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40歳でまさかの才能開花。怪獣造型師に見出した使命:VOL.226

生ボイス
PROFILE

岡 健之さん(57歳)

造型工房キトラ/埼玉県上尾市
パチンコ機器メーカーの開発職として22年間勤務。40歳の時、ブログ「めざせ造型師」を開設、本業のかたわら怪獣づくりにのめり込む。54歳で怪獣造型師として独立。造形物の販売、イベント出展のほか、埼玉県上尾市にある「上尾市自然学習館」で造型教室を主宰する。

VOL.22640歳でまさかの才能開花。怪獣造型師に見出した使命

二足のわらじ生活14年からの独立

40歳の時、こどもの夏休みの宿題を手伝いました。粘土でつくったゴジラの頭。そしたら親父のほうが本気になっちゃって。よくあることですね(笑)。妻には「こどものつくったものに見えない」と小言を言われました。でもこれが評判よくて、プロに見せても「才能ある」。のめり込みました。展示会に出せば売れて、あれよあれよとファンがついた。確かに昔から手先は器用でしたけど、「クラスのなかではうまいほう」止まり。40歳にしてまさかの才能の開花です。

パチンコ機器メーカーは定年まで勤めるつもりでした。入社した頃はバブリーで年4回もボーナスが出た。楽しくてしょうがなかったですよ。でも業界の勢いは落ちてきました。それに、私の作品が見たい、私と話がしたいという人が増えてくるにつれて、「自分はモノづくりを通して人を喜ばせる使命があるのかな?」と思うようになったんです。コンサートで人を沸かせているアーティストって、こういう感じなんじゃないか。そんな才能があるのをこの年で見つけたら、やらないわけにはいかないだろうと。

「ガメラ3」は高さ50cmの大迫力。

独立したのは、家のローンが終わり、3人のこどもが独立するタイミングです。それまでの14年間は、会社員と怪獣造型師の二足のわらじ。どんな人なら造型師として生き残れるか、自分なりに分析してました。造型師一本で食べているのは、ほんの少数。それはズバ抜けた才能の持主か、ビジネス感覚を持ち合わせている人です。つまり商品分析と商品企画ができて、年何回の展示会に参加するには作品を何個つくり、いくら売り上げて粗利率はどれぐらいといった事業計画を立てられる人。「好きだ」という気持ちだけで始める作家さんも多いのですが、幸い私には、会社の仕事をするなかで身につけたビジネス感覚がありました。

怪獣のみならず、龍や麒麟など「幻獣」の造型物も得意とする。

ただ、計画どおりに売れるかどうかは話がまた別。独立すれば作業時間が増える、たくさんつくってたくさん売ろうと思っていたのに、1年目は苦労しました。それは売れ線を狙いすぎたせいもあります。例えば初代ウルトラマンに登場する怪獣は人気なんですが、作り手も多くて、私の作品が埋もれてしまうんです。2年目は開き直って、自分が好きなものをじっくりつくりました。おかげで「自分はこれだ」という作風に戻った。その時できたのが「ガメラ3」。私の当たり商品です。

 

構成・文/東 雄介
撮影/刑部友康、片桐 圭、阪巻正志、宮田昌彦
『ガメラ3 邪神<イリス>覚醒』 ©KADOKAWA 徳間書店 日本テレビ 博報堂DYメディアパートナーズ 日販/1999©円谷プロ
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アントレスタイルマガジン編集部

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