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M&Aの効果とは!M&Aのメリットについて解説

独立ノウハウ・お役立ち

近年は、従来からの大企業に加え、中小企業のM&Aや事業承継が多様的に活用されるようになってきました。M&Aに対する抵抗感も薄れ一般的な手法として受け入れられるようになってきています。

中小企業によるM&Aの増加もあり、リーマンショック(2008年)後の一時的落ち込みはあるものの、件数は継続的に増加傾向を示しています。
参照:中小企業庁「2018年版 中小企業白書」

企業がM&Aを行う目的はさまざまあり、企業規模、業界、業種などによって異なります。最近のM&Aでは、買収企業による被買収企業とのシナジー効果(相乗効果)を目的としているものが多いです。
一方的な買収・支配ではなく、被買収企業とのシナジー効果を狙っていますので、被買収側にもそれなりのメリットがあり、M&Aが受け入れられやすいことも案件が多い一因になっていると考えられます。
今回は、M&Aの目的として大きくなっているシナジー効果について、またそれを目的としたM&Aのメリットについて説明します。

M&Aにおけるシナジー効果とは

成長を目指す企業は、自社が保有する現在の能力(技術、商品、販売など)をベースとして今後の成長戦略を実現するために、

①時間をかけてでも自社社員の育成や技術・サービスの開発などにより、積み上げ方式で実現を目指すか
②他社が保有する能力(特に自社機能に対する補完的機能)を吸収し自社機能と統合したシナジー(統合)効果を得ることにより、時間を短縮することで成長を実現するか

を判断することになります。
近年は、急速なグローバル化の進展、経済環境の変化、情報通信手段の発達など、外部環境の変化がかなり激しくなっています。環境の変化に対応した成長戦略を早期に実現するため、シナジー効果を目的としたM&Aを選択する企業が増加しているのです。
資金力を生かした単純な買収などではなく、自身の強みを生かした戦略を考える場合、シナジー効果を生かせるM&A戦略を選択するケースが多いものと推測できます。

M&Aにおけるシナジー効果の種類

M&Aによって期待されるシナジー効果はさまざまあります。
一般的には4つのシナジー効果(販売、生産、投資、経営)が挙げられますが、今回は少し集約し、下記の3つに区分しています。

①売上拡大に関連するシナジー(顧客、市場、製品・サービス、サプライチェーンなど)
②コスト削減・効率化に関連するシナジー(仕入、生産、稼働率、物流、間接費など)
③経営力に関連するシナジー(経営ノウハウ、資金調達、研究開発投資など)

ただ、これらの項目は企業経営活動全般に及んだ内容となっています。企業としては、自らが目標とする経営戦略を実現するためには“何が自社に不足しているのか”を明確にすることにより、シナジー効果を目的としたM&A(ターゲット)戦略を策定するのです。

この点を明確にしていないと、シナジー効果を生み出すためのフレームワークの構築、シナジー効果の測定が難しくなってしまい、実施したM&Aが有効であったかどうかの判断も曖昧になってしまう可能性があるので注意しましょう。

M&Aでのシナジー効果が生み出すフレームワーク

M&Aを実施してシナジー効果を得るためには、両社(買収者と被買収者)がもつ経営資源をうまく組み合わせてシナジー効果が発揮できるようにする必要があります。

そのために、両社はもっている内的要因(人材、技術、生産・営業拠点、資金力など)と外的要因(顧客、仕入先など)について事前に分析・検討し、両社が統合することで「どのようなシナジー効果が期待できるのか」「どのようにしたらその効果を引き出すことができるのか」の対策を検討しておかなければなりません。統合後は、この分析表に基づき、シナジー効果の実現度合いを検証し評価します。

M&Aを成功に導くためには、検討段階において、技術・サービスの相性、企業体質、市場規模、必要な投資金額、サービス提供チャネル、実施のタイミングなどについても確認しておくことが重要です。
また、統合のもつリスク要因(隠れ債務の存在、統合による従業員の退職、経営統合の失敗、独占禁止法抵触など)についての確認も必要となります。

M&Aにおける買手側のメリット

必要な経営資源を、時間をかけずに、かつリスクを極力少なくして取得し、シナジー効果の実現を通じて事業の拡大・収益化を図ることができます。例えば、売上・市場シェアの拡大、事業エリアの拡大、人材の獲得、新事業の展開、異業種への参入、技術・ノウハウの獲得、コスト低減・合理化、ブランドの獲得、サプライチェーン確保などによる売上・利益の増加などが期待されます。

M&A Cloud

M&Aにおける売手側のメリット

売手側としては、買い手側に経営権を譲渡するものの、自社が展開してきた事業(または技術など)を存続させ発展させることが可能となること、従業員の雇用を維持できること、ノンコア事業を売却できることなどのメリットが考えられます。また、経営者自身も不振な(または成長の期待できない)事業からの撤退ができること、場合によっては個人債務保証から解放される、などのメリットもあるでしょう。

M&A Cloud

まとめ

ここ数年で、M&Aは企業社会において日常的に使用され、自然に受け入れられるようになってきました。しかし、その目的と活用方法を良く理解した上で対応しないと、期待を裏切るような結果(シナジー効果が発揮できず負担だけが残る、本来の市場価値を大きく上回る投資になってしまう、予測しなかった大きな負担を強いられるなど)になってしまうリスクが常に存在します。

何のためのM&Aなのか目的を明確にすること、本当にシナジー効果を得て市場価値向上ができるのか、保有する経営資源含めM&Aを実施できるのか、どのような支援が必要なのか、といったことを十分に検証してから挑戦しなければなりません。
将来の成長に向けて積極果敢に、かつ冷静に挑戦し、M&Aを成功させてください。

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PROFILE
木下忠夫

経営コンサルタント
製造業、金融機関(投資銀行業務)、サービス業等における業務経験等を活かして、中堅企業のIPO、海外進出、財務・経理業務、内部統制等の業務を受託し、またアドバイスを行ってきています。 これらの業務における専門性を活かし、何らかの貢献が出来ればと思っています。

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