フリーランスをしていると「この保険に加入しておきましょう」と保険を勧めてもらえることもなく、万が一のことが起きた際に大きな経済的負担を負うリスクが高いです。自分一人で働いているからこそ入っておきたい保険とは何なのでしょうか。おすすめの保険を18つ紹介します。
会社員とフリーランスの保険料の負担の違い
会社員をしていると、給料から保険料が天引きされているのを見ることもあるでしょう。フリーランスになると、天引きではなく自分で保険料の支払いをしなくてはいけません。会社員とフリーランスでは、保険料の負担にどのような違いが生じるのでしょうか。
保険名 | フリーランスの場合 | 会社員の場合 |
---|---|---|
医療保険(会社員:健康保険) | 全額自己負担 | 会社と折半 |
国民年金(会社員:厚生年金) | 全額自己負担 | 会社と折半 |
介護保険(※40歳になった月から徴収開始) | 全額自己負担 | 会社と折半 |
雇用保険 | 加入できない | 本人と会社の双方が負担 |
労災保険 | 加入できない | 会社が負担 |
フリーランスは会社員と比較して、保険料の負担が多くなります。また、雇用保険や労災保険への加入もできません。
フリーランスが加入しておくべき保険18選
フリーランスをしていると加入が必須な保険もいくつかあるものの、任意で入っておくべき保険もいくつかあります。フリーランスとして活動していくうえで、「いつか」のことを考えて入っておくべき保険にはどのようなものがあるのでしょうか。加入しておきたいおすすめの保険を18つ紹介します。
医療保険
国民健康保険のような公的な医療保険ではカバーしきれない部分に備え、民間の医療保険への加入をしておきましょう。
怪我や病気で病院を受診した場合、公的な医療保険であれば多くの人が3割の負担で治療を受けられます。しかし、これが入院や手術ともなると、食事代や差額ベッド代を支払わなくてはいけません。さらに、休業を要されれば収入も途絶えてしまいます。このような経済的負担も、民間の医療保険であればカバーできます。
1.【医療保険】オリックス生命:医療保険CURE Next/女性向け医療保険CURE Lady Next
オリックス生命の医療保険では、七大生活習慣病(がん・心疾患・脳血管疾患・糖尿病・高血圧性疾患・肝硬変・慢性腎臓病)に対して手厚く保障を用意しています。
七大生活習慣病の中でも入院が長期化しやすい三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)については、保障金の支払日数が無制限に設定されています。入院の有無にかかわらず、約1,000種類の手術に対して保障が受けられるのも魅力の1つです。
また「女性向け医療保険CURE Lady Next」では、女性特有の病気にかかった際に、5,000円が「女性入院給付金」として上乗せされます。
保障内容:病気・ケガ・がんで入院したとき、手術を受けたとき、先進医療による療養を受けたとき、先進医療給付金が支払われる療養を受けたとき
保障期間:一生涯
2.【医療終身保険】メディケア生命:新メディフィットA
メディケア生命の新メディフィットAは、お手頃な保険料が一生涯上がらない医療保険です。
特約を付けると、がん・心疾患・脳血管疾患の三大疾病への保障を無制限にできます。また、女性特有の病気への備えもでき、カスタマイズ性も高いです。最低限の保障はありつつ、保険料をとにかく安くしたいという方におすすめの保険です。
保障内容:病気や怪我で入院したとき、手術を受けたとき、放射線治療を受けたとき、骨髄移植術を受けたとき、骨髄幹細胞の採取手術を受けたとき
保障期間:一生涯
所得補償/就業不能保険
自宅療養が必要になった場合、医療保険では給付金が出ません。医療保険と合わせて「所得補償保険」や「就業不能保険」に入っておくと、怪我や病気で働けなくなった際には通院・入院・自宅療養問わず、給付金を受け取れます。
所得補償保険とは、病気や怪我で働けなくなった際の収入をカバーしてくれる保険です。就業中はもちろん、それ以外で起こった怪我や病気を対象に所得補償をしてもらえます。
就業不能保険は、目的は所得補償保険と変わりませんが、保険金額の設定方法・保険期間・保険金の受け取り方などに違いがあります。
就業不能保険では、50歳から70歳前後のうち5年刻みで満期を選びます。それに対して、所得補償保険は補償期間が1年と短期です。設定内容に応じて、所得補償保険よりも手厚く収入をカバーできる方を選びましょう。
