自分で事業を起こすことを“独立”といいます。独立したいと思っても、どのようなビジネスで、どうやって独立するか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回の記事では、独立の方法やおすすめの仕事を紹介していきます。また、独立にはどのような資格を取っておくとよいのかもあわせてお伝えしているので、参考にしてみてください。
独立の方法

独立といっても、その方法はさまざまです。
独立をするためには、大きく3つの方法があります。“どの方法で独立するのが最適か”は自分の”ライフスタイル”や”持っている資格””スキル”によって異なります。
以下にあげる方法の特徴を読みながら、“自分が独立するのであれば、どの方法があっているのか”を考えてみましょう。
フリーランスとして独立する
独立するための1つ目の方法は”フリーランスとして独立する方法”です。パソコンなどのデバイスや自分のスキルを活かし、自分の時間や技術を提供する”受託型”で案件ベースの仕事を請け負うスタイルを指します。店舗や事務所を構える必要がないため、初期費用を抑えやすいのが特徴です。
では、フリーランスとして独立する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。3点ご紹介します。
独立するにあたってリスクとなるのが、初期費用や運用費用などの”金銭の負担”です。フリーランスの場合は、店舗や事務所を借りる必要がなく、登記費用も不要です。また、自分1人で完結する仕事であれば、社員を雇うこともないため、シンプルな会計処理で済みます。
一方、フリーランスとして独立するとどのようなデメリットがあるのでしょうか。3点ご紹介します。
フリーランスの多くは、開業届を出して”個人事業主”として活動をスタートします。個人事業主は社会保険への加入ができないため、国民年金や国民健康保険など、税金や保険支払いの管理はすべて自力で行わなくてはいけません。生活が苦しくならないように、常に案件を受注・開拓し続けていかなくてはいけない、という覚悟も必要です。
自分でビジネスモデルを作って独立する
独立するための2つ目の方法は”自分でビジネスモデルを作って独立する方法”です。既存の型に頼らず、自分独自の商品・サービスを考え、ゼロから事業を組み立てていくスタイルを指します。店舗や事務所を構える方法だけでなく、ECサイト運営など実店舗を持たずに事業を展開する方法もあり、事業の形はさまざまです。
では、自分でビジネスモデルを作って独立する場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。3点ご紹介します。
価格設定から商品ラインナップ、店舗の内装や接客スタイルまで、事業のすべてを自分の裁量で決められます。何より、まだまだ世の中にない商品やサービスを自分の手で生み出し、それがお客さまに受け入れられて広がっていく過程は、他の独立方法ではなかなか味わえないやりがいや喜びといえるでしょう。
うまくいくかどうかの見通しが立てづらい中で、集客や資金繰りの采配も含めてすべて自分で背負うことになるのが、この方法の特徴です。
こうした負担を軽減し、他社のノウハウやブランド力を借りて独立したいという場合には、次に紹介するフランチャイズという選択肢もあります。
フランチャイズで独立する
独立するための3つ目の方法は“フランチャイズで独立する方法”です。フランチャイズを活用し、独立して仕事をするには3つのメリットがあります。
経営手法や商品開発を手探りで進める場合、軌道に乗るまでに数年単位の時間がかかることも珍しくありませんが、フランチャイズなら本部のノウハウを使ってこの立ち上げ期のプロセスをある程度ショートカットできます。開業前後のサポートも本部によって内容はさまざまで、事業計画書の作成支援だけでなく、研修制度や定期的な巡回指導を用意しているところもあります。また、知名度のない状態からゼロで集客する場合と違い、認知度のあるブランドを掲げるだけで一定の来店・利用が見込めるのも、フランチャイズならではの強みです。
もちろん、フランチャイズを活用するにはそれなりのデメリットもあります。3つのデメリットを紹介します。
開業時には加盟金や研修費、保証金などがかかり、業種によっては数百万円〜一千万円以上と高額になることもあります。開業後は、「ロイヤリティ」や「月会費」という形でフランチャイズ本部に対して一定額の支払い義務が発生する契約になるケースが一般的です。売上や利益に対する定率制、月額固定制など本部によって計算方式が異なりますが、特に売上に対する定率制や月額固定制の場合、赤字の月であっても支払いが必要になります。また、契約期間中の中途解約には違約金が発生することが多いです。店舗デザインやメニュー・サービス内容を独自にアレンジする自由も、ほとんど認められません。契約前にきちんと詳細を確認することをおすすめします。
【独立の方法別】おすすめの仕事

