【この記事でわかること】
- フランチャイズ本部の選び方
- フランチャイズ人気業種9選
- フランチャイズが初心者におすすめな理由
フランチャイズは「就労経験のない分野で独立を目指している人」や「経営経験がない人」「自己資金の少ない人」が独立するのにおすすめです。
では、具体的にはどのような人に、どのようなフランチャイズがおすすめなのでしょうか。
本記事では、フランチャイズがおすすめな3タイプの人と、それぞれにおすすめの業種を紹介します。
自分の環境や資質に合った業種を探し、独立の夢を実現させましょう。
また、フランチャイズ経営はリスクが高いという話も聞くため、一歩踏み出せないという方や、フランチャイズ経営は本当に儲かるのかと不安になっている方も多いと思います。
そんな方たちのために、実際にフランチャイズ経営を行っている方の事例や、成功している方のポイントについて資料にまとめて、解説書を作成いたしました。フランチャイズ経営に興味はあるけど、失敗はしたくない!という方はぜひ下記よりダウンロードして参考にしてみてください。
そもそもフランチャイズとは?
おすすめのフランチャイズ本部を知る前に、そもそもフランチャイズという仕組みがどのようなものなのかを理解しておくことが重要です。
フランチャイズとは、フランチャイズ本部となる企業(フランチャイザー」とそこの加盟店となる個人や法人(フランチャイジー)により形成されています。フランチャイズ本部は加盟店に対してロイヤリティ(対価)を支払い、「ブランド名や看板を使う権利」や「経営ノウハウ」を得て事業を展開する、アメリカが発祥のビジネスモデルです。
フランチャイズと聞くとチェーン店のイメージを持つ方が多いのではないでしょうか。しかし、チェーン店には加盟店の他に直営店もあります。この2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
加盟店
まず加盟店とは、「フランチャイズ契約」により経営されている店舗のことをいい、フランチャイズ加盟店とも呼ばれます。
では、フランチャイズ契約とは、どのような契約でしょうか。
フランチャイズ契約とは、自社の店舗を運営してくれる人を探しているフランチャイズ本部と、新しくビジネスを始めたいと思っている個人や法人が結ぶ契約です。契約を結ぶことで、フランチャイズ本部以外の個人や法人も、同じ商号やブランドを扱う店舗を運営できるようになります。フランチャイズ契約を交わす際、同じ商号やブランドを扱う対価として加盟店はフランチャイズ本部に「加盟金」や「保証金」を支払います。さらに、開業後は毎月継続的に「ロイヤリティ」も支払わなくてはいけません。
加盟店の責任者は個人でも法人でも、「オーナー」となり店舗の経営者になります。フランチャイズ加盟店のオーナーは、フランチャイズ本部に雇用されているわけではないので、基本的に全責任はオーナーである自分のものと覚悟しておくようにしましょう。
直営店
直営店は、別名レギュラーチェーン(RC)と呼ばれます。フランチャイズ本部が自社で直接店舗を運営します。直営店の責任者はフランチャイズ本部に直接雇用されている人が「店長」という役職に就いていることがほとんどです。加盟店のオーナーという経営者のポジションとは異なり、一社員であるため全責任を問われることはまずないと考えてよいでしょう。また、業務委託の店長というスタイルもありますが、いずれにしても本部が直接契約をするため本部の指示系統の範囲となります。
フランチャイズ加盟のメリット・デメリットとは
フランチャイズは気軽に自分の店舗を持てる印象がある方もいるのではないでしょうか。しかし、その考えで安易にフランチャイズ契約をしてしまうと、将来的に後悔する羽目になってしまうかもしれません。
フランチャイズに加盟する前に知っておきたい、フランチャイズ加盟のメリットとデメリットをいくつか紹介します。
フランチャイズ加盟のメリット
フランチャイズに加盟する最大のメリットは低リスクで自分のビジネスを始められる点です。
一般的に、自身でビジネスを始めようとした場合、知識も実績も知名度もない、名もなき企業から事業を大きくして徐々にその名を馳せていかなくてはいけません。そのためには、ビジネスを始める前の準備期間中に経営やビジネスの知識を身につける必要もあります。
また、知名度や実績もないため、取引先の信頼を得るまで時間がかかったり、思うように従業員が集められなかったりするなど苦労する局面はさまざまでしょう。