3.【所得補償保険】フリーランス協会:所得補償保険
フリーランス協会が運営するフリーランス向けの所得補償保険は、フリーランス協会に加入していれば誰でも入れます。
所得補償保険は、所得補償・障害補償・親の介護サポートの3種類の保険がひとつになっています。補償期間は1年と短期ではあるものの、オプションを付ければ長期への変更も可能です。
補償内容:病気による入院、怪我による入院、医師の指示による自宅療養(その他障害補償、親の介護サポートもあり)
補償期間:1年
4.【所得補償保険】あいおいニッセイ同和損保:所得補償保険
あいおいニッセイ同和損保の所得補償保険は、最長2年間補償してくれる保険です。申込時、自己申告のみで手軽に加入が可能です。特約で妊娠や出産に備えられるので、フリーランスとして働く女性の強い味方です。
補償内容:怪我や病気で働けなくなった場合(自宅療養も可)、骨髄提供による入院
補償期間:1年
5.【就業不能保険】アクサダイレクト生命:働けないときの安心
アクサダイレクト生命の働けないときの安心は、働けない状態から回復まで、または保険の期間満了まで回数無制限で生活費を補償してもらえます。一般的に保険金支給の対象外となる、うつ病などの精神疾患の補償もしてくれます。
保障内容:病気や怪我で働けなくなったとき、精神疾患で働けなくなったとき
保障期間:60歳満了、65歳満了、70歳満了
6.【就業不能保険】ライフネット生命:働くひとへの保険3
ライフネット生命の働くひとへの保険3は、働けないときの給付金に加え、一時金の支給がセットになった保険です。以下の額が条件によって支払われます。
・14日以上の入院:見舞金一律10万円
・所定の精神疾患が支払対象外期間以上継続して発生:一時金30万円〜150万円
・働ける状態への復帰:復帰支援金30万円〜150万円
保障内容:病気や怪我で働けなくなったとき、精神疾患による就業不能状態が支払対象外期間をこえて継続したとき、給付金の支払い開始後の保険期間中に就業不能状態が終了したとき
保障期間:55歳、60歳、65歳、70歳
定期保険/終身保険/養老保険/収入保障保険
フリーランスの被保険者が亡くなった際、遺された家族の生活を守る保険には、「定期保険」「終身保険」「養老保険」「収入保障保険」の4種類があります。
定期保険は、一般的に保険期間が定められた「死亡保険」と呼ばれています。貯蓄性がなく、希望に応じて保険期間を定められます。基本的に掛け捨てのため、解約返戻金はなく、死亡または高度障害になった場合のみお金を受け取れます。
終身保険は、一生涯保障が続くタイプの保険です。解約しない限り、満期が来ても保証を受け続けられるのが特徴です。解約返戻金も出ることもあり、死亡または高度障害状態にならずとも、解約後老後の生活費や孫の養育費にあてることもできます。
養老保険は、貯蓄としての活用も可能な保険です。死亡時や高度障害を負った時点で保険金を出してもらえます。また、満期の際に死亡保険金と同額の満期保険金の受け取りが可能です。
一方で、収入保障保険は、死亡時や高度障害を負った時点から毎月保険金を受け取れます。毎月支給される保険金は遺された家族の生活をサポートするものと考えておけば良いでしょう。
7.【定期死亡保険】ライフネット生命:かぞくへの保険
ライフネット生命のかぞくへの保険は、2022年に価格.com保険アワード生命保険の部で第1位を獲得した定期保険です。月額の保険料は数百円単位からとお手頃で、保険金額も500万円から1億円まで、100万円単位で自由に設計ができます。
保障内容:死亡したとき、高度障害を負ったとき
保障期間:年満了(10年、20年、30年)、歳満了(65歳、80歳、90歳)
8.【死亡保険】オリックス生命:ネット専用定期保険Bridge
オリックス生命のネット専用定期保険Bridgeは、病気や事故による死亡のほか、災害の場合にも同額の死亡保険金を支払ってくれます。加入すると糖尿病専門サポートサービス、介護・認知症サポートサービス、24時間電話健康相談サービスなどの手厚い特典が受けられます。
保障内容:死亡したとき、高度障害を負ったとき
保障期間:年満了(10年、15年、20年、25年、30年)、歳満了(60歳、65歳、70歳、75歳、80歳)
9.【終身保険】オリックス生命:終身保険RISE
オリックス生命の終身保険RISEは、保険料が上がることなく死亡保障が一生涯続く終身保険です。万が一のために備えつつ、貯蓄性も重視したい方におすすめです。
保障内容:死亡したとき、重度障害を負ったとき
保障期間:一生涯
