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「働き方」を考えるなら「生き方」から考えた方がいい理由をシェフ・海老沼忍さんに聞いた

「働き方」を考えるなら「生き方」から考えた方がいい理由をシェフ・海老沼忍さんに聞いた

転職や独立・起業、副業など、「働き方」が多様化している現代社会。

自分に合った「働き方」を実践したいと考えている方も、多いのではないでしょうか。

今回お話を伺ったのは、シェフ・海老沼忍さん。

会社員として働く傍ら、Instagramに投稿していた自身で作ったサラダが反響を呼び「Love Salad」として月1回サラダ専門店を開催していた忍さん。

今回そんな忍さんが満を辞して、独立。「Love Salad」の実店舗化を目指すかと思いきや……なんとこれからインドへと渡るそうです。

一体なぜ、忍さんは会社を退職し、インドへと向かうのか。その答えには「働き方」よりも「生き方」そのものを大切にする、忍さんらしい哲学がありました。

<プロフィール>
海老沼忍さん
シェフ/サラダアーティスト

母の手料理が上手だったことから、幼い頃から料理に興味を持つ。
高校時代、水泳中に貧血になったことがきっかけで、栄養に興味を持ち始める。

大学を卒業後は大手飲料メーカーに就職。
営業担当として、5年間静岡県で勤務の後、東京本社へと戻り販促企画などを担当。

2020年1月、Instagramに自身が作ったサラダの写真を投稿し始める。「見た目も美しく綺麗に、栄養素を整え、味も満足する」をコンセプトに、毎朝投稿を続ける。
投稿に対して反響があり、2021年1月から飲食店を間借りして、月に1度のサラダ専門店「Love Salad」を開催。
2022年、会社を退職しシェフとして独立。

インスタで人気の「Love Salad」シェフ、忍さんが独立するまで

――平日に会社員をされながら、休日にサラダ専門店「Love Salad」のシェフをされていた忍さん。まずは料理に興味を持ち始めたきっかけから、伺わせてください。

忍さん
食べることに関しては、小さい頃から母の作る手料理が本当に美味しくて、ずっと好きでした。

自分で料理をするようになったのは高校の時。当時、水泳部に入っていたのですが、ある時練習中にスポーツ貧血を起こしてしまったんです。

その出来事がきっかけで、栄養の勉強を始めて、母に倣って自分でも料理をするようになりました。

その後は大学を経て、大手飲料メーカーに入って仕事をさせていただいたのですが、今のような形で自分の料理を発信するようになったのは、2020年の1月頃ですね。

――料理自体をお仕事にしていたわけではなかったんですね。

忍さん
そうですね、会社は会社で別の仕事をさせていただいてました。

「見た目も美しく綺麗に、栄養素を整え、味も満足する」をコンセプトに、毎朝自分の作ったサラダをInstagramに更新し始めたんです。

するとありがたいことに、多くのコメントやメッセージ、反響をいただけて。そのうち「サラダを食べてみたいです!」というお声もいただけるようになったんです。

忍さん
そして2021年1月に、ご縁で繋がったイタリア料理店を間借りさせていただき、月に一度「Love Salad」をオープン。最初は間借り営業から始まり、そのうちイベントのケータリングなどもご協力させていただく機会に恵まれました。

実店舗を持たない、神出鬼没なサラダ専門店、それが「Love Salad」でしょうか(笑)。

――そして会社を退職して、満を辞して「Love Salad」で独立することになったんですね。

忍さん
はい、今後は独立して「Love Salad」を、メイン事業とするために、実際に店舗も探していたんですが……。

その前に1つやりたいことができてしまったんですよね。

サラダ以外の方法で、心から人を笑顔にできるように。忍さんが開業前にインドへ向かう理由

――やりたいこと、というと?

忍さん
「Love Salad」の実店舗を作る前に、インドに行こうと思っているんです。インドへ行って「愛」について学び、考えたいなと。

――詳しく教えていただけますか?

忍さん
会社を退職して独立を決めた時に、立て続けに私の周りで2つの大きな出来事が起こりました。

1つ目は今年の9月9日、医者から「生死を彷徨うほどの緊急手術が必要かもしれない」と、宣告されたことです。

理由は省略させていただきますが、結果的に大したことはなく(笑)。周りの方にも笑い話として話をしているのですが、宣告された時は「死」というものを、それなりに覚悟しました。

――そうだったのですね……。2つ目はなんでしょう?

