日本だけではなく、世界中の人々に多大な影響を与えた、新型コロナウイルス。
その猛威により、多かれ少なかれ全ての働く人にとって、自分の仕事やキャリアに影響があったのではないでしょうか。
今回お話を伺ったのは、介護予防トレーナーの久野秀隆さん。
こどもの頃から子役として活動していた久野さんは、紆余曲折の末に、ある時から介護予防の専門家として活動をスタートさせました。
そのきっかけは今から10年前、東日本大震災だったようです。そして現在のコロナ禍。先の見えない世の中をどう渡り歩いていくべきなのか――。
今回は、久野さんのキャリアとともに、コロナ禍を経て見つけた新たな変化と可能性について伺いました。
久野秀隆さん
介護予防トレーナー/健康づくりトレーナー
有限会社ビーアウェイク代表取締役
10〜20歳までタレント活動。10代の頃ライフセーバーとして働き、18歳より大手フィットネスクラブにてパーソナルトレーナーとして勤務する。
「フィットネスクラブにこない地域の方に、会いにいく」というスタイルで、2012年から介護予防に転身。
現在では神奈川県・東京都を中心に市区町村の介護保険を使わない元気な方向けの体操指導や、病院・介護保険事業所の研修や機能訓練などの指導を担当する。7名のスタッフで、10年間でのべ12700講座を担当。
2020年7月、高齢者に向けたLINE公式アカウント(メルマガ)サービスを開始する。
“元気な高齢者”がずっと“元気”でいるために。「介護予防トレーナー」ってどんな仕事?
――まずは、介護予防トレーナーというお仕事についてお伺いします。どのようなお仕事なのでしょうか?
一言で言えば「高齢者に1日でも長く元気でいてもらうために、身体と頭の健康づくりをサポートする職業」ですね。
例えば足腰の痛みや転倒・骨折、認知症や衰え。そういった高齢に伴う身体の不調を予防するため、体操や機能訓練などの指導にあたっています。
――久野さんのおっしゃる「介護予防」とはつまり「高齢者が介護状態になるのを防ぐ」ということでしょうか?
そうですね。
要するに、“元気な高齢者”(具体的には、介護保険を使用していない方)にそのまま“元気な状態”(介護保険がおりるような、要支援や要介護状態にならない状態)でいてもらうために必要なことを、教室という形で各地にて教えているんです。
場所は主に、神奈川県を始め東京都・静岡県などの市区町村の自治体、介護施設や病院などに訪問していますよ。
――お話を伺えば、どんなことをされているのかピンときますが……。
まぁ、正直あまり聞き慣れない職業ですよね(笑)。
こういったスタイルで介護予防の事業をしている会社は、そうありませんから。
――なぜこの事業をすることになったのでしょう?
1番のきっかけは東日本大震災なのですが、これを語るには、僕のキャリアについて少しお話しなければなりません。
順を追って説明しましょう。