10.【終身保険】楽天生命:楽天生命スーパー終身保険
楽天生命の楽天生命スーパー終身保険は、業界最安水準の保険料を誇ります。保険金は最小100万円から選択可能です。そのため、最低限の葬儀費用や身辺整理費用のみをまかないたい方におすすめです。
保険料の支払いで楽天ポイントを貯められるので、楽天ユーザーはチェックしてみてください。
保障内容:死亡したとき、高度障害を負ったとき
保障期間:一生涯
11.【養老保険】SOMPOひまわり生命:養老保険
SOMPOひまわり生命の養老保険は、保険金額が1,000万円以上の場合、保険料を高額割引制度に適用できる養老保険です。5年毎に積立配当金が受け取れる「5年ごと利差配当付」と配当金が支給されない「無配当」の2種類から選べます。
保障内容:死亡したとき、高度障害を負ったとき
保障期間:選択可
12.【養老保険】明治安田生命:養老保険
明治安田生命の養老保険は、満期時には満期保険金の全部または一部を据え置くことができます。また、受け取りを一時金または年金形式から選択できるので、自分のライフスタイルに合わせられるのが特徴です。経済的に余裕があるのであれば、満期金を据え置きすると返戻率を高められるので、よりお得に保険が掛けられます。
保障内容:死亡したとき、高度障害を負ったとき
保障期間:選択可
13.【無配当収入保障保険】T&Dフィナンシャル生命:家計にやさしい収入保障
T&Dフィナンシャル生命の家計にやさしい収入保障は、一定の条件を満たすことで保険料が割安になる収入保障保険です。血圧値やBMI値などの基準を満たせば、保険料の月額を1,000円近く安くできることもあります。
保障内容:死亡したとき、高度障害を負ったとき
保障期間:選択可能
14.【収入保障保険】SOMPOひまわり生命:じぶんと家族のお守り
SOMPOひまわり生命のじぶんと家族のお守りは、七大疾病や精神疾患により働けない状態になったときもサポートしてもらえるプランがある保険です。そのため、幅広い病気や怪我の心配がある方におすすめの保険といえます。
保障内容:死亡したとき、高度障害を負ったとき、指定の疾病に罹患したとき(特約)
保障期間:選択可
個人年金保険
個人年金保険とは、老後のための生活費を積み立てるタイプの国民年金にプラスして加入する保険です。
個人年金保険として積み立てた保険金は、定年後国民年金に加えて受け取れます。国民年金や厚生年金のような公的年金は65歳からしか支給されません。そのため、60歳で定年した際に65歳までの間の期間に備えるためにも加入しておくことをおすすめします。
15.【個人年金保険】日本生命:ニッセイ みらいのカタチ 年金保険
日本生命のニッセイ みらいのカタチ 年金保険は、5年・10年・15年から受け取り期間が選べる「確定年金」、もしくは10年保証期間付きの「終身年金」の2種類から選択できる個人年金保険です。特約を付けることで、三大疾病になった際に保険料の支払いの免除も可能です。
保障内容:老後の生活資金、死亡したとき
保障期間:選択可
16.【積立年金保険】第一生命:しあわせ物語
第一生命のしあわせ物語は、5年・10年・15年から受け取り期間が選択できる「確定型」の年金保険です。
保障内容:老後の生活資金、死亡したとき
保障期間:選択可
損害賠償保険
損害賠償保険とは、万が一の際に請求される損害賠償の負担を軽減させるための保険です。
フリーランスは、何かあった際に会社に守ってもらえる会社員とは違い、自分の責任はすべて自分で負わなくてはいけません。損害賠償金は数百万円から数千万円にもなる場合もあるので、備えておくことをおすすめします。
17.【賠償責任保険】フリーランス協会:賠償責任保険
フリーランス協会の損害賠償保険は、大手保険会社4社による共同保険です。仕事を請け負う立場のみならず、発注する側も補償の対象となります。最大1億円保証してもらえるのも、特徴です。
補償内容:病気や怪我をさせたとき、物や設備を壊したとき、情報を漏洩させたとき、著作権を侵害したとき、納品物に瑕疵があったとき、偶然の事故により納期が遅延したとき
補償期間:加入中
「いつか」のためにフリーランスは保険への加入を欠かさずに!
フリーランスとして働いていると、会社員とは違い会社に守ってはもらえません。そのため、万が一のときに自分の身を守れるよう保険への加入は必須といえます。
中には会社員時代は入れていたのに、フリーランスになったら加入できない保険もあります。フリーランスになった際にはまず、自身の保険周りについて見直してみましょう。
<文/ちはる>