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個人と法人、どう違う?今さら聞けない独立起業のお金の基礎を、税理士が解説!

2017年2月16日

個人と法人、どう違う?今さら聞けない独立起業のお金の基礎を、税理士が解説!

これから独立・起業を考えている人が必ず直面するであろうお金と税金の問題。会社勤めをされている方だとなかなか関わることがないですよね。

まず、個人事業主としてやるべきなのか、それとも法人化するべきなのか…。「そもそも確定申告って何!?」と、税金まわりのことが分からず、開業に不安を抱いている方は多いはず。

今回は、自身の税理士事務所「株式会社タイムコンサルティング」を経営し、3,500日以上更新を継続中の60万PVを誇るブログの運営や書籍の出版、さらには定期的に各地方のトライアスロンやマラソンに参加するなど、多方面で活躍する税理士・井ノ上陽一さんに、独立・起業する前にこれだけは知っておきたい税金まわりのノウハウを伺いました。

個人と法人の違いは、「登記申請」の必要性

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―そもそものお話ですが、個人事業主と法人というのはどのように違うのでしょうか?

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井ノ上
まず、会社を設立するにあたって「登記」という役所(法務局)への手続きをする必要があります。簡単に言うと、会社の住民票を持つようなものですね。

法人の場合、登記するのに合計30万円の費用が発生するというのと、手続きにも時間がかかります。

逆に個人ですと、登記等の法的な手続きが不要なので、全く資金がない状態からでも始めることができます。つまり、「今日からスタートします」「実はもう始めていました」と、いつから個人事業者として開業したのかを自由に決めることが可能となります。

ただ、税務署には開業時に必要な書類を提出しないといけないのですが、出していないからといって商売をしてはいけないということではありません。

―そうなんですか!?それは業種に関わらず商売をして大丈夫なのでしょうか?

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井ノ上
特別に免許や許可の必要のない、例えばWebデザイナーやライターは手続き等は不要です。飲食店といった業種は許可がないと商売することはできないので、事前に申請する必要があります。

また、フランチャイズで飲食店として独立する方は個人として入れるのですが、届け出は自分で出さないといけません。

多少のサポートはあるとは思いますが、あくまで店舗経営のノウハウや運営知識を教えるのが本部の役目なので、何でもやってくれると勘違いしないよう、注意が必要です。

最初は個人の方が有利?法人に移行する目安は「年間売上1,000万円」

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―職業にもよるとは思うのですが、個人から法人へ移行する年間売上の金額のラインはどのへんなのでしょうか?

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井ノ上
目安としては、利益に置き換えると年間400~500万円、売り上げで言うと同じく年間1,000万円を超えたタイミングで法人になった方がいいと思います。

何故かと言うと、売り上げが1,000万円を超えた場合、その2年後に消費税が発生します。

しかし、原則として法人は会社を始めて2年間は消費税を免除されますので、支払わなくてよくなります。

例えば今年の2017年に売り上げ1,000万円を超えたら、2年後の2019年からは消費税を払わなければいけなくなります。

それなら、来年の2018年に法人化すれば消費税を支払わずに済むので無駄がないですよね。

ただ、売上が1,000万円超えたら食べていけているかと言われれば正直微妙なラインなので、目指すのでしたら売り上げは1人あたり1,500万円から2000万円超を目標に設定した方がいいと思います。

事業をはじめたばかりのころは、初期コストがない、個人にしておき、売上が上がってきてして1,000万円を超えたら法人を検討するのがセオリーです。

個人vs法人、メリット・デメリットを整理!

―なるほど。では、ほかに具体的な個人・法人それぞれのメリットとデメリットを教えて頂けますか?

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井ノ上
法人のメリットは、一般的に信頼性があります。もちろん、個人でも信頼がある人はいますが、大手企業は外部に仕事を依頼する場合、法人じゃないと取り引きしない場合が多いんです。

大手企業とのやり取りがあるのでしたら、メリット・デメリットを考えずに法人化しないといけませんね。

それと、法人の場合は節税における対策が増えるので、個人よりも節税効果が出しやすいと言えます。

例えば、ある会社の経営者が社員に給料を30万円支払ったとすると、その30万円は経費として扱われます。経費が増える、ということはすなわち税金を下げることにつながります。

―それは個人ではできないということですか?

