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人生を自由に生きたいのなら「○○を達成したら…」という階段型思考は捨てたほうがいい

人生を自由に生きたいのなら「○○を達成したら…」という階段型思考は捨てたほうがいい

自身のキャリアや将来、人生設計や未来についての相談などに乗っていると、「とりあえず○○ができるようになりたいです」といった言葉をとにかく多く聞く。

それは例えば現在就いている仕事において期待されているスキルの獲得であったり、あるいはまだ見ぬ『いつかする独立』へ向けた必須技能(とどこかの本や記事で紹介されているようなもの)だったり。個人によって様々だ。

もちろん、その思考自体は素晴らしいことだと思う。

何をするにしたって準備しすぎるという事はないし、できること、できると周囲から認められることを一つひとつ積み重ねていく姿は少なくない評価を獲得していけることだろう。

けれど、もしも『自分らしく自由に人生を生きたい』と望むのであれば、この考え方は少々の危険性をはらんでいるのではないだろうか?

今回はそんな話をしてみようと思う。

―著者:中村 健太
株式会社ビットエーCMO。Techメディア「BITA デジマラボ」のプロデュースやAIカンバセーションエンジンの開発など、Webのみにとどまらず様々な分野で活動するマルチプロデューサー。KaizenPlatformのグロースコンサルとしても知られ、2014年より一般社団法人日本ディレクション協会の会長も務める。主な著書に「Webディレクターの教科書」など。元々大手コーヒーチェーンの店長職からキャリアをスタート。副業としてのアフィリエイター活動からWebマーケティング業界へ入るという珍しい経歴を持つ。

自分自身の人生を生きるための自由とは

まず「自分自身の人生を生きる」というのはどういった状態なのか?だが、ここではシンプルに『何かをやりたいと思った時、自由に立場と選択肢を選んで実行できること』と置いてみる。

例えるなら、朝起きて「さーて今日は何やろっかなー」と考え 実行プランを立てる上での自由度…といったところだ。

それはほぼ無限の選択肢に広がり、やろうと思ったことを自由に実行できる状況であれば、(個々人の性格によるところはあれど)かなり自由に自分自身の人生を生きていると言えるはずだ。

何しろ自分が何をするかの選択肢を自身で握れていることになるのだから。

では、現在のあなた自身にとってその選択肢の数はどうだろう?

極端な話、多くの人にとってその選択肢は大きく2つ程度しか存在しない。つまり「会社に行くか」「サボるか」の二択だ。

これが ”自由で自分らしい生き方” か?と聞かれれば、そうは言いにくいのが現実だろう。

どれだけの人に「自身の価値」を認知させるか

ではどうすれば自分の選択で行動を決められるだけの自由を得ることができるのだろう?

ここからはかなり私自身の持論になるが、『自身の価値を認識している人の数と質』により、その多くが決定されると思っている。つまり『何か新しくやってみよう!と決めた時に賛同してくれる人の数と質』が重要なのだ。

その数が多くなれば多くなるほど、質が高くなれば高くなるほど。思いつきの行動は企画と呼ばれるようになり、ちょっとした活動がプロジェクトとして動き始める原動力になっていく。

話がとんでしまったが、つまり そのためにこそ『○○ができるようになったら…』といった極めて会社員的な思考が少々邪魔になってくるのだ。

限定された世界での評価を得るための階段型思考

企業の中でどれだけ期待されたスキルを身に着けても、それは「既にそこまでは出来るようになってほしい」という他人の立てた戦略の中の成果でしかない。

期待する成果のために用意された人員にしかあなたのスキルや成果は認識されないし、取引先などを含めて多く見積もってもその数はせいぜい数十人程度しかいないはずだ。

これを読んでいるあなたも、
『自分自身の仕事っぷりを知り、ある程度できると認識してくれている人の数』
を数えてみて欲しい。恐らく30人を大きく超えるケースは稀なはずだ。

改めて話を戻そう。

「○○ができるようになる」という当面の目標があったとして、その先にあなたは何を目的に置いているだろうか?

