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フランチャイズオーナーに必須の社会保険と労働保険ー起業形態や業種による違いを解説

フランチャイズオーナーに必須の社会保険と労働保険ー起業形態や業種による違いを解説

【この記事でわかること】
・フランチャイズオーナーが加入できる社会保険
・必須加入な保険とその条件
・加入時に注意すべきポイント
・加入しておくと安心な任意保険

従業員を雇用してフランチャイズオーナーとして独立する際には社会保険に加入する必要があります。ただし開業の仕方や人数、業種により要件が異なり、誤れば法律違反で罰則を受けて社会的信用を失うこともあるため注意が必要です。

独立に際して加入すべき社会保険の内容を知っておくことは特に重要であるため、この記事ではフランチャイズオーナーに向けて社会保険の基本を網羅しました。会社員時代には知らなかった社会保険の要件や手続きについて、独立開業前に理解度を深めておきましょう。

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フランチャイズ加盟後に加入できる社会保険とは

社会保険(健康保険)は、企業勤めの会社員や、条件を満たす短時間労働者(アルバイト・パートなど)には加入が義務づけられている保険制度です。

広義の社会保険には「健康保険」「介護保険」「厚生年金保険」「労災保険」「雇用保険」の5つの保険制度が含まれます。

フランチャイズオーナーの健康保険

健康保険とは、労働者とその家族が利用できる社会保険で、業務外で負った病気やケガの治療費の負担を小さくするためのものです。医療機関でかかった医療費のうち本人が負担する割合は原則として3割ですが、未就学児(小学校入学まで)と70〜74歳は2割負担、75歳以上は1割負担です。※1

・健康保険の加入方法
会社を設立した日から5日以内に、会社の所在地を所轄する年金事務所へ届け出ます。

・健康保険の加入義務者
会社を設立した代表者は、役員や従業員の人数に関係なく強制的に加入する義務があると法律で定められています。また、個人事業主として経営する場合でも、自分を除く5人以上の従業員を雇用しているなら加入の義務があります。

ちなみに加入義務に違反した場合には、保険加入時期まで遡及した保険料を請求され、さらに法的なペナルティーを受ける場合があります。

・健康保険料の費用負担
フランチャイズオーナーと従業員が健康保険料を半分ずつ負担します。

・健康保険の加入が任意のケース
営む業種が、接客サービス(飲食店や娯楽など)・美容理容院・運送業および物品販売業などの場合には、経営者の健康保険への加入義務はなく加入は任意です。

※70歳以上の負担割合は所得によって割合が異なります

フランチャイズの店舗で従業員を雇った場合の雇用保険

雇用保険とは、事業の縮小や廃業などによる解雇で失業した従業員に対して、収入などを補償するための制度です。

・雇用保険の加入方法
会社設立と同時期に従業員を雇用するなら、会社設立日より10日以内、後から雇用するなら雇用日の翌日から10日以内の届出が必要です。

届出の方法は「雇用保険適用事業所設置届」と「雇用保険被保険者資格取得届」を会社の所在地を管轄する公共職業安定所(ハローワーク)に提出します。

・雇用保険の加入義務者
雇用保険は、下記のような従業員を雇用する場合には、事業主に加入義務が発生します。
 ・勤務開始日から少なくとも31日以上は働く見通しがあること
 ・1週間に20時間以上働くこと
 ・原則として従業員が学生でないこと

・雇用保険料の費用負担
フランチャイズオーナーと従業員が雇用保険料を半分ずつ負担します。

労災保険

労災保険とは、業務時間内に労働者が病気やケガをした場合に、国が事業主に代わって手当金を給付するための制度です。

・労災保険の加入方法
従業員を雇用した日の翌日から10日以内の届出が必要です。なお、届出の方法は、書類を会社の所在地を管轄する労働基準監督署に提出、もしくは厚生労働省のサイトから電子申請も可能です。

届出書類は「保険関係成立届」「概算保険料申告書」の他に会社の登記簿謄本や賃金台帳、事業所の住所や存在を証明する書類などたくさん必要です。事前に労働基準監督署もしくは社労士などに詳しく確認してから手続きを行いましょう。

・労災保険の加入義務
労災保険は、従業員を1人以上雇用した場合に加入が義務づけられます。しかし、従業者が代表者のみもしくは代表者を含む役員のみの場合には労災保険の加入義務はなく、その後に従業員を雇用した時点で加入すれば足ります。

なお、雇用保険が週20時間以上の勤務が条件であるのに対し、労災保険は週1日1時間だけの短時間アルバイトを雇用した場合でも加入が必須です。

・労災保険料の費用負担
フランチャイズオーナーが労災保険料の全額を負担します。

・労災保険の加入が任意のケース
個人事業主として従業員数が5人未満で農林水産業を行っている場合には、労災保険の加入義務はなく任意です。

厚生年金保険

厚生年金保険とは、高齢で働けなくなった方の生活資金を補償して、一定レベルの生活水準を担保するために年金を給付する制度です。厚生年金保険は、高度機能障害を患った従業員や死亡した従業員の遺族への補償もあります。