しかし、フランチャイズに加盟しての独立であれば、このような苦労をすることが少なくなるのです。
フランチャイズ契約をすると加盟店はフランチャイズ本部にロイヤリティを支払わなくてはいけなくなります。しかし、それと同時に商品の仕入れやビジネスノウハウの提供など、事業に必要な知識の提供やフォローをしてくれます。研修制度が充実しているフランチャイズ本部もあるので、不安な方は事前に知識をインプットしたり、別店舗で経験を積んだりするなどのサポートもしてもらえるので安心でしょう。
さらに、ブランド力や知名度も活用できます。そのため、開店初日からお店が繁盛したり、お得意さんができたりなど信頼面でも安心です。知名度もあるため、求人募集をかけたのに全く応募者が来ないなんて事態にもなりにくいでしょう。
従業員の研修制度や接客マニュアルも一通り用意されているフランチャイズ本部もあるので、そのようなフランチャイズ本部と契約をすれば、従業員を採用できれば、効率的に店舗運営ができるでしょう。
フランチャイズ加盟のデメリット
これから自分でビジネスを展開したいという方にとって、フランチャイズほど魅力的に見えるビジネスモデルはないのではないでしょうか。しかし、メリットにばかり目を奪われてしまっていると、後悔することになりかねません。メリットが多く見えるフランチャイズですが、デメリットもあります。
フランチャイズに加盟すると、自分がどれほど努力して得た売り上げであっても、決められた割合をロイヤリティとしてフランチャイズ本部に支払わなくてはいけません。ロイヤリティには売り上げの一定の割合を支払う「歩合制」と毎月一定額を支払う「定額制」の2種類があります。歩合制は売り上げが上がれば上がるほど支払う額も増え、定額制は赤字であっても支払いが発生します。どちらのタイプにもメリット・デメリットがあることを理解しておきましょう。
また、フランチャイズはそのブランド力が故に他店舗での不祥事による影響を受けやすいのもデメリットの1つです。自分の店舗では何のトラブルもなくても、他店舗でトラブルが発生するとフランチャイズ全体の印象が悪くなってしまい、お客さまが離れてしまうような事態に巻き込まれかねません。
そのような場合、フランチャイズ本部からのフォローなどもありますが、想定外のことが起きる可能性も心にとめておきましょう。
下記記事では、初心者も成功すしやすい本部選びの基準や先輩事例を紹介しています。参考にしてください!
https://entrenet.jp/magazine/13584/
【初心者必見】フランチャイズ本部の選び方
せっかくフランチャイズに加盟して独立するのであれば、成功したい!稼ぎたい!と思うこともあるでしょう。フランチャイズ契約をする上で最も重要といっても過言ではないのが、フランチャイズ本部選びです。
事業内容で加盟先を決めるのも重要ですが、それだけで決めてしまうと実際に事業を始めてから、フランチャイズ本部に「もっとこうして欲しい」「こうだったらよかったのに」などと不満を抱えることになります。
フランチャイズ本部の選び方を4つのポイントでまとめていきます。
サポート体制は充実しているのか
フランチャイズ契約をする上で最も重要なのがサポート体制の充実度です。業界や経営の知識や経験がある方であればあまり気にする必要もないでしょう。しかし、そうでない場合は、成功する上でフランチャイズ本部のサポートは大変有用なものです。
相談に乗ったり、知識を共有してくれたりするスーパーバイザーの人数は十分なのか、全国の加盟店に対応できるほどのリソースは確保されているのか、研修制度は充実しているのかなど自分がサポートを希望する部分においてフランチャイズ本部の体制が整っているかどうか、きちんと確認しておくようにしましょう。
必要資金はどれほどか
フランチャイズへの加盟には資金が必要となります。初期費用や毎月のロイヤリティは、どれくらいの額が必要になるのか、事前にシミュレーションしておきましょう。
闇雲に加盟せずに、売り上げが立たなかった際の支払いのシミュレーションや最低限獲得したい売り上げ目標など、金銭面は特に念入りに加盟前に確認しておきたいポイントです。
契約期間はどれほどか
意外と見落としがちなのが、契約期間です。フランチャイズ契約には契約期間があり、この間は辞めたくても辞められません。辞められたとしても違約金がかかるケースがほとんどなので、契約期間中は途中で辞めることなく継続して店舗運営ができそうか必ず確認しておくようにしましょう。
万が一、病気や怪我で働けなくなってしまったときのことも想定してリソースを確保できているのが望ましいです。
