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「安定」を軸に、夢の実現に挑戦する。プロゲーマー・sako夫妻の地に足のついた家族戦略

生ボイス

夫婦で開業。

旦那さん、あるいは奥さんがこれまでの仕事による経験を生かし、夫婦で独立・開業を目指すケースは少なくありません。

とはいえ、家族という守るべき人が存在する分、「安定した収入を得られるのかな…」という不安を、より強く感じてしまいますよね。

今回お話を伺ったのは、プロゲーマーのsakoさんと、奥さん兼マネージャーであるakikiさん。

sakoさんは無類のゲーム好きとして知られ、プロゲーマーでは最年長の40歳という年齢ながら、現在もなお世界各国を飛び回り第一線で活躍中。akikiさんはそんな旦那さんの活動をサポートしながら、母親として家事と育児に励み、家族も支えています。

プロゲーマーと聞くと、今では大会の賞金やスポンサー料、その他の配信やタレント活動によってかなりの収入があるイメージを持つ方が多いかもしれません。ですが、お2人はまだeスポーツが日本に根付いていない黎明期を歩みながらも、トッププレイヤーにまで駆け上がってきました。

そこにたどり着くまでに、夫婦としてどのような戦略を練り、良好な家庭を築いてきたのでしょうか。今回は、その真意に迫ります。

<プロフィール>
sakoさん
FAV gaming所属のプロ格闘ゲーマー幼少期から駄菓子屋にあるゲーム機で遊び、中学時代にはゲームセンターに通い詰め「対戦ゲーム」に熱中する。
2003年、東京開催の格闘ゲーム大会で準優勝して以降は、格闘ゲーマーとして活動。
24歳で香川県の合宿免許先でakikiさんと出会い、ゲーム好きという共通の趣味があったことをきっかけに、交際に発展。6年間の交際期間を経て、2009年に結婚。
翌年にはウメハラ、ときどに次いで日本で3人目となるプロゲーマー(兼業)となり、「ストリートファイターシリーズ」を中心に活躍。2013年には『スーパーストリートファイターIV 公式世界大会 Capcom Cup』で王者に輝く。
2017年には大阪から関東に活動の拠点を移し、専業プロゲーマーとして活躍している。

人生をゲームと一心同体で歩む男が、1人の女性と家庭を築くまで

ー現在はプロゲーマーとして活躍し、奥さんでありマネージャーでもあるakikiさんと共にご夫妻で活動されているsakoさん。そもそもゲームにハマるきっかけは何だったのでしょうか?

sakoさん
話は30年前にさかのぼりますが、当時は駄菓子屋にゲーム機が置いてあるのが当たり前の時代でした。小学1年生の時には自然とゲームをして遊んでいましたね。中学入学後からはゲームセンター(以下ゲーセン)に通うようになって、徐々に1人でプレーするよりも、対戦ゲームのコミュニティが好きになっていったんです。それからはもう、どっぷりとハマっていきました。

ーでは、その頃からゲームを仕事にしようという考えはあったのですか?

sakoさん
いえ、当時はまだプロゲーマーという職業はなかったので、想像したこともなかったです。勉強するのも好きではなかったし、ゲーセンに通う資金を稼ぐために早く働きたくて、大学には行かずにすぐ就職しました。仕事は17時終わりでしたので、仕事を終えて夜から近所のゲーセンで遊ぶという日々を送っていたんです。

そんなある日、突如としてゲーセンにめっちゃ強い“Kajiくん”というプレイヤーが現れまして。いくら挑んでも全然勝てないんですよ(笑)。

約1年かけてようやく勝てるようになったんですけど、気づいたら格闘ゲームに目覚めていたという。

ー格闘ゲームにハマったのは、そのKajiくんがきっかけだったんですね(笑)。

sakoさん
そうなんです。それから一緒に東京の大会に出場して2位になったりと、一気に「対戦格闘ゲーム」というジャンルにのめり込んでいきました。それは2003年頃で、21〜22歳の時ですね。

ー本格的に格闘ゲームにのめり込んだのが20歳を超えてからというのは意外でした。ところで、akikiさんとの出会いはいつ頃ですか?

sakoさん
僕が24歳の時です。場所は香川県の合宿免許先でした。当初は地元の関西で免許を取ろうと思っていたのですが、交通費や宿泊費含めて1番安かったのが香川だったので。
akikiさん
私は当時、神戸で働いていたのですが、地元が香川でしたので、ついでに実家に帰ろうと思って、その合宿先を選んだんです。そしてある時、合宿所にいる他のメンバーに実家でゲームをしていたことを話していたら、sakoが「え、どんなゲーム!?」ってすごい勢いで食いついてきて(笑)。それを機に仲良くなった感じですね。

ーそこからすぐにお付き合いを?

akikiさん
いえ、実際に付き合うことになったのは、合宿を終えてからです。お互い関西に帰ってからもゲームで一緒に遊ぶようになっていたので、そのあたりから付き合うようになりました。その後、私自身もゲームは好きだったので、プレイステーションは持っていましたし、ゲーセンにあるようなアーケードコントローラーもあったので、sakoが家に遊びに来たんです。

ゲームをしてすぐに帰ると思ったら、その日からずっと住み着かれて(笑)。本当に突然、同棲生活が始まりました。

ーちなみに、結婚はどのタイミングでされたのですか?

akikiさん
2009年、sakoが30歳を迎えた時ですね。実は同棲中、母が難病にかかってしまいまして。家族で介護をするために香川に戻らないといけなくなったんです。それでsakoに相談していたのですが、1つ心配事がありまして。

ーというと?

akikiさん
香川にはほとんどゲーセンがないんですよ。だから「ゲーセンないけど、本当に大丈夫…?」と真剣に聞きました。そんな状況で話すことではないかもしれませんが、彼にとっては死活問題ですので(笑)。

ー確かに(笑)。それで、sakoさんのお答えは?

sakoさん
もちろん「ついていく」と伝えました。もう僕の中では「ずっと一緒にいたい」という気持ちが強かったので。それから大阪での仕事は辞めて、香川でアルバイトをしながらakikiの実家の手伝いをさせてもらいました。

ただ、家からゲーセンまで車で片道1時間はかかりますし、ほとんどの確率で対戦相手がいなかったので、正直つらい時はありました。でもたまの週末に、関西に帰ってゲーム仲間と対戦できる時間を作ってもらえたので、彼女には感謝しています。

akikiさん
そうしないと、限界を超えそうだったので(笑)。でも手伝ってくれて本当に助かりました。しばらくして、母は亡くなってしまいましたが、ずっと同棲していたこともあり、sakoさんのご両親から「で、結婚はどうですか?」と聞かれまして(笑)。それでちゃんと結婚について考え始めた私たちは、香川で1年半生活した後、30歳で籍を入れる決断をしたわけです。

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安定した収入があることを前提に、夢を実現できる方法を探る。お互いが納得して前に進むために

※本記事は取材当時の情報を基にしており、団体名、サービス名、法令等が現在と異なる可能性があります。しかし、取材時の想いや状況を正確に伝えるため、内容をそのまま掲載しています。ご了承ください。

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アントレスタイルマガジン編集部

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