CATEGORYカテゴリー

窓際族とは|実態や自分がならないための予防策を解説

「私って窓際族…?」窓際に追い込まれた人の末路と、復活する方法 独立ノウハウ・お役立ち

職場には在籍しているものの、明確な業務も与えられず、ただ時間を過ごす──そんな立場に置かれた人たちは「窓際族」と呼ばれます。

自信やモチベーションを失いやすいこの状況は、決して他人事ではなく、誰もが陥る可能性があるのです。

本記事では、窓際族になってしまう背景やその実態を解説し、そこから再び活躍するための具体的な方法まで紹介していきます。

窓際族とは?

窓際族とは、企業に在籍しながらも主要な業務から外され、具体的な役割や責任を与えられていない状態の社員を指す言葉です。

かつては出世競争に敗れた中高年層を指す言葉でしたが、現代では年齢に関わらず、組織の変更や事業の縮小などを理由に、誰でも窓際族になってしまう可能性があります。

窓際族が生まれる理由

窓際族が生まれる背景には、主に「法的な雇用の保護」「企業側の事情」があります。

日本の法律では、企業は正当な理由なく従業員を一方的に解雇することが厳しく制限されています。そのため、能力や役割が現状のニーズに合わなくなった社員でも、安易に解雇することはできません。

結果として、企業はその人に仕事を与えずに飼い殺しのような状態にすることで、自主的な退職を促すという手段を取ることがあります。これが、意図せずして窓際族を生み出してしまうのです。

【窓際族の亜種】ウインドウズ2000とは?

窓際族の中には、特に高給与を得ている層を指す『ウインドウズ2000(年収2000万円の窓際族)』という俗称が存在します。

これは主に、年功序列制度が色濃く残る一部の大企業に存在するケースです。

しかし、このような存在はごく一部であり、多くの窓際族は将来的な収入減やキャリアの停滞といった不安を抱えています。

「私って窓際族…?」窓際に追い込まれる兆候

「最近、重要な会議に呼ばれなくなった」
「仕事の依頼が減った」

このような些細な変化から「自分は窓際族になりかけているのではないか?」と不安を感じる人もいるでしょう。

こちらでは、窓際族に追い込まれる危険な兆候を判断するためのチェックリストと、そうした状況に陥りやすい人の特徴を解説します。

窓際族チェックリスト

「私って窓際族…?」窓際に追い込まれた人の末路と、復活する方法
以下の項目に当てはまる数が多いほど、窓際族になっている、あるいはその一歩手前の可能性があります。

  • 重要な会議やプロジェクトから外された
  • 上司や同僚からの業務に関する相談や依頼がなくなった
  • 誰でもできるような定型業務しか任されない
  • 業務目標や評価が曖昧で、フィードバックもない
  • 社内での異動や組織改編の際、自分の意向が全く反映されない
  • 明らかに他の社員と離れた席に配置されている
  • 日中の大半を、業務と関係のないネットサーフィンなどで過ごしている
  • 長時間席を外しても、誰からも何も言われない
  • 自分の専門スキルや経験が全く活かせていない
  • 社内の重要な情報が共有されなくなった

窓際族になりやすい人

窓際族になりやすい人には、どのような特徴があるのでしょうか。どんな人が窓際族になりやすいのかわかっておくと、その後の職場での姿勢に気を使えるようになります。窓際族になる人の特徴は仕事が遅い人、やる気が見えない人、コミュニケーションを取るのが苦手な人の3つです。

仕事が遅い人

仕事が遅いと、必要な期限に提出が間に合わないこともあります。

誰にも迷惑をかけることのない業務であれば問題ありませんが、企業で勤めている限り誰とも関わらない業務はありません。

周りに迷惑をかけ続けていると、徐々に仕事を任せてもらえなくなり、窓際へと追いやられてしまいます。

やる気が見えない人

仕事に対してやる気が見えない人は、周り方の信頼が得にくいです。

仕事をする上で信頼関係を築くことはとても重要なので、これができない人は周りから見放されてしまうこともあります。

コミュニケーションを取るのが苦手な人

仕事をする上で重要なのは、コミュニケーションです。

コミュニケーションが取れなければ、社内・社外問わず良好な関係を築けないため、仕事が円滑に回りません。最終的に自分がそのボトルネックになってしまえば、窓際族に追いやられてしまうでょう。

