脱毛を扱うエステサロンは、脱毛サロンとして人気を集めています。開業しやすいことでも知られる脱毛サロンですが、フランチャイズに加盟することでよりスムーズに事業成功まで進めることができます。この記事ではフランチャイズで脱毛サロンを開業する際に知っておきたい情報についてまとめました。
※2023年11月時点の情報です。最新は各企業のホームページで確認してください。
脱毛サロンとは?フランチャイズで開業できるのか
脱毛サロンとは「脱毛の施術を受けられるサロン」を指し、光脱毛による施術がメインとなります。より高い効果が期待できるレーザーを使用する医療脱毛は、医師が在籍する病院で看護師による施術が必要となるため、医療脱毛は脱毛サロンでは施術できないことになっています。
アデランスが発表した『脱毛に関する全国意識調査』によると、47都道府県各104人(20~60代の男女 計4888人)のうち、脱毛サロンを利用したことがある女性は43.8%、男女全体で38.9%となりました。さらに20~30代の半数以上が脱毛サロンでの施術経験があり、若年層にも脱毛サロンが普及していることがうかがえます。
脱毛マシンがあれば有資格者を採用する必要もなく開業しやすいことから、廃業率も他サロンに比べて高いことが想定されます。また女性向けの脱毛サロンはやや飽和状態にあり、価格競争が起きていることも懸念されます。一方、メンズ脱毛はまだまだブルーオーシャンともいえるでしょう。
フランチャイズで開業でする場合、医療脱毛やニードル脱毛は行われずに光脱毛やワックス脱毛、セルフ脱毛などが基本となります。
下記記事ではフランチャイズの仕組みを解説しています。参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/25755/
フランチャイズで開業できる脱毛サロンの種類
フランチャイズで脱毛サロンを開業する場合、どんな脱毛サロンの種類があるのでしょうか。使用するマシンや業態で異なります。
光脱毛
光脱毛は「フラッシュ脱毛」とも呼ばれ、機器から発せられる光が毛の黒い色素(メラニン色素)に反応して、発生した熱によって発毛組織の働きを抑制する方法です。具体的にはIPL式脱毛・SSC式脱毛・SHR式脱毛などがあります。レーザーを用いた医療脱毛に比べると効果がマイルドですが、痛みや腫れ、赤みなどのリスクを低減できます。
毛周期にあわせて施術を繰り返すことで、だんだんとムダ毛が気にならなくなっていくシステムのため、リピーターが期待できる業態です。開業や施術に資格は必要ありませんが、「脱毛士」などといった民間資格は有利になるでしょう。
ワックス脱毛
ワックス脱毛とは、ミツロウやパラフィンで作られた専用のワックスを使用した脱毛方法で、ブラジリアンワックスと呼ばれることもあります。ワックスを温めて柔らかくしたものを皮膚に塗り、それが冷えて固まってから絡まったムダ毛と一緒に一気に剥がすことによって、ムダ毛を引き抜く方法です。あくまで物理的に引きはがす一時的なムダ毛対策であるため、医療脱毛(レーザー脱毛)のように永久脱毛の効果は得られません。
カミソリなどを使った処理とは異なり、刃物を使わないのも特徴です。カミソリでムダ毛を剃ったあとはチクチクとした肌あたりや数日後の見た目が気になりますが、ワックス脱毛であれば毛根から根こそぎ抜くことで仕上がりが綺麗で、新しく生える毛もチクチクしないメリットがあります。
セルフ脱毛
セルフ脱毛とは、顧客自身が脱毛用の機械を操作して照射をすることで脱毛するものです。光脱毛と同じ仕組みで脱毛ケアを行います。セルフ脱毛サロンで扱う脱毛マシンは、家庭用の脱毛マシンに比べて出力が高く脱毛の効果が期待できるでしょう。
最初から最後まで自分で行うため、施術者など誰かに体を見られることもなく安価で行えるメリットがあります。しかし、体の背面などは手が届きにくくしっかりと照射できないこともあります。マシンの操作に慣れたプロによる施術ではなく、不慣れな一般人による行為になるので、セルフ脱毛サロンの経営においてトラブル対策は必須となります。
フランチャイズで脱毛サロンを開業する際に必要な資金
それではフランチャイズで脱毛サロンを開業する際に、必要な資金はどれくらいかかるのでしょうか。開業資金と運営資金(ランニングコスト)に分けて紹介します。
開業資金
脱毛サロンの開業資金は店舗の取得費用、内装費用、使用する施術台や脱毛機器の導入費用、フランチャイズならば本部への加盟金や保証金などが代表的にあげられます。
開業する物件の立地は重要です。駅の近くに複数の個室やベッド数を構えた比較的大規模なサロンを開業するとなると、それだけ物件取得費や保証金なども高額になります。一方、家賃が安価な住宅地のマンションの一室や自宅で開業した場合は、物件にかかる費用を抑えられる一方、集客には力を入れなければならないでしょう。
光脱毛やセルフ脱毛であればマシンの導入費用も大きくなりますが、ワックス脱毛の場合は機器にかかるコストは低くなります。
