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毎年2000人以上の経営者と会ってきた起業支援者が教える、小資本でも独立できる3つの手法

毎年2000人以上の経営者と会ってきた起業支援者が教える、小資本でも独立できる3つの手法

9/28に開催された「見て、触れて、選べる!独立体感イベント アントレフェア2016」に行ってきました。このイベントでは、独立や開業を考えている人の手助けとなる、様々なコンテンツが用意されています。

今回は「小資本独立の極意」をテーマに、自己資金だけで開業するノウハウを一般社団法人起業支援ネットワークNICeの代表理事を務める増田紀彦さんのお話を伺ってきました。その様子をレポートにしてお伝えします!

<増田紀彦さんプロフィール>
1959年11月23日(勤労感謝の日)生まれ。
地方新聞社、広告会社勤務を経て、87年、株式会社タンク設立。
企業広報や販売促進に取り組む。97年、起業・独立・新規事業を応援する情報誌『アントレ』創刊に参加。
出典:http://www.nice.or.jp/archives/33154

「開業資金が足りないと思ったら、ラッキーだと思え!」 お金に頼らず、頭を使って独立しよう

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炎天下で、喉が渇いてしょうがない時、目の前に自販機があったらどうするでしょうか?お金がある人は、迷わず自販機で飲み物を購入するはず。しかし、お金がない人は頭を使って、どうしたら喉を潤すことができるのかを考えます。

このように、お金があるとないとでは考え方に大きな違いが生まれます。お金があれば、お金を使って問題を解決することになりますが、お金がなければ、お金を使わずに与えられた課題に対して考え抜かなければなりません。

だからこそ私は、お金がないという状況をラッキーだと思い、独立してほしいと声を大にして言いたいのです。経営は浮き沈みがあるものであり、お金がない時もあるでしょう。そこで諦めずに、思考し続けることが大切です。

スタート地点でお金を持っていれば、その分大きなものを作ってしまいがち。ところがお金をかけて始めてしまうと、自分だけではまわせず、事業が傾くことが多いものです。そこで、少なめの資本から始め、うまくいったら規模を大きくしていくというやり方がよいと思います。

なので、自分が想定している予算を少し下回る程度で始めるのが理想の形と言えるでしょう。以下、お金をかけずに独立する方法を3つに分けて紹介していきたいと思います。

【事例①:キャベツ焼き】 20社以上に見積もりを依頼し、安いところをさらに値切る、徹底節約術

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大阪で売られていることが多い、キャベツ焼き。これを23歳という若さで、新潟県で開業した人がいます。通常の開業資金は350万円、しかしこの方は90万円で開業することに成功します。いかにしてこの小資本でお店を開くまでに至ったのか。その知恵をご紹介します。

まず、物件探し。キャベツ焼きは100円ほどで売られているため、お金がない学生がターゲット。なので、通学路にお店を構えます。小さな店舗物件を借り、賃料をできるだけ安くしました。小さくてもいい理由は、このお店はテイクアウトをメインとして作っていたから。

テイクアウトをメインとすることで、内装費を下げることにもつながります。内装費はお店を開く際に結構かかってしまうもの。そこでこの方は、水道工事の費用を節約するため多くの工事店から見積もりをとり、特に安かった3社でコンペを実施、さらに値段を下げてもらったのです。3社の中で一番安かったところに決め、自分が手伝えるところは手伝い、徹底的に費用を抑えてお店を作りました。また壁に大きくメニューを貼ることで、壁紙代をも省いたそうです。

さらに明確にターゲットを決めることでチャンスロスを防ぐことができます。チャンスロスとは、売る機会があったのにも関わらず、商品が不足しているために売ることができなかった時の損失のことを言います。

今回のターゲットは学生。下校時、部活の終了後など、来客が多くなる時間が明確なため、仕込みを念入りにすることができます。同時に無駄にお店を開ける時間を減らすことができ、人件費なども大幅に節約したのです。

【事例②:美容院】 費用がかさむ要素をカットすることで、簡単かつ大胆に節約

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最近はカットだけに特化した美容院が増えました。

美容院はパーマ液などをそのまま下水に流すことができないので、浄化槽を設置しなければなりません。ですが、カット専門なら浄化槽の設置費を省けます。

さらに、浄化槽を設置しなくていいことで、高額の保証金を取られてしまう低層部分に構える必要もありません。上層にお店を構えることが可能になったことで、普通の事務所のような形で、敷金礼金を払えば済みます。

そしてカットだけであれば各人、平均8分ほどしかかかりません。一般的な美容院だと、一時間で料金は5,000円ほど。8分でも一時間の間に7人程度回すことで、6,000円ほど売り上げることができます。回転率を上げることで、売上を上げられます。

【事例③:英会話教室】身の回りに眠っている資源をフル活用!特異性を見出して価格競争から逃れろ!

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今や駅前などに溢れている英会話教室。それらの多くは、仕事帰りのビジネスパーソンに利用してもらうためという戦略のもと展開されています。ですが、今回紹介する英会話教室は駅前ではなく、米軍住宅に教室があります。

経営者の狙いは、米軍住宅の住まいを教室とすることで、教室代を節約。さらにこの経営者は、教室の住民である軍人の妻たちに講師を依頼しました。

英語のスキル上達を目指すというより、本場のアメリカの雰囲気を味わいながら英会話が学べることを特徴として売り出したのです。駅前のような高額な塾料金を払うことなく、気軽に英語力が身につくとあって、女子大生から人気が出ました。

また、英会話教室の先生は仕事なので、先生に給料が発生します。しかし、時間に余裕がある軍人の妻たちはそれほど高い給料を求めません。このように「米軍住宅」「軍人の妻」という資源を上手に活用することで、経費を大幅に削減したのです。

ポイントは、いかに特異性を見いだせるかという点です。

この注目すべき点は、競合が現れたときにも発揮されます。開業後、同じ軍人の妻たちに高い給料を払う、別の業者が市場に参入してきたときのこと。先生を確保するにはさらに高い給料を支払わなければならない状況でしたが、この経営者は価格競争には入りませんでした。ここが素晴らしいところ。価格競争に入ってしまうと、利益がどんどん小さくなってしまうことを懸念されたのです。

そこで考えたのが、米軍関係の人脈を通じ、今度は別の基地の住宅で教室を開きました。

お金をかけずに事業を始めるためには、「誰に、何を、どう売るのか」を明確にしなければなりません。売る相手がわかるからこそ、売れる商品やサービスを決めることができるのです。商売を始めるならば、まずはここから始めることが、重要です。

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