窓際族の末路

窓際族の状況を放置すると、キャリアや人生に深刻な影響を及ぼす可能性があります。

こちらでは、窓際族の末路として考えられる2つのケースを見ていきましょう。

1.リストラされる

「私って窓際族…?」窓際に追い込まれた人の末路と、復活する方法

企業の業績が悪化した場合、まず人員整理が行われます。

その際、具体的な業務実績や貢献度が低いと見なされる窓際族は、早期退職の勧奨やリストラの対象になるリスクが極めて高くなります。

会社にとって負担の大きい存在と判断されれば、経営の立て直しのために真っ先にキャリアが断たれてしまう可能性があるのです。

2.精神を病んで自主退社する

仕事を与えられず、社内で存在価値を感じられない日々は、想像以上に精神を消耗させます

「自分は必要とされていない」という無力感は自己肯定感を著しく低下させ、やがて心の健康を蝕んでいきます。

結果、正常な判断ができないまま自主退社に追い込まれ、その後の社会復帰にも長い時間が必要になるケースは少なくありません。

窓際族のメリット・デメリット

ここまで紹介した内容を見れば、窓際族には一切のメリットがなく、なぜそんな状態でも働き続けるのかわからない方も多いのではないでしょうか。

こちらでは、窓際族のメリット・デメリットを簡単に紹介します。

メリット|精神的なプレッシャーからの解放

窓際族は責任の重い仕事から解放されるため、ストレスが一時的に軽減されます。

ノルマや納期に追われることもなく、プライベートの時間を確保しやすい点はメリットと言えるかもしれません。

ここに甘えて、窓際族のまま働く人もいるのです。

デメリット|市場価値の低下と将来への不安

窓際族は、日々の業務でスキルが磨かれないため、自身の市場価値は下がり続けます

いざ転職しようとしても、アピールできる実績がなく困難を極めるでしょう。

成長のない日々と将来への経済的な不安は、短期的なメリットを大きく上回る苦痛となります。

窓際族が辛いと感じる『5つの瞬間』

窓際族は「働かずに給料がもらえるなんて楽でいい」と揶揄されることもありますが、当事者にとっては精神的に辛い状況です。

こちらでは、窓際族が特に「辛い」と感じる5つの瞬間を紹介します。

1.周囲の視線を感じる瞬間

忙しく働く同僚たちの中で、一人だけ手持ち無沙汰でいる状況は、想像以上の疎外感を伴います。

直接的な言葉はなくても、憐れみや軽蔑を含んだ視線を感じるたびに、自分の居場所がないことを痛感させられます。

2.モチベーションが出た瞬間

窓際族でいると、モチベーションが出て何か仕事をしたいと思っても、なかなか周りに相手にしてもらえないことが多々あります。

一度失ってしまった信用は取り返すのが難しく、どんなに仕事をしたいと思っても自分に振ってもらえるものがなく、かえって辛いと感じてしまうようです。

3.将来のことを考える瞬間

窓際族は暇な時間が多い分、自身のキャリアについて考える時間は増えます。

しかし、スキルアップの機会もなく時間が過ぎていく中で「このままで自分の将来は大丈夫か」「リストラされたらどうしよう」という漠然とした不安が脳裏をよぎるようになります。

4.家族のことを考える瞬間

窓際族って辛い?5つの辛い瞬間と、変わるためにできること

窓際族は、家族の前では「仕事を頑張っている」と振る舞っていても、会社での実態とのギャップに罪悪感を覚えます。

「家族を養っていけるのか」という経済的な不安はもちろん、尊敬される存在でいられないことへの精神的な苦痛は大きいものです。

5.わかってもらいたいと思った瞬間

窓際族の辛さは、同じ立場になった人でなければ理解しにくいものです。

同僚や友人に相談しても「楽でいいね」と一蹴され、悩みを共有できない孤立感に苦しみます。

誰にもわかってもらえないという状況が、さらに心を追い詰めていくのです。

【こんなに辛い】窓際族の実態

窓際族の人たちは、実際どのような活動をしているのでしょうか。窓際族の人たちの9時から6時までのスケジュールや、暇つぶしにしていることを紹介していきます。

窓際族のスケジュール例

ある窓際族の1日のスケジュールは、目的のない時間潰しの連続です。

  • 9:00 始業・メールチェック(ほとんど来ていない)
  • 9:30 ネットニュースの閲覧
  • 11:00 長めのトイレ休憩
  • 12:00 昼休み
  • 13:00 業務とは関係のない調べ物
  • 15:00 共有フォルダの整理など、誰にも頼まれていない作業
  • 17:00 退社準備
  • 18:00 定時退社

