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【基礎知識】M&Aの意味や手法、知っておきたい用語を解説

【基礎知識】M&Aの意味や手法、知っておきたい用語を解説 事業承継

みなさんはM&Aの意味をご存知でしょうか。「M&Aという言葉は聞いたことがあるけど、意味までは知らない」という方もいると思います。近年では、サラリーマンが副業などで事業をしている場合、個人でM&Aを利用して独立するケースも増えてきました。M&Aの意味やM&A関連の用語は、脱サラしたいと考えている方や、起業しようとしている方にとって、知っていて損はないことなので、この記事を読んで知識としてインプットしてみてください。

M&Aとは?

M&Aとは『Mergers and Acquisitions』を略した単語です。『Mergers and Acquisitions』を直訳すると『合併と買収』になり、実際にもそれらを意味しています。

合併と買収の他にも、分割や業務提携などがM&Aに含まれます。

M&Aが広まった背景

以前から海外企業とのM&Aは実施されてきていましたが、『M&A』という言葉が世間に大きく浸透した背景には、バブルの崩壊が関係しています。バブル崩壊後、国内大手企業は不良債権の処理や組織の再編に追われ、外資系ファンドや外資系投資銀行がM&Aを行ったことは当時ニュースでも話題になりました。

近年でもM&Aのケースが多くなっています。その背景には、後継者問題の解決や経営の多角化など『変化の早い社会に対する一つの選択』として、M&Aという手法が一般化してきていることがあげられます。

M&Aの分類と種類

M&Aには、どのような手法があるのでしょうか。M&Aの手法はさまざまな分類のされ方がありますが、今回は以下の6つに分類し、それぞれをさらに細かく分けてみました。

■資本提携(買収)
 ・株式譲渡
 ・第三者割当増資
 ・株式交換
 ・株式移転
 ・一部譲渡
 ・全部譲渡
■資本提携(合併)
 ・吸収合併
 ・新設合併
■資本提携(分割)
 ・吸収分割
 ・新設分割
■資本提携(合併会社設立)
■資本提携(資本参加)
■業務提携

 ・技術提携
 ・生産提携
 ・販売提携

M&Aの手法とそれぞれの意味

では、それぞれどのような意味なのでしょうか。ここでは、上述した6つの手法と、それを細かく分けた種類の意味について解説していきます。

資本提携(買収)

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資本提携(買収)とは『株式取得などにより企業全体もしくは事業などを取得すること』です。資本提携(買収)には以下の6つの種類があります。

・株式譲渡
・第三者割当増資
・株式交換
・株式移転
・一部譲渡
・全部譲渡

それでは、それぞれの言葉の意味を解説していきます。

株式譲渡

株式譲渡とは『売り手側企業の株主が保有する株式を買い手側企業に譲渡すること』です。株式譲渡は、M&Aの中でも主流な手法の一つです。

第三者割当増資

第三者割当増資とは『売り手側企業が既存株主以外の企業や個人に新株を発行し、買い手側の企業がその払い込みを行うこと』を意味します。

株式交換

株式交換とは『売り手側企業の既存株主が、保有株式を買い手側企業に譲渡し、買い手側企業がその対価として自社株式を割り当てる手法』のことを指します。

株式移転

株式移転とは『会社の株式を全て新設する株式会社に移転すること』を指します。株式交換との違いは、株式の移転先の会社が“既存”の会社か“新設”の会社か、ということです。

一部譲渡

一部譲渡とは、株式譲渡のうちの一つで『事業の一部を譲渡すること』を意味します。一部譲渡をすることで、主力事業や新規事業に集中できるというメリットがあります。

全部譲渡

全部譲渡とは、株式譲渡のうちの一つで『事業の全てを譲渡すること』を意味します。

資本提携(合併)

資本提携(合併)とは『2つ以上の企業が1つになること』です。資本提携(合併)には以下の2つの種類があります。

・吸収合併
・新設合併

それでは、それぞれの言葉の意味を解説していきます。

吸収合併

吸収合併とは『合併する際に既存の1社のみ存続すること』です。存続する企業以外の全ての企業が解散・消滅し、事業は存続する企業に継承することになります。

新設合併

新設合併とは『合併する全ての企業が解散し、新しい企業を設立すること』です。吸収合併と異なり、存続する企業はありません。

資本提携(分割)

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資本提携(分割)とは『事業全体もしくは一部の事業を分割して他の企業に引き渡すこと』です。資本提携(分割)には以下の2つの種類があります。

