フランチャイズを活用すれば、経営経験がなかったり、就労経験がない業界でであったりしても、低リスクで独立ができます。しかし、フランチャイズにもデメリットはあります。フランチャイズで独立する際は、加盟するフランチャイズ本部選びをしっかり行わないと、ビジネスが軌道に乗ってから後悔することになるでしょう。
本記事では、フランチャイズで独立するメリット・デメリットや、フランチャイズでの独立に向いている人がどのような人なのか、フランチャイズ本部の選び方などと一緒に解説します。
自分に合った方法、フランチャイズ本部で独立し、ビジネスが成功する確率を高めましょう。
目次
フランチャイズで独立するメリット6選
フランチャイズで独立する人が多いのはなぜでしょうか。独立したい理由は人それぞれですが、フランチャイズを選ぶのには理由があります。
フランチャイズで独立をするメリットは、主に以下の6つが挙げられます。
1. 未経験でも参入できる
2. 少ない自己資金で独立できる
3. 売り上げアップに専念できる
4. フランチャイズ本部のブランド力を利用できる
5. 最適な設備が利用できる
6. 銀行からの融資が受けやすい
人によってどのメリットを特に恩恵と受け取るかはそれぞれですが、独立を考える際の参考にしてみてください。
メリット1：未経験でも参入できる
フランチャイズシステムを活用して独立することには、経営経験や就労経験がなくても低リスクで独立できるというメリットがあります。
自分でイチから独立しようとすると、たいていの場合、事業開始前に業界に関する知識や経営に携わるなどの下積みが必要になります。
しかしフランチャイズでは、経営や運営についてどのように進めていくべきかフランチャイズ本部からノウハウを提供してもらえます。さらに、研修制度が充実していたり、業務がマニュアル化されていたり、業界経験や経営経験がなくても店舗運営ができる環境が整っています。このように、フランチャイズを活用して独立する最大のメリットは、“運営ノウハウを提供してもらえること”といえるでしょう。
また、フランチャイズにはノウハウ提供だけでなく、本来ならば開業する際にオーナー自身で行わなくてはいけない仕入れ先の選定・集客・店舗の準備など、経営にまつわるさまざまなこともサポートしてもらえるというメリットもあります。本来、独立する際には、経営やその業界についても学ぶ必要があり、かなりの時間と労力がかかります。
その一方、フランチャイズの場合、はじめから経営にまつわるさまざまなサポートが用意されています。そのため、情報収集に困ることなくスピーディに独立ができるのです。
経営の基本的な知識だけでなく、“こうすると成功しやすい”“こうすると失敗しやすい”といったノウハウも蓄積されているため、開業から軌道に乗せやすいのもポイントです。
フランチャイズであれば、今まで「経験がないから…」と独立を諦めていた方でも夢を叶えられる可能性が広がりますよ。「未経験でも参入できる」仕組みは、フランチャイズの大きなメリットであるといえます。
メリット2：少ない自己資金で独立できる
フランチャイズを活用すれば、少ない自己資金でも独立できます。フランチャイズのスケールメリットを利用し、仕入れなどは自分でイチから開業するよりも安価にフランチャイズ本部が一括で行うため、低コストとなります。
同じように店舗を構える場合にも、必要な設備・内外装者などをフランチャイズ本部が一括で準備してくれたり、集客用のチラシを安価で用意してくれたりすることもあります。
もちろん、サポート内容はフランチャイズ本部ごとに異なりますし、サポートがあまりないフランチャイズ本部もあるので、比較検討してみましょう。
メリット3：売り上げアップに専念できる
フランチャイズでは加盟店単位での広告活動の他にも、フランチャイズのブランドや商品・サービスの大々的な広告活動をフランチャイズ本部が行います。そのため、加盟店のオーナーは自分の店舗の売り上げを拡大させることに集中できる環境が整っているといえます。
その他にも基本的に商品開発・接客マニュアル・人材育成マニュアルなどの改善などはフランチャイズ本部が行う場合が多いので、加盟店は決められたルールに沿って運営ができる仕組みが作られています。
このような仕組みが作られているのは、加盟店の役割が、店舗の売り上げ維持や拡大にあるからです。
地域住民から愛され、利用者を増やすことが、売り上げを上げるためには重要です。オーナーは、一緒に働いてくれるスタッフたちがいきいきと仕事ができるよう、店舗の環境を整える役割もあります。
自分の店舗の売り上げは、自分の収入に直結するので、良い店舗づくりをしようと努力し、店舗の売り上げにつながるよう、頑張りたいとも思えるようになるでしょう。
