テレワークの普及など、働き方の変化により、空いた時間で副収入を得たい考える人が増えています。
ただ、「一定以上の副収入が発生すると確定申告が面倒」「会社が副業NGなので……」などの理由で、具体的な行動に移せていない人も多いのではないでしょうか。
本記事では、副収入と副業の違い、会社員が副業を始める際の注意点、そして初心者でも始めやすい副収入の方法について解説します。
副収入の形成に興味がある方は、ぜひ最後までご覧ください。
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副収入と副業との違い

「副収入」と「副業」は似た言葉ですが、本業以外で収入を得ることを考える際は、この違いについて理解しておきましょう。
法律で明確に定義されているわけではありませんが、税務上や会社の規則上、この違いが重要になるケースがあります。
国税庁は以下のようなものを「副収入(所得)」として例示しています。
- 衣服・雑貨・家電などの資産の売却による所得
- 自家用車などの貸付けによる所得
- ベビーシッターや家庭教師などの人的役務の提供による所得
- ビットコインをはじめとする暗号資産の売却等による所得
- 民泊による所得
- NFTを組成して第三者に譲渡したことによる所得
引用:給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合|国税庁
たとえば、「衣服・雑貨・家電などの資産の売却」は、基本的には課税対象になりません(営利目的で継続的におこなう場合は除く)。
このように、副収入の中には「副業」として事業的におこなうものと、そうでない一時的な所得(雑所得や譲渡所得など)が混在していることを理解しておきましょう。
副業を始める前に|会社員が確認すべき3つのこと
副業を始める(副収入を得る)際、会社員の方は確認すべき点が3つあります。
トラブルを未然に防ぐために、必ずチェックしましょう。
会社の「就業規則」の確認
まず確認しなければならないのは、会社の就業規則です。
- 副業禁止の規定はないか
- 許可制・届出制ではないか
- 禁止されている副業はあるか(競合他社での労働、本業での信用を損なう恐れのある業務など)
不明な点があれば、人事や総務部門に確認するのが確実ですが、まずは就業規則の「服務規律」や「兼業」に関する項目を読み込みましょう。
本業への支障が出ないか(時間管理)
副業が許可されていても、本業のパフォーマンスが低下しては本末転倒です。
副業を始める際は、以下の点に注意しましょう。
副業詐欺・怪しい案件の見分け方
副業初心者を狙った詐欺やトラブルも増えているので、以下の特徴がある案件には注意が必要です。
安全な副業は、必ず「提供する労働やスキル」と「対価」が明確に記されています。
安易なキャッチコピーに惑わされないよう注意しましょう。
増える個人の稼ぎ方、副収入の今

かつて副業といえば、特定の資格が必要な仕事や、不動産のような資産を持つ人、あるいは内職のように時間を切り売りする作業が中心でした。
しかし、スマートフォンの普及や「スキルシェアサービス」「クラウドソーシング」といったプラットフォームの登場により、状況は一変しました。
最近では、以下のような方法で副収入を得るのが一般的になっています。
副収入を得るハードルは、以前に比べて格段に下がっていると言えるでしょう。
実際に副業(副収入)でどれくらい稼いでいるか

転職サイト・DODAの調査によると、副収入を得ている人の比率は、10万円以上が34.4%、1万円台が18.6%、5万円台が13.3%と、副業をしている人の約半数が5万円以上を稼いでいることがわかりました。
10万円以上の高収入を得ている人の副業の内容は、株やFXが多いですが、中にはサービス業や運送業、ネットビジネスなどの副業で100万円以上の副業収入を得る人もいるようです。
参考:【副業の実態調査】副業とは?いつやっていくら稼いでる?副業のメリット・デメリットを解説!【最新版】

副収入を得たら、確定申告も必要?

会社員の場合、副業による所得が年間20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告は不要です。
ただし、以下のような注意点があります。
20万円以下でも「住民税」の申告は必要
所得税の確定申告が不要でも、住民税の申告は市区町村の役所に対して別途必要です。
医療費控除やふるさと納税で確定申告する場合
これらの控除を利用するために確定申告をおこなう場合、20万円以下の副業所得であっても、すべて合わせて申告しなければなりません。
会社に知られる主な原因は「住民税」
副業分の住民税が給与から天引きされると、本業の給与に対して住民税額が不自然に高くなるため、会社の経理担当者に副収入の存在が知られてしまいます。
どうしても対策したい方は、確定申告や住民税の申告の際に、副業分の住民税の納付を自分でおこなう「普通徴収」を選択しましょう。
参考:給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合|国税庁
手軽に始められる副収入3選

