前回はコロナショックを乗り越えるために「国」からの支援策である『第2次補正予算による経済支援策』についてお届けしました。
今回は「給付金、助成金・補助金、融資制度等」の支援策について、チェックリストとしてご活用頂けるよう一覧にまとめてみました。
私がクライアントに対して、支援策を実際に検討するときにも活用しているものです。
支援策の詳細は各リンク先、もしくは前回までの記事をご覧下さい。
自身(自社)でも受けられる支援策を活用し、コロナ危機を乗り越えていきましょう!
コロナ経済支援制度 ※2020年7月16日現在
コロナ経済支援策について、次の①~⑤に分類し一覧にまとめました。
②補助金・助成金(休業補償をしたい、設備投資・販路開拓がしたい)
③融資(お金を借りたい)
④その他(税金や社会保険料の納税を猶予したい)
⑤各都道府県別の支援策の検索
+業種別の支援策
コロナ経済支援策について、予算ごとにまた種類ごとに分類し一覧にまとめました。
①給付金(お金を受け取りたい)
◆持続化給付金(国)【給付金】
感染症拡大により、営業自粛等により特に大きな影響を受ける事業者に対して、事業の継続を支え、再起の糧として事業全般に広く使える給付金です。個人事業主、中小法人等の方が対象となります。
https://www.jizokuka-kyufu.jp/
◆家賃給付支援金(国)【給付金】※7月14日申請開始
地代・家賃(賃料)の負担を軽減する給付金です。個人事業主、中小法人等の方が対象です。
https://www.meti.go.jp/covid-19/yachin-kyufu/index.html
◆新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金(国)【給付金】※7月10日郵送受付開始
新型コロナウイルス感染症の影響で勤務先から休業させられたものの、勤め先から賃金(休業手当)を受け取れないといった労働者が直接申請できる給付金です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/kyugyoshienkin.html?fbclid=IwAR26ctnh8QnYYyOHRpXVCyRf5sEpo86Vchqed4_-FxxsLrwHXxzEpJlFVkg
◆小学校休業等対応支援金(委託を受けて個人で仕事をする方向け)(国)【給付金】
小学校等の臨時休業に伴いこどもの世話によって契約した仕事ができなくなった保護者(個人)に対する給付金です。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10231.html
◆特別定額給付金(国)【給付金】
基準日(令和2年4月27日)時点で、住民基本台帳に記録されている者が対象(給付額10万円)の給付金です。
https://kyufukin.soumu.go.jp/ja-JP/index.html
②助成金・補助金(休業補償をしたい、設備投資・販路開拓がしたい)
◆雇用調整助成金(国)【助成金】
新型コロナウイルス感染症の影響で事業活動の縮小を余儀なくされた事業の事業主に対して、従業員の雇用維持を図るために、休業手当などの一部を助成するものです。
「労使間の協定」に基づき、「雇用調整(休業)」を実施する事業主に対して支払われます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07.html
◆小学校休業等対応助成金(国)【助成金】
新型コロナウイルスの感染拡大防止策として小学校等が臨時休業した場合に、保護者である労働者に有給の休暇を取得させた企業に対する助成金です。
労働者の正規雇用・非正規雇用は問われません。(年次有給休暇は除く)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/pageL07_00002.html
◆働き方改革推進支援助成金(新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース)(国)【助成金】
主にテレワーク用の通信機器の導入等に関する助成金です。
テレワークを新規で導入する中小企業事業主を対象に(※試行的に導入している事業主も対象)、テレワーク用通信機器の導入・運用、就業規則・労使協定等の作成・変更、労務管理担当者に対する研修・労働者に対する研修、周知・啓発等に対して、国から助成金が支払われます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/jikan/syokubaisikitelework.html
◆小規模事業者持続化補助金(国)【補助金】
主に地域の雇用や産業を支える小規模事業者等の生産性向上と持続的発展を図ることを目的とした補助金です。
小規模事業者等が今後、複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、小規模事業者等が取り組む販路開拓等の取り組みにおける経費の一部が補助されます。
https://r2.jizokukahojokin.info/corona/
◆ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(国)【補助金】
中小企業・小規模事業者等が今後、複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するための補助金です。
http://portal.monodukuri-hojo.jp/
◆IT導入補助金(国)【補助金】
中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売り上げアップをサポートすることを目的とした補助金です。
https://www.it-hojo.jp/
◆経営資源引継ぎ補助金(国)【補助金】
新型コロナウイルス感染症の影響が懸念される中小企業者に対して、事業再編・事業統合等に伴う経営資源の引継ぎに要する経費の一部を補助する事業を行うことにより、
①経営資源の引継ぎを促すための支援
②経営資源の引継ぎを実現させるための支援
によって新陳代謝を加速し、経済の活性化を図ることを目的とした補助金です。
https://k-shigen.go.jp/
◆テレワーク等を促進するための中小企業経営強化税制(国)【税/社会保険料等の減免】
中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき、一定の設備を取得や製作等した場合、即時償却又は取得価額の10%の税額控除(資本金3,000万円超1億円以下の法人は7%)が選択適用できるものです。
