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不登校は“個性の裏返し”。「DE-SCHOOL」が普通の学校と異なる理由

2019年11月20日

不登校は“個性の裏返し”。「DE-SCHOOL」が普通の学校と異なる理由

自分の個性を活かす。

個性とは不思議なもので、小さい頃から「個性を活かしなさい」と言われることはあっても、いざその個性が目立つと周りからのけものにされてしまうケースを多く目にします。

学生時代も社会人になってからも、人は多かれ少なかれ、自分の個性との付き合い方に折り合いをつけて生きているのではないでしょうか。

今回お話を伺ったのは、藤井準人さん。

藤井さんはフリースクール「DE-SCHOOL」の代表であり、大学を卒業してすぐに「DE-SCHOOL」を立ち上げました。

「DE-SCHOOL」では個性を伸ばす教育を大切にしているそうで、それは生徒1人1人で勉強している内容がまるっきり違うという徹底っぷり。

一体なぜでしょうか。

<プロフィール>
藤井 準人さん
フリースクール「DE-SCHOOL」代表

同志社大学在学中に、オランダやアメリカ、フィリピン、シンガポールへ渡り、各国の様々な教育について学ぶ。

大学を卒業後、Gftd Japan株式会社の資金の提供を受け、フリースクール「DE-SCHOOL」を設立する。

努力は正しい方法で力を入れれば、必ず結果が出る。藤井さんが教育に興味を持った理由


―藤井さんがフリースクール「DE-SCHOOL」を立ち上げるまでの経緯を教えてください。そもそも教育事業に興味を持ったのはなぜですか?

藤井さん
教育事業へは大きく2つのきっかけから、興味を抱くことになりました。
1つ目が大学受験を経験したことです。
高校生の当時、僕は野球漬けの毎日を送っていました。朝から晩まで練習をして、授業中は寝る、みたいな生活だったので、勉強は全くしていなかったんですね。
高校2年生でbe動詞の意味が分からない、みたいなレベルで(笑)。

当然ですが、そんな状態で大学受験なんて夢のまた夢です。一応、運動をずっとやっていて体力だけはあるので、とりあえず、近くの私塾に入って、教えられたことを愚直にやりました。

けれど、be動詞がわかっていない生徒の受験なんてあまりやってなかったのか、英語なんか最初から長文を読まされ、全然わからない(笑)。

努力はするけど、全然結果は出ないし、改善の気配もない…
その頃はもう、自暴自棄になっていました。「あー、自分は勉強の才能ないんだろうなぁー」って。勉強も完全に止まってしまいました。

そんな時期がかなり続いたのですが、とはいっても、その状態では、絶対に受かることはできない。
そこでイチから考え直し、どうすれば受かるのかな? と考え抜いた結果、長い野球生活の中で培った「努力の仕方」を生かして、その体験を応用すれば良いのでは、とある時、気がついたんです。

―「努力の仕方」ですか?

藤井さん
はい。努力って、正しい方法をかけ合わせないと、結果は出ないものだと思うんです。

例えば、自分がbe動詞も分からないなら、周りの違う学習レベルの高校生たちと同じ授業を受けても意味がない。

それは、自分の努力に対して、正しい方法が合っていないということです。

野球でも同じようなことがあり、それと同じだな、と思ったので、そういった周りに合わせた学習を一切やめ、どの項目を、どの手順で勉強すればよいのか、から調べ、そこから学習をスタートさせました。

すると、明確に、自分の努力量に比例して、ぐんぐん成績が上がったんですね。その結果、1年浪人して同志社大学に合格することができました。

この体験が、自分の教育の熱意とかかわっています。

というのも、大学に受かるまでの自分は、自分を”勉強できない人”と思っていたんですね。けど、しっかり考え抜いて、学習すれば、普通に、勉強はできた。

ただ、その自分の目標に対してできるかと思う感度って、環境とか教育にめちゃ依存してますよね。自分は野球しかやってなかったので、勉強に対する自信なんて、まったくなかったですし、ましてや、私塾に行って結果が出なかった時は、もうやる気ゼロでしたし(笑)

自分はたまたま、考え抜いて、結果が出たんですけど、その何か目標を持ったときに、自分がそれをいける、と思う、思わないで、行動って結構変わってしまうんですよね。

このある個人が目標を持ったときに、それに対して、達成できると思うかどうかの感度のことをを心理学では、自己効力感※、と言ったりするんですが、それって教育のアプローチで、変えられるところあるんじゃないのか?と思いました。

結局、そういった自己効力感は、先程話にあったように、人が育ってきた環境や教育に影響を受けているのではと思ったんですね。

そこで、人の自己効力感の向上をサポートして、変化を与えてあげられるようなアプローチを、教育でできないかな、そういった教育を自分で作りたいなぁ、と思い、教育に興味を持ち始めました流れになりますね。

※自己効力感……ある状況を変化させる手段を遂行することに対する自己評価で、遂行できるという確信の程度のこと

―他の理由はなんでしょう?

藤井さん
2つ目は、日本の学校教育への疑問です。1つ目の理由で挙げたように、大学には苦労して入ったのですが、大学教育の内実が一方通行になりがちだったんです。

これは構造的な問題もあって、教授陣はもともと研究者であり教育の専門家ではない、という理由もあるのです。しかしそういった教育の弊害からか、学生の士気も低い。

こうした状況下にある教育をよりよくできるのでないか、と常に考えていました。

生徒の「個性」を伸ばせる環境を。フリースクール「DE-SCHOOL」の目的

―教育に興味を持ってから「DE-SCHOOL」を立ち上げるまではどういった流れだったのでしょう?