ここでは、比較的簡単に副収入を得る方法を3つ紹介します。
自身の状況に合うものがないか、チェックしてみてください。
スキルシェア
スキルシェアは、個人の得意や経験を商品としてオンラインで売買するサービスです。
Webサイト制作、ライティング、Webデザインなどの専門的なスキルはもちろん、資料作成の代行やオンライン秘書業務、キャリア相談まで多種多様なスキルが取引されています。
フリマアプリが「モノ」を売買するように、スキルシェアは「目に見えないスキルや時間」を販売できるのが特徴です。
商品在庫を持つ必要がなく、オンライン上で完結する作業も多いため、副業初心者でも始めやすいでしょう。
まずは、どのようなサービスが出品されているか覗いてみることをおすすめします。
フードデリバリー
フードデリバリーは、飲食店の料理を顧客の元へ届ける配達員として働く副業です。
特定の飲食店に雇用されるのではなく、配達プラットフォーム(『Uber Eats』『出前館』『Wolt』など)に個人事業主として登録するのが一般的です。
フードデリバリーはスキルシェアと対照的に、時間や体力を使って確実に収入を得たい人に向いています。
サービスは全国の主要都市に拡大しているので、自分が住むエリアが対象か確認してみるといいでしょう。
不動産投資
不動産投資も、副収入を得る手段として近年注目されています。
不動産投資は、専門知識や多額の自己資金が必要と思われがちですが、近年はテクノロジーを活用し、比較的少額から始められるサービスも登場しています。
ただし、スキルシェアやフードデリバリーのような「労働対価型」の副収入とは性質が全く異なる点に十分な注意が必要です。
初心者におすすめの副業5選
「手軽に始められる副業3選」で紹介した方法以外にも、初心者におすすめの副業は多数あります。
ここでは、リスクの低さや始めやすさの観点から、5つの副業を簡単に紹介します。
ポイントサイト(ポイ活)
ポイ活は、サイト経由でのショッピング、広告クリック、アンケート回答などでポイントを貯め、現金や電子マネーに交換する副業です。
かけた時間の割に少額しか稼げないというデメリットはありますが、通勤の時間も活用しやすい点や、現金ではなくポイントとして手に入る点は、会社員にとっては嬉しいでしょう。
- メリット:スキマ時間で完結する。初期費用ゼロ
- 注意点:大きな金額は稼ぎにくい。あくまで節約の延長
アンケートモニター
アンケートモニターは、企業や調査会社からのアンケートに回答し、報酬を得る副業です。
ポイ活と同じく大きくは稼げませんが、モノによっては報酬額が大きい案件もあるため、ポイ活をおこなうのであれば、併せて登録しておくといいでしょう。
- メリット:スマホで完結できる案件が多い
- 注意点:単価は低いものが多く、継続的な作業が必要です
フリマアプリでの不用品販売
フリマアプリを活用して、自宅にある不要な衣類、本、家電などを『メルカリ』や『ラクマ』などで販売する副業です。
こちらは、単なる不用品の整理であり継続的な事業には当たらない場合が多いので、副収入を得る手段としては適しているでしょう。
- メリット:自宅の整理になる。生活用品の売却は非課税になる場合が多い
- 注意点:継続的に販売をおこなう場合は「仕入れ」が必要になり、「物販」として事業扱いになる。
Webライティング
Webライティングは、Webサイトに掲載される記事(コラム、ブログ記事、商品紹介文など)を作成する副業です。
パソコンさえあれば誰でも始められるので、情報発信が好きな方や、情報収集が得意な方には向いている副業だと言えます。
- メリット:クラウドソーシングで未経験可の案件も多く紹介されている
- 注意点:初心者向けの案件は文字単価が低い(例:1文字0.5円など)
動画編集(アシスタント)
YouTuberや企業からの依頼で、動画のカット、テロップ挿入、BGM追加などをおこなう副業です。
ここまでに紹介した副業の中では、比較的スキルが必要がものですが、今後は動画編集の需要がどんどん上がっている可能性があるので、今のうちに身に付けておいて損はないでしょう。
- メリット:近年需要が非常に高く、スキルを身につければ単価アップも狙える
- 注意点:初めは編集ソフト(有料/無料)の使い方を学ぶ時間が必要です。
副業を始めるハードルは下がっている

ここまで紹介したように、スマートフォンやプラットフォームの普及により、個人が副収入を得るためのハードルは格段に下がりました。
もちろん、「YouTuber」や「ブロガー」のように、収益化までに時間がかかり、成功するのが一部の人に限られる方法もあります。
しかし、スキルシェアで自分の経験を活かしたり、フードデリバリーで空き時間を活用するなど、より現実的に副収入を得る選択肢は増えています。
副業を考える会社員の方は、まず自身の会社の就業規則を確認し、副業が許可されているか、または届出が必要かを確認することから始めましょう。
本業に支障が出ない範囲で、税金や規則のルールを守りながら、自分にできそうなことから情報収集を始めてみてはいかがでしょうか。




<文/中西由貴>































