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税務署か税理士か? 個人事業主が確定申告について相談できる相手を、税理士が解説!

申告・納税

確定申告のシーズンが近づいてきました。

「今年こそは慌てず事前に準備しよう」と思っていたのに、気が付いたらもう1月…。

多くのフリーランスの方が頭を悩ます「確定申告」。

令和2年からはスマートフォンでの申告が可能になったりと、納税者にとって徐々に便利になってきても、年に1回のイベントということで未だに慣れない、という方も多くいるでしょう。

独立・起業の「お金」に関する悩みを、税理士の齋藤雄史先生に解説していただく「税理士が教えるお金と起業」シリーズ。

今回は齋藤先生に、フリーランスの確定申告について知っておくべき相談方法に解説していただきました。

1 どこに相談すると良いの? 選ぶポイントは?

確定申告と聞くと、真っ先に「税務署」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

フリーランスの方にはどれも馴染みがないかもしれませんが、主に相談できる所として、「税務署」「税理士」「青色申告会」の3つがあります。

どこに聞けばわからない。という方のために選ぶ3つのポイントをお伝えします。

下記記事では、インボイス施行後初の「消費税」確定申告と、そのポイントを税理士が解説しています!

https://entrenet.jp/magazine/45020/

ポイント① 有料か無料か

→相談料や作業料はいくらかかるのか?

ポイント② 相談可能な時間はいつか

→平日夜や土日祝や対応はしてくれるのか?

ポイント③ 相談はどこまで可能か

→節税の相談まで可能?作業の代行までしてくれるのか?

やみくもに選ぶのではなく、ご自身の状況や予算に応じて選んでいきましょう。

2 税務署に聞くのはハードルが高い?

確定申告といえば、税務署が最初に頭に思い浮かぶのではないでしょうか。
とはいえども、心理的にハードルが高い方もいると思います。

下記記事では、副収入分の確定申告について、ケースごとの確定申告の有無や納税方法を解説しています!

https://entrenet.jp/magazine/33482/

ポイント① 有料か無料か

相談は無料です。

ポイント② 相談可能な時間はいつか

【電話相談センター】

電話相談センターにおいては、集中的に配置された税務相談官が原則として、税目別相談体制により対応します。

より質の高い、迅速な回答が可能となっています。

【所轄の税務署にて面談】

月曜日から金曜日(祝日等を除く。)の午前8時30分から午後5時まで。

一部の税務署では、確定申告期間中、日曜日も確定申告の相談及び申告書の受付を行ってくれる。

具体的に書類や事実関係を確認する必要がある場合など、電話での回答が困難な相談内容については、所轄の税務署において面接にて相談を受けてくれます。

国税庁:税についての相談窓口

出典:税務相談の集中化全署拡大について

【所轄税務署の申告書作成会場にて相談・申告書作成】

各税務署の申告書作成会場・開設期間等については昨年度の例ですが、国税庁HPより管轄の署名をクリックして検索可能です。

国税庁:平成30年分申告書作成会場等のご案内※昨年度の場合

【チャットボットによる相談】(24時間利用可能)

※チャットボットとは、「チャット(会話)」と「ロボット」を組み合わせた言葉で、利用者が知りたい情報について、メニューの選択や、フリーワード(話し言葉、キーワードなど)を入力すると、AI(人工知能)を活用して自動で回答を表示するシステムをいいます。

下記記事では、会社員の副業で20万以下の確定申告について、申告の仕方や節税のコツを解説しています!

https://entrenet.jp/magazine/27086/

ポイント③ 相談はどこまで可能か

税務相談等(申告の要否、申告等の内容に関する事項、税法関連事項等)についてはもちろん相談可能です。

所轄税務署の申告書作成会場では、期間中申告に必要な資料を持ち込めば、その場で申告書の作成や提出まですることができます。

ただし正しい申告の方法は教えてくれても、節税方法など納税者が有利になるようなことを積極的に教えてくれるかどうかは、微妙なところです。

一般的な質問の場合は、電話相談センターを利用するのがおすすめです。また相談員の方によって同じ質問でも違う回答が返ってくる可能性もあります。

不安を感じることがあったり、特に大事だと思うことは、複数の相談員の方に相談するのも手でしょう。

下記記事では、フリーランスになった際の確定申告について、手続きを楽にしてくれる会計ソフト8選を紹介しています!

https://entrenet.jp/magazine/40852/

3 丸投げもOK!税理士は困ったら何でも頼れる存在!

