CATEGORYカテゴリー

助成金とは?補助金との違いや、開業時におすすめの8選を紹介!

助成金とは?補助金との違いや、開業時におすすめの8選を紹介! 申告・納税

「開業資金をどうやって調達するか」

開業時に頭を悩ませる人も多いのではないでしょうか。

この問題を解決する方法として、助成金や補助金を利用するという方法があります。

今回は助成金や補助金について解説し、開業時におすすめの8種類を紹介します。

開業時には避けては通れない『お金の問題』を解決するヒントが見つかるかもしれません。

開業資金を一部援助する”助成金”とは

開業資金を一部援助する『助成金』とはどんなものがあるのでしょうか?

助成金という言葉は聞いたことがあっても、普段の生活で実際に利用する機会は少ないものです。ただ、開業したい人にとって「資金を一部援助してもらえる」というのは、大変魅力的なことです。助成金とは、国や地方自治体が交付する返済が不要なお金のことです。一般的に厚生労働省が管轄しています。雇用の増加や人材育成、労働環境の改善などを目的としています。

助成金と似た言葉で『補助金』『融資』があります。これらには、どんな違いがあるのか解説します。

助成金と補助金の違い

助成金と補助金の大きな違いは、管轄する省庁の違いです。助成金は主に、厚生労働省の管轄です。対する補助金は、主に経済産業省の管轄に入ります。助成金は「雇用や労働環境」に重点を置いており、補助金は「事業を通じて公益を達成すること」に重点が置かれます。

助成金は、要件を満たしていれば、受給資格を証明できる書類提出をするだけで受給できることが多いです。

対して補助金は、事業内容や使用用途などの審査を通過した場合のみ受給ができます。申請しても必ず給付されるわけではないので、注意が必要です。

助成金と融資の違い

助成金と融資の大きな違いは、返済義務の有無です。助成金は、基本的に返済義務がありません。一方、融資には返済義務が生じます。

助成金は「支出した経費に対して何割かを補助する」というイメージです。そのため、原則として経費を申請しなければもらうことができません。また、申請して交付が認められてもすぐに支給されるわけではないということを覚えておきましょう。

融資は、金融機関からの借り入れを意味します。「事業に使うための資金を借りる」ということなので、金融機関から認められれば、すぐにお金を受け取ることができます。

開業時におすすめの助成金

助成金とは?補助金との違いや、開業時におすすめの8選を紹介!

開業資金の一部を援助する助成金と、補助金・融資との違いを解説してきました。

ここからは、開業時におすすめの助成金を紹介していきます。店舗の確保に必要な費用は、開業資金の中でも大きな割合になります。自分の目的に合いそうな助成金があれば、積極的に利用を検討すると良いでしょう。

地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)

地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)は、中小機構と各都道府県の公共団体・金融機関等が共同出資して組成される地域独自の官民ファンドです。

地域貢献性が高い新事業に取り組む中小企業者などの対象事業が、ファンド運営会社である各都道府県の中小企業支援機関などに採択されると、そのファンド運用益から資金の助成が受けられます。

主な対象者は、中小企業者・創業者、中小企業者・創業者の支援機関、NPO法人です。主な助成対象は、各地の農林水産物や伝統技術を活用する商品開発・販路開拓の取り組みなどが支援され、研究・商品開発、需要の開拓にかかわる費用です。

ファンドという名前ですが、助成金なので原則返済の必要はありません。複数年にわたって資金を助成してくれるファンドもあるので、利用の際はチェックしてみてください。

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金は、雇用促進を目的とし、高齢者や障害者の雇用、第二新卒者の雇用などを行う際に利用できます。

特定求職者雇用開発助成金には、下記の7種類があります。

・特定就職困難者コース…高年齢者・障害者・母子家庭の母などの就職困難者を雇い入れる
・被災者雇用開発コース:東日本大震災における被災離職者等を雇い入れる
・生涯現役コース:65歳以上の高年齢者を雇い入れる
・発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース:発達障害者または難治性疾患患者を雇い入れる
・生活保護受給者等雇用開発コース:自治体からハローワークに就労支援の要請があった生活保護受給者等を雇い入れる
・就職氷河期世代安定雇用実現コース:正規雇用の機会を逃したこと等により、十分なキャリア形成がなされず、正規雇用に就くことが困難な者を雇い入れる
・障害者初回雇用コース:障害者雇用の経験のない中小企業(障害者の雇用義務制度の対象となる労働者数43.5~300人の中小企業)が障害者を初めて雇用し、当該雇入れによって法定雇用率を達成する場合
 ※令和3年3月31日をもって廃止を予定

