フランチャイズと聞くと飲食店をイメージする人も多いでしょう。食品を扱うからこそ知名度が重要なレストランは、フランチャイズで開業するのがおすすめです。本記事ではレストランのフランチャイズを開業するメリットやデメリット、成功するためのポイントを紹介していきます。
レストランのフランチャイズの特徴とは
レストランのフランチャイズとは、商標の利用権や商品・サービスを販売する権利などが得られる契約をするものです。フランチャイズ本部へ加盟金やロイヤリティなどを支払うことで、これらの権利や経営サポートを提供してもらえます。
全国展開している飲食チェーン店を思い浮かべてみてください。同じチェーン名を持つ店舗ですが、すべて同じオーナーが運営しているわけではありません。同じ店名を使い、同じメニューを使っているからといって、同じオーナーが運営しているとは限らず、飲食チェーンを展開するフランチャイズ本部に魅力を感じ、加盟した別のオーナーが経営しているケースが多いのです。
下記記事ではフランチャイズの仕組みを解説しています。参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/25755/
レストランのフランチャイズを開業するには
レストランのフランチャイズを開業する流れや費用にはどのようなものが必要なのでしょうか。まとめてご紹介します。
加盟契約～開業までの流れ
レストランのフランチャイズは、以下の流れに沿って開業します。
- 自己分析し、自分が本当にフランチャイズでレストラン経営したいか検討する
- 情報収集をして気になるフランチャイズ本部がないか調べる
- 気になった複数のフランチャイズ本部の説明会に参加してみる
- フランチャイズ本部を1つ決めて、契約を締結する
- 店舗の物件を決め、内外装工事を進める
- 開業前の研修を受ける
- 開業する
特に時間をかけるべきなのは「フランチャイズ本部探しのための情報収集」です。どのような商品を扱っているのかはもちろん、どのような制約があるか、自分に足りないスキルを補えるサポート体制があるかを十分に確認しましょう。
開業資金
フランチャイズに加盟するためには、業種問わず「加盟金」や「研修費」などがかかります。
レストランのフランチャイズの場合、さらに物件取得費や調理スペースを十分に確保するため、内装工事費もかかるものと理解しておきましょう。物件取得費はどのような物件なのか、どこのエリアなのかによっても大きく異なります。店舗をフランチャイズ本部が用意してくれるケースもあるため、開業資金がどれほどになるかは一概にはいえません。また、資格取得が必要だったり、デリバリーを実施するフランチャイズの場合は所定の車両などが必要な場合もありますので、事前に確認するのが安心です。
開業資金を抑えたいのであれば、加盟金が0円のフランチャイズ本部もあります。サポート内容と費用対効果をよく見比べて、どこのフランチャイズと契約を結ぶのか決めるようにしましょう。
運転資金
レストランを運用していくためには、家賃や水道光熱費以外に、食材の仕入れ代やアルバイトスタッフの人件費がかかります。
フランチャイズでは、レストランに限らず支払わなくてはいけないロイヤリティなどの支払いが発生することも理解しておきましょう。中には、WEB広告やチラシ、SNSなどでフランチャイズ本部が集客施策を実施してくれるケースもあります。ランニングコストを抑えたいのであればロイヤリティが低く、集客を担ってくれるフランチャイズ本部を探してみてはいかがでしょうか。
フランチャイズでレストランを開業する際のメリット
フランチャイズに加盟してレストランを開業する主なメリットは、以下の4点です。
フランチャイズ本部のサポートが充実している
レストランのフランチャイズを開業すれば、フランチャイズ本部が経営に関してサポートしてくれます。そのため経営の経験がない方はもちろん、レストランでの就労経験がない人でも、フランチャイズ本部のサポートと研修によって、その経験不足を補うことができます。開業前に手厚い研修もしてもらえるので、開業時から安心してレストランの運営ができるでしょう。
さらに、アルバイトの雇用が必要な際のサポートも万全です。店舗で募集するだけでなく、フランチャイズ本部で募集したアルバイトを充ててもらえる場合もあります。フランチャイズ本部が持つ「ブランド力」は、アルバイトする側にとっても重要な要素になります。実際「ここのチェーン店で食べたことがあるから、アルバイト先はここにしよう」と応募してくる人も多く、新人教育に時間とコストはかかりますが、応募してくれる数は安定しています。
スケールメリットを活かせる
