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シーシャカフェ経営/プロカメラマンのAyatoさんに聞く、自分だけのコンパスの作り方

シーシャカフェ経営/プロカメラマンのAyatoさんに聞く、自分だけのコンパスの作り方

コンパス。自分が進むべき方向を教えてくれる、冒険には欠かせない必需品です。

自分にとってのコンパス、すなわち行動指針が強ければ強いほど、明確であればあるほど、転職や独立・起業もより自信を持って挑戦できるのではないでしょうか。

今回お話を伺ったAyatoさんも、その強固なコンパスを持つ1人です。

プロカメラマンとしてキャリアを重ねてきたAyatoさんは、今年の6月、下北沢にシーシャカフェ「chotto」をオープンしました。

なぜプロカメラマンとして活動していたAyatoさんは、シーシャカフェを開業するに至ったのでしょうか。

その理由は、Ayatoさんが大切にしている、ある2つのコンパス(モチベーション)にありました。

<プロフィール>
Ayatoさん
プロカメラマン/シーシャ店オーナー

専門学校を卒業後、渡米。テーマパークを運営する企業にキャストとして従事した後、帰国。

帰国後にフリーランスのカメラマンとして独立。主にブライダル関連の撮影を担当する。その後徐々に活動の範囲を拡大。音楽ライブや舞台などの撮影・記録も担当。

現在はカメラマンとして活動を続ける傍ら、2021年6月にシーシャカフェ「chotto」を開業する。「自分ならではの価値の提供」そして「誰かのきっかけの創出」をテーマに、日々事業に力を入れている。

僕ならではの価値を提供しつつ、幸せを創り出す仕事。その答えが、カメラマンという職業だった

――プロカメラマンとして、そしてシーシャカフェ(※)の経営など、さまざまな領域で活動されているAyatoさん。まずはカメラマンとしてのキャリアからお聞かせください。

Ayatoさん
カメラを仕事にするようになったのは、専門学校を卒業してから1年が経った頃ですね。

専門学校を卒業して1年間は、アメリカのフロリダ州にあるテーマパークで働いていたんです。

帰国後、LOVEGRAPH(※)という会社のカメラワークショップに参加し、プロカメラマンとしての道に興味を持ちはじめ、CRAZY WEDDING(※)の撮影をすることを志し、カメラマンの仕事を目指すようになっていきました。

※別名水タバコと呼ばれるタバコの一種。ここ数年、専門店が多く存在してきている。日本では新たなコミュニケーションのツールとして若者を中心に人気を博している。
※「CRAZY WEDDING」というオリジナルウェディングなどを企画するブライダル会社。「LOVEGRAPH」カップル ・家族撮影を行う出張撮影サービス。

――なぜカメラの道に?

Ayatoさん
アメリカでのキャスト経験で自分の中に、“ある軸”が生まれました。

それは「自分ならではの価値を提供」する仕事がしたい、ということ。

というのも、アメリカはエンターテイメントの本場。どんな立場であっても、与えられた仕事をただ機械のようにこなすのではなく、自分が提供できるプラスアルファの価値をお客さまへ提供しようという気概を持って、周りの人は仕事に取り組んでいました。

特に大きなテーマパークにいたからなおさらそういう意識を持った人たちが多かったのかもしれませんが、その価値観は僕にとって大きな影響を与えてくれたんです。

僕も、自分らしい価値を提供できる仕事がしたい。そしてどうせならそれを「人の幸せを創る仕事」で発揮したい。そう思うようになっていきました。

そうして選んだのがブライダル業界であり、カメラマンという仕事だったんです。

――自分ならではの価値を提供しつつ、幸せを創る。カメラマンという職を選んだ背景には、そういった動機があったと。

Ayatoさん
そうですね。そこから結婚式に限らず、音楽ライブや舞台など、さまざまな領域でカメラマンとして活動をしてきました。

そうして3年がたった頃。カメラマンという職業柄、仕事を通してさまざまな業界・職業の人と知り合いになっていく機会が増えていったんです。

たくさんの人との関わりが増えていく中で「業界的には関わらなくても、この人とこの人は相性が良さそうだなあ」と思う瞬間が多々ありました。

そこで、イベントという形で自分の周りにいる人達を繋げる会のようなものを企画するようになっていったんです。

例えばものづくりの活動するクリエイターの友達を呼んで、ワークショップをやったり、ミュージカルを観賞したことない人達向けにミュージカルを作ってみたり、ライブの企画をするようになりました。