・吸収分割
・新設分割

それでは、それぞれの言葉の意味を解説していきます。

吸収分割

吸収分割とは『企業全体もしくは一部の事業を既存の他の企業に引き渡すこと』です。さらに吸収分割も2つに分類され、引き渡した事業の対価を売り手側の企業が受け取ることを意味する『分社型吸収分割』と、引き渡した事業の対価を売り手側の企業の株主が受け取ることを意味する『分割型吸収分割』があります。

新設分割

新設分割とは『企業全体もしくは一部の事業を新しく設立した企業に引き渡すこと』です。新設分割も吸収分割と同様に『分社型新設分割』と『分割型新設分割』の2つに分類されます。それぞれの内容も吸収分割度と同様に、対価を受け取る対象が異なります。

資本提携(合併会社設立)

資本提携(合併会社設立)は、新設合併と同じことを意味します。合弁会社設立のメリットとして『経営におけるさまざまなリスクを分散できること』や『経営資源の補完』などがあげられます。

資本提携(資本参加)

資本提携(資本参加)とは『他企業の株式を取得・保有すること』を指します。資本参加することで、関係性の強化に伴うビジネスチャンスの拡大が期待できます。

業務提携

業務提携とは『株式などの資本の移動を伴わずに、技術や人材などを提携すること』を指します。主な業務提携には以下の3つの種類があります。

・技術提携
・生産提携
・販売提携

それでは、それぞれの言葉の意味を解説していきます。

技術提携

技術提携とは、その名の通り『技術力を提携すること』を意味します。具体的には、ライセンス契約や共同開発契約など技術・特許に関して協力関係を結ぶことや、技術指導に関して協力関係を結ぶことです。

生産提携

生産提携とは『生産の一部や製造工程の一部において協力関係を結ぶこと』です。製造委託契約などがこれにあたります。

販売提携

販売提携とは『販売網や人材、販促ノウハウなどにおいて協力関係を結ぶこと』です。販売提携には、販売店契約や代理店契約、フランチャイズ契約などがあります。

M&Aで知っておきたい用語とそれぞれの意味

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ここまでは、M&Aの手法や種類の名称とその意味について解説してきました。ただ、これ以外にも重要な用語があります。ここでは、M&Aで知っておきたい用語を以下の5つに絞り込みましたので、ぜひ用語とその意味を覚えてみてください。

M&A仲介会社

M&A仲介会社とは『企業や個人のM&Aにおいて買い手企業と売り手企業の仲介業務を行う企業』のことです。M&A実行時には、このM&A仲介会社が双方の条件の擦り合わせなどを行ってくれます。

M&Aマッチングサイト

M&Aマッチングサイトとは『M&A先(売り手・買い手共に)の企業とのマッチングを仲介してくれるサイト』のことです。M&Aの検討から成約までサポートしてくれるM&Aマッチングサイトも存在します。サイトによってサポート内容は異なります。

イニシャルコスト

イニシャルコストとは『M&Aのアドバイザリーサービスの開始時に発生するコスト』のことを指します。イニシャルコストには、主に『着手金』や『リテイナーフィー』が含まれます。リテイナーフィーとは、定額顧問料のことを意味します。利用する会社によって無料〜数百万円と幅があります。

マイルストーンフィー(中間報酬)

マイルストーンフィー(中間報酬)とは『一定のマイルストーンに沿って発生する費用』を指します。M&Aは1件成約するのに数年かかる場合もあり、マイルストーンフィーのような費用が発生します。こちらも利用する会社によって無料〜数百万円と幅があります。

成功報酬

成功報酬とは『M&A成立後に支払う費用』です。M&Aする際の株式譲渡額に一定の料率を掛けた額になるケースや、企業価値の総額に一定の料率を掛けた額のケースなどがあります。

M&Aに興味がある方は、まずは最低限の知識から身につけよう

M&Aの手法や種類、用語などを解説してきました。ここで解説してきたのは表面上のもののみです。これ以外にも専門用語は山のようにあり、手法もケースによって全く異なってきます。

M&A仲介会社やM&Aマッチングサイトがあり、アドバイザーがサポートしてくれるでしょう。そんなに心配することはないですが、アドバイザーと効率よくコミュニケーションをとるためにも、最低限の簡単な手法や用語は覚えておくようにしましょう。

<文/TOM>

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