エステサロンで開業を目指すならば、フランチャイズに加盟してスムーズに開業する方法がおすすめです。本部の持つノウハウを活かしながら、顧客に喜ばれるサービスや空間を提供するのがエステサロン経営の面白さでしょう。この記事ではエステサロンのフランチャイズでおすすめの業種や手順、メリット・デメリットについて紹介します。
※2023年11月時点の情報です。最新は各企業のホームページで確認してください
エステサロンとは?市場規模や将来性、トレンドを解説
2002年に総務省が定めた「日本標準産業分類」で、エステティックは「手技又は化粧品・機器等を用いて、人の皮膚を美化し、体型を整える等の指導又は施術を行う事業所をいう」と定められています。
矢野経済研究所が発表した2022年度のエステティックサロン市場規模は3,141億円の見込みで、成熟したマーケットであると考えられます。総売上高は新型コロナウイルス感染症の影響で横ばいから減少傾向にある一方、施術内容やターゲットの多様化により、セルフエステやメンズエステなど分野によってはまだ成長の余地があるとされます。
参考:矢野経済研究所|エステティックサロン市場に関する調査を実施(2023年)
フランチャイズで開業できるエステサロンのおすすめの業種
エステサロンはフランチャイズ本部に加盟することによって、本部のノウハウを活かして開業できます。
まずはフランチャイズの仕組みを知りたい方は、下記記事を参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/25755/
フェイシャルエステ
フェイシャルエステとは、顔のケアを中心に行うエステを意味します。美白、保湿、アンチエイジング、ニキビなどあらゆる肌悩みや肌トラブルに対応した施術や商品を提供します。
開業資金は店舗の取得費用、内外装費用、使用するベッドや美容機器・化粧品の導入費用、ガウンやタオルなどの備品、フランチャイズならば本部への加盟金や保証金などが代表的にあげられます。かかるランニングコストとしてはエステティシャンの人件費や物件の家賃、美容機器のレンタル費用、消耗する化粧品代、水道光熱費、予約サイトの管理費用、フランチャイズ加盟によるロイヤリティなどです。
顧客の肌に触れ、カウンセリングを行うことで毎日のスキンケアで使用する商品も提案でき、エステの施術だけでなく物販の販売による売り上げや利益も見込めるメリットがあります。
https://entrenet.jp/magazine/42739/
痩身エステ
痩身(そうしん)とは引き締まった健康的な身体を目指す施術のことで、エステティシャンによる手技を基本としたハンドマッサージや、脂肪にアプローチするEMSなど、施術方法はさまざまです。施術者に必要な資格はありませんが、認定エステティシャンなどの民間資格があり、それらの取得者であれば顧客からの信頼を得やすいでしょう。
開業資金は店舗の取得費用、内装費用、使用するベッドや美容機器・化粧品の導入費用、ガウンやタオルなどの備品、フランチャイズならば本部への加盟金や保証金などが代表的にあげられます。かかるランニングコストとしてはエステティシャンの人件費や物件の家賃、美容機器のレンタル費用、消耗する化粧品代、光熱費、予約サイトの管理費用、フランチャイズ加盟によるロイヤリティなどがあげられます。
痩身エステは全身を着替える施術となるため、プライバシーが守られる個室空間が前提となり物件や内装において配慮が必要となります。また施術前後の効果をカウンセリングしたり、食生活へのアドバイスなどを行うこともあります。
メンズエステ(男性向けエステ)
メンズエステはフェイシャルケアから、脱毛・リラクゼーションなどのボディケアまで、体のさまざまな部位の施術を行うサロンです。男性専用とうたっているため、女性顧客からの目を気にせずに男性も通いやすいサロンとなるでしょう。施術内容や受けられるサービスは女性のエステサロンと大きく変わらないものの、ヒゲ脱毛やリラクゼーション目的など人気のメニューやカウンセリング内容は女性向けと少し異なります。
開業資金は店舗の取得費用、内外装費用、使用するベッドや美容機器・化粧品の導入費用、ガウンやタオルなどの備品、フランチャイズならば本部への加盟金や保証金などが代表的にあげられます。かかるランニングコストとしてはエステティシャンの人件費や物件の家賃、美容機器のレンタル費用、消耗する化粧品代、水道光熱費、予約サイトの管理費用、フランチャイズ加盟によるロイヤリティなどです。
まだまだメンズエステに定期的に通う男性は少ないものの、「いつまでも若々しく清潔でありたい」「美容に興味がある」というニーズは男性にもあります。若年層の興味関心も増えつつあり、今後も成長が期待できる業態だと考えられます。
セルフ(無人)エステ
セルフエステとは、プロのエステティシャンが行っていた施術を顧客自身で行うエステを指します。施術の種類としては、痩身・フェイシャル・脱毛・ホワイトニングなど自宅では用意できない美容機器を用いることが多いです。
開業資金は店舗の取得費用、内外装費用、使用するベッドや美容機器・化粧品の導入費用、ガウンやタオルなどの備品、フランチャイズならば本部への加盟金や保証金などが代表的にあげられます。かかるランニングコストとしては受付などに人員を配置した場合の人件費や物件の家賃、美容機器のレンタル費用、消耗する化粧品代、水道光熱費、予約サイトの管理費用、無人経営ならばセキュリティシステムの使用料、フランチャイズ加盟によるロイヤリティなどがあげられます。