引用:厚生労働省『事業主の方のための雇用関係助成金

開業と同時に、従業員の雇用が必要な人は、助成金の詳しい内容や条件を確認すると良いでしょう。

中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)

中途採用等支援助成金(生涯現役起業支援コース)は、40歳以上の中高年者が開業する場合に『中高年者などを従業員として雇い入れるために要した、募集・採用・教育訓練の実施にかかる費用』の一部を助成するものです。

主な支給要件は、下記のとおりです。

1.起業基準日から起算して11ヵ月以内に「雇用創出措置に係る計画書」を提出し、都道府県労働局長の認定を受けていること。

2.事業継続性の確認として、次の4つのうち2つ以上の事項に該当していること。
・起業者が国、地方公共団体、金融機関などが直接、または第三者に委託して実施する創業に係るセミナー等の支援を受けている
・起業者自身が当該事業分野において通算10年以上の職務経験を有している
・起業にあたり金融機関の融資を受けている
・法人または個人事業主の総資産額が1,500万円以上、かつ総資産額から負債額を引いた残高の総資産額の占める割合が40%以上である

3.計画期間(12ヵ月)以内に、次のいずれかの対象労働者を新たに雇い入れること。
・60歳以上の人を1名以上
・40歳以上60歳未満の人を2名以上
・40歳以上の人を1名と、40歳未満の人を2名以上
・40歳未満の者を3名以上

4.支給申請書提出日において、計画期間内に雇い入れた対象労働者の過半数が離職していないこと。

助成金額は、以下の通りです。

・起業者が60歳以上の場合:対象経費の2/3以内で、上限200万円
・起業者が40歳以上60歳未満の場合:対象経費の1/2以内で、上限150万円

生産性向上要件を満たした場合には、上記2つの条件で支給された助成金額の1/4の額が別途支給されます。対象経費は、募集・採用並びに、教育訓練にかかわる経費です。

開業時におすすめの補助金

助成金とは?補助金との違いや、開業時におすすめの8選を紹介!

開業時におすすめの『助成金』を紹介してきました。

ここからは、開業時におすすめの『補助金』を紹介します。

助成金は『就労困難者の雇用』『従業員教育』など、なんらかの前向きな企業行動を達成した事業に対して『達成報奨金』という意味合いで支給されるものが多いです。一方、補助金は『セミナー開催、人件費、広告宣伝、工場設立などに掛かる費用』の一部、又は全部を補助する『補助費用』として支給されます。どのようなことに活用できるかイメージしながら読んでみて下さい。

創業支援等事業者補助金

創業支援等事業者補助金は、開業する際に必要な資金の一部を補助してくれる補助金です。

創業支援等事業者補助金の支給対象者は『新たに創業する人、または企業』です。ただし、従業員の雇用が1名以上必要となります。

補助上限額は1,000万円、交付決定下限額は50万円です。補助率は、補助対象経費区分ごとに2/3以内となります。

創業支援等事業者補助金は、支援金の中でも比較的高額な補助を受けることができる補助金です。ただし「従業員を1名以上雇用しなければならない」という条件があるため、個人事業主の方は注意が必要です。店舗を開業する場合は、店舗運営のために従業員を雇い入れる場合が多いため、その点では利用しやすいといえます。

創業支援等事業者補助金は、例年4月〜5月頃に公募があることが多いです。しかし、募集期間や名称が年度によって変わることがあるので注意してください。年々人気が高まっているため、採択率は比較的低い傾向にあります。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は『小規模事業者の事業継承や働き方改革、販路拡大などを支援し、生産性を向上させること』を目的とする補助金です。中小企業庁が実施する『小規模事業者支援パッケージ事業』の一つです。

対象者は全国の小規模事業者で、補助条件は「経営計画の作成を、商工会や商工会議所と一体となってする」ことです。

補助上限額は『賃上げ・海外展開・買い物弱者対策の場合』が50万円または100万円です。複数の事業者が連携した共同事業の場合は500万円になります。補助率は対象経費の3分の2です。

