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「育児のための独立」もアリ? FQ JAPAN編集長に聞く男性育児と起業の関連性

「育児のための独立」もアリ? FQ JAPAN編集長に聞く男性育児と起業の関連性

あなたの独立・起業のきっかけは、なんですか?

雇われずに自分の力で仕事をしてみたいから。今よりも収入を増やしたいから。自分で会社を興してみたいから――。

さまざまな動機がある中で、育児のために時間を作りたいから、と独立を選択する人も増えていると、今回お話を伺った林憂平さんは言います。

父親専門の育児誌「FQ JAPAN」で編集長を務めている林さん。

今回は林さんに、2006年の創刊から今までの日本の育児事情、そして独立と育児の意外な関係についてお話を伺いました。

<プロフィール>
林憂平さん
FQ JAPAN編集長

大学卒業後にメーカーに勤務し、メディアへ向けた情報発信などの業務を担当する。
2017年にアクセスインターナショナルに入社。広告営業や新規事業の立ち上げを経験後、現在はFQ JAPANの編集長に就任する。

FQ JAPAN:https://fqmagazine.jp

2006年創刊。「イクメン」ブームよりも前から、日本の“育児”を見つめて変わった3つのこと

――まずは林さんが編集長を務める、FQ JAPANとはどういった雑誌なのか、簡単に教えていただけますか?

林さん
日本で唯一の、父親へ向けた育児情報誌です。

ルーツは「FQ」というイギリス発の雑誌にあります。

イギリスは“ジェントルマン”(紳士)の国であり、島国ということで、大陸側のヨーロッパ各国と比べるとジェンダーに遅れがありました。

そこでイギリス政府は国を挙げて、女性の社会進出を推し進めていったのですが、それまで「育児はお母さん、ママがするもの」という認識があったせいか、父親に向けた情報誌というものが存在しなかったんです。

そういった経緯で誕生したイギリスの「FQ」と、ライセンス契約を結んで日本版「FQ」として2006年12月に創刊したのがFQ JAPAN(以下、FQ)なんです。

――2006年に創刊というと、「イクメン」(2010年流行語大賞トップテン入り)という言葉よりも前から、父親の育児へ注目をしていたのですね。創刊から15年。「イクメン」ブームなどを経て、当時と2021年現在で変わったことがあれば教えてください。

林さん
創刊当時と比べて、世の中が変わったことは、大きく3つあります。

1つ目は、制度活用の側面。

2020年に小泉進次郎環境大臣が育児休暇を取得したように、男性が育児休暇の取得に積極的になりつつあります。

とはいえ「育児休暇を取得したい」と思っている男性は全体の70%以上いるのにも関わらず、実際に取得しているのは、わずか7.5%。(2019年度)

※出典:https://www.jili.or.jp/lifeplan/lifeevent/birth/5.html

女性の育児休暇の取得率が90%以上であると考えると、まだまだのように思われますが、それでも創刊当時の取得率はほぼ0%に近い数字であったことを考えると、大きな前進です。

2つ目は経済的、社会的価値観の側面。

核家族化や共働きの家庭は、創刊当時と比べても増え続けており、男性だけの収入に依存をしない家庭が増えつつあります。

加えて、ジェンダーや多様性を大切にする世代が、子育てのキー世代となってきたことで「夫婦で共に働いて、共に子育てをする」価値観が一般化してきたように思います。

――3つ目はなんでしょう?

林さん
3つ目は、テクノロジーの進歩の側面です。この10年ほどでスマートフォンが爆発的に普及しました。それに伴い、育児の業界でもさまざまな側面から、テクノロジーによる育児のサポートが進みました。

いわゆる「ベビーテック」と呼ばれる領域なのですが、こどもの体調、状態を確認できるアプリや、就寝時のモニタリングであったりと、テクノロジーの力で、お母さんの負担を減らし、お父さんも育児により参加しやすい環境が整ってきたんです。

そういった制度や価値観、テクノロジーが進歩していく中で、独立・起業と育児が、密接に関わっているなと感じることが多くなってきました。

「育児のための独立」もアリ? 独立と育児の意外な関係

――独立・起業と育児が密接に関わっている、とは?

林さん
FQとして取材をしていく中で、例えば自分の育児の経験によって、新しい事業を立てられた方も多くいらっしゃいました。

例えば抱っこ紐などを販売している、ある会社の話だと、その会社の社長は自分の育児での体験を経て「父親が楽しめるショップがない」と気づいたそう。

その着想から、父親の育児を支援するというコンセプトで、父親も気軽に入りやすいお店作りを展開していきました。

また世界的に人気なバランスバイクを販売する代理店の社長も、自身の子育ての経験からバランスバイクの取り扱いを始めたそうです。

他にも育児を経て「こういうのがあった方がいいのに」から始まった、アプリやサービスなどは数多く存在します。

――なるほど。育児がきっかけで事業が生まれることがあると。

林さん
独立と育児の関係で言うと、もう1つ、逆のパターンも存在します。

「育児がきっかけで生まれる事業」もあれば、「育児をするために事業を起こす人もいる」のです。

――どういうことでしょうか?

林さん
要するに、生活の主軸を育児に置くために、独立・起業をする人が増えてきたんです。

これまではどちらかといえば、「転勤族」や「企業戦士」といった言葉に代表されるように、仕事が第一で、仕事に家庭(育児)を合わせていくライフスタイルが多く存在しました。

しかし「ライフワークバランス」や「ライフシフト」といった言葉が台頭してきた中で、次第に家庭(育児)を第一にして、家庭(育児)に仕事を合わせていく人が増えている。

先ほども話したように、男性会社員の70%以上が育休取得を望んでいるにも関わらず、実際に取得できる人の数はわずか7.4%。

奥さまやこども、家族との時間を大切にしたいと考えている男性がこれだけ多いことを考えると、時間・場所の制約を強く受ける会社を退職して、独立・起業という選択をするのにも頷けます。

――そういった動機で独立・起業を選択される方たちは、どのような職種を選ぶのでしょうか?

林さん
職種はその人の経験にも基づくので、一概には言えませんが、家(ないしはその周辺)で仕事が完結できる人が多いですね。

ですのでIT系をはじめ、自宅で開業できる仕事はもちろんのこと、最近では農業に参入される方も増えてきました。

それこそ昔は、もともと農家でないと農業をするのは難しかったのですが、ここ数年で制度が変わったこともあり、新規で就農する方が増えてきているんです。

農業という仕事なら、こどもといる時間も比較的取りやすいですから。土地の広い地方へと引っ越し、農業をしながら育児にたっぷりと時間を充てる。

まさに「育児のための独立」ですね。

独立と育児はパートナーとの二人三脚が大前提。家庭内幸福度を高めるために必要なこと

――最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

林さん
こどもが成長のためにも、夫婦円満のためにも、家庭内の幸福度向上はこれからの時代を生きる上で必須の課題になってくると思います。

そして幸福度と密接に関わってくるのが、自身の仕事、経済活動です。

もちろん今の会社で働きながら高い水準の幸福度を維持できるに越したことはありませんが、もしいろいろなしがらみによって悩んでいるのであれば、独立・起業は1つの有効な手段だと思います。

そして忘れてはいけないのは、独立・起業と育児は、パートナーのサポートが必要不可欠です。

仕事も育児も、自分だけの力で高いパフォーマンスを出すのは至難の業。パートナーと二人三脚で乗り越えられたら、家庭内の幸福度は高くなるのではないでしょうか。

取材・文・撮影=内藤 祐介

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