「今の会社にこのままずっといていいのかな？」「いつかは自分の力で独立したいけど、何から始めたらいいのか…」。
もし、今そんな漠然とした不安や、将来への期待を感じているなら、フランチャイズは選択肢の一つです。
でも、「本当に自分にできるのか」「初期費用はどれくらい必要なのか」「失敗したらどうしよう」といった迷いから、なかなか最初の一歩が踏み出せない方も多いでしょう。
そんな方に向けて、この記事では、フランチャイズの始め方、どんな本部を選んだらいいのか、経験がなくても理解しやすいように順を追って紹介します。
将来は独立をしてみたいとお考えの方、本記事を参考にフランチャイズも視野に入れてみてください。
「フランチャイズの始め方」の第一歩｜まず知っておきたい仕組みと意味
フランチャイズは、独立した個人（加盟店）がフランチャイズ本部企業のブランドやノウハウ、運営マニュアルを使って、自分の店舗やサービスを始める仕組みです。
フランチャイズ・チェーンの頭文字をとって”FC”と表現されることもあります。
本部の教育や指導を受けて短期間で事業をスタートさせ、スムーズに軌道に乗せていくことを目指します。
下記はフランチャイズの基礎知識です。
- 加盟者は本部と契約を結び、ブランド名や看板を使って店舗を運営します
- 本部は、経営ノウハウや商品、研修、広告サポートなどを提供します
- 加盟者は売上の一部や月ごとに定められた「ロイヤリティ」を本部に支払います
この仕組みにより、未経験でもビジネスを始めやすくなり、独立のハードルが下がります。
さらに詳しく知りたい方には、フランチャイズビジネスの市場規模やメリット・デメリットを、わかりやすくまとめた解説記事もおすすめです。
こちらもあわせてチェックしてみてください。
フランチャイズの仕組みを解説｜メリット・デメリットや事例から学ぶ成功の秘訣 | アントレ STYLE MAGAZINE
フランチャイズ起業は何歳が多い？年代別の特徴と傾向
フランチャイズを始める人は、若い世代からシニア層まで幅広く存在します。
それぞれの年代によって環境や動機、選ぶ業種は違ってくるでしょう。
こちらでは、どんな年代の人がどのような理由で挑戦しているのか、主な特徴をまとめました。
20代〜30代
新しいことにチャレンジしたいという気持ちや、会社員生活以外の道を早めに模索したい人が多い傾向です。
経験や資金面では不安もありますが、情報収集力や柔軟さを活かしてスタートするケースがよく見られます。
40代
これまでの仕事経験や人脈を活かせるのが40代です。
家族の将来や自分のセカンドキャリアを意識してフランチャイズに関心を持つ人が増えています。
自己資金とローンのバランスを考えながら、無理のない範囲で事業を始める方が多いです。
50代～シニア層
早期退職や定年前後に「今後の人生設計の一つ」としてフランチャイズへの挑戦を考える方が多い年代です。
また、これまで積み上げた信頼や人脈、地元のつながりを活かした運営をすることができます。
健康や生活バランスを意識したフランチャイズ経営を目指すのが特徴です。
フランチャイズで事業展開される主な業種
フランチャイズはさまざまな分野で展開されています。
特に参入が多い、身近な業種を紹介します。
いずれも地域密着型や生活に関わるサービスが中心で、未経験者にも比較的チャレンジしやすい業種でしょう。
| 業種 | 主な特徴・ポイント |
| コンビニ | 24時間営業・多様な商品サービス・本部サポートが充実 |
| ファミリーレストラン | 幅広い客層・マニュアル完備・接客や運営ノウハウを学びやすい |
| ファーストフード | スピード重視・ブランド力で集客・本部支援で早期開業も可能 |
| クリーニング店 | 地域密着・リピーター多数・専門知識も本部研修でカバーできる |
| ラーメン屋 | 宣伝力と味が鍵・小規模運営もしやすい・ブランド力を活かせる |
| ドラックストア | 安定需要・医薬品と生活用品・物流や商品管理の一元化 |
| 学習塾 | 教育ニーズが安定・本部がカリキュラムや講師育成を全面サポート |
| コインランドリー | 人手・手間が少ない・省力運営・副業や投資としても人気 |
各業種ごとに開業のしやすさや求められるスキル、サポート体制に特徴があります。
興味のある業種があれば、さらに細かく比較・調査するとご自身に合ったフランチャイズ加盟の選択がしやすくなります。
フランチャイズは儲かる？赤字が出るとどうなる？
フランチャイズに興味を持つ方にとって、「どれくらい儲かるのか」「赤字になった場合はどうなるのか」は非常に気になるポイントです。