このように、成長や貢献とは無縁の時間が毎日繰り返されます。

窓際族の暇つぶし

時間を持て余した結果、多くの窓際族は以下のような方法で暇を潰しています。

  • ネットサーフィン、動画視聴
  • 関係のない資格の勉強(をしているフリ)
  • オフィス内の意味のない散歩
  • 複数回にわたる長時間のトイレ休憩や喫煙休憩
  • 仕事をしているフリ(過去の資料を眺めるなど)

これらはその場しのぎにはなりますが、自身のスキル向上やキャリア形成には一切つながりません

今からできる!窓際族にならないための予防策

ここまでは窓際族になってしまった後の話をしましたが、まず大切なのは自分が「窓際族にならないこと」です。

こちらでは、窓際族にならないためのコツを2つ紹介します。

常にスキルをアップデートし続ける

会社の研修だけに頼らず、自ら専門分野の知識を深めたり、関連資格を取得したりするなど、学び続ける姿勢を持っておけば、窓際族になる確率を減らせます。

変化の速い時代において、常にスキルを磨き続けることは、最大の攻撃であり防御にもなるのです。

周囲との良好な関係を築く

日頃から上司や同僚と円滑なコミュニケーションを取り、信頼関係を築いておくことも重要です。

自分の仕事だけでなく、チーム全体の目標に関心を持ち、積極的に協力する姿勢が、組織におけるあなたの存在価値を高めます。

自分のキャリアプランを持つ

会社にキャリアを委ねるのではなく「自分は将来どうなりたいのか」というビジョンを明確に持つことも大切です。

目標があれば、日々の業務にも目的意識が生まれ、会社からの評価とは別の軸で成長できるでしょう。

窓際族から復帰するためにできること

辛い現実を前に、ただ時間が過ぎるのを待つ必要はありません。

自ら行動を起こすことで、窓際族から抜け出し、再びキャリアを輝かせることはできます。

こちらでは、窓際族から復帰するための3つの具体的な方法を解説します。

今の仕事をもう一度頑張る

まずは、現在の職場で信頼を取り戻すことを考えましょう。

すぐに大きな仕事を任されなくても、誰にでもできる雑用を率先して引き受けたり、周囲の同僚に積極的に声をかけて手伝えることがないか探したりするなど、小さな行動の積み重ねが重要です。

意欲的な姿勢を見せることで、周囲の評価が変わり始める可能性があります。

副業を始めてみる

社内での評価に縛られず、社外に自分の価値を見出すのも有効な手段です。

幸い窓際族には時間があるので、その時間を活用して副業を始めれば、新たなスキルが身につくだけでなく、収入源を確保することも可能です。

何より、誰かに必要とされる経験は、失いかけた自信を取り戻す大きなきっかけになるでしょう。

転職や独立でリセットする

今の環境でどうしても再起が難しいと感じるなら、環境そのものを変える決断も必要です。

自分のスキルや経験を正当に評価してくれる会社へ転職する、あるいは、これまでの経験を活かして独立・起業するという道もあります。

自分の裁量ですべてを決められる独立は、会社にキャリアを委ねるのではなく、自らの手で未来を切り拓きたいと考える人にとって、最良の選択肢となるかもしれません。

擦り減った心を研ぎ直すことから始めよう

「私って窓際族…?」窓際に追い込まれた人の末路と、復活する方法

窓際族は、知らず知らずのうちに心をすり減らしていきます。

なので、復活に向けた行動を起こす前に、まずは失った自信の回復から着手する必要があります。

その上で、社内での再起を目指すのか、社外に新たな道を求めるのかを冷静に考えましょう。もし今の会社に見切りをつけ、副業や独立などの新しい選択肢に少しでも興味が湧いたなら、情報収集から始めてみてください。

独立・開業支援サイト「アントレ」は、さまざまな業種のフランチャイズや代理店募集の情報を掲載しています。新しいキャリアを築くためのヒントが満載なので、自分の可能性を再発見したい方は、ぜひ一度サイトをご覧ください。

<文/ちはる>

タイトルとURLをコピーしました