【この記事でわかること】
・学習塾のフランチャイズに加盟した場合の年収シミュレーション
・学習塾のフランチャイズオーナーに聞く年収UPの秘訣
・学習塾のフランチャイズで年収アップを目指すポイント
他の飲食店や小売店などのフランチャイズ事業に比べて、学習塾経営は毎月の収益を読みやすい、というメリットがあります。この記事では学習塾のフランチャイズオーナーの年収シミュレーションや、学習塾経営のメリットやデメリットについてご紹介します。
月次平均生徒数 | 40人 | 70人 | 100人 |
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収入合計 ※入会金や授業料など | 17,545,517円 | 30,732,487円 | 44,791,177円 |
支出合計 | 12,221,619円 | 18,917,469円 | 25,790,802円 |
・講師給料 | 4,316,197円 | 7,560,192円 | 11,018,630円 |
・地代家賃 | 2,640,000円 | 2,640,000円 | 2,640,000円 |
・ロイヤリティ | 1,592,750円 | 2,798,466円 | 4,081,738円 |
・広告宣伝費 | 1,754,552円 | 3,073,249円 | 4,479,118円 |
・その他 ※水道光熱費、通信費、求人費など | 1,908,120円 | 2,845,562円 | 3,571,316円 |
営業利益 | 5,323,898円 | 11,815,018円 | 19,000,375円 |
※上記の収支モデルは参考資料であり、記載されている数値は加盟契約上保証されるものではありません。
※上記の収支モデルは初年度を含めた経過年数収支シミュレーションではありません。
個別指導塾「トライプラス」/株式会社TRGネットワークのフランチャイズ開業プラン
株式会社ワオ・コーポレーション/「個別指導Axis」の例
株式会社ワオ・コーポレーションも生徒数ごとの月間の収支モデルを公開しています。
月次平均生徒数 | 20人 | 50人 | 80人 |
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売上合計 ※入会金や授業料など | 700,000円 | 1,750,000円 | 2,800,000円 |
経費合計 | 604,420円 | 1,111,310円 | 1,527,200円 |
・指導者人件費 | 168,000円 | 420,000円 | 672,000円 |
・家賃 | 200,000円 | 200,000円 | 200,000円 |
・ロイヤリティ | 0円 | 227,500円 | 364,000円 |
・広告宣伝費 | 100,000円 | 100,000円 | 100,000円 |
・その他 ※水道光熱費、通信費、求人費など | 136,420円 | 163,810円 | 191,200円 |
年間利益 | 1,146,960円 | 7,664,280円 | 15,273,600円 |
※金額は税込みです。授業料には、講習会費、施設関連諸費、入会金を含みます。(テキスト代は含まず)
※看板を分割払いにした場合、上記経費に分割払いの費用が加算されます。
※ロイヤリティ率は、入会金・授業料(対面式の個別指導)・施設関連諸費の10%。
その他、オンライン系の講座・映像講座など講座別にロイヤリティ率を設定しています。
※上記の収支モデルはあくまでも参考資料であり、記載されている数値は加盟契約上保証されるものではありません。
株式会社ワオ・コーポレーション/「個別指導Axis」のフランチャイズ開業プラン
株式会社京進/京進の個別指導スクール・ワンの例
京進の個別指導スクール・ワンは、生徒数によって年間の収支モデルを公開しています。
年間生徒平均数 | 20人 | 40人 | 60人 |
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売上合計 ※入会金や授業料など | 8,990,540円 | 17,981,080円 | 26,971,620円 |
経費合計 | 8,813,917円 | 12,777,151円 | 16,736,318円 |
・講師給与 | 2,472,399円 | 4,944,797円 | 7,417,196円 |
・賃料 | 2,400,000円 | 2,400,000円 | 2,400,000円 |