フランチャイズのレストランの場合、仕入れはフランチャイズ本部が行い各店舗に在庫を振り分けもらえるケースが多いです。フランチャイズ本部で一括して仕入れをしてもらえるため発注のスケールが大きく、各店舗で仕入れるよりも安く仕入れることができます。フランチャイズ本部によっては業者とのつながりがあるだけでなく、自社で農園や畜産を経営している場合もあります。自社で生産している農作物を仕入れできれば、安定した供給を見込めます。
仕入れにかかるコストはレストランを経営していくうえで必要不可欠な経費です。なるべくランニングコストを抑えられるフランチャイズ本部を選ぶことで、レストランのフランチャイズでより多くの売り上げが立てられるでしょう。
ブランド力が高い
レストランをいざオープンしても、知名度がなく認知されていなければ、お客さんはなかなか入ってきてはくれません。ましてや信頼がないと、お客さんに「行ってみたい！」と思ってもらうのは難しいでしょう。
しかしフランチャイズ経営のレストランは、自分が開業する前にいくつもの店舗がすでに運営されています。そのため、知名度があり認知されています。お客さんとしても、すでに知っているお店から新しい店舗がオープンしたと思ってもらえるため、開業してすぐでも比較的お客さんを確保できるというメリットがあります。開業してもお客さんが来ないというのが一番の痛手なので、すぐにお客さんに来てもらえるのはフランチャイズの最大のメリットといっても過言はないでしょう。
収益シミュレーションで資金計画が立てやすい
フランチャイズの多くは収益シミュレーションを用意してくれています。そのため、開業前にある程度どれほど売り上げを出せそうなのかを予測し、資金計画が立てやすくなっています。
レストランを開業するためには店舗を構えるためのテナントを借りなくてはいけませんが、フランチャイズの中には提携している不動産会社から比較的安価に不動産を取得できるケースもあります。全国展開しているフランチャイズであれば、エリアごとに必要経費から売り上げシミュレーションまで見られるので、リアルな開店後の資金繰りを把握できるでしょう。
フランチャイズでレストランを開業する際のデメリット
フランチャイズに加盟してレストランを開業するのには、以下のようなデメリットがあります。
- 加盟金やロイヤリティなどの支払いある
- 内外装やメニューに対する自由度が低い
- 食中毒や風評被害に合うリスクがある
- 競合避止義務がある
中でも、レストランのフランチャイズを経営するにあたり覚悟しておかなくてはいけないのが「食中毒や風評被害に合うリスクがある点」です。何事も、良い噂よりも悪い噂の方が情報の流れが早くなります。フランチャイズのレストランは、すでにある店舗の実績を活用して軌道に乗れる一方、他の店舗で食中毒やトラブルが起きると風評被害を受けやすいというデメリットがあります。知名度が故のデメリットではありますが、一度風評被害に遭うと自分の店舗は何も関係ないのに客足が減ってしまったり、そこから立て直しが難しかったりするなどというリスクがあることを覚えておきましょう。
フランチャイズのレストラン経営で成功するポイント
フランチャイズでレストラン経営を成功させるためには、自分がどのようなレストランのオーナーになりたいのかをイメージし、それを叶えられるかを明確にイメージできているかが重要です。目指すべき姿がなくてはどのようなことについて考えるべきか、どこに向かって努力するべきかが決められません。
フランチャイズで成功するために最も重要なのは「フランチャイズ本部選び」です。特にレストラン事業は開業資金が高く、開業後も人件費が多くかかります。知名度だけでフランチャイズ本部を決めてしまい、自分が思っていたようなサポートを受けられないと、盤石な経営をすることができず、やむなく閉業せざるを得なくなるということも十分にありえます。「知名度が高い」というだけでフランチャイズ本部を決めず、「自分の叶えたいことを実現できそうか」「サポートは充実しているか」「他社との競争社会の中で生き残っていけるだけの商品・サービス内容が整っているか」をチェックしておきましょう 。
まとめ
フランチャイズのレストラン経営で成功するためには、フランチャイズ本部選びが鍵を握ります。レストランという業界は、店舗によって提供メニューやサービスが大幅に異なります。「どのようなメニュー・サービスであれば、他のレストランに負けず自分の実現させたい夢が叶えられそうか」を考えられると、「自分がどのようなことを努力しなくてはいけないか」がより明確になるでしょう。
フランチャイズでレストランを開業してみたい！という方は、アントレnetで掲載しているので、ぜひチェックしてみてください。
＜文／ちはる＞
