瀬川直寛さん(41歳)
VOL.217ベビー用品のECサイトと在庫最適化サービスの2本柱
3度の倒産危機から誕生した
在庫を最適化する新サービス
ベビー服のECショップを成長させる過程で倒産危機が3度あります。2度は不良在庫のせい。商品特性上、売れるか分からないシーズン前に発注する。もうけのチャンスを逃したくないから発注が多めになる。結果、倉庫は在庫の山。今だからいえますが、起業してすぐは「売れ残るよりは欠品したほうがいい」ですよ。
1度めはセールで乗り切りましたが、不良在庫が生まれるメカニズムがわかっていないのでまた在庫がたまる。2度めの危機では、そのメカニズムを解析して「不良在庫になりそうな商品」や「何をどれぐらい仕入れたらいいのか」ひと目でわかる社内システムを構築しました。それからは在庫で悩んだことはありません。在庫回転率は年間17回転と、ハンパない数字。この社内システムをサービス化したものが「FULL KAITEN」です。
3度めは値下げが原因。客数を増やそうと「8000円以上は送料無料」だったのを「2000円以上」に下げたら客数は伸びず利益は減って真っ赤っか。しかもお店が好きで高くても買ってくれるお客さまが離れました。「FULL KAITEN」は、だから焦らず広げていきます。即決してくださるお客さまばかりでも、これ以上増えると十分なサポートが提供できないと思ったら営業をストップ。大事なのはお客さまに喜んでもらうことですから。
撮影/刑部友康、片桐圭、阪巻正志、宮田昌彦
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