メリット4：フランチャイズ本部のブランド力を利用できる
フランチャイズを活用して独立する場合、フランチャイズ本部がすでに確立してきたブランド力（ブランドイメージ）を事業開始時から経営に活かすことができます。
このように知名度の高いブランド力を活用できれば、看板を見ただけでも世間に商品・サービスをイメージしてもらえます。聞いたことのないお店・商品名と比べると、開業してすぐでも、ある程度の集客を見込めます。
ブランド力を維持したり拡大したりしていくために、フランチャイズ本部は商品開発や宣伝などを行います。また、ブランド力を維持するためには、どこの加盟店でも同じ品質で商品・サービスを提供できる状態にしておくことは重要です。そのため、フランチャイズ本部には接客マニュアル・運営マニュアルを日頃から改善していくという大きな役割があるのです。
メリット5：最適な設備が利用できる
フランチャイズを利用して独立することは、設備面でもメリットがあります。
自身の店舗をイチから作り上げていく場合、例えば飲食店であれば、調理器具や椅子・テーブルなどの備品について、最適なものを最初からそろえるのは難しいでしょう。トライアンドエラーでさまざまな種類を試しながら少しずつ改善をしていく必要があります。
それに対して、フランチャイズを活用して独立した場合、他店舗などの実績をもとに最適な備品の提供が受けられます。
また、商品の確保をするための仕入れ先探しも、本来であれば自身で行わなくてはいけません。しかしフランチャイズで独立する場合には、フランチャイズ本部が直営店を含む全店舗の商品・備品を一括で仕入れて各加盟店に提供していることがほとんどです。そのため自身でゼロから仕入れ先を探して購入するよりも、手間もコストも抑えられます。
メリット6：銀行からの融資が受けやすい
フランチャイズを利用すると、銀行からの融資を受ける際に有利に働きます。
会社員をしていて独立や開業をする場合、何も事業としての実績がないため銀行からの信用を得にくく、資金調達は難しくなります。
しかしフランチャイズに加盟すると、それまでに開業している他の加盟店で類似した実績をもとに信頼性の高い事業計画書を作成できます。こうすることで金融機関からの信用を得られやすく、資金調達がしやすくなるのです。
フランチャイズで独立するデメリット5選
未経験でも、フランチャイズを活用すれば低リスクでビジネスを立ち上げられます。しかし、フランチャイズを活用するのもメリットばかりではありません。ビジネスのイロハを覚えてくると、フランチャイズ契約を枷に感じてしまう人もいることでしょう。
フランチャイズの主なデメリットを5つ紹介します。本当にフランチャイズを活用して独立していいのか考えるにあたり、参考にしてみてください。
1. ロイヤリティの支払いが必要
2. 経営の自由度が低い
3. 気軽にやめられない・契約満了後も制限がある
4. 運用制限がある
5. 風評被害を受けるリスクがある
5つのデメリットについて、詳しく解説していきます。
デメリット1：ロイヤリティの支払いが必要
多くのフランチャイズでは、ロイヤリティが発生します。ロイヤリティとは、経営をサポートしてもらったり、ブランドの使用権を得たりするための対価です。毎月、定額を支払う契約もあれば、1ヵ月の売り上げから決まった割合を支払うという契約もあります。
ロイヤリティがある分、売り上げから差し引かれるお金は多くなり、手元に残る利益は減ります。ただし、フランチャイズ本部のサポートのおかげで売り上げを伸ばせているオーナーの数は少なくありません。ロイヤリティそのものだけでなく、フランチャイズ本部のサポート内容や、最終的な利益にも目を向けて総合的に判断しましょう。
デメリット2：経営の自由度が低い
フランチャイズでの独立は、他の方法で独立するよりも自由度が低くなります。マニュアルで経営をサポートしてもらえるということは、裏を返せば、マニュアルに沿った経営を行う必要があるということです。
自分でイチからビジネスを立ち上げれば、自分が思うままのやり方で、仕事を進められます。代理店に加盟する場合は、フランチャイズのようなマニュアルはほとんどありません。自由を求めて独立を目指している人には、フランチャイズは向かないかもしれません。
デメリット3：気軽にやめられない・契約満了後も制限がある
独立した以上、どのようなビジネスでも気軽にはやめられません。しかし、フランチャイズはことさらやめにくい傾向にあります。