実際には、フランチャイズの業態や加盟する本部、立地、自分自身の取り組み方など、さまざまな要素が収益に影響します。
ここでは、フランチャイズの収益性や安定のために押さえておきたい視点について解説します。
本部選びは慎重に
フランチャイズで安定した売上を目指すうえで、最も大切なのは本部選びです。
情報収集は念入りに行いましょう。
- 資料請求をして、加盟条件や実績の数字・サポート内容を具体的に把握する
- 説明会に参加して本部の担当者と直接話し、疑問点を確認する
- 本部の方針や理念が、自分の考え、やりたいことときちんと合っているか確認する
しっかりとした実績や支援体制がある本部を選べば、初心者でも安心して運営しやすくなります。
一方、中身をよく見ずに勢いで加盟すると、思わぬトラブルや売上不振につながることもあるため注意が必要です。
どれくらいの規模なのか、将来性は十分か
長く事業を続けるには、「この本部や業態が今後も需要を維持・拡大していけるか」という視点も欠かせません。
まずは加盟オーナーに話を聞きに行くこと。近くに同じフランチャイズ店舗がある場合は実際に足を運び、雰囲気や混雑状況を自分の目で確かめてみるといった行動を取りましょう。
初期費用・運営資金など資金面は？
フランチャイズの業種や本部によって、必要な初期費用や日々の運営資金は大きく変わるため、実際の数字に目を向けてリサーチしましょう。
自分がオーナーなら、といった目線でリサーチすることが大切です。
自分の生活スタイルとあっているか
いくら利益が見込めるフランチャイズや業態でも、自分や家族の生活と両立できない働き方だと長続きしません。
希望する営業時間や休日、実際の労働時間が想像とズレていないか、身体的な負担や家族行事とのバランスが保てるかはしっかり確認しましょう。
また、家族の理解や協力が得られるか、家計へのリスクは許容範囲内か、理想と現実をすり合わせながら、最初は慎重に検討するくらいがちょうど良い選択につながります。
フランチャイズを始めるメリット
こちらではフランチャイズのメリットについてみていきましょう。
商品・サービスが用意されている
フランチャイズ制度は、すでに収益を上げている商品やサービスを提供できるため、経営を順調に進めやすいです。
さらに、加盟店は元々のブランド価値を活用することができます。
顧客の意識が高い段階でスタートできるほか、新たなブランドを立ち上げる手間が省けるため、時間とコストの削減が期待できます。
ブランド本部のプロモーションが店舗の宣伝になる
フランチャイズ本部が、加盟店から受け取ったロイヤリティを広告活動に投資することで多くの消費者から認知され、加盟店は売上を増やすことができます。
加盟店の成功事例が増えれば、ブランド認知度も向上し、新たな加盟希望者も増加するでしょう。
フランチャイズ本部はさらに、ブランド価値を向上させ拡大していくことができるのです。
貢献度の高い仕事ができる
脱サラして起業すると、ただお金を稼ぐだけでなく、自分のやりたいことができるため、社会貢献を実感しながら働けます。
これにより、社会人時代よりも満足度の高い働き方ができるでしょう。
フランチャイズを始めるデメリッ卜
フランチャイズ本部へ毎月の支払い（ロイヤリティ）が発生する
フランチャイズ業界では、商品やブランド名の使用に対する料金として、フランチャイズ本部への支払いが必要です。一般的には、「加盟金」と「ロイヤリティ」が含まれます。
加盟金とは、フランチャイズ契約締結時に、店舗名やロゴ、商品、経営ノウハウ、トレーニング、サポートなどを提供する本部に支払う一時金のことです。
ロイヤリティは、店舗の知名度やブランド価値、ノウハウを継続的に活用するために毎月支払う費用を指します。支払いの額や方法は、フランチャイズ本部によって異なり、一定額を支払う場合もありますが、売上や利益の一部に応じた支払い方法も存在します。
売上が低迷すると、ロイヤリティの支払いが負担になる可能性もあります。契約する前に、支払いが長期的に可能かどうかを検討しましょう。
フランチャイズ本部の決まりを守らなければならない
フランチャイズ事業を始める際には、フランチャイズ本部と契約を締結します。
独立起業とは異なり、本部のブランド価値を代表することになるため、自由な経営ができない場合があります。
フランチャイズの始め方は？開業までの流れをチェック
こちらではフランチャイズの検討段階から契約、事業開始までの流れをみていきます。
自分にあったフランチャイズがわからない、考え方や選ぶ基準
フランチャイズ事業を成功させるためには、まず自分に一番合った業界・業種を選ぶことが重要です。