○○ができるようになり、例えば課長や部長などの立場になり、マネジメントなどのスキルを得て、次の役職をもらい…

はたしてその先にあるのは、何だろうか?

社内の人間を中心とした、数十人程度の『限定された世界での評価』は、果たしてあなたの人生における選択肢を増やしてくれるだろうか。

これに「その通りだ!」と答えられる人やシーンは、実際のところそんなに多くはなかったりするのだ。(あくまで著者の経験上の話だが)

より具体的な状態目標からマイルストーン型思考で行動を設計する

ではどうすれば良いのか。

それこそ人による…といいたいところだが、それではあまりにも無責任なので、以下に著者が実践している方法を紹介してみようと思う。

考え方としては、階段ではなくプロジェクト・マイルストーンに近いもの。つまり、「○○ができるようになったら」「次は○○できるようにして」「その後は…」ではなく…

「最終的に○○をやる」と決めた後に「ということは○年後にこうなってるはず」 ⇒ 「だから半年後はこうなっていて」「つまり1ヶ月後にこうなっていて…」

といった形に自身の置かれている状況や状態を先に置いて、そこに至るまでの途中経過を分解していくイメージだ。

そしてその上に、より具体的に最終的な到達ビジョンを洗い出していく。

例えば「独立する」といったフワッとした目標を「○年後には従業員数300人程度の○○系事業を指揮する代表の立場にある」といった形に落とし込んでいくイメージだ。

それを明確にしてしまえば、あとはシンプル。

  • それを実行するために何人の人間に認知されるべきなのか?
  • どんな実績をどうマーケットに認識させるべきなのか?
  • そのために○ヶ月後までに必要な成果とその成果を認知させるために必要なデリバリーはどうあるべきなのか?

などなど。様々な考えがほぼ勝手に広がっていくはずだ。

極少数の人間にしか知られず、限定的なコミュニティの中でしか認知されていない状態では「どうあがいてもそんなところに到達できない」と、誰が考えてもわかるのだから。

まず「どうありたいのか」ありきで考えれば行動は実行できる

こういった話をされると、つい「いやそんな巨大な野望とかありませんし…」となってしまうことだろう。それが普通だと思う。

実際、著者にしても初期は「3年後に今の年収の3倍もらう!」くらいの目標しか掲げることができなかった。(新卒時の話なので3倍といっても大した金額ではない)

が、不思議なことにこれを掲げ、行動の指針として掲げることで例えば…

  • 忙しいけど時間を作って副業やってみる
  • 何のスキルも無いけど、とりあえずサイトを立ち上げてみる
  • 何もかも上手くいかないけど、マイルストーンにむけてなんとか頑張る
  • いつの間にか成果が生まれ、社外の多くの人に認知されはじめる
  • やりたいと思った事がプロジェクトとして動かせるようになる
  • 気づいたら目標をクリアしていたので再度別の目標を立て直す

といった、
客観的にみれば無謀と言える行動を当たり前のようにとることができたのだと思っている。

もちろん個々人によって向き不向きはあるはずだが、今この瞬間に所属している『組織によって設定された目標』をクリアするだけではなく、
自身にとっての状態目標を明確にした上で、階段型ではないマイルストーン型の思考と行動設計を行ってみるのも、自身の人生を自由に生きようと思った上では重要なのではないだろうか。

そのために副業が必要ならばやってみればいいし、もし禁止されているのであれば非営利でも外のプロジェクトに関わり、自分自身を評価してくれる人間の数と質、そして軸を増やしつつ行動してみればいい。

少なくとも、その生き方であれば「○○のスキルを手に入れたハズなのに評価されない」「○○の役職になった後のプランが考えられない」といった『自分の人生と向き合えていない』状態を脱することは可能になるはずだ。

まず、何年後にどうありたいのか ありき。

状況に流され選択肢を徐々に失っていく人生はきっと、辛く苦しいもの。だと思うので。

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