理由は2つあります。1つは、多くのフランチャイズには契約期間があり、期間内に解約をすると違約金が発生するからです。もう1つの理由は、多くのフランチャイズ契約に含まれる“競業避止義務”にあります。競業避止義務とは、フランチャイズ契約の解約後も、同業種での開業を禁じるというルールです。
フランチャイズ契約を結ぶ前に、契約期間と違約金、競業避止義務の有無を確認しましょう。
デメリット4：運用に制限がある
フランチャイズには運営ノウハウなどの提供を受けられるメリットがある反面、フランチャイズ本部に決められたルールやマニュアルに沿って店舗経営をしなくてはならず、運用に制限があるというデメリットがあります。
ブランドイメージの保守・経営効率の向上のため、フランチャイズは多くの制限を設けています。そのため、オーナーとして地域性や客層に合わせた独自メニューやサービスを展開したいと思っても、実現できないケースがほとんどです。
独自の店舗経営を行いたい方にとって、フランチャイズの自由度が低いという一面はデメリットになり得るでしょう。経営者・オーナーとはいえ、全てを自由に決められるわけではないことを理解しておく必要があります。
ただし、中にはメニューや店舗名などを自由に決められるフランチャイズもあります。事前にそのような制度が設けられているか確認しておくと経営の幅も広げられるでしょう。
デメリット5：風評被害を受けるリスクがある
フランチャイズは加盟するフランチャイズ本部のブランド力を活用するビジネスモデルのため、ブランドイメージが何らかの原因で低下した場合、自分の店舗でもその影響を強く受けます。
自分は真っ当に店舗経営をしていたとしても、どこか別店舗やフランチャイズ本部で不祥事があればフランチャイズ加盟店全店がその影響を受けてしまいます。飲食店であれば、他店舗で出た食中毒などの情報にブランドイメージが左右されやすいため、特に注意が必要です。
最近ではSNSなどの書き込み次第で一気に情報が広がりやすいため、プラスのこともマイナスのことも影響を受けるリスクがあることを心得ておきましょう。
フランチャイズで独立する際の業種の選び方
独立する決心が固まったら、どのようなジャンルや業種、フランチャイズ本部を選ぶかを考えましょう。フランチャイズで独立する際の業種選びは、ビジネスを成功に導くポイントとなります。フランチャイズの探し方を、3段階に分けて解説します。
選び方1：自分の適性で選ぶ
まずは、フランチャイズでの独立を検討する以前に、どのような仕事をするか選ばなければなりません。仕事は、自分の適性で選びましょう。
適性で選ぶといっても“できそうな仕事を選んでください”というわけではありません。スキルや経験はもちろん、性格に合った仕事か、仕事そのものを楽しめそうかなど、さまざまな要素を洗い出します。そして、どれほど向いている仕事でも、独立して自分の力で推し進めていく情熱を保ち続けなくてはなりません。
選び方2：時代の流れで選ぶ
時代の流れも、仕事選び、フランチャイズ選びでは重要です。独立してやってみたい仕事を、時代に合ったビジネスとして展開できないか考えてみましょう。
フランチャイズ選びでは、加盟するチェーン店の評判や、ビジネスの進め方にも注目します。フランチャイズ本部の経営方針は時代に合っているか、成長しそうなものか、気になるフランチャイズごとに調べてみましょう。
選び方3：フランチャイズ本部の加盟条件で選ぶ
独立する仕事が決まり、加盟先の候補が絞れたら、それぞれの加盟条件を比較しましょう。
初期費用やロイヤリティ、契約期間や違約金など、お金に関わることは誰でもチェックするでしょう。お金のことと同じくらいに、フランチャイズ本部から受けられるサポート内容も大切です。全く経営経験がないまま独立するなら、ロイヤリティが多少高くとも、サポートの充実したフランチャイズを選ぶことをおすすめします。
もちろん、競業避止義務の有無も要チェックです。
フランチャイズで独立するなら自分に合った選び方を！
フランチャイズはあくまでも、独立する選択肢の1つです。フランチャイズでの独立に向いている人もいれば、自分でゼロから起業するなど他の手段で独立するのに向いている人もいます。まずは、メリットとデメリットを比較検討し、フランチャイズが自分に合っているか考えてみましょう。
フランチャイズで独立しようと思えたのであれば、自分に合ったフランチャイズを探しましょう。自身に“フランチャイズオーナーとしての強み”になる部分がないか見つめ直し、強みを活かせるフランチャイズを探すことが大切です。自分の能力や適性を活かせるフランチャイズを探し、ビジネスを成功に導いてください。
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