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税理士は食えない? 税理士として独立・開業するのに必要な準備

税理士は食えない? 税理士として独立・開業するのに必要な準備

「税理士=安定した高収入な仕事」なんてイメージは随分と昔の話。

最近では「士業で飯を食うのは大変」という認識が急速に広まっているようです。

果たしてその実態は? 今回は職業としての税理士について、その現状と課題、そして展望について考えてみます。

開業は簡単。難しいのは…

最初に確認したいのは“開業”についてです。

これは税理士に限らない話ですが、実は自営業者として開業するのは簡単です。

税務署に開業届を出せば、それで開業できます。(ここでは税理士試験や税理士会への登録については考えないこととします)

税理士のような士業では、特に目立った設備も不要であることから、多額な開業資金が必要なわけでもありません。

また、税理士専用の金融商品も用意されており、使い勝手も中々良いです。

税理士が開業する際の資金負担は、あまり高くないのが一般的です。

ただし、難しいのは“自営業を継続すること”です。

始めるのは簡単、継続は困難。どんな仕事でも同様です。

特に税理士は「事務所と看板を出せばすぐにお客様が来るような仕事」ではありません。

どうやって新規の顧問先を見つけるのか? そして顧問料の単価はどのようにすればあげられるのか? 新人でもベテランでも、税理士の多くがこの点で苦労をしています。

数十年前には、税理士として開業をすれば安泰だった時代もあるそうですが、そんな時代はいつのことやら。

税理士という資格のみで事業を継続するのは厳しい時代であることは事実です。

必要なのは“自分の得意分野を決めること”です。

飲食や理美容など一定の職種に詳しい、資金繰りの改善や経営計画策定に自信がある、資産税分野(相続税など)に特化している、など。

そういった自分の得意分野を定めることが出来た税理士は、現状でもそれなりの活躍をしている人が多いようです。

また、働き方改革の影響もあり、副業や複業が一般的になってきました。

つまり、税務の知識を必要とする人が増え続けている、ということです。

どのように関与していくのか工夫の余地はありますが、税理士はむしろこれから活躍できる、という考え方もあります。

年齢について考える

ここで、年齢について考えてみます。皆さんならどちらの税理士に仕事を頼みたいでしょうか?

***

(A)比較的規模の大きな事務所で勤務をしていた50代の男性。最近になって事務所を退職し独立開業。業界歴は長い。

(B)独立開業をして3年目の30代前半の男性。税理士試験合格後に間もなく開業。業界歴も受験時代を含めて10年には満たないくらい。

***

実はこの設問に正解はありません。強いて言うのであれば「正解は人によって異なる」です。

税理士という仕事でお客様に提供する商品は“知識”だけではなく、多分に“人間性”が問われる部分があります。

人によっては上記の(A)のような業界歴の長い年齢が高めの人を信頼するかもしれません。あるいは(B)のような若い世代に共感することもあるでしょう。

さらに言えば、本当に問題となるのは個性です。

若かろうが年をとっていようが、対応がハキハキしており、説明が上手であれば人は惹きつけられるでしょう。

その逆もまたしかりです。

その上で、仮に同じような能力や個性をもっている税理士が複数いた場合、どちらかというと若い人の方が有利になるケースが多いようです。

ごく自然な心理として「若い人に魅力を感じる」ということ。

それと税理士のように長期間の付き合いが想定される仕事の場合、若い人の方が安心してお付き合いができる、ということもあるのかもしれません。

最近では「若いうちから独立開業なんてリスクがあることはできない」という意見も多く、実際に若い税理士には独立開業ではなく勤務を選ぶ人が多いようです。

それもまた選択肢ではありますが…。

いずれ独立をするのであれば、ある程度の年齢のうちに開業をしてしまった方が良いかもしれません。

そして性別について。厳然たる事実としてですが、税理士は圧倒的に男性の方が多いです。

税理士関係の会合に行くと、その男性比率の高さには驚かされます。

とはいえ、女性でも活躍をされている方はいらっしゃいます。

男性でも女性でも、提供する仕事の品質が高く、そこに何かしらの個性が感じられるのであれば、自然とお客様は集まっているように思います。

トラブルを避けるためには?

お金に関する仕事ということで、トラブルに発展してしまうことはゼロではありません。

特に税理士の処理ミスにより、お客様に過大な税負担を発生させてしまったようなときには損害賠償の話が出てきてしまうこともあります。

当然、そのようなミスを起こさないためには継続的に勉強を続けることや、ケアレスミスが生じない業務態勢を構築する努力が必要です。

また、人間である以上完全であることはありえないので、税理士用の保険に加入することも推奨されています。

加えて、トラブルの多くは「言った、言わない」が原因となることが多いです。

税理士は業務処理簿の作成が義務付けられています。

そこに「この人に対してこのようなアドバイスを行い、結果としてこのように処理をした」といったことをしっかり記載することは、的確な業務遂行を支援するとともに、後々に自分を護ることにも繋がります。

また業務上のやりとりを記録したメモや文面はうかつに捨てず、体系的に検索できるようにしておくと良いでしょう。

まとめ

独立開業すれば、税理士も自営業者です。

開業は資金負担も少なく簡単ですが、維持継続は難しいです。

自分なりの得意分野をみつけ、個性を“売り”にしていくことが求められます。

年齢については一概に正解はありませんが、若い人の方が可能性を秘めているのは事実です。

トラブル防止のために継続的努力は必須で、保険加入や記録の徹底などお客様と自分の双方を護るためにやるべきことはいくつもあります。

今後、税理士として独立開業を検討している人の参考になれば幸いです。

PROFILE

税理士 高橋昌也

2006年税理士試験に合格し、翌年3月高橋昌也税理士事務所を開業。
その後、ファイナンシャルプランナー資格を取得し、商工会議所認定ビジネス法務エキスパートの称号取得などを経て、現在に至る。
[保有資格等]
AFP、税理士、商工会議所認定ビジネス法務エキスパート

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