普段からイラストを描いている、イラストを描くのが好きという方は「副業でイラストを描いてみたい!」と一度は思ったことがあるのではないでしょうか?
本記事では、イラスト制作を副業にするメリットや副業にする方法、収入を増やすコツまで解説します。既にイラストレーターとして活動していて、今後さらに活動の場を広げたいという方も是非、参考にしてみてください。
イラスト制作でお金を稼げれば、今まで以上に創作に集中できるようになるでしょう。本業の時間を減らしたり、イラストレーターを本職にすることを目指したりすることもできるはずです。
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「イラストを描くことが趣味な人」に副業はおすすめ
「普段から趣味でイラストを描いている」「小さい頃からイラストを描くのが好き」だけど、本業を辞めてまでイラストレーターになることを挑戦できないという方も多いのではないでしょうか。そのようなときは、イラスト制作を副業にすることがおすすめです。
今はクラウドソーシングやSNSで、イラスト制作の募集などがあり、案件を探せるので、個人でイラストレーターの仕事をしやすい環境が整っています。
しかし、中にはイラスト制作を副業とすることに不安を感じる方もいるかもしれません。まずはイラスト制作を副業にするメリットを確認しながら、具体的にイメージしてみましょう。
イラスト制作を副業にする3つのメリット
イラスト制作を副業にすることで、イラストを描くことがもっと楽しくなったり、画力が一気に上がったりすることもあるでしょう。
イラスト制作を副業にすることで得られる、収入アップ以外の3つのメリットを紹介します。
趣味で描くよりスキルアップできる
イラスト制作を副業にすれば、趣味でイラストを描いていたときよりも早くスキルアップできるでしょう。
仕事として絵を描けば、クライアント(依頼人)から厳しい修正や指示をもらうこともあります。そのときは辛いかもしれませんが、趣味では得られない“他社目線での的確なアドバイス”を受けられるのでイラストスキルのブラッシュアップにもつながるでしょう。
また、クライアントがいるため、自分では好んで描くことのなかったテイストや内容のイラストを描かなくてはならないこともあるでしょう。その経験は、描けるものや作風の幅を広げてくれるはずです。
「好きを仕事に」で人生の充実度が上がる
イラスト制作を副業にすることで、充実感が一気に高まるかもしれません。人にもよりますが、趣味でイラストを描いていたときよりも、人生が楽しくなるでしょう。
人生の充実度が上がる理由はシンプルです。
イラスト制作で収入を得ることは、自分のスキルや努力に価値があると、他人が認めてくれるということです。「クライアントのサービスを、自分のイラストでもっと流行らせたい」と、自己実現につながることもあります。
“趣味が仕事になること”に対して辛さもあるでしょうが、報酬という客観的な評価を得られることが、イラストを描くモチベーションにもなることはあるでしょう。
イラスト制作を本業にしやすくなる
副業としてイラストを描き続けていくうちに、本業への道が拓けることもあります。取り引きするクライアントが増え、信頼を積み重ねていくうちに、クライアントから声がかかるかもしれません。
「いつかイラストレーターになりたい」と考えているなら、まずは副業から始めてみましょう。稼ぎの良し悪しは別として、経験や実績にはつながります。
イラスト制作を副業にするときの3つの注意点
イラスト制作でお金がもらえたら、モチベーションも上がり、今まで以上に創作に集中しやすくなるかもしれません。
しかし、イラスト制作を仕事にしたことで、創作を楽しめなくなった人もいます。イラスト制作を副業にするときの注意点を3つ紹介します。
絵が上手いことと稼げることは違う
イラスト制作を副業にするなら「絵が上手い人と絵で稼げる人は違う」ことを覚えておきましょう。画力と報酬額はイコールではありません。
仕事を請けるには営業力が必要です。条件の良い仕事ほどライバルも多いため「いかにクライアントの要望に応えられるか・要望以上の提案ができるか」を、上手く伝えなければなりません。
自分のスキルを安売りしないことも重要
収入を得たい、経験を積みたいからといって、自分のスキルを安売りするのはよくありません。安請け合いをしてしまうと、価値を上げづらくなります。
ほかの職種もそうですが“価格=スキル”と受け取るクライアントは少なくありません。
自分が適正と思う価格を提示し、発注してもらえるのであれば、無理に価格を下げる必要はないでしょう。もちろん、実績もないのに最初から高い金額をつけるのもおすすめできません。自身の実績と他者の相場を見極めることも必要です。
オフの時間も確保する
副業を始めれば、その分、仕事をする時間は増えます。オフの時間も意識的に確保するようにしましょう。
イラストを描くのが好きでイラスト制作を副業にした人は「イラストを描くことは楽しいから」と、ついつい仕事を入れ込みすぎてしまうこともあるでしょう。