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井ノ上
個人の場合、儲けたお金を私用で使うことはできますが、それは当然経費として考えることはできません。

―なるほど。聞く限りでは、やはり法人の方がメリットが多いように感じますが、デメリットな部分はありますか?

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井ノ上
法人は初期コストだけではなく、維持コスト、運営コストがかかります。

決算をして仮に利益が出なかったとしても、最低7万円支払わないといけません。また、事務所を移転するときも同じ区内なら3万円、別の区の場合は6万円お金がかかってしまうので気を付けてください。

もう1つ挙げるとすれば、個人よりも税務署に提出する書類が増えるので、確定申告は難しくなります。なので、そういう時のために家計簿や会計ソフトを使う癖を付けておくことをオススメします。確定申告する前に一気に整理すると大変なので。

確定申告は、必ず青色申告で出すべし!

―その確定申告というのは、そもそも何なのでしょうか?

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井ノ上
確定申告とは、個人の一年間(1月1日~12月31日まで)の所得にかかる税額を毎年3月15日までに税務署へ申告するという手続きのことを言います。

そのうえで、確定申告には2つの方法があります。それが、「青色申告」と「白色申告」です。

―青色や白色というのはよく聞きますが、実際どのような違いがあるのですか?

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井ノ上
青色申告というのは、1年間の収入内容をきちんと記録して提出してくれれば、その分「税金を引いてあげますよ」という制度です。

その中で、白色申告が1通り、青色申告が2通りあって、青色では帳簿の付け方によってどちらかを選択することができます。

図2

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井ノ上
ただ、ここで注意して頂きたいのが、その帳簿を提出する際に収入が「何月何日にどこからいくら入ったのか」をきちんと明記していないといけない点です。

これは、青色でも白色でも必須事項なので、手間としてはさほど差がないという点でも断然、青色申告の方が節税効果が高いのでオススメです。

会計ソフトを使うと自動的に青色申告になりますので、ぜひ挑戦してみてください。

―青色申告は面倒くさいイメージがありましたが、あまり差がないのでしたら青色にすべきですね!確定申告の際に青色か白色か選べるのですか?

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井ノ上
いえ、青色にする場合は「開業してから2ヶ月以内」に申請しておかなければなりません。

なので、例えば2017年4月1日から個人事業主をスタートするのならば、同年の5月末までに手続きを行ってください。

提出期限を過ぎてしまった場合、2017年は一切の控除額がない白色申告事業者として事業を行わないといけないので意識しておきましょう。

節税のことを考え過ぎてはダメ。まずは売上を増やすことを考えよう

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―ここまでの「事業の開業~確定申告」に至るまでのお話の中から、“ここは押さえておこう”というポイントをまとめて頂けますでしょうか?

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井ノ上
職種にもよりますが、以下の5つの項目は必ず押さえておきましょう。

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井ノ上
ざっくりではありますが、この項目を意識して取り組むことができれば心配ないと思います。

―最後に、これから独立・起業を考えている方に向けてメッセージをお願いします。

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井ノ上
結局、税金というのは儲けた分(利益)からしか取られません。ですので、本当の立ち上がりの時は節税のことよりも、まずは売上のことを考えるようにしましょう。

(取材・文=佐藤主祥 https://twitter.com/kazu_vks

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安田祐輔さん(35歳)

キズキグループ/東京都渋谷区
DVや一家離散、発達障害によるいじめを経験。偏差値30からICUに合格、大手商社への就職を果たすも4カ月で退職、引きこもり生活。2011年、不登校や中退などでブランクのある人のための「キズキ共育塾」を開塾。生活困窮者の支援や、うつや発達障害で悩む人の就労支援も行う。
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