独立する3つの方法を紹介しました。どの方法で独立するのかによって、どんな仕事が適しているのか異なってきます。3つの方法はそれぞれどのような仕事に適しているのか、紹介します。
フリーランスとして独立しやすい仕事とは
フリーランスとして独立しやすく、おすすめの仕事はパソコンのようなデバイスや何らかのツールを活用する仕事です。パソコンとインターネット環境、そのほか元々使用していたツールが利用できれば費用を抑えてスモールスタートで始められます。
また、これまでの職務経験や独学で培ったスキルを、そのまま仕事に転用できるのもおすすめの理由です。フリーランスとして独立しやすいのは以下のような仕事です。
フリーランスとしての仕事は副業として始められるので、まずは副業から始めて、経験を積んだり、人脈を作ったりするのがよいでしょう。いきなり独立しても、すぐに生活できるほどの収入を得られるフリーランスは、ごくわずかです。副業から始めてみて収入が本業と同じくらいか、それ以上の収入になれば、経済的不安もなくフリーランスとして独立できるでしょう。
自分でビジネスモデルを作っての独立がしやすい仕事とは
自分でビジネスモデルを作っての独立でおすすめなのは、資格や技術、専門知識といった自分の強みを、そのまま商品・サービスに変えられる仕事です。大きな組織や設備がなくても、個人の力量や工夫がそのまま事業の価値につながりやすいのが特徴です。
自分でビジネスモデルを作って独立しやすいのは以下のような仕事です。
いきなり大きな設備投資や仕入れを行うと、軌道に乗る前に資金が尽きてしまうリスクがあります。まずは小規模に始めて実績や評判を積み、集客の仕組みが安定してきたタイミングで事業を拡大していくのが安全です。十分な自己資金や当面の生活費の見通しを立ててから、独立に踏み切ることをおすすめします。
フランチャイズで独立しやすい仕事とは
フランチャイズは、経営の経験や専門知識がなくても、本部が用意した仕組みを使って始めやすいビジネスモデルです。加盟金を払うことで研修や運営マニュアルなど一定水準のノウハウが得られるため、初めての独立でも比較的安心して踏み出しやすいのが特徴です。
さまざまな業界にフランチャイズ本部がありますが、その中でもおすすめの仕事は以下のとおりです。
フランチャイズで得た経営ノウハウは、将来自分でビジネスモデルを作って独立する際の土台にもなります。ただし、多くの加盟契約では契約終了後の一定期間、同業種での独立を禁止する競業避止条項が設けられています。将来的に自分の事業へ展開したいと考えている場合は、契約前に条件をよく確認しておくことが大切です。
独立して仕事をするのにおすすめの資格6選