小規模事業者持続化補助金は、大変人気のある補助金で、過去に何度も実施されている制度です。毎年コンスタントに行われているわけではありませんが、今後も実施される可能性があります。利用したいという人は、こまめに情報をチェックしておくと良いでしょう。

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金とは『事業再編、事業統合を含む経営者の交代を契機として経営革新等をおこなう事業者に対して、その取り組みに要する経費の一部を補助する補助金』のことです。『経営者交代型』と『事業再編・事業統合支援型』があります。

対象者は以下のとおりです。

【経営者交代型】
事業承継(事業再生を伴うものを含む)を行う個人および中小企業・小規模事業者等であり、以下の①~③の要件を満たすこと(※)。
①事業承継を契機として、経営革新等に取り組む、または、事業転換に挑戦する者であること。
②産業競争力強化法に基づく認定市区町村または認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者など、一定の実績や知識などを有している者であること。
③地域の需要や雇用を支える者であり、地域の需要や雇用を支えることに寄与する事業を行う者であること。
※後継者承継支援型には事業譲渡や株式譲渡等による承継は含みません。

【事業再編・事業統合支援型】
事業再編・事業統合等を行う個人および中小企業・小規模事業者等であり、以下の①~③の要件を満たすこと
①事業再編・事業統合等を契機として、経営革新等に取り組む、または、事業転換に挑戦する者であること。
②産業競争力強化法に基づく認定市区町村または認定連携創業支援事業者により特定創業支援事業を受ける者など、一定の実績や知識などを有している者であること。
③地域の需要や雇用を支える者であり、地域の需要や雇用を支えることに寄与する事業を行う者であること。
事業再編・事業統合等となる取組例:合併/会社分割/事業譲渡/株式交換・株式移転/株式譲渡など

助成金とは?補助金との違いや、開業時におすすめの8選を紹介!

引用:経済産業省 中小企業庁 ミラサポPlus『事業承継・引継ぎ補助金- 制度を探す(制度ナビ)

補助金の支給額や補助率は上記のとおりです。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業や小規模事業者に対し設備投資等を支援する補助金です。

正式名称は『ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金』で、新しいサービスの創出、ものづくりにかかわる費用の一部を補助してくれます。

ものづくり補助金には3種類のタイプがあります。

・一般型:最大1,000万円
・グローバル展開型:最大3,000万円
・ビジネスモデル構築型:最大1億円

補助金の中でも大変人気の高い補助金なので、チャンスを逃さないよう、こまめに情報収集をしましょう。

助成金以外に開業のハードルを下げる方法は?

ここまで、開業におすすめの助成金・補助金を紹介してきました。自分の開業に利用できそうなものはあったでしょうか?

助成金も補助金も返済義務がないという最大のメリットがあるもの、開業時点ではお金を受け取れないというデメリットがあります。そのため、助成金や補助金を開業資金にあてて開業するというのは、なかなかむずかしいでしょう。さらに「申請したものの、支給されなかった」というケースがあることを忘れてはいけません。

ここからは『助成金や補助金以外で開業のハードルを下げる方法』を紹介します。開業資金の調達でお悩みの方は、ぜひ参考にしてみてください。

フランチャイズを活用する

開業のハードルを下げる方法1つ目は『フランチャイズの活用』です。

「フランチャイズは、加盟金や保証金があるから開業資金が高額になる」と思う方もいるかもしれません。ですが、フランチャイズ本部によっては、加盟金が必要ないフランチャイズ本部や、店舗用の建物代や土地代を一部負担してもらえる本部もあり、個人開業より開業資金を抑えられる場合があります。

また、助成金や補助金では、申請時にさまざまな書類を提出する必要があります。申請書類の準備は、経営に対する知識がない人にとって、相当の時間と労力が必要になります。業種はともかく、経営未経験者にとってはハードルが高い作業です。

その点フランチャイズは、開業前から店舗運営にいたるまで、フランチャイズ本部が継続的にサポートをしてくれます。業態にこだわらなければ、開業資金を大幅に抑えることも可能です。(※サポート内容はフランチャイズ本部によって大きく変わるので、注意が必要です)