しかし、仕事でイラストを描くのと趣味で描くのは違います。本業がある分、無理もききません。納期に追われることにならないよう、余裕のあるスケジュールを組みましょう。
イラスト制作を副業にする4つの方法
これからイラスト制作の副業を始めたい人には、次の4つの方法がおすすめです。
それぞれどんな人におすすめなのか、どんな風に仕事をするのかを解説します。
【初心者におすすめ】イラスト販売
楽しさ:★★☆☆
初めての副業なら、自分のペースで仕事ができる“イラスト販売”がおすすめです。自分で描いた絵を販売サイトで販売するので、納期の心配もありません。具体的には、次のような販売サイトがあります。
【いつか本業にしたいなら】企業の依頼を受ける
楽しさ:★★☆☆
「イラスト制作でしっかり稼ぎたい、いつか本業にしたい」と思うなら、企業の依頼を受けるのがおすすめです。クラウドソーシングやSNSで、イラストレーターを探している企業を探しましょう。
クラウドソーシングとは、仕事を依頼したい企業と、受注したい個人とをつなぐ仲介サービスです。ランサーズなどのクラウドソーシングを活用すれば、報酬の未払いを心配することなく仕事ができます。
企業との仕事に慣れてきたら、SNSや企業のホームページから直接営業をかけるのも良いでしょう。
【人に喜んでもらいたいなら】個人の依頼を受ける
楽しさ:★★★☆
自分のイラストで人に喜んでもらいたいなら、個人の依頼を受けるのも良いでしょう。個人の依頼なら自分のイラストがどんな風に使われて、どれくらい喜ばれているのか、ダイレクトに伝わります。
まずは、ココナラやSKIMAなどのスキルマーケットに自分のイラストを載せてみましょう。作風を気に入った人から「こんな絵を描いてほしい」と依頼があるかもしれません。
イラストレーターとしての知名度があるなら、自身のSNSで依頼を募集するのもおすすめです。SNSのアイコンやブログのトップ画、自作小説の挿絵など、個人でイラストレーターを探している人もたくさんいます。
【難しいけど楽しい】イラスト系動画クリエイター
楽しさ:★★★★
「楽しくイラストが描けて、収入に繫がればラッキー!」と思うなら、イラスト系動画クリエイターになるのもおすすめです。大きく分けると“ノウハウ系”と“エンタメ系”という2つのタイプがあるので、自分に合った方法でチャレンジしてみましょう。
ノウハウ系の動画投稿サイトでは、イラスト制作時のテクニックや使用するソフトウェア、効率的な練習方法などを紹介します。イラストレーターとしての知名度があるなら、視聴者やチャンネル登録者数も増やしやすいでしょう。
エンタメ系にはお題のイラストを“描いてみた”のほかにも、くじ引きで選んだ3色だけで色塗りをする“3色チャレンジ”や、イラストでしりとりをする“絵しりとり”など、さまざまなテーマ設定があります。視聴者とチャットをしながら絵を描いていくライブ配信なども良いでしょう。
イラスト系動画クリエイターとしてお金を稼ぐのは、ほかの方法と比べて難しいことです。画力だけでなく、トーク力や企画力も求められるからです。しかし、副業として収入を得たいのであれば、上記に挙げたような方法で稼げるようになってから挑戦してみると良いでしょう。
イラスト制作を副業にし、収入を増やす4つのコツ
せっかくイラストレーターの仕事をするのなら、少しずつでも、収入アップを目指したいものです。画力が上がり、描ける絵の幅が広がれば、収入も増えるでしょう。
しかし、もっと早く収入を増やす方法があります。イラストレーターの仕事を始める前に知っておきたい、収入アップの4つのコツを紹介します。
SNSやブログを活用する
イラスト制作を副業にするなら、SNSやブログも活用しましょう。これらは情報収集や営業ツールとして役立ちます。
SNSを使うときは、ほかのイラストレーターやクライアントとなり得る企業とのつながりを意識しましょう。先輩イラストレーターのSNSやブログからは、営業のコツや業界の動向が見えてきます。
企業がSNSやブログを使い、依頼先を探すこともあります。普段から自分の“人柄”や“絵のスキル”を発信していれば、クライアントから声がかかるかもしれません。
自分に合った方法・相手と稼ぐ
イラスト制作を副業として続けたいなら、自分に合った方法で、相性の良い相手と仕事をしましょう。無理のある仕事は続きません。
例えば、楽しさ重視で副業をするなら“報酬は低くても、自分のペースやこだわりを通せるクライアント”がおすすめです。スキルアップを重視するならいろいろな仕事を経験させてくれるクライアントを、収入を重視するなら単価や仕事の量でクライアントを選びましょう。
副業に割ける時間や労力は限られています。自分に合ったクライアントを探し、信頼関係を築くことに時間を使いましょう。
ポートフォリオを充実させる
副業に限らず、イラスト制作の仕事を探すなら、ポートフォリオを充実させましょう。ポートフォリオとは、自分の実績やスキルがわかる“作品集”のことです。
イラストレーターの実力や画風を伝えるには、作品を見てもらうのが一番です。ポートフォリオに古い作品しか載せていなかったり、見づらかったりすると、適切な評価は得られません。ポートフォリオにはなるべく新しい作品を載せ、仕事の種類や絵柄ごとに整理しましょう。