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kyoka/2020/200501kyoka.html
③融資(お金を借りたい)
◆日本政策金融公庫等による実質無利子・無担保融資(国)【融資】
◆日本政策金融公庫等によるセーフティネット貸付(国)【融資】
◆民間金融機関による実質無利子・無担保融資(国)【融資】
◆小規模企業共済制度の特例緊急経営安定貸付等(国)【融資】
◆新型コロナウイルス感染症の影響による休業・離職等による特例貸付(個人向け)(国)【融資】
ポイント
「売上の減少幅」によって利用できる制度の要件が決まっています。
どの制度を利用すべきかは経済産業省HPの「中小企業向け資金繰り支援内容一覧表」を参考に検討しましょう。
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/shikinguri_list.pdf
④その他(税金や社会保険料の納税を猶予したい等)
◆社会保険料の免除・猶予(国)【税/社会保険料等の減免】
◆税金の支払猶予(国)【税/社会保険料等の減免】
◆税金の支払猶予(地方)【税/社会保険料等の減免】
https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/ncov/new_virus_yuyo.html
※リンク先は東京都の例
◆中小企業者・小規模事業者に対して固定資産税・都市計画税の減免(国)【税/社会保険料等の減免】
◆欠損金の繰り戻しによる還付の請求(国)【税/社会保険料等の減免】
◆消費税の課税選択の変更に係る特例(国)【税/社会保険料等の減免】
◆国民健康保険、後期高齢者医療及び介護保険の保険料(税)の減免等(地方)【税/社会保険料等の減免】
https://www.city.shinjuku.lg.jp/kenkou/hoken03_000001_00006.html
※リンク先は新宿区の例
◆厚生年金保険料等の標準報酬月額の特例改定について(国)【税/社会保険料等の減免】
⑤各都道府県別の支援策の検索
①~④までは、「国」による支援策が中心でした。上記に加えて各都道府県別(地方)による支援策を検索してリストに加えましょう。国による支援策と似たような制度が地方によってもあります。
中小機構 J-Net21
https://j-net21.smrj.go.jp/support/covid-19/regional/index.html
業種別の支援策(文化芸術・スポーツ関係)
◆文化芸術活動の継続支援事業(国)【補助金】
文化芸術の振興を図ることを目的とした補助金。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により活動自粛を余儀なくされた文化芸術関係団体等に対し、感染対策を行いつつ、直面する課題を克服し、活動の再開・継続に向けた積極的取り組み等に必要な経費が支援されます。
https://keizokushien.ntj.jac.go.jp/
◆スポーツ活動継続サポート事業(国)【補助金】
スポーツの振興を図ることを目的とした補助金。
新型コロナウイルス感染拡大の影響により活動自粛を余儀なくされたスポーツ関係団体や個人事業主が実施する、感染対策をとりつつ活動の再開・継続を行うための積極的取り組みに対しての支援です。
https://www.japan-sports.or.jp/tabid1281.html
◆「コンテンツグローバル需要創出促進事業費補助金(J-LODlive補助金)」(国)【補助金】
新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、これにより公演を延期・中止した主催事業者に対して、今後、実施するライブ公演の開催及びその収録映像を活用した動画の制作・配信の費用の一部を補助するものです。
https://j-lodlive.jp/
◆チケットの払戻請求権の放棄を寄附金控除の対象とする税制改正(国)【税/社会保険料等の減免】
スポーツイベント等が中止等されてしまった時に、そのチケットの払い戻しを受けないことを選択された方はその金額分を「寄附」と見なし、税優遇を受けられる制度です。
https://www.mext.go.jp/sports/b_menu/sports/mcatetop01/list/detail/jsa_00002.html
業種別の支援策(医療関係)
◆「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業」(国)【給付金】
新型コロナウイルス感染症に対する医療提供に関し、都道府県から役割を設定された医療機関等に勤務し患者と接する医療従事者や職員に対し、慰労金として最大20万円を給付する(その他病院、診療所等に勤務し患者と接する医療従事者や職員に対し、慰労金として5万円を給付する)ものです。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000098580_00001.html
◆医療貸付における新型コロナウイルス対応支援資金(国)【融資】
業種別の支援策(農業関係)
◆農林漁業者向け 経営継続補助金(国)【補助金】
新型コロナウイルス感染症の影響を克服するために、感染拡大防止対策を行いつつ、販路回復・開拓や事業継続・転換のための機械・設備の導入や人手不足解消の取り組みを総合的に支援することによって、地域を支える農林漁業者の経営の継続を図るための補助金です。
https://www.maff.go.jp/j/keiei/keizoku.html
コロナを乗り切れ!国等の支援策を活用し新商品やサービス開発を!
毎月連続してコロナに関する経済支援策をお届けしました。
私たち専門家も日々更新される支援策の情報収集に奔走しております。
情報が散在して、なかなか支援策の全体像を把握することが難しいことでしょう。
今後の対策として「業務のオンライン化や非接触化」を進め、「新商品やサービス開発」に取り組む状況かと思います。
その中で、国や各自治体の制度等をうまく活用して参りましょう。
・支援内容は随時更新される!
・申請期限に注意!
・窓口や専門家を上手く頼って申請を!
・税金の課税対象となる支援策がある! 例)持続化給付金、家賃支援給付金
・特に補助金は併用不可のものがあるので複数申請するときは注意!
本コラムでも引き続き、その時その時で最新情報を発信していきます。情報収集につとめ正しい情報をつかんで危機を乗り越えていきましょう。
文=齋藤 雄史
編集=内藤 祐介
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