレ」というメッセージを胸に、いま一度、ミドルシニアの独立における「最初の一歩」について考えてみたいと思います。

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<プロフィール>
木下紫乃さん
慶應義塾大学卒業後、新卒で株式会社リクルートに入社し、システムエンジニアや広報を経験。その後は転職を繰り返し、次世代経営者リーダー育成や、ダイバーシティ推進研修など、大手企業中心に数百の企業研修の設計、運営に携わる。2016年に中高年のキャリアデザイン支援を目的とした人材育成会社・株式会社ヒキダシ(https://hikidashi.co.jp/)を起業。中高年のセカンドキャリア支援、コーチングをしながら、2017年には「スナックひきだし」を東京都港区に開店。キャリア支援のプロでもある紫乃ママが週に1日だけ営業する「昼スナ」には、悩める40代・50代のミドルシニアが数多く訪れる。      
著書に『昼スナックママが教える 45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気』(日経BP)。

【スペシャル対談】多様な働き方を選べるミドルシニアが、「最初の一歩」としてやるべきことは?-後編-

<プロフィール>
独立ワークスラボ 所長
兼 アントレフェロー
菊池 保人
東京工業大学卒業後、1987年4月に株式会社リクルートに入社。新規事業の営業職、企画職を経て、リクルート全社のIT統括組織にて、各事業領域のIT戦略の立案とその実行部隊の責任者を経験。リクルートのすべての事業領域を担当し、メディア・商品のリニュアル、業務BPRを推進してきた。その後、全社横断のネットマーケ戦略立案とその実行責任者を経験し、人材領域での新規事業開発を担った後、「アントレ」編集長に。2019年4月にリクルートグループから事業ごと独立し、株式会社アントレの代表取締役に就任する。2020年7月、個人が中心となる“独立した働き方”の拡大を目的に、アントレ内外の調査研究を推進するアントレフェローに就任。会社や組織にとらわれずに「働き方の変化」の先頭に立ち、隠れた社会課題への洞察力を発揮するとともに、「自由になるのは未来だけ、その未来に続く今を変える!」を合い言葉に、誰もが自分らしい独立した働き方に挑戦できる社会を目指し続けている。
<聞き手>
アントレ編集長
平野 謙

「異質なところに飛び込む勇気」と「自分を晒す勇気」

――今回の話を通じて、読者に何か「最初の一歩」のきっかけを提供したいと思っています。他にもファーストステップとしてオススメなものがあれば教えてください。

紫乃ママ
私がいつもいうのは、「自分の棚卸し」をすることですね。20年近く会社員をしたのであれば、間違いなくいろんなものを持っているんです。それは物理的なものだけでなく、「人脈」とか「経験」とか、それこそ「仕事のやり方」みたいなものも。
でも、そういう話になると必ず「私って何もないんです」と言っちゃう人がいます。そんなわけないでしょう。それははただ単に、自分に対する目線が雑なだけです。

菊池
「雑」かあ。なるほど、説得力があるなあ。

紫乃ママ
自分の中にある経験や知識を、一回全部並べて、使えるもの・使えないもの・使いたくないものを理解しておく。そのうえで、やりたいこと・やろうとしていることと結びつけていかないと、先には進めないと思いますね。
で、その時に有効なのが「他の人と話すこと」です。会話の中で「こういうこともできるんですか?すごいですね!」みたいに言われて「え、そうなんだ!」と気づくことってよくありますよね? 知らない人の方が見つけられるものって、間違いなくあるんです。

菊池
自分と境遇の違う人だからこそ、気づけるものがある、というわけですね。

紫乃ママ
そう。私は「異なる領域にいる人との出会いはチャンスの入り口」と呼んでいるんですが、人に自分の持っているものを見つけてもらうんです。自分の持っているものって、当たり前になりすぎてわからないじゃないですか。だから、そのためにも自分のコミュニティは増やすべき。副業もその1つだと思います。

――「副業=お金を稼ぐ仕事」と考えがちですが、そういう意味で副業を捉えてみるのは面白いですね。

菊池
最初の一歩としての副業は稼げなくてもいい、と。

紫乃ママ
私はそう思っていますね。「ありがとうをもらう」というか、自分の何が、人からありがとうといってもらえるものなのか、それを会社以外の場で探求するのは大事です。

菊池
「昼スナ」も、そのための1つのコミュニティですね。そういう意味では、「異質な人」との会話が必要であり、「異質なところに飛び込む勇気」を持ちましょう、ということですね。

紫乃ママ
何が世の中から評価されるのかは、他流試合しないとわからないですよね。少なくとも会社の中は似たような人同士で同質化しがちなので、自分自身を顕在化しにくい。だからこそ、いろんなところに行って話をしてみる。そして、できればそこで「自分ができること」を発信してみてほしいんです。

菊池
なるほど。つまり、「自分を晒す勇気」も必要だと。それによって化学反応が起きたり、いろんな声をかけられることで気づきが生まれるわけですね。

紫乃ママ
そうそう。そこにいろんなヒントがあると思いますよ。

他人を使って自己分析しよう

【スペシャル対談】多様な働き方を選べるミドルシニアが、「最初の一歩」としてやるべきことは?-後編-

――紫乃さんは「自分で名刺を作ってみるといい」という話をされていると伺いました。それってどういうことでしょうか?