・ロイヤリティ | 884,892円 | 1,769,784円 | 2,654,676円 |
・宣伝広告費 | 1,200,000円 | 1,200,000円 | 1,200,000円 | ・その他 ※水道光熱費、通信費、求人費など | 1,856,626円 | 2,462,570円 | 3,064,446円 |
年間利益 | 176,624円 | 5,203,929円 | 10,235,303円 |
※ロイヤリティは、授業料・諸経費の10%、入学金の50%となります。
※上記の収支モデルは、参考資料として、全国直営教室のデータを基に作成したものであり、記載している数値については加盟契約上保証されるものではありません。
※上記「入学金収入、授業料収入、諸経費収入、教材・テスト料収入」は、2019年度全国の直営教室の一人当たり(年間)に基づき算出しています。
「講師給与」は、2019年度全国の直営教室の講師人件費率(対売上高)に基づき算出しています。
授業料収入には、追加授業料・季節講習授業料なども含みます。
開業資金・収支モデル|個別指導のスクール・ワン|学習塾経営フランチャイズ加盟のご案内
株式会社京進/京進の個別指導スクール・ワンのフランチャイズ開業プラン
株式会社成学社/個別指導学院フリーステップの例
京進の個別指導スクール・ワンは、生徒数によって年間の収支モデルを公開しています。
年間生徒平均数 | 40人 | 60人 | 80人 |
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年商 | 20,000,000円 | 30,000,000円 | 40,000,000円 |
経費合計 | 13,000,000円 | 18,000,000円 | 22,000,000円 |
年間利益 | 7,000,000円 | 12,000,000円 | 18,000,000円 |
※ロイヤリティは、学費売上の10%、入学金の50%となります。
※記載している数値については加盟契約上保証されるものではありません。
株式会社成学社/個別指導学院フリーステップのフランチャイズ開業プラン
学習塾のフランチャイズオーナーに聞く!年収UPの秘訣
フランチャイズ経営の収益シミュレーションについて確認したところで、フランチャイズオーナーとなった方が感じている学習塾経営について、リアルな声をご紹介します。
体験会に来た子どもが生徒になる率90%!強いブランド力で生徒を確保
株式会社ワオ・コーポレーション/「個別指導Axis」で2021年に開業した宮原さんは、大手メーカーの技術職で、学習塾事業は未経験でした。
フランチャイズ本部からのサポートと、フランチャイズのネームバリューや信頼度を活用し、体験会に来た子どもの入塾率は90%を誇っているそうです。
難関私大合格というコンセプトが決め手
松尾さん・今井さんは、少子化時代の中で、生徒から選ばれる塾とはどういう塾なのかという観点で塾選びをし、教育や福祉の事業を展開する法人の新規事業として加盟しました。
「難関私大合格を目指す」というフランチャイズ本部のコンセプトがはっきりしていたのが決め手だったそうです。
開校して半年後には生徒数が50名となり、この勢いに乗って別のエリアにも進出したいと考えているそうです。
世の中の浮き沈みの影響を受けにくい
人材育成企業の新規事業として2018年に株式会社京進/京進の個別指導スクール・ワンに参入した鈴木さんは、「学習塾事業は、世の中の浮き沈みの影響を受けにくい」点がメリットだといいます。
将来的には人材育成事業と学習塾事業の人材の流動性を高め、両輪でシナジーを図っていく予定とのことです。
地域の「学び」を知り尽くした本部の存在が心強い
商工会議所勤務を経て独立を果たした河村さん。
当初は「受験に特化」した本部のブランド力に惹かれて加盟を決意しましたが、開業当初は集客に苦しんだこともあったようです。
地域の学習に対するニーズの多様化を感じた河村さんは、本部と作戦を立て直し、生徒それぞれにあったカリキュラムの提供や勉強の進め方を実践して、「この塾だから通いたい」という動機付けができるようにしていきました。
いざというときの対処や解決のノウハウを蓄積している本部がすぐそばにいることが心強かったそうです。
公益法人の立場から地域密着のビジネスを発信。その経験と知識で選んだのが塾経営の世界(河村直人・前編)
「もう一度、この塾でがんばりたい」 生徒のその言葉で決意を新たに(河村直人・後編)