低価格なサブスクリプションモデルで展開しているサロンも多く、オーナーにとっては毎月の売り上げや利益が安定しやすいというメリットがあります。ただし、顧客が美容機器を直接扱うことになるため、思わぬトラブルに発展しないように注意喚起を行ったり、契約書などを整えておいたりするといったリスクヘッジが必要です。
https://entrenet.jp/magazine/42871/
フランチャイズでエステサロンを開業する手順
フランチャイズでエステサロンを開業する手順についても確認しておきましょう。本部によって多少異なる点がありますが、おおむねこの流れで行われることが多いです。
1.意思決定(自力開業かフランチャイズ加盟か、業種は何にするかなど)
どういった形で独立したいか、自分が思い描くスタイルに合うかどうかイメージして決定します。
2.資料請求・説明会参加
フランチャイズでの独立を決めたら加盟募集している複数の本部から資料を取り寄せ、説明会や面談など対面で疑問点を洗い出します。
3.契約内容の確認と合意、契約
サポート内容や加盟金だけでなく、契約期間/禁止事項/競合避止義務の有無/エリア独占権など確認し、疑問点や改善要望はすべて契約前にクリアにしておきます。
4.立地調査と物件取得
本部と協議しつつ、開業したいエリアや具体的なテナントを決定します。
5.外装・内装・デザイン決定と施工開始
本部と相談し、ブランドイメージに合ったデザインか、内装は効率的な動線になっているかなど詳細に確認します。
6.設備の搬入
本部によっては購入サポートやリースプランを用意しています。
7.スタッフ募集と雇用
本部によってはスタッフ募集や派遣を行ってくれるところもあります。
これらの流れを経て、実際に店舗開業となります。
初期費用の他に、開業後半年間の運用資金と生活資金は確保しておきたいため、開業準備を進めるのと並行して資金調達も行っておきましょう。
融資を受けたい場合は、本部に相談しつつ実現・具体性のある事業計画書を作成するようにしましょう。
フランチャイズでエステサロンを開業する際の注意点
フランチャイズ本部を見極める際の注意点についても確認しておきましょう。
開業立地の事前調査の際は、駅からの距離だけでなく町の治安や経路の清潔さ、入居している他テナントの業種など顧客・スタッフ目線で「来訪に忌避感がないか」確認します。例えばどんなに駅の近くであっても、飲み屋街にあるため顧客やスタッフが利用するエレベーターに酔った客が溢れかえっていたり、男性向けサロンなのに1階テナントがランジェリーショップで入りづらいなど、失敗例としてあげられます。
また、本部の経営方針や創業者の思いなども確認し、信頼して一緒にビジネスができる本部かどうかも検討しましょう。加盟店としてオリジナリティを出しづらい形態ですが、唯一差別化できるのが「施術者のスキルや接客」です。施術をする際は自分も含め、スタッフのスキルとホスピタリティ向上が顧客獲得に有効となるでしょう。
さらに、流行や経済についてなどさまざまな観点で経営状況を見られるよう、たゆまぬ努力が必要です。フランチャイズ本部には他加盟店で培われたビジネスノウハウがあるので、本部を信頼して頼るのが成功への近道です。ただし何もかもを本部の言いなりになるのではなく、オーナーとして責任を持った考えと判断を持ち合わせておきましょう。
美容系の仕事は、顧客の人体に直接影響を与えることになります。あらゆるトラブルを見越して、同意書の作成や保険への加入を検討すると安心です。
下記記事ではフランチャイズの仕組みを解説しています。参考にしてください。
https://entrenet.jp/magazine/25755/
エステサロンをフランチャイズで開業するメリット
エステサロンをフランチャイズで開業するメリットは以下の通りです。
顧客にとっても費用負担が大きくなるビジネスなので、お店のブランドや看板に対する信頼が重要となります。フランチャイズであれば、すでに確立し世間に認知されたブランドを活用することで、顧客獲得が自力開業より容易になるでしょう。本部で蓄積された経営ノウハウやマニュアルを展開することで、失敗を避けつつサロン運営ができます。
また、本部によるスタッフ募集や多額の費用を使った集客施策の恩恵を受けられたり、本部からスタッフが派遣されたりすることも期待できます。
エステサロンをフランチャイズで開業するデメリット
エステサロンをフランチャイズで開業するデメリットは以下の通りです。
ブランドイメージをあまり受けたくない、独自の色を出したい人は代理店契約がおすすめな場合もあります。
まとめ
この記事ではエステサロン開業でおすすめのフランチャイズ、フランチャイズで開業する注意点やメリットやデメリットについてまとめました。エステサロンは成熟したマーケットですが、トレンドも様変わりしていることから、顧客ニーズを理解した戦略を打ち出すフランチャイズ選びがおすすめです。独立の夢や事業成功を叶えるためにも、各本部の方針やサービス内容を理解し自分に合った経営スタイルを見つけてみましょう。
<文/北川美智子>