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個人事業主は厚生年金に加入できるのか? 年金の条件や種類

個人事業主は厚生年金に加入できるのか? 年金の条件や種類

日本には公的年金制度として、全国民を対象とする国民年金と企業等に努めている人が加入する厚生年金の2つがあります。

少子高齢化の影響で高齢者が今後も増える一方、現役の働き手である生産者人口(15〜60歳)の割合が年々減少しています。

ここでは、個人事業主として、知っておくべき公的年金について確認しましょう。

日本の年金制度の構造

個人事業主と厚生年金について説明する前に、日本の年金制度の構造をご紹介します。

日本の年金制度は3階建ての構造と言われています。

1階:国民年金(国民が全員加入)
2階:厚生年金(職業に応じた上乗せ給付を行う)
3階:企業年金(企業が独自に運営するもの)

後で詳しく説明しますが、個人事業主は1階部分の「国民年金」に、会社員や公務員は国民年金に加え、2階部分の「厚生年金」に加入します。

個人事業主は厚生年金に加入できるのか

国民年金は、国内に在住する20歳以上60歳未満のすべての人が加入するものです。

厚生年金は、別名、「被用者年金」とも呼ばれ、会社員や公務員など勤めている人が加入する年金制度です。

会社員は厚生年金、その他の人は国民年金を受け取ると思っている人も多いのですが、厚生年金の受給資格者は、国民年金も合わせて受給することができます。

会社員時代は厚生年金に加入していた人も、個人事業主になると、第1号被保険者として厚生年金ではなく、国民年金に加入します。

加入していた期間の厚生年金は、受給時期になると国民年金に加えて受給することができます。

厚生年金は、1年以上加入していれば受給資格はありますが、国民年金は10年以上加入期間があることが条件となっていますので、ご注意ください。

個人事業主が加入できる年金とは

個人事業主は、基本的に国民年金に加入する義務があります。

さらに、国民年金の上乗せとして、任意で下記の年金制度に加入することができます。

【個人事業主が国民年金の上乗せとして加入できる年金制度】
・国民年金基金
・個人型確定拠出年金(愛称iDeCoイデコ)
・小規模企業共済

いずれも国の制度で、掛け金全額が所得控除(所得税、住民税が非課税)の対象となり、民間の個人年金や預貯金に比べて様々な税制優遇を受けることができます。

国民年金基金

国民年金基金は、国民年金の上乗せとして作られた制度で、終身年金と期間を限定して受け取る確定年金を組み合わせて加入することができます。

日本国内に居住している20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、自由業、学生などが加入の対象となります。また、60歳以上65歳未満の方や海外に居住されている方で、国民年金の任意加入されている方も加入できます。

なお、厚生年金に加入している方は、国民年金基金への加入はできません。

掛金の上限は月額68,000円で、個人型確定拠出年金に加入している場合、その掛金と合わせて上限が68,000円です。全額が所得控除の対象となり、所得税や住民税が軽減されるのもポイントです。(参考:国民年金基金

個人型確定拠出年金(愛称iDeCoイデコ)

個人型確定拠出年金は、基本的に20歳以上60歳未満の全ての方が加入できます。

一定の制限の中で、自分で、拠出額、運用方法を選び、掛け金、受取方法を選ぶ事ができます。

国民年金保険の加入状況に応じて掛金の上限がありますが、掛金は全額所得控除の対象となるため、節税効果が見込めます。

個人事業主の場合は、国民年金の加入状況が第一号保険者(国民年金にのみ加入)のため、iDeCoの上限額が高く、年間81.6万まで掛金として捻出可能です。

小規模企業共済

小規模企業の経営者や役員の方が、廃業や退職時の生活資金などのために積み立てる「小規模企業共済度」です。

月々の掛金は1,000~70,000円まで500円単位で自由に設定が可能で、加入後も増額・減額できます。(参考:小規模企業共済

国の制度で、掛け金が全額所得控除できるなどの税制メリットに加え、事業資金の借り入れに使うこともできます。

個人事業主が従業員を雇った場合、厚生年金はどうなるのか

クエスチョンマーク

個人事業主が従業員を雇った場合、労働保険(労災保険と雇用保険)に入る必要がありますが、社会保険は加入義務がある強制適用事務所となる場合とならない場合があります。

常勤の従業員が5人以上いる場合、社会保険(健康保険と厚生年金)の適用事業所となります。

ただし、一部の業種については、強制適用から外されており、農業や漁業などの農林水産業、また弁護士などの法務業やサービス業、宗教業を営む個人事業所については、加入は任意となります。

アルバイトやパートでも、常勤従業員の労働日・労働時間と比較して、3/4以上働いている人は、社会保険の対象となりますので、ご注意ください。

常勤の従業員が5人未満の場合、加入は任意ですが、従業員の1/2以上の加入同意があれば、全員加入することができます。厚生年金に加入しない場合は、従業員が個人で国民年金の手続きをする必要があります。

【合わせて読みたい】
個人事業主の社会保険は従業員が5人以下でも加入できるのか? 加入義務や要件は?

個人事業主の年金への加入が免除されるケースとは

60歳未満の個人事業主には、国民年金に加入する義務があります。

平成30年の国民年金保険料は、16,340円です。

しかし、開業間もない時期やどうしても国民年金保険料が払えないときは、保険料免除・納付猶予制度を使い、一時的に保険料の支払いの減額・停止を受けることができます。

前年度所得が一定以下の場合、所得に応じて、全額、3/4、半額、1/4のいずれかの免除が受けられます。

免除期間も受給資格期間へ参入されますが、受給金額は免除割合に応じて減額されます。

また、30歳未満の人は、若年者納付猶予制度を使い、保険料の納付を止める事ができます。

受給資格期間に参入されますが、年金額はその分減額となります。

保険料免除、納付猶予のいずれも、10年以内であれば追納し、年金受給額の減額を避けることができます。

年金で節税対策も

公的年金は、個人事業主とその従業員の老後を支える年金制度です。

費用の負担は少なくありませんが、継続して支払う必要があります。

未払いとなることのないよう、しっかり資金繰りをしましょう。

また、個人事業主としての収入が増えた場合、国民年金に加えて小規模企業共済に加入すると、将来の事業資金の準備とすることもできます。

国民年金基金、確定拠出年金(iDeCo)も計画的に加入することで、自前の退職金を備えるだけでなく、掛金は控除の対象となるため、大きな節税効果が見込めます。ぜひ、活用してみてください。

PROFILE

経営コンサルタント 奥野美代子

外資系の高級消費財ブランドで、日本進出の子会社立ち上げから26年間マーケティングマネジャーとして、ブランドPR、販売促進、店舗開発、リテール支援を行うなど幅広い経験を持ちます。
独立後は、中小企業診断士とFPのノウハウを生かし、経営者の法人と個人の財務コンサルティングやリスクマネジメント、事業計画策定、マーケティング支援など幅広い支援を行っています

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