イラストレーターを本業にすることも考える
イラスト制作を副業にして、収入が増えてきたら“イラストレーターを本業にする”ことを目指すのもいいでしょう。本業にする場合、イラストレーターとして企業に雇用される方法と、フリーのイラストレーターになる方法があります。
イラストレーターとしての雇用を目指すなら、まずはクライアントに相談してみましょう。自社と相性の良い、優れたイラストレーターはそうそう見つかりません。募集をしていなくても、採用してもらえる可能性はあります。
フリーのイラストレーターを目指す場合も、クライアントに相談しましょう。クライアントが「本当はもっと仕事を任せたいけど、副業だから任せにくい」と、遠慮していることもあります。
ただフリーランスとして活動する場合、会社に守ってもらうことはできなくなるので、独立は慎重に考えてください。一概にはいえませんが、次の基準を満たせるなら、イラスト制作を本業にするのも考えて良いでしょう。
これらの条件を満たしたうえで「今の本業の2倍は稼げる」という自信が持てれば、副業ではなく本業とするのもよいでしょう。
イラスト制作の副業は稼げない?
イラスト制作に限らず、お金を稼ぐことは簡単ではありません。
趣味の延長として、楽しみながらイラスト制作の副業をするのであれば、たくさん稼げなくても気にならないでしょう。しかし、「イラスト制作の副業で稼ぎを増やしたい」「イラスト制作をいつか本業にしたい」と考えているのであれば、楽しみながら仕事をするだけでは物足りないかもしれません。
単価がいくらで何件の仕事をしたら月にどのくらい稼げるのかを認識しておくことと、どのように自分の戦略を立てるとステップアップしやすいのかを確認していきましょう。
月に1万円は稼げる可能性が高い
副業でも、イラスト制作の案件を受注すれば、月に1万円は稼げる可能性が高いといえます。
イラスト制作のスピードや案件ごとの制作数にもよりますが、1点3千円の案件であれば月に4件、1点5千円であれば2件、1点で1万円であれば1件で月に1万円の収入になります。
普段イラストを描いている間隔時間を考えると、本業をしながらでも月に1万円は決して難しくはないと思えるのではないでしょうか。
稼ぎたいなら戦略を立てる
副業で楽しみながら、少しでも稼げたら嬉しいという方も多いでしょう。しかし、“せっかく副業をするならしっかり稼ぎたい”という方は、もう一段階、工夫する必要があります。
1件3千円の案件で月に5万円稼ぎたいとしましょう。そうなると月に17件は受注する必要があるとなりますが、そう考えると、時間的にも体力的にも厳しくなってくるでしょう。このような場合は、月に1万円の案件を5件、受けられれば達成できるので、単価を上げて案件数を減らすことで実現できそうです。
本業をしながら副業で月に1万円以上稼ぎたいのであれば、自分に合った戦略を立てることが重要となるでしょう。自分の戦略を立てて、上手く単価交渉をするなどして、最小の営業活動で多くの依頼が集まりやすい状況にしていきましょう。
単価を上げてもらう交渉術を身に付ける
クライアントから数ヵ月にわたって継続的に依頼を受けているような場合には、単価交渉をしてみましょう。
ただし、納期は守る、修正のやり取りが少なく、最少の工程で完了できるように努めるなど、クライアントとの信頼関係を築いておくことが大切です。
単価交渉をしやすいタイミングとして、月に依頼される案件数が増えたときがおすすめです。
短納期でイラスト制作を求めているようなクライアントや案件では、承諾してくれる可能性が高いでしょう。
SNS×ポートフォリオサイトでお客さんを集める
イラストの仕事を獲得するには、応募や営業活動も必要です。しかし、イラスト制作以外の営業活動に割く時間はできるだけ減らしたいものです。
イラストを描いてほしいのは、企業だけではありません。最近では、SNSのアイコンをイラストにする方も多く、個人が依頼するケースも増えています。
SNSでイラストを発信すると認知が高まり、作風を気に入ってくれた人がフォローをしてくれるでしょう。ポートフォリオを連携していれば、作品を見てくれる人も増えやすくなるはずです。
イラストのファンが増えれば、案件への応募や営業をせずとも依頼される状況をつくれるようになります。
ただし、SNSは一朝一夕では多くの人の目にとまりません。イラスト制作を開始してからすぐに運用を始めて、少しずつでも認知を高めていきましょう。
自分のブランディングをする
「ハンバーガーといえばあのお店」「家具といえばあの会社」など、ブランド力があれば頭に浮かぶものです。
イラスト制作も同じで、「〇〇といえばこの人のイラスト」と思い出してもらえると、イラストレーターとしての価値が高まります。
自分にしか表現できない個性的なイラストや、依頼してくれるであろうターゲット層を定めてイラストを制作することを心がけてみてください。お客さんに刺さるイラスト制作ができることで、自分と自分の作品をブランド化できるでしょう。自分が納得のいく価格でイラストを購入してくれる人がいるはずです。
本業をしながらイラスト制作を副業にしてもいい?