とはいうものの、世の中にあるフランチャイズビジネスは業種も本部も多種多様です。
何を基準に選べばよいのか迷ったら、まずは自分自身の希望や状況を整理することから始めましょう。
はじめに、情報収集前の初期段階では、興味のある分野に対して高い熱意と共感を持っていることが大切です。
「儲かるらしいから」といった理由でフランチャイズ事業を始めることも悪いことではありませんが、自分のやっているビジネスが好きになれない場合、毎日苦痛を味わうことになります。
自分の価値観に適した熱意と共感ができる分野でフランチャイズ事業を始めることができれば、より力を入れてビジネスを進めることができるでしょう。
次に、いくら情熱があるとしても、自分にとって望ましいライフスタイルから離れすぎているビジネスでは長期継続は困難です。
毎日朝から夕方までの仕事をしていた人が、いきなりBARなど夜に運営をするビジネスを初めても、自分のライフスタイルに合わない場合があります。
そのフランチャイズ事業で働いている自分をイメージし、毎日幸せでいられるか考えてみましょう。
情報収集を始める
まずはどんな業種や本部があるのかを幅広く知ることから始めます。
比較サイトや専門誌、オンライン・オフラインの説明会に参加してみましょう。
説明会では資料だけではわからない本部の雰囲気や担当者の人柄、現場ならではのリアルな話を聞くことができます。
自分に合いそうなフランチャイズの候補をチェックし、さまざまな本部や業態の特徴、募集内容を比較することで、「理想」と「現実」のギャップにも気づきやすくなります。
加入するフランチャイズチェーンを決める
参入する業界の次に決めなければいけないことは、どのフランチャイズチェーンに加盟するかということです。
成長のポテンシャルがある魅力的な市場であれば、複数の会社が競争しているはずです。
一方で、目新しい分野で、まだ誰もポテンシャルに気づいていないものを除き、激しい競争がなければ、むしろその業界は衰退する可能性があることも覚えておくと良いでしょう。
業界内の競争は、市場を魅力的に見せるだけのものではなく、業界の健全な成長や発展のためにも良い機会を与えてくれます。
ただし、すべての競争が良いとは限りません。
サービスレベルの向上や商品開発を重視しない単なる価格競争だと、すべてのプレイヤーが次々と潰れていきます。
そのような競争環境で一番損をするのが加盟店となるので、単なる価格競争はできるだけ避けるべきです。
申し込みと審査後、契約を結ぶ
加盟するフランチャイズ事業を決めたら、いよいよ契約を結びます。
契約内容に関しては各フランチャイズ本部にて細かく異なります。
自分にどのような責任と義務が生じるかよく理解した上で契約を結びましょう。
また、分からないものはそのまま放置せずに、必ずフランチャイズ本部や第三者の専門家に確認しましょう。
開業準備を行う
フランチャイズ事業を成功させるためには、まず自分の理想を追い過ぎるのではなく、完全にフランチャイズ本部の開業プロセスを遵守した開業準備が必要となります。
フランチャイズチェーンの指導どおりの準備を行い、あとで何か問題が起きたときに対処できるように、行った準備をすべて記録しておきましょう。
オープン
新しいビジネスの開始は、未来の成功にも多大な影響を与えるものです。
オープニングイベント、SNSでの呼び込みなど、告知やプロモーション活動を惜しまずに行うことが事業を軌道に乗せていくためにも必要でしょう。
フランチャイズ本部を決める4つの判断基準は？
フランチャイズ本部を選ぶ時どのような選択基準で考えれば良いのでしょうか。下記の基準例を参考に解説していきます。
基準1：業界のトップレベルであり、健全な財力があること
フランチャイズ本部が業界内でどのくらいの位置にいるか、経営状態は問題ないかをしっかり確認しましょう。経営基盤が安定している本部は、長期的なサポートや柔軟な経営体制が期待できます。
さらに本部や加盟店に問題や不祥事がないのか、過去のトラブルも念入りにチェックします。加盟しているフランチャイズの中の1店舗でも問題を起こしていれば、加盟店全体の信頼に影響するためです。
基準2：高いブランド力を持つこと
フランチャイズ事業に加盟することで最も期待される1つは、高い知名度による顧客獲得です。
そのため、加盟を考えているフランチャイズチェーンに関して高いブランド力を求める必要があります。
基準3：加盟後の運営サポートが優れていること
フランチャイズ経営は、加盟した後の運営サポートがどれだけ手厚いかで、日々の安心感や事業の安定性が大きく変わります。