藤井さん
大学在学中に「トビタテ! 留学JAPAN」(※1)を活用してフィリピンやシンガポール、アメリカ、オランダなどに渡り、外国の教育現場について現地で勉強をしていました。

特にオランダの「イエナプラン」(※2)と呼ばれる教育モデルには大きく影響を受けましたね。

帰国してからは「ITでのものづくり教室」を運営する会社でインターンシップも経験しました。

そこは学校の補習的な塾ではなく、主にプログラミングやロボットについて生徒に教えていました。

いわゆるSTEAM教育(※3)と呼ばれる「テクノロジーを使った学び」だったのですが、こういったテクノロジーを前提にした学びと、イエナプランの学びのあり方を上手く統合できないか、と考え始めました。

それが「DE-SCHOOL」の取っ掛かりですね。

※1「トビタテ!留学JAPAN」…文部科学省が展開する、日本の若者の海外留学への気運を醸成する官民協働の留学促進キャンペーン

※2「イエナプラン」…オランダで取り入れられているオルタナティブ教育の一種。異年齢のクラス編成や、健常者と障害者が同じクラスで学んだりと、日本の保守的な学びではない多様性に富んだ教育モデル

※3「STEAM教育」…Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の頭文字を取った造語。これら5つの領域を重視する教育方針

―その後はどのような経緯があったのでしょう?

藤井さん
先程の会社でインターンシップを経験した後、Minerva Schools という大学の日本事務局でインターンシップをしていた時に、GFTD AGENT(現Gftd JAPAN。以下、Gftd)の代表の河崎さんに出会って。

当初はGftdと一緒に英語の教材コンテンツを作るという話をしていたのですが、河崎さんから「新しい学びの形を作りたい」という話があり、自分も自身で教育の事業をやる予定だったので意気投合。

「DE-SCHOOL」を立ち上げることとなりました。

―「DE-SCHOOL」ではどのような教育が行われているのでしょう?

藤井さん
「DE-SCHOOL」は、小学校4年生〜中学校3年生を対象にしたオルタナティブスクール/フリースクールです。

生徒たちには、我々講師(「DE-SCHOOL」ではサポーターと呼んでいます)が、生徒との話し合いの中で興味がありそうな分野の“学びのタネ”を提供します。

生徒はそれを学んだり、自発的に自分が好きなことを集中して学習したり、作品を作ったりするケースが多いですね。

あと、プロジェクト型学習と言って、他者と共同したりしながら、何かを企画を立てて、実行したりすることなどもあります。

プログラミングを学んだり、ゲームを作ったり、マインクラフトでいろいろなものを作ったりと、生徒によって学んでいる領域は様々です。もちろん、学校の教科を勉強する子もいます。

また「DE-SCHOOL」では10時から16時までを学習時間とし、週5日開校しています。授業料をいただいて運営しているので、分かりやすく例えるなら私立の学校、という感じでしょうか。

―「DE-SCHOOL」は、普通に“学校”と聞いて想像するものとは、かなり毛色が異なりますね。藤井さんが海外での経験を経て作られたことを考えると、日本の教育形態は海外と比べてかなり保守的ですよね。

藤井さん
そうですね。

国によって大きく異なるのですが、例えばオランダでは多様な教育を選択しやすいですし、アメリカでは日本よりもホームスクーリングが社会的に広く受け入れられている。

つまり「学校」と聞いて、人が想像するであろう「学校の形態」が多種多様なんです。

しかし日本では「学校」と聞くと、ほとんどの人が「教室で先生の授業を受ける」様子を思い浮かべるのではないでしょうか。

もちろん、そういった従来型の教育方法に適応できる子もいていいんですが、そこに適応できないからというだけで「不登校」というネガティブなレッテルを貼られてしまうのは、非常にもったいないですし残念なことです。

学校に通うのが苦手でも、その子にはその子にしか持っていない素敵な個性があります。集団でいるよりも1人で黙々と何かに打ち込むととてつもない力を発揮したり、自分の好きなことや興味があることなら寝食を忘れて集中したり。

「DE-SCHOOL」は、生徒1人1人が個性を活かして学べる場所です。自分の個性を発見・理解して、個性を活かせる環境でありたいと思っています。

結局、自分の満足を決めるのは自分でしかない


―藤井さんの今後の展望を聞かせてください。

藤井さん
教室を継続的に運営していくために必要なことをやっていけたらと思っています。

また、東京だけでなく地方のこどもたちや保護者の方に「DE-SCHOOL」を知っていただきたいですね。

地方ではまだまだ、フリースクールやオルタナティブスクールは少ないのが現状です。

その施策としてはYou Tubeを使った発信をしていこうと思っています。動画でなら教室の様子を、世界中どこにいても知ることができますから。

―最後に、読者の方へメッセージをいただけますか?

藤井さん
実は大学時代からいろいろな企業から魅力的なお誘いもあったのですが、僕の中ではもう「DE-SCHOOL」一択でした。

理由は世の中に自分が理想とする教育がなく、それが社会になかったから。なら自分で理想の教育を作ろうと思ったんです。

僕の場合は「DE-SCHOOL」をやるか、一旦就職するかを考えた時、ちょっと極端かもしれませんが「自分が死ぬ時に後悔しない方」で考えました。

人それぞれ悩みややりたいことは違いますが、結局自分の満足を決めるのは自分でしかありません。

あなたの答えが独立や起業をすることで達成できるのであれば、絶対に1歩踏み出してみるべきだと思います。

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