独立をして仕事をするには、何かと資格を持っていると便利です。独立して仕事をしていくうえで持っていると便利な資格を6つ紹介します。
日商簿記
独立をして仕事をするのにおすすめの資格、1つ目が「日商簿記」です。日商簿記の資格を取得しておけば、独立した後の経営状態がわかりやすくなります。
日商簿記には1級~3級までありますが、独立後に自分で経理・会計処理を行うなら3級までで十分でしょう。「仕訳問題」「帳簿記入」「決算整理関係の総合問題」など、簿記の基本から確定申告に使える内容まで勉強できるためおすすめです。
日商簿記3級の合格には得点率70%以上が必要です。2026年6月に実施された第173回統一試験の合格率は33.8%で、直近の統一試験も30〜40%台で推移しており、決して簡単な試験ではありません。一方、ネット試験(2025年4月〜2026年3月実績)の合格率は40.8%と、統一試験よりやや高めの傾向にあります。しっかり勉強すれば取得できるでしょう。
合格できずとも勉強した知識が事業に活かせるためおすすめです。
参考:「3級受験者データ(統一試験・ネット試験)」(日本商工会議所)
FP(ファイナンシャル・プランニング技能士)
独立におすすめの2つ目の資格は「FP(ファイナンシャル・プランニング技能士)」です。
FPの技能検定は、日本FP協会と金融財政事情研究会(通称:きんざい)の2つの機関が実施していて、税金、保険、資産運用、住宅ローンなど、お金にまつわる知識を体系的に学べる国家資格です。独立後の資金計画や事業資金の管理など、事業形態を問わず役立つ知識が身につきます。
FPには3級~1級があり、2025年4〜9月実施の3級は学科86.31%・実技85.38%(日本FP協会)と取得しやすい一方、2025年10月〜2026年2月実施の2級は学科47.18%・実技56.47%(同協会)まで下がります。さらに上位の1級は学科合格率が12〜15%程度(きんざい)で、大きく難易度が上がります。独立後の資金計画や税金・保険の相談に役立てるなら、まずは2級の取得を目指すのがおすすめです。
参考:「FP技能士の取得者数及び試験結果データ」(日本FP協会)
販売士検定(リテールマーケティング検定)
独立におすすめの3つ目の資格は「販売士検定(リテールマーケティング検定)」です。小売業界唯一の公的資格で、仕入れや在庫管理、マーケティング、店舗運営、経営管理まで、小売・流通ビジネスに関する知識を体系的に学べます。
試験は3級~1級に分かれており、2025年4〜12月の合格率は3級55.0%、2級56.0%、1級15.8%(日本商工会議所)でした。3級・2級は比較的取得しやすい一方、1級になると合格率が20%を大きく下回り、難易度が跳ね上がります。
買取・リサイクル専門店や雑貨店など、小売業として独立する場合はもちろん、接客や商品陳列の基礎知識は幅広い業種で役立つため、まずは2級の取得を目指すとよいでしょう。
サービス介助士
独立におすすめの4つ目の資格は「サービス介助士」です。高齢者や障がいのある方に対して、安全な介助技術と”おもてなしの心”を持って対応するための民間資格で、公益財団法人日本ケアフィット共育機構が認定しています。
資格取得には自宅学習・提出課題・実技教習を経て検定試験に合格する必要がありますが、公式サイトによると合格率は8割以上とされており、難易度はそれほど高くありません。
高齢者向けの福祉サービスはもちろん、飲食店や小売店など、高齢のお客さまと接する機会が多い業種で接客の質を高める資格としても活用できます。
参考:「サービス介助士について」(公益財団法人日本ケアフィット共育機構)
ITパスポート
独立におすすめの5つ目の資格は「ITパスポート」です。セキュリティやネットワークなどのIT基礎知識に加え、経営戦略や財務、法務、プロジェクトマネジメントなど、社会人が備えておくべき幅広い知識を問う国家試験です。
令和7年度(2025年度)の合格率は48.6%(応募307,266人、受験271,352人、合格132,012人)で、実務経験がなくても取り組みやすい試験です。
ネット予約システムや会計ソフト、SNS集客など、今やどの業種でもITツールの活用が欠かせません。独立後の情報セキュリティ対策や業務効率化の基礎知識として、幅広い業種で役立ちます。
参考:「ITパスポート試験 統計情報」(IPA 独立行政法人情報処理推進機構)
個人情報保護士認定試験
独立におすすめの6つ目の資格は「個人情報保護士認定試験」です。個人情報保護法やマイナンバー法の理解、情報セキュリティ対策に関する知識を認定する民間資格で、一般財団法人全日本情報学習振興協会が実施しています。
平均合格率は41.5%程度とされており、法律系の資格の中では比較的取り組みやすい水準です。
顧客の氏名や連絡先、予約情報などを扱う機会は、美容サロンや飲食店、web事業などどの独立方法でも避けて通れません。個人情報を適切に管理できる知識は、独立後の信頼構築にも直結します。
参考:「個人情報保護士認定試験」(一般財団法人全日本情報学習振興協会)
独立して仕事をするために備えておくべきこと

“独立は誰にでもできる”からこそ、成功するのは難しいです。独立して仕事し続けるには、それなりのネットワークやスキルが必要です。そのためにも、独立をする前にスクールに通うのもおすすめです。独立までのフローや、その後どのように仕事を取得していくのかを教えてもらえます。
そのほかにも、スキルアップを図れるスクールもあるので、自分に必要なものが何かをはっきりさせて、適切なものを探してみましょう。
自分には、どのような仕事ができるか分析して独立しよう

独立をするのにはさまざまな方法や仕事があります。さまざまな仕事があるからこそ、“どのような仕事で独立したいのか”を見つけられずに悩む方もいるでしょう。
独立を考えている方は是非「アントレ」をチェックしてみてください。自分に合う独立・開業を見つけられるかもしれません。
<文/みさき>