・厚生年金保険の加入方法
会社を設立した日から5日以内に、会社の所在地を管轄する年金事務所へ届け出ます。

・厚生年金保険の加入義務
厚生年金保険は、経営者が個人事業主であっても常に5人以上の従業員を雇用する場合には加入義務があります。

・厚生年金保険料の費用負担
フランチャイズオーナーと従業員が厚生年金保険料を半分ずつ負担します。

・厚生年金保険の加入が任意のケース
厚生年金保険の加入は、営む業種が飲食店や理容美容店などをはじめとするサービス業の場合なら加入義務はなく任意です。

介護保険

介護保険とは、高齢者もしくは高機能障害の家族を介護するための離職や労力の負担を軽減するために、介護サービスが受けられるようにして被保険者を社会全体で支えるための制度です。

介護保険者が介護を受けるためには、市区町村窓口で「要介護(要支援)認定」の申請をして要介護認定を受けなければなりませんが、介護サービスにかかる費用の原則9割が給付されます。

・介護保険の加入方法
会社を設立した日から5日以内に、会社の所在地を管轄する年金事務所へ届け出ます。

・介護保険の加入義務
従業者は40歳以上になると自動的に加入義務が付与され、健康保険と同様に毎月保険料が差し引かれます。

・介護保険料の費用負担
フランチャイズオーナーと従業員が介護保険料を半分ずつ負担します。

フランチャイズオーナーは社会保険に入る必要があるのか?ケースごとに解説

フランチャイズオーナーに必須の社会保険と労働保険ー起業形態や業種による違いを解説

フランチャイズオーナーが法人か個人か、また従業員の雇用状況などによって、社会保険加入義務の有無が異なります。

個人事業主として1人で開業する場合

従業員を雇わずに個人事業主が1人で商売を営む場合には、社会保険に加入する必要はありません。

従業員を1人も雇っていないうえに役員報酬が約1万円以下の法人については、日本年金機構から社会保険の加入を断られてしまう可能性があります。

しかし、そのような法人の代表者は国民年金や国民健康保険に加入して、自らの万が一の状況に備えることができます。

個人事業主として開業し、従業員を雇う場合

雇用している従業員が5人未満であれば、個人事業主の社会保険への加入は任意であり、当然ながら社会保険に加入してなくても罰則はありません。

しかし、既存スタッフの継続雇用や優秀なスタッフの新規採用のためには、社会保険などを含む福利厚生の待遇を良くしておく必要があります。

そのため、経営者は保険加入が任意なら経費が削減できると安直に考えずに、優秀な人材の目にとまる雇用条件になっているかどうかを意識し、保険料は必要経費であると考える視点が必要でしょう。

法人を設立する場合

法人を設立して事業を営む場合には、従業者全員が社会保険に加入する義務があります。

法人が代表者と役員のみで構成されている場合、加入義務は狭義の社会保険(健康保険・厚生年金保険・介護保険)のみです。

しかし、労働時間が20時間以上の従業員を雇用する場合には、狭義の社会保険3つに加え、労働保険(労災保険・雇用保険)の2つも加入しなければなりません。

フランチャイズオーナーが社会保険に加入する際に注意するポイント

法人・個人および従業員の雇用形態や人数によっても異なる社会保険の要件を解説します。

家族の保険料も負担しなければならない

個人事業のフランチャイズオーナーが加入する国民健康保険は、保険料全額を加入者が負担します。

また、国民健康保険料の金額は加入する世帯の所得や加入者数によって決まります。そのため、扶養家族が多い家庭では保険料が高くなり、全額負担のため会社員や公務員よりも高く感じます。

ちなみに、会社員や公務員が加入する被用者保険では、保険料の半分は勤務先が負担してくれます。

短期労働者の雇用なら社会保険は不要

従業員数500人以下の事業所において下記の従業員には社会保険などの加入は任意もしくは加入対象外です。

・1週間の労働時間が20時間未満
・月給が88,000円未満(年収で106万円未満)
・就労期間が1年未満の見通し

つまり、短時間や短期で雇用した場合や、月給が少ない学生のアルバイトの場合には、社会保険の加入は不要です。

事業主自身の保険料は経費にならない

事業主自身の保険料支出は、人を雇って収益を上げるためのものではないため、事業経費としてみなされません。

ただし、個人負担の社会保険料は「社会保険料控除」として所得から控除できる対象であるため、確定申告時に申請することで節税は可能です。

業種によっては加入が任意になることもある

個人事業の業種によっては社会保険の加入が任意になる場合があります。任意適用事業所には一例をあげると以下のような業種があります。

・農林水産業や漁業
・飲食業や旅館、理美容、コインランドリーなどの接客サービス業

なお、従業員や事業主の意思に関係なく社会保険への加入が義務付けられる「強制適用事業所」には、一例をあげると下記のような業種があります。

・製造業
・販売業
・運送業
・金融業
・医療業
・保険業

フランチャイズオーナーが社会保険に加入しないとどうなる?

