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NPO法人とは何か簡単にわかりやすく解説!メリットや設立方法とは?

NPO法人とは何か簡単にわかりやすく解説!メリットや設立方法とは?

NPO法人とは、株式会社や合同会社と異なり、営利目的ではない法人のことです。

特定非営利活動法人とも呼ばれます。

NPO法人とほかの法人には、どのような違いがあり、NPO法人を選ぶことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

本記事では、NPO法人をわかりやすく解説し、設立するメリットやデメリット、設立までの流れを紹介します。

NPO法人とは?

NPO法人とは、一口に言うと「営利目的ではない法人」のことです。「Non-Profit Organization」の略であり、特定非営利活動法人とも呼ばれます。

株式会社や合同会社などと違い、利益を目的とせず、ボランティアに近い活動を行う法人と考えるとわかりやすいでしょう。

1998年12月、ボランティアをはじめとする社会貢献活動を行う団体が、より活動しやすくすることを目的として、法人格を付与する「特定非営利活動(NPO法人)制度」が施行されました。また2012年4月には、NPO法人の財政基盤強化を主な目的として、法改正が行われました。

法改正を通して、NPO法人はより身近な存在となりました。

NPO法人を設立するメリット

持続的な社会貢献活動の実現を目指して、特定非営利活動(NPO)法人制度は施行されました。ボランティア団体や営利法人としてではなく、NPO法人を設立して活動を行うメリットは、主に3つあります。

【NPO法人のメリット】
・費用面で優遇される
・活動を継続しやすい
・社会的信用度が高い

それぞれのメリットについて、見ていきましょう。

NPO法人は費用面で優遇される

営利法人と比べて、NPO法人は「設立費用」「税金」、2つの費用面で優遇されています。

例えば、NPO法人は株式会社と異なり、資本金0円で設立できます。登録免許税をはじめとした会社設立時にかかる諸費用も、NPO法人にはかかりません。

税金についても、NPO法人は営利法人よりも優遇されています。NPO法人は、法人税が原則非課税であり、自治体によっては住民税の均等割りが免除される場合もあります。

株式会社の設立にかかる費用については、下記の記事をお読みください。株式会社と比べ、NPO法人の設立費用がいかに少ないかわかるでしょう。

株式会社の設立費用は最低いくら?

https://entrenet.jp/magazine/7080/

NPO法人は活動を継続しやすい

単なるボランティア団体として活動するよりも、NPO法人として活動する方が、同じ内容であっても活動を継続しやすいでしょう。法人化により、人材の雇用が可能となるからです。

例えば、会社員がボランティア団体に所属し、仕事をしながら社会貢献活動をする場合を考えてみてください。会社員である以上、社会貢献活動を行えるのは、仕事のない休日のみです。また、ボランティア活動には給与が発生しないため、生活のためにどうしても仕事を優先することになるでしょう。

しかし、NPO法人として活動を行う場合、きちんと給与が発生します。法人として人材を集め、組織体制を築くことで、経営側から見ても活動の継続性が高まります。

NPO法人は社会的信用度が高い

NPO法人は、個人事業主やほかの法人形態と比べて、圧倒的な社会的信用度を誇ります。NPO法人を設立するには、厳しい認証をクリアしなければならないからです。

例えば、個人事業主は、開業届を出すだけで誰でもなれます。手続きも簡単で、1時間かからない程度です。法人設立は個人事業主と比べ、時間と費用がかかるものの、設立のための認証はありません。

しかし、NPO法人を設立するには、法律に基づいた認証を受ける必要があります。法律に定められた書類を記入し、所轄庁に提出するだけでなく、提出書類は所轄庁の属する地域の市民も閲覧可能です。つまり、公的機関と地域の住民、2つの目から見て認められなければなりません。

NPO法人という名前が付いているだけで、「厳しい認証をクリアした信頼できる団体」として評価を得られます。

NPO法人を設立するデメリット

NPO法人を設立することには、メリットだけでなく、デメリットもあります。

【NPO法人を設立するデメリット】
・常に厳しい目で見られる
・税務申告が必要になる
・設立に時間と労力がかかる

NPO法人を設立するメリットが、そのままデメリットになることもあります。順番に見ていきましょう。

NPO法人は常に厳しい目で見られる

社会的信用度の高さが、NPO法人のメリットです。裏を返せば、常に厳しい目で見られているからこそ、NPO法人は信用度が高いと言えます。

NPO法人は、事業報告書をはじめとした書類を所轄庁に提出することが義務付けられています。提出した書類は誰でも閲覧可能です。

書類提出が一定期間なかった場合は、特定非営利活動促進法第43条により、NPO法人の設立認証を取り消すこともできます。

NPO法人は税務申告が必要になる

NPO法人は、ボランティア団体と異なり、税務申告をしなければなりません。

NPO法人が非営利の組織だからといって、収益事業を行っている以上、税務申告は必要です。収益が発生し、活動を継続しやすくなる反面、税務申告のような法人としての義務・手間も発生します。