フランチャイズには、併設やフリーネームなどの開業方法もあるので『経営経験がない人』や『開業資金を抑えて低リスクで開業したい人』は、フランチャイズの利用を検討してみると良いでしょう。

融資を検討する

開業のハードルを下げる方法2つ目は『融資の検討』です。

融資は、開業資金を調達するためにもっとも手っ取り早い方法です。しかし「融資を受ける」といっても、これから開業をする人のほとんどは事業実績がないため、民間の金融機関からお金を借りることは困難です。そこで利用を検討したいのが『日本政策金融公庫の融資』です。

日本政策金融公庫とは、日本政府が100%出資する政府系金融機関です。

国民や中小企業の事業者、農林水産業者といった事業規模が比較的小さな事業者の創業や事業支援を目的とし、主な事業内容は『資金調達支援』です。

日本政策金融公庫は、金融機関ではありますが、預金業務を行っていません。中小企業を支援するための銀行なので、融資に特化した銀行といってもいいでしょう。

開業で、注目すべきは『新創業融資制度』です。新創業融資制度は『新しく事業を始める人、または事業開始後、税務申告を2期終えていない人』が対象となります。

融資金額は3,000万円を上限とし、うち運転資金は1,500万円が上限です。

この制度の良いところは、無担保・無保証人の融資制度である点です。「代表者個人には責任が及ばない」とされていますから、個人でリスクを負う心配がありません。利率も大変低く設定されています。また、日本政策金融公庫の制度は、資金の用途に応じて複数の融資制度が利用できます。利用の際は、使えそうな融資制度をあらかじめピックアップしておくと良いでしょう。

商工会議所を活用する

開業のハードルを下げる方法3つ目は『商工会議所の活用』です。

商工会議所では、会議する人向け専用の窓口が設けられていることがあります。直接的に資金を援助してもらえるわけではありませんが、各分野の専門家から無料でアドバイスを受けられる場合があります。各窓口で受けられる相談内容は、以下の通りです。

・税理士:開業後の税務や経理の処理方法
・司法書士:開業の手続きや登記について
・社会保険労務士:開業や従業員雇用時の各種保険の手続きなど

また、開業希望者を対象にした相談会やセミナーなども定期的に開催されています。地域によっては起業者同士の交流会といったイベントもあり、情報交換のために参加してみるのもおすすめです。

ほかにも開業後の店舗に、専門家を無料派遣してもらえることもあります。接客や店舗設計などの店づくり、経営全般に関するアドバイスを、直接現場で受けられるという点は大きなメリットです。ぜひ、積極的な利用を検討してみてください。

助成金や支援制度を活用し、低リスクでビジネスを始めよう

助成金とは?補助金との違いや、開業時におすすめの8選を紹介!

今回は、助成金と補助金について、その違いや、開業時に活用できそうなものを紹介してきました。

助成金や補助金は、お金が入ってくるタイミングが遅いという点がありますが、何といっても返済が不要なのが魅力です。計画的に申請の準備が出来れば、開業の大きな後押しになるでしょう。申請期間や準備書類、条件などが決まっているので、情報収集を欠かさないように気を付けて下さい。

ほかにも、フランチャイズや融資を利用する方法も紹介しました。方法によっては、大幅に開業資金や抑えることや、短期間での開業を実現できます。

「資金が準備できないから」と諦めてしまわずに、低リスクで開業が目指せるよう、助成金や支援制度を積極的に活用していきましょう。

<文/西川ちづる>

会員数37万人突破!
無料会員登録で6つの特典

働き方30秒診断
✓動画コンテンツ見放題
✓融資制度の紹介サービス
役立つ起業ガイドブックプレゼント
相談員による1対1相談会
支援ツールを特別価格で提供

独立・起業を考えていなくても、働き方診断をしてみたいでも登録OK

\LINEアカウントでもOK/
メールアドレスで無料登録
PROFILE
アントレスタイルマガジン編集部

「アントレ」は、独立・開業を目指す個人向けに、成功者インタビューやノウハウ記事などを発信するWebメディアです。1997年 独立・開業情報誌「アントレ」創刊以降、独立・開業を夢見る人々に必要な情報を提供し続けています。

アントレスタイルマガジン編集部をフォローする
申告・納税
タイトルとURLをコピーしました