フランチャイズオーナーが法人を設立して起業した場合、または個人事業で5人以上の従業員を雇用して起業する場合には、必ず社会保険に加入しなければなりません。

もしも社会保険に入っていなかった場合には、過去2年間の保険料を清算しなければならず、場合によっては6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金を請求される場合があります。

フランチャイズオーナーにおすすめの社会保険<任意保険>

フランチャイズオーナーに必須の社会保険と労働保険ー起業形態や業種による違いを解説

会社員時代と同様に、自分にも退職金を用意できる保険もあります。また、自分の事業を倒産から守る保険も別途用意しておくと良いでしょう。

小規模企業共済

小規模企業共済とは、個人事業主が受け取れる退職金のような制度で、定額の掛け金を毎月支払えば、リタイア時には支払った掛け金に応じた金額を受け取ることができる制度です。

これにより、独立開業によって会社員でなくなった場合でも、退職金のようにまとまったお金を受け取れる仕組みを持つことができて安心です。

小規模企業共済|小規模企業共済(中小機構)

経営セーフティ共済

さまざまな事業主と取引をして自分の事業を成長させて収益を上げていくなかで、取引先が突如倒産する場合もあります。

そのような場合でも連鎖倒産のリスクを回避するための保険として、経営セーフティ共済の利用を検討しましょう。

経営セーフティ共済は「取引先事業者が倒産した際に、中小企業が連鎖倒産や経営難に陥ることを防ぐための制度」です。掛け金が毎月5,000~200,000円の範囲内で、 無担保・無保証人で掛金の最高10倍(最大800万円)まで借り入れることができます。また、加入期間によっては解約時に支払い済みの掛け金額全額が戻ってくる場合があります。

経営セーフティ共済|経営セーフティ共済(中小機構)

フランチャイズ開業で加入が必要になる保険

加入しなくても特に法的罰則がないものもありますが、業種の特性上加入しておいたほうが良い保険をご紹介します。

・店舗を運営する場合:建物の損害を保障する火災保険(加えて室内の家財を保証する家財保険)
・従業員を雇用する場合:労働保険

その他にも、開業する業種によっては加入が必須だったり、強く推奨されている保険もあります。

飲食業でフランチャイズ開業する際に必要な保険

飲食業では、火気や食中毒に関する保険が特徴的です。飲食業で必要と思われる保険は下記のとおりです。

・労働保険:従業員やアルバイトの労災保険・雇用保険
・火災保険:建物に対する損害賠償保険(自身の財産には家財保険)
・施設賠償責任保険:施設の使用法に起因する第三者への損害賠償保険
・製造物賠償責任保険:いわゆるPL保険、食中毒を起こした場合など
・借家人賠償責任保険:他者の財産を保障する損害賠償保険

軽運送業でフランチャイズ開業する際に必要な保険

軽運送業では、運搬車両や積載貨物に対する下記の保険があります。

・車両保険:運搬車両の破損や盗難への補償
・貨物保険:積載する貨物の損害への補償

買取販売業でフランチャイズ開業する際に必要な保険

買取販売業では、店舗の火災や偽ブランド商品の買い取りおよび商品の盗難に対する下記の保険があります。

・火災保険
・店舗総合保険
・偽物買取損害共済
・機械警備代行手数料

フランチャイズ加盟で社会保険について迷ったら、本部に相談しよう

社会保険とは、事業主と従業員の両方を守るセーフティーネットであり、法的な強制力を備え罰則のある大切な内容です。さらに、福利厚生などの雇用条件は法的に充足すべき問題だけではなく、その事業所の魅力の1つとして優秀な人材の確保にも大きく影響します。

そのため、できれば独立開業や雇用の前に社会保険について理解を深めておく必要があるのです。

フランチャイズに加盟して起業するメリットは、本部のアドバイザーが社会保険やその他の悩みが相談できる点です。社会保険は、労働基準監督署や年金事務所、市区町村役場などの公的窓口および社労士といった専門家への相談が一般的です。ただ、一緒に事業を行うパートナーであるフランチャイズ本部に相談できるというのは安心でしょう。

その点でも、フランチャイズ加盟は心強いといえるかもしれません。

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PROFILE

柴田敏雄

不動産業界12年、金融業界2年、携帯電話業界5年を経てWEBライターとして独立。業界や職種など幅広い経験をもとに多方面へ寄稿している。

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