なお、収益事業を行っていないNPO法人には、税務申告は発生しません。

NPO法人は設立に時間と労力がかかる

NPO法人を設立するには、所轄庁の厳しい認証をクリアしなければなりません。株式会社や合同会社と比べて、NPO法人の設立には、時間と労力がかかります。

NPO法人設立のための認証には、最大で3ヵ月。認証から登記までには、最大で2週間かかります。つまり、NPO法人を設立するには、最大で3ヵ月と2週間の期間が必要です。

また、提出した書類を所轄庁と市民の目から点検されるNPO法人は、ほかの法人よりも設立のハードルが高いと言えます。

設立後の社会的信用度が高いことが、NPO法人のメリットです。しかし、高い信用を得るためには、相応の時間と労力がかかるのです。

NPO法人を設立するための条件とは?

NPO法人は、誰でも設立できる法人形態ではありません。NPO法人の設立には、いくつもの条件があります。

NPO法人設立の認証をクリアするためには、「10人以上の社員がいること」「特定非営利活動を目的とする」などの条件があります。特定非営利活動とは、以下20分野での活動です。

【特定非営利活動とは】
1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2. 社会教育の推進を図る活動
3. まちづくりの推進を図る活動
4. 観光の振興を図る活動
5. 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
6. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
7. 環境の保全を図る活動
8. 災害救援活動
9. 地域安全活動
10.人権の擁護又は平和の推進を図る活動
11.国際協力の活動
12.男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
13.子どもの健全育成を図る活動
14.情報化社会の発展を図る活動
15.科学技術の振興を図る活動
16.経済活動の活性化を図る活動
17.職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
18.消費者の保護を図る活動
19.前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
20.前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動

引用:特定非営利活動(NPO法人)制度の概要

https://www.npo-homepage.go.jp/about/npo-kisochishiki/nposeido-gaiyou

NPO法人を設立できるのは、上記に当てはまる活動を行う場合のみです。まずは、自分の立ち上げたい事業や活動が、特定非営利活動に当てはまるか確認しましょう。

NPO法人の設立方法・流れ

NPO法人を設立するには、所轄庁に書類を提出し、認証を受けなければなりません。NPO法人を設立する方法を、流れに沿って解説します。

【NPO法人設立までの流れ】
STEP1.興したい事業、活動団体が「認証の基準」を満たしているか確認
STEP2.法律に定められた書類と申請書を所轄庁に提出
STEP3.所轄庁による最大3ヵ月の審査
     同時に、所轄庁の属する市民による1ヵ月間の書類縦覧
STEP4.認証後、法人登記の手続き

STEP3は、同時進行で行われます。所轄庁と市民から書類を点検され、認証が済んでから、法人登記を行います。

なお、申請内容が認証基準を満たしていた場合、所轄庁は設立を認証しなければなりません。所轄庁の一存で認証・不認証が決まることはないため、安心してください。

参考:認証制度について

https://www.npo-homepage.go.jp/about/npo-kisochishiki/ninshouseido

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NPO法人を設立する前に、NPO法人の役割を理解しよう

NPO法人設立のための認証基準や活動内容など、細かい規定はありますが、NPO法人を簡単に表すと「ボランティアをはじめとする社会貢献活動を、事業として行う法人」と言えるでしょう。

特定分野でしかNPO法人を設立することはできず、ほかの法人と比べて、設立までに時間と労力がかかります。NPO法人は、個人事業主や株式会社と異なり、誰でも立ち上げられるものではありません。

しかし、立ち上げが難しいからこその高い社会的信用度・税金や費用面でのメリットが、NPO法人にはあります。

ボランティアとしての社会貢献活動に限界を感じている人、起業を通してより良い社会の実現を目指す人は、NPO法人の設立に挑戦するのも良いでしょう。

NPO法人を設立し、社会に貢献したいと考えている方は、下記で紹介している記事もぜひお読みください。起業を通して社会貢献する、いわば「先輩たち」のエピソードに、勇気づけられることでしょう。

NPO法人についてのエピソード一覧

https://entrenet.jp/magazine/?s=NPO%E6%B3%95%E4%BA%BA

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PROFILE

赤塚 元基

新潟県新潟市在住のフリーライター。
SaaSなどのIT系、投資やベンチャー企業の動向、オウンドメディアなどビジネス系を主に執筆。

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