そしてこの活動の延長が、現在下北沢で経営しているシーシャカフェ「chotto」の構想に繋がっていきました。

誰かのきっかけを創出する。Ayatoさんがシーシャカフェを開業した理由

――それではここからは、シーシャカフェの開業についてのお話を伺えればと思います。

Ayatoさん
イベントの回数を重ねていくうちに、気づいたことがありました。

それは「誰かのきっかけを創出する」仕事がしたいということ。僕が企画したイベントを通して、誰かにとって新しいきっかけが生まれた時、ものすごいやりがいを感じて。純粋にめちゃくちゃ嬉しかったんですよね。

そしてより多くの「きっかけ」を創出するためには、イベントのような“非日常”ではなく、みんなにとっての“日常”的に集まる「場」が必要だと。

そこで、カフェや居酒屋、ジャズバー、葉巻バー……といったいろいろな形態を考えていたんですが、最終的にはシーシャカフェがいいなと思ったんです。

――なぜシーシャにしようと?

Ayatoさん
シーシャって、あらゆる場面で会話が発生しやすいからです。

飲み会の席や喫煙所、バー……ああいう場って会話が生まれやすいじゃないですか。

僕はもともと、お酒も飲まないしタバコも吸わないのですけど、あの「場」で生まれる会話が好きで。

だからシーシャカフェは、友達と来て語る場としてもいいし、デートできてもいいし、時には仕事をする仲間とミーティングをしてもいい。

もちろん1人で来ても、気がついたら隣の席の人と仲良くなっていることだってあります。それはお客さま同士のコミュニケーションが生まれやすいのが、シーシャの魅力ですね。

そしてもう1つ。シーシャはお客さま同士はもちろん、働くキャストとの間にも会話が生まれやすいんです。

――働くキャストの方と?

Ayatoさん
ええ。シーシャって数十分ごとに炭を従業員が変える作業があるんですけど、その時に自然と会話が生まれやすいんです。

普通のカフェや居酒屋だと、注文したら従業員との会話って終わりじゃないですか。その点もシーシャがいいなと思うポイントの1つで。

――なぜ従業員とお客さまの間に、会話が生まれた方がいいのでしょう?

Ayatoさん
今「chotto」に勤めているキャストはみんな、この仕事の他に別の仕事もしているんです。例えばミュージシャンや舞台俳優、ダンサー……といった、主に何かを表現する仕事をしている人が多いですね。

そういった表現者たちがありのままの自分でお客さまとコミュニケーション取れるような、そんな環境を作りたかったんです。

先ほどもお話しした通り、シーシャ店を立ち上げようと思った動機は「誰かのきっかけを創出する」こと。

お客さまだけでなくキャストも含めて、この店に関わる全ての人にとって、何かの新しいきっかけに創出できたら嬉しいですね。

自分のモチベーションを言語化してみる。自分のコンパスの作り方

――カメラマンとシーシャカフェ。一見すると不思議な組み合わせですが、どちらもAyatoさんのモチベーションと密接に結びついた事業なんだと、ここまでのお話を聞いて理解しました。

Ayatoさん
そうですね。

「自分ならではの価値の提供」と「誰かのきっかけを創出する」こと。

仕事に対して何を重要視するか。その答えは人によって異なりますが、僕にとっては、自分が持つこの2つのモチベーションの達成が一番大きなウエイトを占めているかもしれません。

この2つのモチベーションを達成できた時、僕はとてもやりがいを感じますし、仕事をしてきて良かったなと思うんですよ。

今後は、今の2つの仕事をより充実させていくことはもちろんのこと、この2つのモチベーションを軸に、新たな事業にも取り組んでいきたいですね。

――最後に読者の方へメッセージをお願いします。

Ayatoさん
自分がどんな仕事で独立・起業をなし得たいのか。その答えの鍵は、自分の中に秘めているモチベーションにあると思うんです。

モチベーションが分かれば、自ずと自分が取り組むべき仕事が分かってきます。

あなたは何に喜び、何に悲しみ、どんなことをした時にやりがいや達成感を感じるのでしょうか。

それをなるべく具体的に、言葉に落とし込むことから始めてみるといいのかもしれません。きっとそこから出てきた価値観が自分の軸となり、指針となってくれる、いわばコンパスのような存在になってくれるはずです。

独立・起業を考えるならぜひ一度、自分のモチベーションと向き合ってみてはいかがでしょうか。

取材・文・撮影=内藤 祐介

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