忍さん
2つ目は、9月下旬に静岡県に大きな被害をもたらした台風15号です。実は私、前職の営業時代に5年間静岡県で働かせていただいておりました。

退職するにあたり、お世話になった皆さまに挨拶周りをしていたのですが、ちょうどその時に台風がやってきました。

ニュース等で報道された通り、停電や断水を始めとするさまざまな被害に直面し、お世話になった皆さまが大変な状況下にいる今「私にできることはなんだ」と考え、行動する数日間でした。

――いずれも自分や他者の生死に関わる大きな出来事ですね。

忍さん
そうですね。この2つの出来事を経て、それまでの価値観が大きく変わりました。

退職後は、「Love Salad」の実店舗を開業できるよう準備を進めていたのですが、「仕事がどう」というより、それよりも前に「私という人間の生き方」について考え直す必要があると思ったんです。

――生き方を考えるヒントが、インドにあるのでしょうか?

忍さん
「Love Salad」という名前にも「Love(=愛)」とあるように、私の生き方にとって「愛」が非常に重要なキーワードなんです。

そして「愛」という言葉について調べたり「愛」にまつわる本を読むと、インドという国がよく登場します。

まずは実際にインドに足を運んで、私が知らない「愛」を学び、もう一度「愛」について考えたいなと思っています。

実は会社員をしながら「Love Salad」を開催させていただいた時から「サラダだけで本当に人は救えるのかな?」と考えていたんです。

もちろんヘルシーで栄養素が高く、見た目も美しくて美味しいサラダがあれば、食べるその瞬間は人を笑顔にできるかもしれない。

でもそれって、あくまで「サラダを食べている瞬間」だけの話。

もっと根本的に、かつ持続的に人を笑顔にしていくには、サラダ以外の手段を考えなければいけないと、思ったんですよね。

――これまで培ってきた「サラダ」という文脈がありながらも、もっとより多くの人を笑顔にできる、「愛」に満ちた方法があるかもしれない。それを探すためにもインドへ向かうんですね。

忍さん
おっしゃる通りです。加えて、私のとても仲の良い友人がウェルネス系の事業を立ち上げるのですが、ちょうどその友人もインドに行くことになって。

その友人ともいつか一緒に仕事をしようと話していたので、これは非常にいいタイミングだなと思いました。

そうした理由が重なり、開業をする前に一度、インドへ行ってみようと思ったんです。

「働き方」を考えるなら「生き方」から考えてみる。

――忍さんのこれからの展望を教えてください。

忍さん
直近ではインドへ行き、愛を学びながら心を磨くことですね。

その後、独立をしたので、まずはシェフとしてフードコーディネーターとして、これからも人を幸せにできるよう、活動を続けていけたらと思います。

あとは華道に挑戦してみようと思っていて。

――なぜ華道を?

忍さん
サラダを作るのにはさまざまな工程があるのですが、私が得意なのは盛り付けなんですよね。

アートのように色とりどりに、飾り付けをしたり、花をイメージして作ったり。

そうした自分の長所をより伸ばすために、華道に何かヒントがあるんじゃないかと。

サラダと花。
一見違うように見えても、何かできっと繋がっている。そう思うんですよね。

――開業する前に、「愛」について考えるためにインドへ向かう。サラダをより綺麗に見せるために華道に挑戦する。忍さんのアプローチは、非常に本質的なように感じます。働き方ではなく、あくまで「自分の人生」に主軸があるような。

忍さん
おっしゃる通りです。

確かに、働き方といった手段よりも、自分にとっての大切な「生き方」に価値の重きを置いています。

私の場合、それが「愛」なんですよね。「愛」を人にお裾分けできるような人でありたいなと。それがたとえ仕事であろうと、なかろうとも。

だから私から皆さんへ何かお伝えできることがあるとすれば、自分にとっての価値観を大切にしてほしい、ということでしょうか。

人生の主人公は自分自身。皆さんそれぞれの価値観に、心に、正直に生きていれば、自ずと自分に合った仕事や働き方が見つかるのではないでしょうか。

取材・文・撮影=内藤 祐介
サラダ写真提供=小林海青さん

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