【50億円社長から学ぶ!勝てる事業=負けない事業の作り方】
創業1年目の光通信(現東証一部上場)に入社し、当時日本最年少(26歳)で上場企業役員に。
その後、1人で起業し、従業員1200名・売上50億円にまで成長させた(株)フィナンシャルエージェンシー 齋藤正秀社長が登壇!
【勝てる事業をどう選定するか】
ポイントは4点。
・市場規模が大きいか
・変化がある業界か
・既存プレイヤーに、勝てる要素があるか
・勝てる理由がはっきりしているか、長期的に勝てる理由があるか
我々の主たる経済圏は資本主義のため、金融業界は非常に大きな規模があり、かつ必要不可欠で無くならない。
次に、金融業界の中のどのフィールドで戦うかについては、誰がどういう勝ち方をしているのか、その分析が重要になる。
例えば証券業。
証券業は、対面相対取引から超高速システム取引へとシフトしているが、既存プレイヤーよりも優位性が高いシステムが提供できるのか。
その際に利益率は高く柔軟な株式市場等の環境変化に対応できるのか。確信的答えがなければ参入できない。
では、クレジットカード業。
クレジットカードは決済手段だけでなく、アメックスやダイナースのようにステータスとして持つ側面もあるが、新規参入するとなると、そのブランド力が確立している既存プレイヤーに勝つのは難しい。
決済利便性で勝負というなら、1ユーザーからの収益性が低いため決済量が重要となるが、膨大な顧客獲得が必要となり、資金力勝負でもあり勝算がない。
それなら信託業はどうかというと、これこそ社会的信用があるかないかが決め手となる世界で、やはり単純な新規参入者に対して既存プレイヤーへの勝ち目を見出すのは困難である。
では、保険業はどうか。
以前は多くの法律・規制で護送船団のように守られていたが、社会保障の担い手として競争原理と構造改革が必要不可欠として、抜本的な規制緩和などの変化が示されていた。
また、保険業における保険商品・サービスは各社大差なく、マーケティング・販売といった流通機能の強さがその競争力の中心であった。そのメインプレイヤーはいわゆる「保険のおばちゃん、生保レディ」。
では、メインプレイヤーに勝てるかどうかというと、「彼女たちより知恵を使い、仕組を整え、彼女たちより頑張るということで十分勝てる」。
例えば彼女たちが5件営業しているところを、6件営業できる仕組みを作ればよい。
さらに、徹底的に効率的な仕組みを作れば、ドラスティックに勝てる見込みもある。インターネットの普及、スマートフォンが一人一台の時代になり、消費行動も情報を受け取って購買判断する形から情報を自分で得て購買判断する形に劇的に変わった。
そのような社会的情報インフラの変化によって、保険も「対面型」から「ダイレクト型」へ提供方法などが変化する環境が整い、効率的な仕組みも構築できる。こういったポイントを踏まえると、保険業界は「勝てる業界」となると判断できた。