ランニングコスト
脱毛サロンの運転資金(ランニングコスト)としては、エステティシャンの人件費や物件の家賃、脱毛前後で使用する化粧品費用、ガウンやタオルのレンタルやクリーニング費用、光熱費、予約サイトの管理費用、フランチャイズ加盟によるロイヤリティなどがあげられます。光脱毛やセルフ脱毛で使用するマシンをレンタルで導入する場合、レンタル費用も大きくなるでしょう。
また、経営者の生活資金もあらかじめ想定しておかないと、資金不足によって経営が続けられなくなってしまいます。見積もりの際には、必ず「最低6か月~1年間分」の生活費も計上するようにしてください。
脱毛サロンのフランチャイズ開業で失敗しない!成功のための大切なポイント
脱毛サロンのフランチャイズ開業を考える際に、事業を成功させるために大切なポイントについてもおさえておきましょう。
本部選び
フランチャイズ本部を選ぶ際のポイントは以下の通りです。
サポート内容は本部にもよりますが、自身が想定していたようなサポートが得られないと不満が積もる上に、経営が難しくなってしまいかねません。 圧倒的なブランド力で画一的なサービスをすべての加盟店で行う本部か、加盟店でも一定の権限を持って独自性を出せるかどうかは本部次第なので、自分がどういったビジネス展開をしたいかを考えた上で選びましょう。
集客に有利な駅近物件は物件取得費・家賃ともに高額で、脱毛機器の導入費や人件費も発生するため、ランニングコストは高くなりがちです。脱毛機器はリースできるか、まずはオーナー単独でも開業できるかなどを確認しましょう。スモールスタートできる本部を選び、ビジネスが軌道に乗った段階で移転や多店舗展開を目指す方が確実です。
立地選び
脱毛サロンの集客において立地は大変重要です。利用者・スタッフの多くは女性です。事前調査の際は、駅からの距離だけでなく町の治安や経路の清潔さ、入居している他テナントの業種など顧客・スタッフ目線で「来訪に忌避感がないか」確認すると良いでしょう。
人材採用・育成
フランチャイズは加盟店としてオリジナリティを出しづらい形態ではあるものの、唯一差別化できるのが「施術者のスキル」「接客レベル」です。オーナー自身で施術をする際は自分も含め、スタッフのスキルとホスピタリティ向上が顧客獲得に有効です。
脱毛サロンのフランチャイズ募集一覧
それでは具体的に、フランチャイズ加盟店を募集している脱毛サロンを紹介します。
※2023年11月時点の情報です。最新は各企業のホームページで確認してください。
光脱毛:株式会社BCL
株式会社BCLは自社製造の業務用脱毛機・痩身機を使ったエステサロンでお客様に美を提供するのがメインのサービスです。自社で製造しているからできる高コスパ・高性能のマシン採用でお客様の満足度と運営コストの削減を両立し、ロイヤリティがかからない点もメリットです。
参照:株式会社BCL
光脱毛:株式会社デイズ
株式会社デイズは加盟するオーナーの性別や人数によってブランドを自由に選べるフランチャイズ本部です。
- 男性一人で事業を行う場合はメンズ脱毛MAX
- 女性一人で事業を行う場合はPRIME BEAUTY MAX
- カップルやご夫婦で事業を行う場合はメンズ脱毛MAXとPRIME BEAUTY MAXの複合店
各オーナーが成功事例を共有し合い、良きライバル&仲間として活動し合う相乗効果で早期複数店化を実現させています。
ワックス脱毛/光脱毛:株式会社Beauty lala(ビューティーララ)/MELLOW WAX(メローワックス)
株式会社Beauty lalaは気軽にできるワックス脱毛と長期的な集客が見込める光脱毛を軸に、話題のアイブロウ併用も可能なサロンです。高額な初回契約を前提としない「都度払いの脱毛サロン」を目指し、多くの顧客獲得を狙っています。
参照:フランチャイズ:オーナー募集|MELLOW WAX(メローワックス)【小さな総合美容サロン】
株式会社ハイジ
株式会社ハイジは無人セルフエステを展開するフランチャイズ本部です。
完全無人で対面接客不要なので人材の管理・採用も不要、高いブランド力で集客が有利、最先端のオリジナル脱毛機、SECOM提携で万全なセキュリティ体制などの強みがあります。
無人脱毛ゆえに顧客も一切恥ずかしさを感じないため、VIO脱毛など介護脱毛のニーズが増大している背景もあり、新しい顧客層を獲得できるチャンスがあります。
参照:フランチャイズ加盟募集 – セルフ脱毛サロン ハイジ【公式】
まとめ
この記事では脱毛サロンの種類をはじめ、開業に必要な情報についてまとめました。フランチャイズ本部によって取り扱う脱毛マシンや施術方法、経営の自由度が異なります。そのため、オーナーとして納得のいく独立スタイルに近いかどうかをしっかり見極めて、本部を選定していくことをおすすめします。
本部選びに迷ったら、無料で利用できる情報比較サイトを活用して複数のフランチャイズ本部を比較検討してみましょう。
<文/北川美智子>