この他、学習塾経営に失敗しないよう取り組んだ先輩オーナーの事例をこちらの記事で紹介しています。
学習塾で開業したオーナーのインタビューページはコチラ
学習塾のフランチャイズで年収アップを目指すポイント
学習塾のフランチャイズで年収アップを目指すためには、生徒数を増やして売り上げを伸ばすことと、学習塾運営にかかる費用を低く抑えることが重要となります。
生徒数100名以上など規模を大きくできれば、年収1,000万円を超えることも十分に可能な事業です。
生徒数を増やす鍵は「4月・5月」
学習塾事業は参入しやすいことから競合も多いため、他の塾にはない差別化や実績が必要となります。
例えばプログラミングや体感型の英語学習など、従来の形式に捉われない教育サービスを提供し差別化していくなども考えられるポイントとなるでしょう。
教室数を増やす
経営の規模を拡大することで、更なる収益向上を図ることができます。
ただし、規模の拡大は、以下の点に注意して段階的に行うことが重要です。
経営基盤の安定化・指導に関する品質保持が必要
地域特有のニーズや特徴を把握しておく
塾講師として必要なスキル(指導力+保護者への営業力)を身に付けられる体制を整えておくと◎
また、従来型の塾経営では通塾可能な範囲が限られるため、生徒数の増加にも限界があります。
多角化戦略を導入することで、以下の施策を実行し、収益拡大を図ることも可能です。
場所の制約なく集客できる
高い単価設定が可能
地域住民との接点強化と新規顧客の獲得が可能
イベント参加費や教材販売などといった新たな収益源も創出
留学生の増加に伴う日本語教育への需要高
コスト管理を徹底する
塾経営では売上増加が大切ですが、利益確保には売上高利益率の向上も必要です。
人件費や教材費など、さまざまなコストがかかりますが、無謀な削減は教育の質低下や生徒の満足度低下につながりかねないため、注意が必要です。
具体的には、以下のような施策が考えられます。
電気代や水道代の節約、設備のリース契約の見直し、事務用品の共同購入など
パートタイマーの配置時間の見直し、事務作業の効率化、講師の育成による質の高い授業の実現など
中古教材の活用、デジタル教材の導入など
まとめ
学習塾事業は、多くのフランチャイズ本部が参入し、さまざまな事業形態やオーナーとしての働き方を選択できる業種です。
フランチャイズの中には生徒数が一定数になるまではフランチャイズ本部に支払うロイヤリティが発生しないなど、オーナーの収益化のための仕組みを用意しているケースもあります。
フランチャイズに加盟して学習塾を始める際には、それぞれのフランチャイズ本部が提供するサポート内容や収益シミュレーションについて確認し、年収がどれくらい見込めるのか比較してみましょう。
Q:個人塾との違いは?
A:個人経営:自由度と責任、フランチャイズ加盟:サポートと制限
個人塾は、低コストで自由度の高い運営を目指したい人に向いているといえます。
しかし、開業準備や運営を全て自力で行う必要があることや、集客に苦戦する可能性があることなどのデメリットも理解しておく必要があります。
【個人塾のメリット】
【個人塾のデメリット】
Q:塾経営で年収1000万を目指すためには?
A:およそ60-80人以上の生徒が必要
フランチャイズ本部によって異なりますが、各本部が提示している収益モデルによれば、生徒数およそ6-80人は必要だとされています。
もちろん、収益モデル通りに進むわけではないので、コスト面の試算を特に入念に行うようにしましょう。
Q:学習塾のフランチャイズ経営でのメリット/デメリットとは?
A:メリット/成功への近道
デメリット/制限
【フランチャイズ加盟するメリット】
知名度と集客力の高い本部のブランド力で集客が可能
運営ノウハウがしっかりしているので、経営初心者でも安心
成績向上、生徒維持、売上管理など、幅広い知識を本部から得られる
他のオーナーとの情報交換や悩み相談が可能
競争に負けない経営ノウハウや、心強い仲間を得られる
競争が激しい塾業界でも赤字リスクを避け、安定経営を目指せる
【フランチャイズ加盟するデメリット】
加盟金や初期費用は数十万~数百万と高額
売上の10%程度がロイヤリティとして本部へ支払われるため、個人経営より利益率が低い
5年~10年の契約期間があり、途中解約時は違約金が発生し、赤字になる可能性
本部が指定する場所や教材を使用するため、自由な経営が制限される
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<文/北川美智子>