困ったら税理士に聞く。

そうはわかっていても、なんとなく相談するハードルが高いと思っている方が多いのではないでしょうか。

以前の記事では税理士の選び方をお伝えしました。

アントレ STYLE MAGAZINE“信頼できる人”からの紹介でも要注意? 税理士が教える「税理士の選び方」

副業をしている会社員の年末調整方法や、対象の判断基準と確定申告の方法を更に知りたい方は、下記記事を参考にしてください。

https://entrenet.jp/magazine/45605/

ポイント① 有料か無料か

初回相談無料の税理士もいます。

相談料のみで、1時間5千円~2万円の所もあります。

税理士に帳簿の記帳や領収書整理等、作業代行をお願いする場合追加で費用がかかります。

状況によりますが、丸投げで10万円~やってくれる税理士もいるでしょう。

最初にホームページで料金表を確認しておくことや、自分の予算を事前に伝えておくことが大事です。

ポイント② 相談可能な時間はいつか

税理士事務所、税理士法人の方針によって異なります。

また担当者によっても異なりますので問い合わせの際、事前に確認しましょう。

特に確定申告シーズンのみ、夜間や土日でも対応してくれる事務所はあります。

ポイント③ 相談はどこまで可能か

多くの場合は納税義務があるか否か、節税可能か、作業工数見積り、作業代行等の見積り、申告書の納期まで、税理士と1時間程会話すれば見えくることでしょう。

ここでも自分と税理士の相性や、税理士の得意分(税金の種目や業種)の確認が必要です。

下記記事では、サラリーマンにおすすめの副業で、確定申告あり・なし別の月3万円稼げる副業ランキングTOP10を紹介しています。

https://entrenet.jp/magazine/26493/

4 青色申告会は会員制&幅広く相談可能!

「青色申告会」と聞いて、馴染みのない方もいると思います。

個人で事業を営むすべての方が行わなければならない、記帳・帳簿の作成から決算書作成、申告までを分かりやすくサポートする小規模事業者で組織された納税者団体です。

全国の税務署の管轄ごとに1つあります。

一般社団法人全国青色申告会連合:https://www.zenaoirobr.jp/service/index.html

下記記事では、個人事業主が「外注費」を支払う場合の仕訳と確定申告の注意点を解説しています。参考にしてみてください!

https://entrenet.jp/magazine/16249/

ポイント① 有料か無料か

会員制となり有料となります。月額はおおよそ1,500円で利用することができます。

ポイント② 相談可能な時間はいつか

会費制で分からないことは何度聞きに行っても、料金がかかりません。帳簿の付け方も教えてくれます。

税理士が来てくれたり、経験豊富な職員が常駐していて、いつでも相談できます。「確定申告ははじめて」「経理仕事は苦手なんだ」という個人事業者さんの味方です。

また会によっては、帳簿の作成について有料ですがやってくれる所もあります。

ポイント③ 相談はどこまで可能か

個別で記帳相談や指導を受けることができます。

経費の分類や記帳の仕方、青色申告で複式簿記を行う際の仕訳や記帳、試算表の作成方法など、その人その人の状況に合わせて、初歩からわかりやすくアドバイスしてくれます。

また、各会では、税理士や弁護士などの専門家を紹介するほか、無料相談会を開いている所もあります。

税理士との違いは、税理士に依頼した場合、申告書作成・提出まで代理をしてくれるなど、丸投げに近い形でお願いすることができます。

また、税理士の場合、法人化の相談や税務調査を見越したアドバイスをしてもらうことも可能です。

個人事業主が確定申告で控除できる税金について、更に気になる方は下記記事を参考にしてください!

https://entrenet.jp/magazine/15430/

最後まで諦めないで!困ったらまずは相談することを

それぞれの選ぶポイントをお伝えしましたが、大事なのは3つの相談先を1つに選ぶ、というよりは状況に応じて使い分けるというのがおすすめです。

例えば、予算をあまりかけたくないのであれば、青色申告会にて、帳簿の記帳のアドバイスをもらい自分で記帳し、申告書作成のみ税理士に代行するといった方法が考えられるでしょう。

また悩ましい税務の処理があるならば、税務署の電話相談センターに相談し、さらに税理士にセカンドオピニオンを求めることが考えられるでしょう。

もう1つ重要なのは、予算をかけたくないあまりに「何でも自分でこなそう」と思い込みすぎないこと。

面倒な帳簿の記帳業務は税理士に依頼し、本業に集中できる時間を捻出した方が良い場合もあると思います。

またよくある失敗事例ですが、自分でやられた帳簿が青色の要件を満たさない帳簿であり青色の特典が利用できないことがあります。

また損失が出た場合、その損失を繰り越すための申告書第4表をつけ忘れているケースなどが多く見受けられます。

誰にも相談せず自分ですべて申告した結果、損を被ってしまっては本末転倒です。

忙しいフリーランスの方だからこそ、少し落ち着いて確定申告の計画を立ててみてはいかがでしょうか。

文=齋藤 雄史
編集=内藤 祐介

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PROFILE
齋藤雄史

税理士/公認会計士
宮城県仙台市出身。高校卒業後、進学資金を貯めるため、新聞販売店に勤務。その後、地元の簿記専門学校に進学、東日本大震災同年の2011年公認会計士試験合格。合格後、新日本有限責任監査法人福島事務所勤務。
法律の世界に魅せられロースクールに進学し、同時期に板橋区にて会計事務所を開業。
ITやクラウド対応を武器に顧客開拓に成功し、20代〜30代をはじめとする多くの起業家から厚い信頼を得ている。

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