誰と加盟できるか
稀に、親族や同一世帯者との加盟が条件となっているケースがあります。また未成年者や外国籍の方の加盟についても、別途、条件があることが多いため注意が必要となります。加盟条件に専従者が2名以上必要になる場合は、自分ひとりの決断では加盟ができません。
一緒に加盟を希望する人との加盟が叶わなかったり、働く人を口説くために時間がかかったりするので、本部の条件を確認しながら計画を立てて進めるのがおすすめです。
フランチャイズでの独立が初心者に向いている理由
フランチャイズを活用すれば、自分のビジネスを立ち上げるハードルを下げられるため「初心者向け」といわれています。
その理由は、フランチャイズ本部による研修や、スーパーバイザーによるアドバイスなど、フランチャイズではさまざまなサポートを受けながらビジネスを進められるからです。
他にも、フランチャイズはどのような人におすすめなのでしょうか。
自力で開業する場合に必要となる開業資金も、フランチャイズであれば開業後に売り上げの一部からフランチャイズに支払える場合もありますし、開業資金を抑えて独立できるプランを準備している本部もあります。業界での就労経験や経営経験がない人、自己資金の少ない人は、それぞれの懸念点をフランチャイズ本部の持つノウハウやマニュアルで解消できます。
また、特定のスキルがある人は、そのスキルを活かして専門職として独立することもできます。次からは、それぞれの人にどのようなビジネスがおすすめなのか、具体的な業種を紹介します。
フランチャイズについてよく分からない、もっと知りたいという方はこちらの記事も読んでみてください。
https://entrenet.jp/magazine/25755/
未経験の分野で独立したい人におすすめのフランチャイズ
まずは、未経験から始める人におすすめのフランチャイズを紹介します。業界での就労経験や経営経験がない人におすすめなのは、次の3業種です。
それぞれのおすすめポイントや仕事内容について、紹介します。
未経験者におすすめのフランチャイズ1:コンビニエンスストア
コンビニエンスストアは、フランチャイズの代名詞ともいうべき業種です。しっかりとしたサポート体制と充実したマニュアルで、経営経験がない人にもおすすめです。
多くのコンビニエンスストアは、フランチャイズを徹底的に活用し、店舗を拡大してきました。チェーンごとの特色もあり差別化ができていますし、他業種と比べても蓄積されたノウハウは圧倒的です。全国チェーンの大手コンビニエンスストアであれば、知名度も信頼度も既にトップクラスです。フランチャイズ本部が全国放映のCMまで流してくれるので、集客に困ることもないでしょう。
未経験者におすすめのフランチャイズ2:ハウスクリーニング
ハウスクリーニングは、2022年現在、人気が高まり続けている業種です。事前研修でスキルをしっかり身につけられるので、清掃・クリーニング業の経験者はもちろん、業界未経験者にもおすすめです。
共働き世帯や高齢者が増えつつあるため、ハウスクリーニングのニーズは高まるばかりです。家事にあてられる時間が少ない共働き世帯は、時間と体力を少しでも節約するために、ハウスクリーニングをはじめとする「家事代行サービス」を利用する機会が増えていますし、高齢者に変わって家事をすることで社会貢献もできます。
さまざまな家事代行サービスの登場により、ハウスクリーニングの認知度も向上しています。今後も成長し続けるであろうマーケットといえます。
未経験者におすすめのフランチャイズ3:携帯電話ビジネス
難しそうにみえる携帯電話ビジネスも、初めて経営に挑戦する人におすすめです。
携帯電話に関するサービスは年々増え続け、内容も日々変わっていきます。覚えることはたくさんあり、独立後も勉強を続けなければなりません。しかし、勉強するための環境は整っています。各キャリアのサービス内容や規約は明確に定められており、マニュアルを読めば必ず正解があります。知識さえ身につければ、ビジネスを成り立たせることが可能というわけです。
フランチャイズに加盟する以外にも「通信回線の代理店になる」という選択肢もあります。
携帯販売ビジネスを個人事業主として開業する際の注意点などをマイチョイスで詳しく解説しています。
自己資金が少ない人におすすめのフランチャイズ
次に、自己資金が少ない人におすすめのフランチャイズを紹介します。自己資金が少ない人におすすめなのは、次の3業種です。
自己資金が少なくても開業できるのはなぜなのか、どのような仕事をするのか、それぞれ紹介します。
