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個人事業主が引っ越しをする際に必要な手続きと届け出

個人事業主が引っ越しをする際に必要な手続きと届け出

個人事業主の中には引っ越しをすることとなり、事業を行う場所を変えることがあります。

個人事業を開業する際には「個人事業の開業・廃業等届出書」を管轄の税務署に提出して、事業を行う場所を届け出ますが、引っ越しによって事業を行う場所が変わった場合も何か手続きを行う必要があるのでしょうか。

住所変更の手続きや届け出に関してどのようなものがあるか、引っ越しを決める前に整理しておきましょう。

事業所の住所変更をした際に必要な手続き

個人事業主が引っ越しによって、事業を行う場所を変更する場合には、税務署への届け出が必要となります。

開業した際には、屋号や職業、事業の概要や所得、開業日や従業員数、開業者の住所や氏名などを記載した「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出しますが、住所が変わったときには届け出ている内容と変わるため、再度「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出し、事業場の移転として住所変更を行います。

届け出は事業を行う場所を変更した日から1カ月以内に行います。

また、自宅兼事務所としている個人事業主は引っ越しをすると、事業を行う場所も変更となりますので、管轄の税務署が変わることがあります。

このように、引っ越しによる事業所の移転によって、これまで確定申告をして税金を納めていた税務署の管轄が変わるときには、「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」の提出も必要となります。

「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」の様式は、税務署にて無料でもらうこともできますし、国税庁のホームページからもダウンロードが可能です。

提出先は引っ越し前の住所地を所轄する税務署長となります。

税務署に直接持参しても、郵送でも受け付けてくれます。

提出時期は特に定められてはいませんが、税務署の管轄変更があった後、遅滞なく提出するようにしましょう。

実際に納税地が変わるのは、届出書の提出があった日以後となります。

加えて、従業員に給与を支払っている場合は「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を、労働保険に加入している場合は所轄の労働基準監督署または公共職業安定所に「名称、所在地等変更届」を提出することになりますので合わせて覚えておきましょう。

また、個人事業主が引っ越すときに忘れてはならないのが引っ越し費用です。自宅は引っ越さず、事業場所のみを移転する場合は、全額が経費となります。

ただし、自宅兼事務所の場合には、引っ越し費用の全額を経費にすることはできません。

一般的には、引っ越し料金のうち事務所に占める割合で経費を算出しますが、多くても引っ越し料金の半分までが経費にできる範囲と考えておきましょう。

住居地と納税地が違う場合

自宅を事業所として開業している個人事業主の手続きについてお伝えしてきましたが、自宅と事業所の場所が異なる場合、つまり住居地と納税地が異なる場合は、どのような手続きが必要となるのでしょうか。

まず、住居地は引っ越しをするが、事務所の場所は変わらない場合については、サラリーマンなどの給与所得者が引っ越すときと同様に、住民票を移動するのみで、その他の税務署等へ届け出の必要はありません。

次に、事務所は引っ越しをするが、住居地は変わらない場合については、住民票の移動は必要ありませんが、「個人事業の開業・廃業等届出書」や「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」などの提出は必要となります。

振替納税制度を利用している場合

所得税や消費税を納めるために振替納税制度を利用している場合は、振替納税の手続き変更も必要となります。

事業所の変更により、管轄の税務署に「所得税(消費税)の納税地の異動に関する届出書」を提出していても、それだけでは振替納税の手続き変更は行われておりません。

振替納税をしている場合は、合わせて「納付書送付依頼書・預貯金口座振替依頼書」を、引っ越し後の所在地を管轄している税務署に提出すると、それまでと同じように銀行などの口座から引き落としで納税することが可能となります。

まとめ

サラリーマンなど給与所得者が引っ越しをした場合は、勤務先に住所変更を伝えることになりますが、個人事業主の場合は、管轄の税務署など関係各所へ事業所の住所が変更となったことを届け出るという手続きが必要になります。

住所変更の届け出を忘れていたことにより、確定申告時に慌ててしまうこともあります。

住所変更に限らず、現在の届け出の内容に変更が生じる場合には、管轄の税務署等に変更の届け出が必要か確認しておきましょう。

PROFILE

ファイナンシャルプランナー 杉浦詔子

「働く人たちの夢をかたちにする」会社員とそのご家族等へのキャリアプラン(生活)とライフプラン(家計)の相談と講義、執筆を行っている。また、女性のキャリアと家族や恋愛等コミュニケーションに関する相談、FP等資格取得支援にも力を入れている。

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