紫乃ママ
自分を発信するための名刺ですね。会話のフックというか、注意を引くことができると思うんです。編み物が好きなんだとしたら「編み物研究家」でもいい。「これって何ですか?」が話のきっかけになるじゃないですか。

菊池
今できることを書いたらいいわけですね。

紫乃ママ
「修行中」でもいいと思いますよ。会社の名刺に慣れていると、ちゃんとしたものでなければ肩書きをつけたらダメだと思ってしまいがちですが、そんなルールはないですから。

菊池
まさに異質なところに自分を晒すためのツールだと。

紫乃ママ
そう。だから別に肩書きでなくてもよくて、「とっかかり」が作れればOK。

菊池
「失敗したくない」から晒すのをやめてしまうと、一歩も進めませんしね。

紫乃ママ
あとは他人と比較しちゃうこと。「できないから」って。

――やっぱり自分にしかできないことはあるはずだし、自分のことを意味づけし直すという意味でも名刺は面白いかもしれませんね。そのためには、自分のことを大切にしないといけないと感じました。

紫乃ママ
そう、自分は「自分のプロ」であって、あなたのことは最終的にはあなたしかわからない。だから世の中の基準などは気にしなくていいと思いますよ。会社員を20年もやっていたら、学生さんがやる自己分析とは比べ物にならないくらい、見つめ直すものはあるはずですし。

菊池
しまっていた引き出しを開けてみる、と。ちょっと怖いなあ(笑)

紫乃ママ
そして、それを自分一人でやるのではなく、他の人を使ってやったらいいということなんです。

菊池
自分のことは自分でしかわからないけど、一方で、自分のことは案外わからないもの。だったら外から刺激してもらおうということですね。

紫乃ママ
そのためには、フットワーク軽く、いろんなところに出かけてみてほしいです。

軽く弾むような、「軽はずみ」なアクションを

――最後になりますが、改めて新しい一歩を踏み出したい読者にメッセージをいただけますか?

紫乃ママ
面白そうだなと思ったら、「軽はずみ」に挑戦してほしいですね。軽はずみだから失敗することはあるけど、失敗したらやり直したらいいだけ。考えて考えて考え抜く時間が、ミドルシニアにはあまり残されていないんだから、考えすぎないことは大事です。軽く弾むように、軽はずみでスタートして、それを繰り返していけば見えてくることがあると思いますね。

菊池
軽く弾むで軽はずみ、いい言葉ですね。

紫乃ママ
「この仕事は一生続けられるか」なんて考えるのは重すぎるじゃないですか。軽はずみで、ちょうどいいと思うんです。

菊池
私も同じ考えで、一歩目をいつもと違う足から出してみるだけでも違うと思っています。そして、自分の持ち味がわからなければ、誰かに見つけてもらうことを躊躇しないでほしいですし、それを軽はずみにやってほしいですね。
自分の信頼する人からフィードバックをもらうのもよし。昼スナのような第三者的なリラックスできる場所に行ってみて、軽はずみで自分を晒してみるのもよし。それをきっかけに、いろいろなことに「気づく」のが大事ですね。

紫乃ママ
そう。まさに「小さい勇気」を大事にしてほしいなと思いますね。

【スペシャル対談】多様な働き方を選べるミドルシニアが、「最初の一歩」としてやるべきことは?-後編-

取材・文=志村 江
撮影=桑原 克典

最初の一歩を踏み出すには?自分らしいセカンドキャリアの探し方オンラインセミナー

『昼スナックママが教える 45歳からの「やりたくないこと」をやめる勇気』(日経BP)の著者でお馴染みの木下紫乃さん、とサラリーマンをしながら起業したアントレ社員橋本による対談のほか、自分の興味あるもの・好きなものを可視化し、参加者同士のディスカッションを行うイベントです。
動き出したいけど、なかなか一歩を踏み出せないあなた!ぜひご参加ください。

開催日時
11/24(水)19:00~21:00(受付18:30~)

オンライン開催

こんな人におすすめ
☑ 今は会社で働いているけれど、数年後には副業・兼業・起業したい
☑ まず最初の一歩目をどうやって踏み出したら良いか分からない
☑ セカンドキャリアに踏み出したいが、今の環境を捨てる勇気がない
☑ 自分と同じサラリーマンで、副業を始めた人のリアルな話を知りたい
※後半はワークショップ&ディスカッションがあります。

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詳細ページ https://entrenet.jp/event/detail_20211124_pr.htm?
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