「会社員をしながらイラスト制作を副業にしたくても、会社にバレるのは困る」という方も多いのではないでしょうか。
そもそも、副業をしてはいけないのは会社が「会社の仕事に専念してほしい」「従業員の健康を守らなければならない」と考えて就業規則に盛り込んでいるからであり、法律で禁止されているわけではありません。
ただ、就業規則は会社のルールです。違反をするとトラブルを招くことになりかねません。イラスト制作にかかわらず、副業を始める際には会社の就業規則を確認しておきましょう。副業を認めている会社でも、事前に会社へ許可を取る必要があることが多いようです。規則に従って準備をしましょう。
副業を禁止している会社は、就業規則上、会社の不利益にならないための競業避止義務や秘密保持義務、勤務中は仕事に専念しないといけないという職務専念義務などを定めています。
これらは法律ではなく、あくまで会社のルールです。法律違反というわけではありません。しかし、就業規則で副業が禁止されているにもかかわらず隠れて副業をすると、懲戒処分になる可能性があることも留意しておかなければなりません。
なお、公務員は法律により副業が禁止されています。公務員は公共の利益に全力を尽くさなければいけないとされているためです。
働き方改革により副業が促進されるようになったとはいえ、完全な解禁はされていないため注意しましょう。
参照:国家公務員の兼業について(概要)|内閣官房内閣人事局
*リンクの遷移先はPDFファイルです。ダウンロードに大量の通信費がかかる可能性があります
参照: 衆議院議員井坂信彦君提出公務員の副業に関する質問に対する答弁書」(衆議院)
参照:地方公務員法(e-GOV法令検索)
こちらの記事では、公務員でもできる副業をご紹介しています。
https://entrenet.jp/magazine/23601/
確定申告が必要になることもある
副業での収入が20万円を超えると、確定申告が必要になるということに注意しましょう。所得税と住民税に関わってくるためです。
また、副業収入が20万円以下であっても住民税は申告が必要です。確定申告をせずとも、自治体へ住民税の申告は必ず行うようにしましょう。
こちらの記事では、副業をしている場合の確定申告について解説しています。
https://entrenet.jp/magazine/33482/
また、確定申告については動画で詳しく解説していますので合わせてご確認ください。
住民税で会社に副業がバレる可能性がある
副業していることを誰にも言っていなくても、会社にバレることがあります。
なぜなら、確定申告で副業による所得を申告すると、その分、住民税が上がるからです。会社でも住民税を納付する手続きをとっているため、副業による所得の増額で住民税額が高くなると、副業をしていることが判明するのです。
副業をしていることがバレてから問題になるなど、懲戒免職になってしまっては本末転倒です。副業を開始する際には必ず就業規則を確認し、上司にも相談するようにしましょう。
イラスト制作を副業にして、気の合う相手ともっと楽しく創作しよう
イラスト制作を副業にするなら、気の合う相手を探し、楽しみながら仕事をしましょう。副業としてイラスト制作を請け負うことで、イラストを描くことが辛くなってしまうのは、悲しいことです。
自分の性格や、どのような人と仕事をしてきたのかを見つめ直して、楽しめそうな副業の方法を探してみてください。相性のいい案件獲得方法が見つかったら、スキルアップや腕試しを兼ねて、収入アップを目指してみましょう。
<文/みさき>