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長く事業を続けるための2つのコツを、創業23年・AKI FLOWERS代表に聞いた

長く事業を続けるための2つのコツを、創業23年・AKI FLOWERS代表に聞いた

事業を長く続ける。

独立・起業をする上で最も大切なことの1つではないでしょうか。

今回お話を伺ったのは、東京都国立市でフラワーデザインスクール・AKI FLOWERSを営むバレンティン章子さん。

バレンティンさんがAKI FLOWERSを開業したのは2000年。今年で創業23年になります。

今回はバレンティンさんのキャリアと共に、長く事業を続けていくために必要なことを伺いました。

<プロフィール>
バレンティン章子さん
AKI FLOWERS主宰 短大を卒業後、製パン会社へ入社。
店舗の飾り付けで花に触れる機会があり、フラワーアレンジメントに興味を持つ。
会社員生活と並行しながらフラワーアレンジメントを学び、26歳の時に退職。
その後イギリスに留学し、現地の学校で本格的に学ぶ。

2000年に帰国後、フラワーデザインスクール・AKI FLOWERSを開業。
AKI FLOWERSにはさまざまなレッスンがあるが、最もベーシックな「フレッシュフラワーコース」は開業当初から続く人気のレッスンである。

バレンティンさんがAKI FLOWERSを開業するまで

――まずはバレンティンさんの現在の事業について、教えてください。

バレンティンさん
AKI FLOWERSというフラワーデザインスクールの主宰をしています。「花のある暮らし」をテーマに、主にこのアトリエ(国立にある教室)でのレッスンの講師や、最近ではオンラインの講座も開講しました。

またオーダーメイドでの花束や、フラワーアレンジメントの制作、ギフトラッピングも行っています。

2000年に創業し、現在23年目を迎えました。

――AKI FLOWERSを創業するまでの経緯を教えてください。バレンティンさんがお花に興味を持ち、仕事にしようと思ったのはいつごろなのでしょうか?

バレンティンさん
社会人になってからですね。私は短大を卒業後、製パン会社へ勤務しました。販売指導で全国の店舗を回る機会があり、そこで店舗の飾り付けをすることがあったんです。

その時に初めてお花を使って飾り付けをしたのですが、お花を触っている時だけは自分が「無」になれるというか……とにかく夢中になれてとても楽しかったんですよね。

バレンティンさん
以来、会社員と並行してフラワーアレンジメントを学び始め、26歳の時にフラワーガーデン文化の発祥の地であるイギリスへと留学。現地の学校でさらに見識を深め、29歳、2000年に帰国。そしてAKI FLOWERSを立ち上げました。

「花のある暮らし」をお届けしたい。20年以上続けてきた事業で、変わるものと、変わらないもの。

――AKI FLOWERSを運営する上で、バレンティンさんが大切にされていることは何でしょうか?

バレンティンさん
「花のある暮らし」というテーマは、事業を立ち上げた時から一貫して大切にしています。AKI FLOWERSのアイデンティティとも言えるのですが、ただ生徒さんに「お花の取り扱いだけを教えたい」のでも、ただお客さまに「お花を販売したい」のでもありません。

大切なのは、レッスンを通して自分らしいアレンジを見つけていただき、自分なりに楽しんでいただくこと。

そしてギフトなら贈る方のイメージに合わせてその人らしい花束やフラワーアレンジメントをオーダーメイドで制作していただくこと。

このようにいずれの事業にも「花のある暮らし」というテーマが根底に流れています。

お花を暮らしの中に取り入れ、飾っていただくことで、リラックスして幸せになれるような、そんな事業を作りたいという思いは創業から20年以上経つ今も、変わっていませんね。

――AKI FLOWERSには、バレンティンさんの思想、哲学がとても色濃く反映されているんですね。

バレンティンさん
はい、そこだけはブラすことなく大切にしています。逆に言えば、大切にすべき芯がブレていなければ、あとは比較的自由度が高くてもいいんじゃないかと思います。

例えばレッスンやギフトに使う花も、その時々で流行りの花や流行りのアレンジを積極的に取り入れていますし。

……流行といえば新型コロナウイルスの蔓延もありました。こちらは流行というより「情勢」と言った方が適切かもしれませんが。

コロナの影響もあり、20年近くアトリエで行っていたレッスンを、オンラインでも参加できるよう、切り替えたりもしました。

――変わるものと、変わらないもの。それを見誤らないことが大切なんですね。

バレンティンさん
そうですね。私にとって最も大切なことは、AKI FLOWERSの事業を通して「花のある暮らし」を、皆さんの生活にお届けすることですから。そのための手段は、流行や情勢、時代に合わせて柔軟に変えていってもいいんじゃないかと思います。

変わらないものといえば「フラワーデザインコース」の「FRESH FLOWER COURSE」は、創業当初からずっと変わらず続いていますね。

まずはお花の取り扱いやお手入れを学んでいただきつつ、自分なりのスタイルを見つけて楽しんでいただく。まさにAKI FLOWERSの原点とも言えるレッスンです。


https://akiflowers.com/

自分の軸を明確にする。仕事だけになりすぎない。長く事業を続けるために必要なこと

――バレンティンさんのこれからの展望を教えてください。

バレンティンさん
コロナもだいぶ落ち着いてきたこともあるので、これからは皆さんにより楽しんでいただけるイベントの開催をもっとたくさん企画したいですね。レッスンや贈り物だけでなく、さらに多角的な「花のある暮らし」をお伝えしていきたいです。そして今の仕事は、60歳までに一区切りをつけると、ずっと前から決めていました。

それ以降何をするのかはまだ具体的には決めていませんが、これからも常に自分にワクワクしていられるよう、その期限までは楽しく今のお仕事を続けていけたらなと思っています。

――最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

バレンティンさん
独立・起業を考えるなら2つのポイントを抑えておきましょう。1つ目は、自分の事業に対する軸、スタンスを明確化すること。これは事業を長く続けるために、とても重要なことだと私は思います。

どんな事業を立ち上げるか、どれくらい収入を稼いでいけるかといった議論ももちろん大切です。

ですがそれ以上に「何のために、誰にどんな価値を届けるために、独立・起業をするか」という問いに対する、自分なりの答えをきちんと持っておくといいと思います。

なぜならそれが事業に対する自分の「自信」に繋がり、モチベーションになるからです。モチベーションがないと苦しい時に踏ん張れませんから。

バレンティンさん
そしてもう一つ。独立・起業をしたいという方は、仕事に対する意欲が高い方も多いですが、そんな方こそ、仕事以外の楽しみを見つけておくことも、事業を無理なく長く続けるコツだと思います。

仕事が好きすぎるあまり、自分を仕事で追い込んでしまうと、知らず知らずのうちに肉体的、精神的に大きなダメージを負ってしまう場合もあります。適度な余白を作ることも大切です。

無理なく長く、そして楽しく続けられる事業で、独立・起業ができたらこんな素敵なことはありませんし、間違いなく人生の幸福度は上がると思います。

私の20年以上の起業家としての経験からも、この2つのポイントは、長く事業を続けるためにとても重要なことだと思います。

ぜひ頭の片隅に入れて、独立・起業にチャレンジしてみてください!

取材・文・撮影=内藤 祐介

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