自己資金が少ない人におすすめのフランチャイズ1:高齢者向けサービス
高齢者向けサービスは、自己資金が少ない人、資格などを持っていない人にもおすすめの業種です。フランチャイズの高齢者向けサービスには、高齢者向けのお弁当宅配から家事代行まで、さまざまなものがあります。中には、お墓掃除の代行というようなサービスもあります。
介護施設の運営や訪問介護だけが、高齢者向けサービスではありません。超高齢社会の日本では、今後もニーズは高まり、サービスの種類も増え続けていくでしょう。
自己資金が少ない人におすすめのフランチャイズ2:宅配ドライバー
宅配ドライバーなら、店舗用の建物や土地を用意することなく、ビジネスを始められます。必要なのは、運転免許と車です。自家用車を仕事に使えるフランチャイズ本部であれば、開業資金はさらに抑えられるでしょう。自己資金が少ない人だけでなく「自分には特筆すべきスキルも経験もない」と感じている人にもおすすめです。
いわゆる「宅配便」の仕事以外にも、お弁当やミールキット(材料とレシピが宅配され、家庭で手軽に料理ができるサービス)など、宅配ビジネスの種類は増え続けています。
自己資金が少ない人におすすめのフランチャイズ3:学習塾
学習塾というと、店舗を構えたり講師を雇ったり、開業資金や運転資金が高いイメージがあるでしょう。しかし、資金がなくても立ち上げられる学習塾が増えています。加盟金なしで契約できたり、研修が無料で受けられたり、開業資金を抑えられるようなサポート制度を採用しているフランチャイズ本部も多くあります。自分に合ったフランチャイズ制度を活用することで、自己資金が少ない人でも独立しやすくなります。
中には、研修で塾講師として働き、給与をもらいながらスキルを身につけられる制度を採用しているフランチャイズ本部もあります。
特定のスキルがある人におすすめのフランチャイズ
最後に、特定のスキルがある人におすすめのフランチャイズを紹介します。特定のスキルがある人におすすめなのは、次の3業種です。
どのようなスキルを活かせるのか、具体的な仕事内容について、それぞれ紹介します。
特定のスキルがある人におすすめのフランチャイズ1:相談ビジネス
相談ビジネスでは、主に恋愛や婚活に関する相談を受けます。いわゆる「結婚相談所」のフランチャイズであり、コミュニケーションスキルが高い人、人と話すことや話を聞きだすことが得意な人におすすめです。
Webを使って、無店舗で開業・運営できるフランチャイズもあります。最近ではオンラインでのMTGや飲み会など、リモートワークやオンライン面談ツールの普及により、Webを使った相談サービスの利用に抵抗感を示す人も少なくなってきました。自己資金が少ない人や、自宅で仕事をしたい人にもおすすめのビジネスです。
特定のスキルがある人におすすめのフランチャイズ2:介護ビジネス
前述の高齢者向けサービスとは異なり、こちらは介護施設の運営や訪問介護の提供を指します。介護職の経験がある人、福祉系の資格を持っている人におすすめです。
既に超高齢社会となっている日本では、介護ビジネスへのニーズは今後も高まっていくでしょう。最近では、高齢者介護だけでなく、障がい者介護の施設も増えています。持っているスキルに応じてビジネスの幅が広がるのも、介護ビジネスのおすすめポイントです。
特定のスキルがある人におすすめのフランチャイズ3:美容・エステ
美容師やエステティシャンなど、美容業界の専門職に就いている人におすすめのフランチャイズです。これまで働きながら培ってきたスキルをそのまま活かし、自分のお店を持つことができます。
なお、オーナーが資格を持っていなくても、資格を持っている人を雇って開業することが可能です。
おすすめフランチャイズの中から、自分にピッタリなものを探そう
フランチャイズの中にも流行はあり、人気のビジネスは時代とともに変わっていきます。しかし「今、流行っていて、おすすめの業種らしいから」という理由でフランチャイズを選ぶと、ビジネスは上手くいかないでしょう。
フランチャイズでの独立や開業を目指すなら、自分に合った業種を選ぶことが何より重要です。
「自分は経営の経験がないから、サポートが充実しているコンビニエンスストアを選ぶ」
「自分は人と話すのが得意だから、相談ビジネスで能力を活かしたい」
など、本記事で紹介したおすすめ業種を参考にしながら、フランチャイズを探してみてください。自分に合ったフランチャイズを選べば、自分の資質を活かしながら、やりがいを持って取り組めるでしょう。
<文/ちはる>