前回、「ニューノーマル」が世の中にどんな変化をもたらしているかをご紹介しました。
これから独立開業し事業を成長させていくためには、この「ニューノーマル」時代に対応した組織マネジメントを実践していくことが重要になります。
ここでは、今後の「ニューノーマル」時代の組織マネジメントに求められることは何か、ご紹介していきます。
これまでの「常識」や「定石」が通用しない時代に
「ニューノーマル」時代では「非対面・非接触でのコミュニケーション」がカギになる、と前回ご紹介しました。
今後の「ニューノーマル」の時代にうまく対応するには?
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、人々は常にソーシャルディスタンスを保ち、3つの密(換気の悪い密閉空間、多数が集まる密集場所、間近で会話や発声をする密接場面)を避けるよう呼びかけられています。
各企業では在宅勤務が急速に進み、自社メンバーとの打ち合わせや取引先との商談も、オンライン会議システムを活用して「非対面・非接触」で行う機会が増えています。今後もこの流れは継続すると考えられますので、メンバーや取引先との対面コミュニケーションを基本としてきたこれまでの「常識」や「定石」は通用しない時代になったと言えます。
また職場で仕事帰りに行われていた懇親会のかわりに「オンライン飲み会」が増えるなど、これまでになかったコミュニケーション方法も広がりつつあります。
今後の組織マネジメントに求められる3つのポイント
このように「ニューノーマル」時代にコミュニケーションの変化が進む中、組織マネジメントはどう対応する必要があるのでしょうか?ここでは大きく3つのポイントについてご紹介します。
① 今後を積極的に予測する
「ニューノーマル」時代は、事業環境が今までよりも速いスピードで、刻々と変わっていくことが特徴です。そしてその変化がどのようになるかは、誰にもわかりません。
しかもその事業環境の変化に対して、自社の対応を変えずに現状維持を選んだとしても、今の状態をそのまま維持できるとは限りません。むしろ最悪の結果を招く恐れすらあると考えられます。
このような事業環境の中では、次々と変化する現状を把握し分析・理解することも必要ですが、それ以上に「今後起こりうること」を積極的に予測し、対応策を考え進めていくことが大切です。
② 失敗を恐れずトライする
今後の事業環境変化を予測したら、その変化を捉えた時点で迅速に対応することが必須となります。
事業環境の変化を捉えた時点で、十分かつ素早く検討し、必要なアクションを起こすことが、トータルでのリスクを下げることにつながります。
組織マネジメントの観点で言えば、メンバーにはまず「変化しないことは悪である」という共通認識を浸透させたうえで、失敗してもよいという雰囲気づくりをして積極果敢にトライすることが重要になります。
③ 「前例にとらわれない」意思決定が必須
これまでは、「過去の成功体験」や「世の中の成功事例」から学習し、それをメンバーと共有して組織運営に活かしていくことが組織マネジメントのひとつの定石でした。しかし「ニューノーマル」の時代はそれだけでは通用しません。
なぜなら、先ほどもお伝えしたように、これから起こりえる変化を誰も予測できないため、定石どおりに動いていいのか判断できない事態になるからです。その状況に適切に対応していくためには、現在起こっている状況を正確に把握したうえで、「その判断は今、この状況下において有効な方法か」を仮説検証に基づいて検討し、意思決定していくことが求められます。
検討の末、過去と同じ方法になることもありえますが、それはあくまで結果論です。大切なのは過去の前例にとらわれることなく、現状をもとに素早く意思決定することです。そしてその意思決定を素早くメンバーに伝え、マネジメントしていくことです。
ニューノーマルの時代は、変化への対応が重要に
ここまで、ニューノーマル時代の組織マネジメントに求められることは何か、ご紹介してきました。
「ニューノーマル」は、現在のウィズコロナ時代に企業活動を行ううえで、新たな「常識」となるものです。それは、好むと好まざるとに関わらず、受け入れなければいけません。これまでメンバーとの打ち合わせや取引先との商談で対面コミュニケーションを重視してきた方も、今後はこの変化を受け入れ、「非対面・非接触」でのコミュニケーションに対応していかなければなりません。
この新たな「常識」への変化に対応した新しい業務の進め方を実施していくことが、今後の組織マネジメントを進めていくうえで大きなポイントとなります。今後を積極的に予測したうえで、失敗を恐れず積極果敢にトライし、今後のニューノーマルの時代に対応していきましょう。