初期研修はもちろん、開業後のフォローやトラブル時の対応など、本部のサポート内容を事前にしっかり確認しましょう。
また、加盟前に受けられる研修内容や期間、業績不振の時に相談できる窓口があるかなど、フランチャイズを未経験で始める方にとって安心材料になるでしょう。
基準4：加盟店・オーナーとの関係が良好で、実際に利益が出ているか
実際に加盟しているオーナーから話を聞く機会はフランチャイズを始めるにあたって重要です。
実際の経営状況や本部の待遇、店舗運営での問題など、表面上ではわからない現実がみえてきます。
また、多くのオーナーが加盟しているフランチャイズ本部は、オーナーが多くのメリットを感じている証です。自分の目と耳で確認し、「この本部なら長く安心して続けられる」と思えるかどうか、冷静に見極めてください。
この選択は自分に合ってる？フランチャイズに向いてる人・注意が必要な人の特徴
フランチャイズ経営に向いているのは、まず他人任せにせず自分で判断し行動できる人です。
疑問点は本部や実際の加盟店オーナーに積極的に相談できる方の方が事業を開始してからも上手くいきやすいといえるでしょう。
スタッフの育成、チームで進めるのが好きな人、自分の強みや性格を事前に整理できる人はフランチャイズ運営には向いています。
注意が必要なタイプ・行動パターン
考え方で注意が必要なのは、フランチャイズ加盟を「なんとなく儲かりそう」「周りが勧めたから」と曖昧な理由だけで決めてしまうと、現実とのギャップに悩みやすくなります。
資料や説明会だけで判断し、現場見学や見込みオーナーの声を十分に聞かないまま加盟する場合も注意が必要です。
「本部がなんとかしてくれるだろう」という他人任せや、問題が起きたときに自分事として考えず流されやすい人は、トラブルや後悔につながりやすいので慎重に検討しましょう。
フランチャイズを始める前に知っておきたいの注意点は？
フランチャイズへの加盟は人生の中で大きな決断になります。
トラブルや後悔を避けるために、契約書や規約など、時間をかけて丁寧に確認しましょう。
ここでは、注意していきたい点を解説します。
- 契約内容（競業禁止、解約条件など）を念入りに確認
- 「必ず儲かる」など甘い話は要注意
契約内容（競業禁止、解約条件など）を念入りに確認
本部と結ぶ契約書には、通常「競業禁止」や「解約条件」など重要な項目が盛り込まれています。自分にとって不利な条件や、想定外の縛りがないかを細かくチェックしましょう。
疑問点はそのままにせず、本部や専門家によく相談し、後から「知らなかった…」とならないよう納得してからサインしましょう。
規約の中にある「競業禁止」とは、フランチャイズ契約において加盟期間中や契約終了後、同じような業種やビジネスで独立開業したり、他社フランチャイズに加盟したりすることを制限する条項のことです。
ポイントとしては、以下の内容が含まれることが多いです。
- 契約期間中、同一業種の他店舗経営は禁止
- 契約終了後も一定期間（例：1～2年）、同一業種での開業・他フランチャイズ加入が制限されることがある
- 競業禁止の範囲や期間、対象エリアなどは本部や契約内容ごとに異なる
競業禁止の条件を破ると違約金や損害賠償請求の対象となることもあります。
自分が万一フランチャイズをやめたとき、次にどんな仕事ができるのか、といった将来の選択肢にも影響するため、必ず契約書や事前説明でしっかりと確認しましょう。
「必ず儲かる」など甘い話は要注意
説明会や資料、ウェブサイトなどで「誰でも必ず儲かる」「リスクゼロで安定収入」といったフレーズを見かけたら要注意です。
どんな事業でも経営には波があり、絶対は存在しないからです。
特にうまい話ばかりを強調する本部は警戒し、実際に店舗見学やオーナー経験者の話も聞いたうえで、現実的な目線で判断してください。
【まとめ】あなたにもできる！フランチャイズ開業で夢を現実に
フランチャイズを始めるには、情報収集や本部選び、契約内容の確認など、慎重に進めるべきポイントがいくつもあります。
初めての挑戦は不安も伴いますが、事前にできる準備を丁寧に積み重ねていくことで、リスクや失敗を減らすことは可能です。
実際、契約内容のチェックや本部選び、家族との話し合いといった基本を押さえながら、自分の可能性を広げているオーナーもたくさんいます。
たとえ最初のチャレンジで理想通りに進まなくても、改善や再挑戦は十分可能です。大切なのは、「自分の状況や強みを活かしながら、一歩一歩進むこと」。
フランチャイズ本部との相性や将来設計も見据えながら、あなたに合った道を見つけてみてください。
この記事のアドバイスを参考に、無理のないスタートで新しいビジネスライフを手に入れましょう。
