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上手いだけではプロになれない。ピアニスト・三浦コウさんに聞く独立に向いている人の特徴

上手いだけではプロになれない。ピアニスト・三浦コウさんに聞く独立に向いている人の特徴

「独立・起業に向いている人がいるとすれば、それは人から応援してもらえる人ではないでしょうか」。

そう語るのは、ピアニストの三浦コウさん。

幼い頃からピアノを弾き続けて、東京音楽大学大学院を卒業。その後は会社員と並行しながら演奏活動を続け、2018年に独立。

以来、専業ピアニストとして活動しています。

ピアノのスキルがあっても、それだけでは食べていくことができないのが、音楽業界の難しいところです。

三浦さんはどのようにして、専業ピアニストになったのでしょうか。そして三浦さんがお仕事をする上で、大切にしていることについて伺いました。

<プロフィール>
三浦コウさん
ピアニスト

9歳の頃からピアノを弾き始める。
東京音楽大学に進学し、大学院を経て卒業。
卒業後は一般企業で働きながら、フリーランスのピアニストとして活動する。

2018年に一般企業を退職し、独立。専業ピアニストとなる。
現在は演奏活動を始め、YouTubeなどのSNSを活用した発信など、ピアノを軸にさまざまな活動を展開する。

音大を出てもピアノでは食えない? 三浦さんが“専業”ピアニストになるまで

――三浦さんの現在の活動について、教えてください。

三浦さん
ピアニストとして、演奏を活動を中心にお仕事をさせていただいております。

自分で主催するコンサートはもちろん、ご依頼をいただいてコンサートを開催する場合もあります。

その他ご依頼をいただいて、アーティストのCDを制作するエンジニア業もさせていただいたり、YouTubeなどのSNSを使った発信活動も行っています。

YouTubeでは自身の楽曲はもちろん、有名楽曲のカバーや、自分の演奏活動のPRなど、自由度高く活用しています。

――「ピアノ」を軸にさまざまな活動をされているんですね。いつ頃からピアノを演奏されていたのでしょうか?

三浦さん
9歳の頃からですね。

ピアノ教室に通い始めて、ピアノを学びました。

その後、小中高校とピアノを弾き続け、大学は東京音楽大学に進学。大学院までピアノ漬けの日々を送っていました。

――では大学院卒業後から、現在のようなスタンスでお仕事をされるようになったと?

三浦さん
卒業してすぐ現在のような活動をしていたわけではありません。

卒業後から演奏の仕事は受けていたのですが、ピアニストとしての収入だけでは生活することができず一度一般企業に就職しました。

2年間会社員として働きながら演奏活動を続けて、ようやく2018年に専業ピアニストとして独立しました。

――大学院まで通って、ピアノのスキルを磨いても、いきなりピアニストとして生活をしていくのは難しいんですね……!

三浦さん
「大学でピアノの技術を磨いて専門的な知識を身につける」ということと「ピアニストとして仕事をしていくこと」は、同じようで違います。

人づてにお仕事をいただいたりと、地道な下積み活動をしてきました。

また演奏活動以外にも、エンジニア業やレッスン業、YouTubeなど、ピアノを弾くだけではない活動を始めて、いくつか収入の柱を作ったんです。

ようやく会社員をやめても大丈夫という見通しが立ったこともあり、専業のピアニストとして独立しました。

小さな仕事でも、自分ならではの付加価値を作る。“ゼロ”から独立して成功する方法

――「ピアノが上手い」だけではプロになれない厳しい世界で、三浦さんは専業ピアニストとして活躍されています。お仕事をする上で、大切にしていることがあれば教えてください。

三浦さん
2つあります。

1つ目はとにかく頂いた目の前の仕事や、自分がやるべきことに丁寧に取り組むこと。

今でこそ自主企画のコンサートも開催していますが、まだピアニストとして駆け出しの頃は、ご依頼を受けてピアノを弾くという仕事がほとんどでした。ありがたいことに現在も、継続して演奏会の出演依頼も受けています。

ごまんといるピアニストの中で、どうしたら仕事をしていけるようになるか。大前提として、僕のそれまでの仕事ぶりや評判が良くなければ、ご依頼をいただくことはできません。

たとえどんなに些細なことだったとしても、自分ができる最大のパフォーマンスで、丁寧にお仕事をする。

その積み重ねが、今に活きていると思います。

――もう1つはなんでしょうか?

三浦さん
丁寧にお仕事をした上で、さらに自分にしかできない付加価値を作ることですね。

僕は、自分が主催するコンサートはもちろん、全ての仕事において、この「付加価値を作る」という点が大事だと思います。

――詳しく教えてください。

三浦さん
例えば、ピアノのコンサートって、どこか「静かにじっと聞いていなければいけない」という空気があると思います。

もちろんその枠組みを大きく崩すことはしませんが、基本的に僕のコンサートに関しては、肩肘張らずにリラックスしてコンサートにお越し頂きたいと思っています。

そのためにはまず、僕が固くならずに演奏を楽しむこと。これが何より大事だと思っています。そして下手でもトークをしたりといった「リラックスしやすい空気作り」が大切です。

そうした取り組みの積み重ねが、僕ならではの「付加価値」になると思うんです。

――先ほどお話に上がった、他のピアニストとの差別化にも繋がる話ですね。

三浦さん
さらに、YouTubeやSNSでの発信活動を通して、ピアニストとしてはもちろん「三浦コウ」という1人の人間について知っていただく、といった「コンサート以外」の取り組みにも力を入れています。

こうしたさまざまな「付加価値」は、自主企画の演奏のお仕事だけでなく、ご依頼いただくお仕事でも同様に大切にしていることです。

「コウさんの演奏が聴けて良かった」「依頼して良かった」

そんな声をいただけるように、これからもお仕事を頑張っていきたいです。

独立・起業に向いている人は「人に応援される人」

――三浦さんのこれからの展望を教えてください。

三浦さん
まずは2023年5月にセカンドアルバムをリリース予定なので、そのアルバムをいろんな人に聴いていただきたいですね。

そしていわゆる「一流」と呼ばれるホールで、コンサートができるピアニストになりたいです。

そのためには僕1人の力だけでは難しいのが、正直なところです。いろいろな方や企業と協力して目標を成し遂げられるよう、これからも頑張っていきたいですね。

――最後に、読者へメッセージをお願いいたします。

三浦さん
独立・起業に向いてる人がいるとすれば、それは「人から応援される人」だと、僕は思います。

「上手いだけではプロになれない」という世界は、何もピアノの世界だけに限った話ではありません。あらゆる業界、事業においても同じことが言えると思います。

ではどうしたら周りと差別化できるか。

その答えは人によってさまざまですが、僕は「人から応援される」こと、つまり人間性が大切だと思うんです。

今の仕事を一生懸命、丁寧に取り組む。そして自分だけの「付加価値」をどうつけるかを考える。

これが「人から応援される」上で、大切なことなのではないでしょうか。

■CD情報
2nd original album
SONGS
歌をテーマとしたオリジナルピアノソロCDです。
音楽の原点ともいえる"歌"をテーマに作曲し演奏されたこちらのピアノ作品は、1stアルバム”COLORS”から2年を経てこれまで培った感性を全て詰め込んだ1枚です。
https://miurako.com/discography/category/album/

■コンサート情報
2023年10月8日
東京オペラシティでソロコンサートを開催
https://miurako.com/live/

写真提供=三浦コウさん

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