人のためにやりがいのある事業を始めたい方におすすめなのが、デイサービス事業です。福祉関連の事業にあたるデイサービスは、フランチャイズに加盟して開業が可能です。デイサービスと一言にいってもさまざまな種類があり、それぞれサービス内容が大きく異なります。デイサービス事業を始めたい方のために、それぞれの種類を比較しながら紹介していきます。
※2023年11月時点の情報です。最新の情報は各企業・厚生労働省のホームページで確認してください
デイサービスとは?市場を取り巻く環境
デイサービスとは通所介護の通称で、利用者の社会的孤立感の解消、心身機能の維持、家族の介護の負担軽減などを目的としたサービスです。主に食事や入浴などの日常生活上の支援を実施する介護施設ですが、要支援1・2の方の利用はできません。
東京商工リサーチによると「老人福祉・介護事業」における倒産は2022年は143件で、デイサービスについても倒産しているところは少なくありません。そのため、デイサービスの開業を検討している方は、どのように安定した収益を出しつつ施設を存続させられるかを常々考えて経営しなくてはいけません。
参照:コロナ禍と物価高で急増 「介護事業者」倒産は過去最多の143件、前年比1.7倍増~ 2022年「老人福祉・介護事業」の倒産状況 ~ | TSRデータインサイト | 東京商工リサーチ
放課後デイサービスは、児童福祉法に位置づけられた新たな支援
放課後デイサービスとは児童福祉法に位置づけられた平成24年4月に新設された支援です。小中高の学校に就学している障害児が対象で、授業が終わってからの放課後や夏休みなどの長期休み中に利用できる施設です。
https://entrenet.jp/magazine/41868/
デイケアとの違いを比較
デイサービスを混同されがちなのが「デイケア」です。
デイケアとは通所リハビリテーションの通称です。利用者が老人保健施設、病院、診療所などの通所リハビリテーションの施設に通い、自宅で可能な限り自立した日常生活を送ることができるよう、食事や入浴などの日常生活上の支援や、機能訓練や口腔機能向上サービスなどの生活機能向上のための支援を日帰りで提供する施設のことです。
デイケアは要支援1・2の方でも受けられます。
下記記事ではフランチャイズの仕組みを解説しています。参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/25755/
フランチャイズで開業できるデイサービスの種類を比較
フランチャイズに加盟して開業できるデイサービスにはどのような種類があるのでしょうか。デイサービスといっても種類によって内容は大きく異なります。開業する前に自分はどのような方を対象にどのようなサービスを提供したいのか今一度よく考えてみましょう。
お泊りデイサービス
フランチャイズで開業できるデイサービスには「お泊まりデイサービス」という主にお預かり型のサービスがあります。お泊まりデイサービスは利用者様の孤立感の解消、心身機能の維持、ご家族の介護負担の軽減を目的としており、食事、入浴、レクリエーションなどの楽しく過ごしてもらえるようなプログラムを提供します。
【加盟できる本部】
リハビリデイサービス
「リハビリデイサービス」もフランチャイズで開業できるデイサービスの1つです。リハビリデイサービスは機能訓練主体のデイサービスで、身体機能の維持・改善を目的としています。半日型サービスが主体で、日常生活の中で機能訓練を提供し、食事や入浴サービスは行わないところが多いです。 利用者は主に「自分の身体の衰えを維持したい」「機能を回復したい」など、リハビリが目的の方です。
娯楽型デイサービス
より楽しい時間を過ごすことを目的とした「娯楽型デイサービス」もフランチャイズで開業できるデイサービスの1つです。娯楽型デイサービスにはカラオケ、麻雀、囲碁、将棋などの趣味・嗜好を提供する「趣味発展型デイサービス」や、買い物やレジャーなどの外出意欲を高める効果が期待される「外出・遠足特化型デイサービス」などがあります。
【 加盟できる本部】
認知症対応型デイサービス
フランチャイズで開業できるデイサービスには、認知症の利用者を対象にした専門的なケアを提供する「認知症対応型デイサービス」というものもあります。認知症対応型デイサービスは、利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送れるようになることを目的とします。
食事や入浴などの日常生活上の支援のほか、機能訓練や口腔機能向上サービスなど生活機能向上のためのサービスを日帰りで提供します。認知症対応型デイサービスに通うことで、利用者の社会的孤立感の解消、心身機能の維持回復、家族の介護の負担軽減などを目指します。
療養型デイサービス
フランチャイズで開業できるデイサービスには、「療養型デイサービス」という常に看護師による観察が必要な難病、認知症、脳血管疾患後遺症等の重度要介護者、がん末期患者を対象にしたサービスもあります。利用者の社会的孤立感の解消、心身機能の維持回復、家族の介護の負担軽減などを目的としたサービスです。
フランチャイズ加盟してデイサービス事業を開所するメリット
デイサービス事業をフランチャイズに加盟して開業するのには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。フランチャイズに加盟するメリットは主に以下の2つです。
介護保険対象サービスにあたるデイサービスは、収益が比較的安定しているように思われることが多いです。しかし行政からお金を受け取るという性質上、申請業務が雑多で個人で開所するハードルは計り知れないほど高いことを理解しておかなくてはいけません。
また、定期的に行われる実地指導や監査などのたびに事細かく運営状況をヒアリングされます。フランチャイズに加盟していれば過去の傾向や実績をもとにした知見を活用したり、担当者に相談ができたりするため実地指導や監査などの対策も練ることができます。
デイサービス事業を開所するデメリット
デイサービス事業は個人で運営するにはハードルが高く、フランチャイズに加盟することでさまざまな恩恵が受けられます。しかし、把握しておかなくてはいけないデメリットもあるので理解しておきましょう。フランチャイズに限らずデイサービス事業を運営する主なデメリットは以下の2つです。
デイサービスは人の命を預かるサービスです。そのため、十分な安全管理を行わなくてはいけません。未経験者がいきなり複数名の命を預かる仕事を始めるのには不安が伴います。万が一利用者の身に何かあった場合、大きな責任問題が問われてしまうことを十分に理解しておきましょう。
また、社会性が高い事業がゆえに、収支が厳しいので辞めたいと思ってもなかなか辞めにくいでしょう。いざ辞めるとなったら、利用者が次に入居できる施設を探すなどの対応を取る必要があります。
デメリットを軽減できるようなフランチャイズ本部を探してみよう
デイサービスは人の命を預かる事業であるため、万が一の場合に備えてフランチャイズ本部を選ぶ際には「いかにデメリットを軽減できるか」のポイントに着目して選定するのが良いでしょう。
デメリットをなるべく軽減できるフランチャイズ本部の特徴としては、ケアマネ訪問や相談会が定期的に実施されるなど、相談しやすい環境が整っている本部かどうかがポイントとなるでしょう。信頼できる担当者と二人三脚での運営をしていく心構えでいましょう。
また、デイサービスではスタッフの雇用が必要になります。スタッフを採用できないことにはサービスを始めることもできません。スタッフ不足になってしまうことがないよう、スタッフ採用のサポートや研修が充実しているかもチェックしておくと良いかもしれません。
<文/ちはる>